2021年1月31日日曜日

とっておきの話38「あなたの心はセトモノ?」の裏話

Twitterに,とっておきの話38「あなたの心はセトモノ?」の原稿をアップしました。

とっておきの話38「あなたの心はセトモノ?」の原稿



セトモノと セトモノと

ぶつかりっこすると

すぐこわれちゃう

どっちか やわらかければ

だいじょうぶ

やわらかいこころを もちましょう

そういうわたしは

いつもセトモノ



相田みつをさんの詩は,素材として使えるものが多いです。

このセトモノの詩も,初めて読んだ時はすっと心に響いたものです。


とっておきの話として作る時,一番難しかったのは,

聞き手となる子どもにとって,セトモノが「かたく割れやすい」ものだとイメージできるかどうかでした。

そもそも,セトモノを知らない子どもがたくさんいます。




かたくて割れやすいものなら,ガラスを例に挙げてもいいかもしれません。

でも,それでは,この詩のセトモノがもつニュアンスと変わってしまいそうです。


なので,セトモノは変えずに,「心のやわらかさ」という分かりやすい視点を提示することにしました。


あなたは,どちらの心でいたいですか?と質問して,次の2択を提示します。


A かたく,われやすいこころ

B  やわらかく,われにくいこころ


Bの方が良さそうに見えますよね。

でもどうして良さそうなのか上手く説明できない。


そんな時,この詩を提示するのです。

すると,心がやわらかければ,いざぶつかりっこした時もこわれない。

心がやわらかい人は,やさしくなれる

そんなイメージをもてます。


その後,詩の最後の言葉を見せます。

そういうわたしは,いつもセトモノ。

つまり,相田みつをさんは,やわらかい心をもちたいのに,

なかなかもてないというメッセージを残しています。


意識するのは簡単ですが,

実際にやわらかい心をもって実践できるかはまた別次元。

意外と難しいものです。

これは僕も大きく共感した部分です。

自分ではやわらかい心でいるつもりでも,

ふと他人の愚痴を口にしていたり,

なんだかイライラしてしまったりする時があります。

やわらかく,割れにくい心でいたいものです。


このとっておきの話をした後,

子ども同士でけんかする場面があったとします。

その時,「どっちの心がやわらかくてわれにくいかな?」なんて

声かけをしてみるのも良いかもしれません。

意固地になっていた子が自分から謝るかもしれません。


心は見えないからこそ,今かたいのかやわらかいのか,

強く意識しないと見えてきません。

教師自身も,やわらかい心をもって子どもたちとぶつかりっこしたいですね。


興味のある方は,ACジャパンのCMにてこの詩が取り上げられたことがあるので,

以下のリンクから動画をご覧ください。

セトモノ/ACジャパンのCM映像



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月30日土曜日

とっておきの話37「裏方努力」の裏話

Twitterに,とっておきの話37「裏方努力」の原稿をアップしました。

とっておきの話37「裏方努力」の原稿



クイズ番組,みなさんは好きですか?


回答者の緊張感が伝わってくると,こちらもハラハラした気持ちになります。

そんなクイズ番組の裏方で,実は努力をしていた人がいます


クイズの問題文を読むアナウンサーの方です。


緊張した雰囲気のクイズ番組の最中,問題文を読む時に噛んでしまったら台無しです。

そうならないように,アナウンサーの方は1つの問題文につき30回以上も読む練習をしてから本番に臨むそうです。



クイズ番組で努力しているのは回答者だけでなく,

こうした裏方の仕事の人たちも努力しているのだと気づかされました。


もちろん,クイズ番組の裏方は,アナウンサーだけではありません

カメラマンも努力しているでしょうし,

セットを作る大道具さんも努力しているでしょう。

中には,早押しボタンがちゃんと動作するか調べる努力をしている人もいるかもしれません。(これは僕の勝手な想像ですが・・・)


では,学校ではどうでしょう?

クイズ番組以上に,いろんな人が裏方で努力しているはずです。


友達

先生

保護者

地域の人

ボランティアさん

高学年のお兄さん・お姉さん

公務手さん

事務さん


それぞれ裏方でどんな努力をしているのか,探ってみるのも面白いですよね。


このとっておきの話をする際は,合言葉を作りたくて

裏方努力(うらかたどりょく)

と勝手な四字熟語を作って提示してみました。


【裏方】の意味については,子どもがわかるように補足説明する必要があります。

ただ,四字熟語にすることで,語呂は良くなります。

語呂の良さは合言葉につながる要素の1つです。




話は逸れますが,学校の先生って裏方努力の連続ですよね

子どもたちのために,裏方でどれだけ努力しているか。。。

同業者の方にはこの苦労がわかると思います。笑



みなさんの周りには,裏方努力をしている方はいらっしゃいますか?

日の当たらない場所にも,咲いている花はあるものです。

探してみると,必ずいらっしゃるはずです。




ちなみに素材元を見ると,2016年11月放送のテレビ番組ですね。

ここから4年以上が経ったのですね。。。

時の流れは早いものです。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話36「知らないって幸せ」の裏話

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とっておきの話36「知らないって幸せ」の原稿



無知と言えば,ソクラテスの無知の知が有名ですよね。

今回の素材は,『無知とは最強の武器である』というタイトルの詩です。

どんな哲学者か,はたまたどんな詩人が書いたのか。

実は・・・


10歳の男の子が作った詩なのです。


こんな詩です。


知らないことがたくさんある

地球上にあるいろんなことなんて,

無限すぎて,

だからぼくは無知である。


無知である。

無知であるから何かを発見できる。

無知だから他人と協力してそれぞれが活きる。

無知とは最強の武器である。


無知ということ。

それは知るということそのもの。

何かを見つけることそのもの。


知らない。

それは幸福である。


素敵な詩ですよね。

【無限すぎて】という表現が10歳の男の子らしいと言えばらしいですよね。

無知=知らない は,なぜ最強の武器なのか。


それは,発見と協力がそこから生まれるから。

知るということ,見つけることそのものであり,幸福につながるから。


深い捉え方です。

「無知=知らない」という言葉をネガティブに捉えるのではなく,

知らないからこそ,そこから新たなものを生み出す喜びがあり,幸せにつながるのだという

ポジティブな捉え方をしています。



この詩に出合った頃,僕はもちろん作者の男の子よりも年上でした。

10歳の男の子からとっておきの話の素材をもらえるなんて思ってもみませんでした。

こちらが素材元の本です。




そう思うと,歳を取るのは悪いことでもないかもしれませんね。

なぜなら,歳を取れば取るほど,尊敬できる年下が増えていくからです。

年下から学べることってたくさんあります

むしろ,年下だからこその柔軟な発想に,尊敬の念を抱き続けたいものです。



学校現場は,子どもにとっても教師にとっても知らないことの連続です。

「無知=知らない」をテーマにしたとっておきの話があってもいいですよね。

特に,知らないことがダメなことだと思っている子がいるクラスには,

こうした話を実践されるのが良いかと思います。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月29日金曜日

とっておきの話35「大変は,大きく変わる。」の裏話

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とっておきの話35「大変は,大きく変わる。」の原稿



突然ですが・・・

漢字っておもしろいですよね。


何気なく見ているだけでは気づきませんが,

漢字の形を見たり,

1つ1つの漢字の意味を調べたり,

漢字ができた由来を知ったり,

そんなちょっとしたきっかけで見え方が変わるのがおもしろいのです。


今回の素材,「大変」という漢字熟語。

ただ見ただけでは,「たいへん」と読む漢字だね,で終わります。

でも,1つ1つの漢字の意味を考えると・・・

「大」➡「大きく」

「変」➡「変わる」

「大変」は,「大きく変わる」と書くのだと気づきます。


「大変」を「たいへん」と読むだけでは,

なんだかマイナスイメージで終わります。


「大変そうだね。」

「大変なことが起きている。」

「大変で疲れた。」


これでは,「大変だけどがんばろう」と言っても響きません。


一方,「大変」を「大きく変わる」と読むと,

プラスイメージに転換するのです。


「大変そうなのは,君が大きく変わっている証拠だね。」

「大変なことが起きている?乗り越えたら大きな変化が期待できそうだね。」

「大変で疲れたけど,今日も大きく変われたなぁ。」


これなら,「大変だけどがんばれそう」な気持ちになります。



学校に通う子どもたちにも,大変だと思うことはたくさんあります。

まずはその大変エピソードを引き出し,共感します。

その上で,「大変は,大きく変わる。」のだと紹介します。


「大変」があるなら,「中変」「小変」があってもいいですよね。

自分が「大変」だと思っていることは,乗り越えた後では案外「中変」や「小変」になるものです。

それは,「大変」なことを乗り越えて自分が「大きく変わった」からだと思います。

こうした内容を組み込みながら,とっておきの話として組み立ててみました。




さて,今回の素材は,先輩の先生の学級通信から発見しました。

先生の仕事の1つに,週番というものがあり,決められた棟や階の教室を見て回り,施錠を確認する仕事です。

僕はよく,週番のついでに同僚や先輩の教室掲示を盗み見します。



一番盗み見しているのは,学級通信です。

自分以外の学級の様子がよく分かるし,その先生の考え方が垣間見えるから面白いです。

学級通信に書かれたさりげない文章の中にも,素材が隠れていることがあるのです。




気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月28日木曜日

とっておきの話34「「あきらめる」は後から身につけた力」の裏話

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とっておきの話34「「あきらめる」は後から身につけた力」の原稿



人は,あきらめないことを礼賛します。

それは逆に,あきらめる力をもっているからこそ,

あきらめないことが美しく見えるものです。


あきらめる力も必要だという話は今回置いておいて・・・

あきらめない力を聞き手にもってほしいという願いのもとなら,

今回の話はオススメです。



さて,この「あきらめる」という力。

人はいつから身につけているでしょう?


実は先天的なものではなく,後天的なものだと言われています。

その根拠として,赤ちゃんの例を挙げています。



赤ちゃんは,あきらめない。



この真実は,実際にパパとなってより実感しました。

1児の息子は,まだ赤ちゃんの時期です。


おなかがすいてミルクがほしい時の泣き声 以外にも,

ずりばいをするようになり,いろんな物を触りに行く姿や,

何度も寝返りやお座りを試みる姿,

布団やマットを乗り越えて進む姿など,

大人の自分が赤ちゃんサイズに縮んだらあきらめてしまいそうなことも,あきらめずにチャレンジしています。


「あきらめる」という言葉は,誰しも生まれた時にはもっていないようです。

私たちは,いつからこんなにあきらめてしまうようになったのでしょうか。。。


あきらめることも必要な時はあります。

でも,ここぞという時はあきらめずにチャレンジしよう。

だって,みんな生まれた時は,絶対にあきらめていなかったのですから。

そんな話です。


それにしても,このとっておきの話を作っていた頃の自分は・・・

若かったなぁ

と思います。


この原稿はツッコミどころがたくさんありますね。


まず,赤ちゃんの捉え方が浅いです。

赤ちゃんが泣く時は,だれかにしてほしいことがある時・・・だけではありません。

また,あきらめない例として,おなかがすいてミルクがほしい時にあきらめず泣き続けることを挙げていますが,そんな例示しか思いついていないのが若さですよね。笑

今のパパになった後の自分が作り直すなら,寝返りやお座り,ずりばいやハイハイ,つかまり立ちなどの仕草から選択して例示をすると思います。


次に,「あきらめてはいけない場面」と「あきらめていい場面」の区別を具体的に示していない点が気になります。

【もちろん,時にはあきらめることも必要な時はあります。】

と言いながら,それはいつなのか,何も触れていません。

【でも,あきらめてはいけない時は,チャレンジする心を大切に】

と言いながら,それはいつなのか,具体的に話していません。

今の自分だったら,この区別を具体的に子どもと一緒に考えたら面白そうだなぁと考えます。


そして,原稿の最後に取って付けたような『スラムダンク』のあの名セリフ。


これは余分ですね。安西先生に申し訳ないです。笑

もしこの1コマを素材として使うなら,別の話で作り直したいところです。

素材にきちんと手を加えないで話に組み込んでしまうのはNGです。




このように,とっておきの話づくりは,時を経てから見返すと,

作り直してみたくなるものです

自分の経験や知識の量が増えていくほど,考え方も変化していきます。

それにより,素材の扱い方も変わるものです。




なんだか懐かしい気持ちになった裏話でした。

気になった方はぜひ,みなさんのアレンジで実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月27日水曜日

とっておきの話33「群れと仲間のちがい」の裏話

Twitterに,とっておきの話33「群れと仲間のちがい」の原稿をアップしました。

とっておきの話33「群れと仲間のちがい」の原稿



群れと仲間のちがい,みなさんは説明できますか?


群れと仲間がちがうことは理解していても,

何がどうちがうかを説明するのは意外と難しいのかもしれません。

僕もそうでした。


そんな時,僕は2つの画像に出合ったのです。


1つ目は,こちら。




「群れ」をイメージさせるのにぴったりな画像だと思いました。

漢字の中に「羊」が入っている上に,「群れ」をイメージさせる次の3つのポイントを押さえた画像であると言えます。


① ただ集まっている。

② 同じように集まっている。

③ 決められた場所に集まっている。



2つ目は,あの有名な漫画・アニメ『ワンピース』の画像。




各キャラクターの配置が絶妙な画像を見つけたので,吹き出しに役割を書いて補足して素材を仕上げました。

「仲間」をイメージさせるのにぴったりな画像だと思いました。

『ワンピース』のストーリー自体,仲間の絆がテーマの1つになっている上に,

「仲間」をイメージさせる次の3つのポイントを押さえた画像であると言えます。


① それぞれが役割を果たして仲間を支えている。

② 仲間に支えられている。

③ 一人一人の良さが光る。


この2つの素材を組み合わせることで,

余計な説明はいらないと判断しました。

その代わり,視覚的情報を前面に話を組み立てた方が

「群れと仲間のちがい」を印象付けられると考えました。


年度初め,学級がスタートしたばかりの時期は,

学級集団は「群れ」寄りの集団です。

それを「仲間」寄りの集団へ成長できるかどうか。

これは子どもたちと共に担任の力量が問われる視点でもあります。


今,僕らは「群れ」から「仲間」に成長しているだろうか。

集団の実態をふりかえる際,大事な視点となります。

こうした視点を,とっておきの話を通してもってもらう。

そんな試みをしたい方は,ぜひ実践してみてください。


それにしても,『ワンピース』の登場人物たちは見事に

「みんなちがって みんないい」

を体現しています。

本当に一人一人の良さが光っています。

『ワンピース』を知らない方はほとんどいないと思いますが,

改めて「仲間」という角度から見返してみると,

主人公の仲間を大切にする姿勢に胸をうたれます。

僕はあのシーンでも,このシーンでも・・・感動して泣きました。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月26日火曜日

とっておきの話32「プラスワン」の裏話

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とっておきの話32「プラスワン」の原稿


プラスワン

この言葉の秀逸なところはいくつかあります。


まず,言葉が短く,端的です。

それにより,合言葉になりやすい効果が期待できます。

さらに言えば,「+1」とさらに短く縮められる言葉なのです。


そして,カタカナ英語の言葉。

プラス=plus=+

ワン=one=1

思い浮かべやすい英語を組み合わせた言葉により,

子どもの中で「カッコイイ言葉!」という気持ちが芽生えます。


極めつけは,応用できる場面の多さです。

あいさつにプラスワン,できます。

ドリル学習にプラスワン,できます。

そうじ当番にプラスワン,できます。

係活動にプラスワン,できます。

計算問題にプラスワン,できます。

ありとあらゆる場面にプラスワン,できるのです。

つまり,例示のしやすい言葉という良さがあります。


こうした良いところだらけの言葉,プラスワン。

良い素材の言葉なだけあって,とっておきの話づくりにもバリエーションが出そうです。

プラスワンという言葉を素材としてどのように料理するか。

それは作り手次第です。

ある意味,話し手の個性が出やすいとっておきの話と言えます。


一方で,「プラスワン」は意味のわかりやすい言葉なのです。

いつも日記を10行書いていた子に「プラスワンしてみよう」と言えば,

10行に+1だから,11行書いてみよう。

と目指す姿をすぐイメージできます。

つまり,とっておきの話をした後も,日常の至る所で合言葉となり,

子どもにも教師にもわかりやすい基準となります。


たった1つ足すという行為でも,積み重ねれば成長に差が出る

それをわかりやすく表現した図をオリジナルで作成してみました。


プラスワンを積み重ねている人の方が,

いつも何もプラスしないで,たまにプラス100する人よりも真実味がありますよね。

成長している人というのは,無意識の中で至る所でプラスワンをしているのでしょうね。


僕の場合は,あいさつを例示しながら,プラスワンにフォーカスしています。

最近思うのは,成長すればするほど,プラスワンの大きさが変わる気がします。

それは,プラスワンの1(ワン)の質が高くなるということなのか,

プラスワン以上のプラス(+2や+10や+100)ができるということなのか・・・

上手く説明できません。。。


それだけこのプラスワンという言葉は,深いですよね。

読者のみなさんは,どう解釈されましたか?


みなさんそれぞれの解釈で,「プラスワン」を料理して実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



2021年1月25日月曜日

とっておきの話31「努力は成功を約束していないが成長は約束している」の裏話

Twitterに,とっておきの話31「努力は成功を約束していないが成長は約束している」の原稿をアップしました。

とっておきの話31「努力は成功を約束していないが成長は約束している」の原稿



努力はむくわれる



この言葉は本当でしょうか?


むくわれると信じている人もいれば,

むくわれるとは限らないと言う人もいるでしょう。


僕はこの「努力はむくわれる」という言葉がどうもしっくりきません。

なんだか,努力さえすればそれまでの苦労は何だって報われるんだという意味に聞こえてしまうのです。

人間は報われるために努力するのでしょうか?

そもそも努力って,報われるのを待っている苦労のためにしているのでしょうか?

ここら辺がしっくりこないのです。



一方で,素材となった言葉にはしっくりくるものがありました。

前半の

努力は成功を約束していない

がまずしっくりきます。

努力したからと言って,成功を約束している訳ではありませんよね。

成功が約束されているなら,誰だって努力します。

成功を約束されていないからこそ,不安になって,努力することが難しくなるものです。

この前半の言葉を,

が,

でつないで,後半の

成長は約束している。

に続きます。こちらもしっくりきます。

正しい努力をすれば,人はその分だけ成長していきます。

学校という世界は,まさに努力が成長を約束している世界と言えます。


全てつなげてみると,


努力は成を約束していないが,

は約束している。


となります。

成功と成長で漢字1文字「成」一致していて1文字違いなのもユニークです。



子どもたちは,手が届きやすいわかりやすいものを欲しがります。

試合で育むチームワークより,試合の勝敗を気にします。

地道なテスト勉強より,テストの点数を気にします。


同じように,長期的な視点でみる「成長」よりも,

短期的に手に入れたい「成功」に目がいきがちです。

なので,努力は成功に結び付くと信じている子もいます。

このとっておきの話は,そんな短期的な視点に立っている子を長期的な視点へと導く役割も果たします。



この言葉は,大学院時代の同級生から聞いた話です。

余談ですが,その同級生は,僕の苦手なタイプの人間でした。

なぜなら・・・

努力しない人間だったからです。笑


努力とは無縁の男でしたが,そんな男が

「努力は成功を約束していないが,成長は約束している。」

なんて言葉を教えてくれたのですから。。。


素材元はともかく,言葉に罪はありません。

良い言葉は誰が発しても良い言葉です。笑



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月23日土曜日

とっておきの話30「選ぶ助けとなる言葉」の裏話

Twitterに,とっておきの話30「選ぶ助けとなる言葉」の原稿をアップしました。

とっておきの話30「選ぶ助けとなる言葉」の原稿



人生は,選ぶことの積み重ねです。


何がしたいのかを選び

何がほしいのかを選び

誰とつながりたいのかを選び

自分で選べることって 意外とあります。


学校現場の視点から考えると,

小学生の子どもたちだって,いつも何かを選んでいると言えます。


今日の休み時間は,鬼ごっこにしようか,ドッジボールにしようか,選んでいます。

授業で勇気を出して発言しようか,恥ずかしいからやめておこうか,選んでいます。

けんかをした後,すぐに謝ろうか,意地を張って謝らないか,選んでいます。

ごみを見つけた時,拾うか拾わないか,選んでいます。


職業を選ぶ

パートナーを選ぶ

といった大きい選択もあれば,

何して遊ぼうか

何を食べようか

といった小さな選択もあります。


道徳的な心の選択も,毎日のようにあります。

そんな時,人は何を基準にしているでしょう?

きっと誰しも,何かを基準にして選択していて,それが自分の価値観を形成しているのだと思います。


このとっておきの話では,聞き手が新しく選択の基準をもてるような

選ぶ助けとなる言葉

を2つ紹介しています。


① どちらが正しいかで選ぶのではなく,どちらが楽しいかで選びなさい
(漫画『宇宙兄弟』の1コマより)


② できるかできないかで選ぶのではなく,やりたいかやりたくないかで選びなさい
(植松努さんの本より)


選んでよかった

と思う機会が増えていくといいですね。



素材に,漫画『宇宙兄弟』の1コマを使っています。



漫画やアニメで見かけるちょっとしたセリフが,とっておきの話の素材になることもあります。

無理に道徳的なジャンルを選んで探さなくても,意外とそんなセリフにふと出合えるものです。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


とっておきの話29「「どうせ」と「どうせなら」」の裏話

Twitterに,とっておきの話29「「どうせ」と「どうせなら」」の原稿をアップしました。

とっておきの話29「「どうせ」と「どうせなら」」の原稿


どうせ僕はできないから

どうせ私は失敗ばかり


そんな「どうせ無理」を,この世からなくしたいと言った人がいます。

日本で宇宙へとばすロケット開発をしている植松努さんです。



子どもたちの中にも,「どうせ」が口癖になっている子がいるかもしれません。

そんな時,少し言葉を付け加えるだけで,ステキな言葉になるのです。


「どうせ」に「なら」を付け加えてみましょう。

「どうせなら」となります。



どうせならできないかもしれないけどやってみよう

どうせなら失敗したっていいから挑戦してみよう


「どうせ」から「どうせなら」に変えると,

前向きな気持ちになれそうです。



こうしたちょっとした言葉遊びは,子どもにとって心にすっと入ってくる時があります。

「どうせ」が口癖だった子が,

「どうせなら」を合言葉にがんばるようになります。


きっと,「どうせ」と「どうせなら」以外にも,

こうした「似ているけど意味は反対」の言葉の組み合わせはあると思います。

探してみると,思わぬところに素材が転がっているかもしれませんね。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月22日金曜日

とっておきの話28「毎日席替えするクラス 席替えしないクラス」の裏話

Twitterに,とっておきの話28「毎日席替えするクラス 席替えしないクラス」の原稿をアップしました。

とっておきの話28「毎日席替えするクラス 席替えしないクラス」の原稿


素材となった話は・・・実話です。

僕が教育実習生をしていた頃の体験談を素材として使わせていただきました。

自分の体験談が素材になってもいいのです。

なぜなら,その素材はあなたしか手に入れることのできなかった素材なのですから。


教育大学の教育学部に所属していた学生時代。

教員免許のために,小学校での教育実習に1回,中学校での教育実習に1回行きました。

さらに,教職大学院に進学し,教育実習の回数はどんどん増えていきました。

教師になる前に,様々な学校現場を見ることができたのです。

この経験は今思うと貴重だったなぁと思います。


そんな中,当時の僕は「席替えの仕方」に興味をもっていました。

幸運なことに,ちょうど両極端な席替え方法をしているクラスに出会えました。


あるクラスは,席替えを毎日していました。

あるクラスは,一度も席替えをしませんでした。



本当に両極端ですよね。普通は,1か月~3か月に1回程度は席替えしているものです。

毎日しているなんて・・・

一度もしていないなんて・・・

どちらの席替えの仕方も,当時の僕はすごく驚きました。


でも,本当に心の底から驚いたのは,この後の質問の答え。

毎日席替えしているクラスの子どもに,

「こんな席替えの仕方,嫌じゃない?」

と聞いてみました。

すると,「嫌じゃない」と返事しました。

「どうして?」とその子に聞いてみると,

「どんな席でも,居心地の良いクラスだから」

と答えたのです。

さらに,別の日,一度も席替えをしないクラスの子どもに,

「こんな席替えの仕方,嫌じゃない?」

と同じ質問をしてみました。

するとやっぱり,「嫌じゃない」と答え,理由を聞いてみると・・・

「どんな席でも,居心地の良いクラスだから」

と答えたのです。

学校も学年もクラスも違うのに,同じ質問に同じ答えが返ってきたのです。


僕はこの子たちに教えてもらいました。

席替えの仕方が大事なのではなく,

どんな席替えの仕方だろうと文句の出ない居心地の良いクラスづくりが大事なのだ,と。


僕がこれだけ感動した思い出なので,子どもたちにも熱い気持ちをもって話せます。

とっておきの話を披露する際,話し手が熱く話せる内容なのかが重要です。

あなたが熱い気持ちで話せば,その気持ちが伝わる子が必ずいます。

熱く話すために,オススメな素材の1つ。それが自分の体験談なのです。


気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



2021年1月21日木曜日

とっておきの話27「実は,ありがとうって・・・」の裏話

 Twitterに,とっておきの話27「実は,ありがとうって・・・」の原稿をアップしました。

とっておきの話27「実は,ありがとうって・・・」の原稿


「ありがとう」に関連した話は,探してみると本当に多いです。


今回の話は,自分が「そうなんだ!」と新しい発見となった素材を2つ組み合わせて作りました。


1つ目。

実はありがとうって・・・


日本語で一番美しい言葉なのだそうです。


外国人にしたとあるアンケート結果を見ると,日本語で美しいと感じた言葉ランキングで「ありがとう」が一位に選ばれたそうです。


2つ目。

実は,ありがとうって・・・


人にしか言えないそうです。


チンパンジーやゴリラでもできないこと,それは「感謝する」という行動だそうです。

感謝できるのは動物の中で人間だけ,ということです。




それぞれの導入で使った

「実は,ありがとうって・・・」(しばらく間をおく)

という言い方と間のおき方。

これも子どもの興味を惹きつけるテクニックの1つです。

シンプルで わかりやすくて おもしろそう

そんな言葉を混ぜながら話すと,小さな素材でもとっておきの話に聞こえるのです。



今回のとっておきの話は,今まで紹介してきたものとは少しテイストが違う感じがしますよね。

なぜなら,魅力的な素材1つを元にとっておきの話づくりをするイメージとは違う構成だからです。


例えば,とっておきの話づくりをする際,

素材として,それ単体では扱いづらいけど,別の素材と組み合わせれば魅力的になるというものは多々あります。


素材は,無理に1つに限定しなくてもいいのです。

小さな素材でも,他の小さな素材との組み合わせ次第で,十分とっておきの話はできるのです。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年1月20日水曜日

とっておきの話26「GをCに変える」の裏話

Twitterに,とっておきの話26「GをCに変える」の原稿をアップしました。

とっておきの話26「GをCに変える」の原稿


GとC

英語のクイズです。


ある英単語のGを,Cに変えるだけで,別の英単語になります。

ある英単語とは,なんでしょう?


・・・正解は,CHANGE(チェンジ)です。

GをCに変えると,

CHANCE(チャンス)となります。



たった一文字,GをCに変えただけです。

チェンジとチャンスは何かしらの関係があるような気がしますよね。



この話は,小説の本を読んでいたら目に入ってきた素材が元になっています。

そこから,とっておきの話として作る際に,


変わらない,変わりたくない ものを

変える(チェンジ)勇気をもつことで,

自分が成長するチャンスとなる


というメッセージを込めて作ろうと考えました。



変わりたくないものもあることに共感しておき,

変えることにも勇気がいると寄り添う

その上で,「GをCに変える勇気」というキーワードを出し

チェンジをチャンスにしてみたくなるようにします。

さらに,チャンスというのは,

自分が成長するチャンス

位置付けることで,ゴールがはっきりとしたとっておきの話になります。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月19日火曜日

とっておきの話25「プラス言葉とマイナス言葉」の裏話

Twitterに,とっておきの話25「プラス言葉とマイナス言葉」の原稿をアップしました。

とっておきの話25「プラス言葉とマイナス言葉」の原稿


人が使う言葉には,プラス言葉マイナス言葉の2種類があります。


プラス言葉とは,相手を喜ばしたり,励ましたりする言葉という意味です。

マイナス言葉とは,相手を傷つけたり,悲しませたりする言葉という意味です。


読者のみなさんは,普段どちらの言葉を使っていることが多いでしょうか?

今,マイナス言葉ばかり使ってしまっているかも。。。

なんて意識できる人になりたいものです。


このプラス言葉とマイナス言葉の話は,「〇〇言葉」というネーミングに多少の差はあれど,様々なところで聞く有名な話です。

ソーシャルスキルトレーニングにもよく含まれる項目ですよね。



さて,ここから先は嘘か真か定かではありませんが面白い話。


2つの同じ花のうち,片方の花にはプラス言葉,もう片方の花にはマイナス言葉をかけ続けたところ,マイナス言葉を毎日かけ続けられた花は枯れてしまったそうです。



似たような実験で,コップに入れた水の話もあります。


プラス言葉をかけ続けた水とマイナス言葉をかけ続けた水

どちらがきれいな水なのかは明確です。

本当にこんなに差が出るのか,科学的な証拠があるのかはわかりません。

でも,人間は水分の多い生命体であることを考えると,

体の中の水が言葉に反応していると考えてもいいのかもしれません。


人は,自分が使っている言葉通りの人になっていく


子どもたちの言葉遣いや言葉の内容に気になる点があったら,
ぜひこのとっておきの話を実践してみてください。

マイナス言葉が少しでもプラス言葉に変わるはずです。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。





2021年1月18日月曜日

とっておきの話24「有り難いと無難」の裏話

Twitterに,とっておきの話24「有り難いと無難」の原稿をアップしました。

とっておきの話24「有り難いと無難」の原稿



ありがとう

という言葉は誰しも知っていますが,

有難う

と漢字で書く言葉だというのは,知らない人も多いのではないでしょうか。


難が有る

と書いて有難うです。

本来の意味は,有るのが難い(あることがむずかしい)という意味なのですが,

難=困難 として捉えると,

「困難の有る人生を送ってきた人は感謝できる」なんて言う人もいます。




でも,あながち間違いではないような気がします。

ありがとう を口癖にしている人って,

何かしらの困難を乗り越えてきた人なことが多いです。

少なくとも僕の周りの人はそうでした。


さらに,「有難う=困難が有ると感謝できる」のイメージを強くする言葉として,

無難

があります。

漢字としても,難が有る有難うと反対の意味のように見えますよね。

無難とは,つまらないという意味です。

「困難は無いけどつまらない人生を送る人は感謝できない」

と,言えてしまいます。本当かどうかはわかりませんけどね。


つまり,困難が有っても,それをありがたい(有難い)人生だと思える人は,

他人にも感謝ができ,ありがとうが溢れる人になれるということです。

すると,困難が有っても,助けてくれる人が現れ,より一層ありがたい人生になります。

ますます感謝するようになり,ありがとうが口癖になります。

良い循環ですよね。


この話を聞くと,「困難」に対する心持ちが変わってきます。

「困難」が「有り難う=ありがとう」につながるということに発見があります。



僕の作るとっておきの話には,この話の他にも,「ありがとう」を題材にした話がいくつか登場します。

個人的に好きなのでしょうね。「ありがとう」という言葉が。

とっておきの話は,作り手の趣味嗜好や個性が出るのかもしれません。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話23「人間の心のレベル」の裏話

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とっておきの話23「人間の心のレベル」の原稿


みなさんは,不幸はどんな時にやってくると思いますか?


答えは・・・


人間の心のレベルが上がるとき です。



この話では,人間の心には9つのレベルがあると紹介しています。


レベル1:みんながうれしい、楽しいと思うことを喜ぶことができる

レベル2:みんながうれしい、楽しいと思うことに幸せを感じる

レベル3:みんながうれしい、楽しいと思うことに感謝ができる

レベル4:みんなが当たり前だと思うことを喜ぶことができる

レベル5:みんなが当たり前だと思うことに幸せを感じる

レベル6:みんなが当たり前だと思うことに感謝ができる

レベル7:みんなが不幸と思うことを喜ぶことができる

レベル8:みんなが不幸と思うことに幸せを感じる

レベル9:みんなが不幸と思うことに感謝ができる


自分がどのレベルなのか,子どもたちと一緒に考えてもいいですよね。

不幸だなぁ

ついてないなぁ

なんて思うことは誰しもあります。


でもそれは,マイナスな思考という訳ではなくて,

今,自分の心のレベルが上がろうとしているんだな

という心持ちで受け止められたら,プラスの思考になりますよね。


レベル9まであると難しすぎる場合は,もう少し大きくレベル分けをして提示してもいいかもしれません。


気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年1月17日日曜日

とっておきの話22「オオスズメバチに勝ったニホンミツバチたち」の裏話

Twitterに,とっておきの話22「オオスズメバチに勝ったニホンミツバチたち」の原稿をアップしました。

とっておきの話22「オオスズメバチに勝ったニホンミツバチたち」の原稿



オオスズメバチと


ニホンミツバチ


写真を見れば,どちらが強くて勝ちそうか,わかりますよね?

ニホンミツバチがオオスズメバチに勝つなんてできるのか・・・

できるのです。このように,仲間たちと力を合わせれば!



写真のインパクトが強いので,余計な説明はいりません。

とっておきの話として作る時は,

一人でできないことも,みんなでならできる

という合言葉を加えました。

「写真+合言葉」は,子どもの頭に記憶として残す手法の1つです。

普段の生活の中で,

「みんなとならできるよ!」

「ニホンミツバチもオオスズメバチに勝てたもんね!」

といったセリフが子どもから出てくるようになります。


みんなで力を合わせよう! とそのまま言っても,子どもは動きません。

力を合わせるとはどういうことなのかという視覚的な訴え

そして,力を合わせるトリガーとなる合言葉の設定

この2つが合わさることで,力を合わせる大切さが初めて意識されるようになるのです。



気になった方はぜひ,実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


とっておきの話21「1+1=3より大きい」の裏話

 Twitterに,とっておきの話21「1+1=3より大きい」の原稿をアップしました。

とっておきの話21「1+1=3より大きい」の原稿


1+1=2ですよね。これは算数の世界での話。

一方,道徳の世界では,こういう考え方もできます。


1+1=1より小さい

1+1=3より大きい


それぞれどういう意味でしょう?


「1+1=1より小さい」というのは,2人の人がいても協力できなくてケンカばかりでは,2人分はおろか1人の力さえ発揮できなくなってしまうという意味です。


「1+1=3より大きい」というのは,2人の人が仲良く力を合わせると,2人分よりも大きな力になるという意味です。


30人学級のクラスが力を合わせれば,100人分の力だって発揮できそうです。



希望がもてる話ですよね。

そして,数字で喩えると,子どもたちにわかりやすく伝わる効果があります。



教育書を読んでいると,こうした話し方のテクニックが優れている先生に出会います。

様々な先生のテクニックを真似しながら,自分なりの話し方で実践されるのが良いでしょう

。気になった方はぜひ,実践してみてください。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月16日土曜日

とっておきの話20「気持ちをカタチに」の裏話

 Twitterに,とっておきの話20「気持ちをカタチに」の原稿をアップしました。

とっておきの話20「気持ちをカタチに」の原稿


ACジャパンの広告で見つけた

気もちをカタチに

という言葉。

意味がわかれば,子どもたちの中でも合言葉になりそうですよね。



子どもが自分事としてこの言葉を受け止めるためには,

子どもにとって身近な「気持ちをカタチに」している姿を写真で見せる

という手法があります。

トイレのスリッパを整頓している姿

本棚を整頓している姿

困っている友達を助けている姿など・・・

そうすることで,自分でも「気持ちをカタチに」できそうと思ってくれます。


「こころ」はだれにも見えないけれど

「こころづかい」は見える

「思い」は見えないけれど

「思いやり」はだれにでも見える


これらの言葉もいい言葉たちですが,子どもが理解するのには難しい気がします。

せっかくの広告ポスターなので,部分的に隠しながら見せるのもありです。

写真には,女子高生の1人がすっと前に出て,赤ちゃんを抱いたお母さんに傘をさしてあげている姿が映っています。

この光景も良い素材となりそうです。

こうした広告ポスターを素材とする時,


① 何を見せて

② 何を見せないか

③ 見せる時,どんな言葉を投げかけるのか


この3つが大切になります。


今回紹介した原稿では,「気持ちをカタチに」という合言葉のみに焦点を当て,その意味が伝わるよう,身近な写真を組み合わせてとっておきの話づくりをしています。

一方,違う切り口からとっておきの話づくりをしてもいい素材でもあります。

こういうところが,とっておきの話づくりの面白いところで,

料理と似ています。

素材をどう料理するかは,料理人の腕によって全く違うものになります。

これは,授業づくりでも同じことですよね。


ACジャパンのCMや広告は,道徳的に良い素材となるものが多いです。

気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月15日金曜日

とっておきの話19「串団子になろうよ」の裏話

Twitterに,とっておきの話19「串団子になろうよ」の原稿をアップしました。

とっておきの話19「串団子になろうよ」の原稿


教育書を読み漁っていると,先生によって様々な学級の姿があると同時に,

学級をどんなもので喩えているか

も人それぞれで面白いなぁと思います。


このとっておきの話は,ある教育書から素材を得て作ったものです。

この先生は,学級を「串団子」に喩えていました。



四字熟語で「一致団結」という言葉がありますよね。

「一致」は,何か1つのことでみんなで向かうこと。

「団結」は,団子のようにみんなが結ばれていること。

ここから,「串団子」の喩えにつながるのですね。


さらに,学級の良し悪しを「串団子の姿」で比較しながら喩えているのも面白いのです。

次の3つの団子のうち,Aの学級は1つ1つの団子の形が均等すぎてちょっと気持ち悪いです。Bの学級は個性がいろいろあるけどまとまっていそうです。Cの学級はいわゆる・・・学級崩壊ですね。串が無い=ルールやマナーが無い 学級は上手くいきません。




では,Bの学級になるにはどうしたらいいのか。

団子を串団子に変える=一致団結する ためには,

串がある=ルールやマナーを守る ことが大切なのです。


学級の目標

学級のルールやマナー

学級のシステムルーティン


これらの「串」がしっかりと定まっている学級は「一致団結する」のです。


子どもに,「一致団結しよう!」といきなり言っても響きません。

それを,「串団子になろうよ!」と言うとなんだか楽しそうに受け取ってくれます。

子どもに,「ルールやマナーを守りましょう!」と言っても綺麗事で形だけになるでしょう。

それを,「串を作ろうよ!」と言うと,串って何?と興味を示してくれます。

子どもって大人以上に,言い方が大事なのです。


気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月14日木曜日

とっておきの話18「イスラエルの休日」の裏話

Twitterに,とっておきの話18「イスラエルの休日」の原稿をアップしました。

とっておきの話18「イスラエルの休日」の原稿


この原稿を今見ると,懐かしい気持ちになります。

というのも,これを作ったのはまだ教員採用試験勉強中の学生時代。

とにかく素材がほしい!と思っていた時に,

ふとラジオから流れてきた話が耳に入ったのです。

貪欲な気持ちで作った若かりし頃を思い出します。


さて,みなさんは,イスラエルの安息日を知っていますか?

これは,イスラエルの宗教で決められている休日です。

下の地図の赤い部分がイスラエルです。



安息日にやってはいけないことはたくさんあります。

働いてはいけない

機械の操作はしない

火を使わない

家事できない

電気つけられない

人の命を助けることも働くことになるので違反だと言う人も・・・


日本人の感覚では理解するのが難しい休日ですよね。

でも,だからと言ってイスラエルの休日はおかしいなんてことは思いません。

イスラエルの人たちは,この休日に誇りをもっているのです。

産まれてからずっと安息日があり,宗教のきまりを守り続けている誇りです。


日本では,休日は自由に過ごせますよね。

働いてよし

機械の操作をしてよし

火を使ってよし

家事できる

電気つけられる

人の命も助けることができる

イスラエルの安息日とは反対のことができます。


でも,僕たち日本人は,休日に誇りをもてる過ごし方をしているでしょうか?

自分は休日に必ずこれをやっている!

というものがある人は,誇りをもてるのかもしれません。

このように,日本人は平日の忙しさばかり注目して,休日の過ごし方について深く考える人が少ないような気がします。

学生時代の僕もそうだったので,ラジオから流れてきたイスラエルの安息日の話に興味をひかれたのかもしれません。


では,子どもたちはどうでしょう?

教員として,平日の学校生活について話題に出すのは当然です。

一方で,休日の過ごし方について子どもに考えさせている教員はどれだけいるでしょう?

長期休み以外の休日について取り上げる教員は少ないと思います。

それでいいのでしょうか?

子どもたちにとって,休日も日々の生活の一部です。

休日が上手に過ごせる子は,平日も上手に過ごせる子です。

「上手に過ごす」の意味を掘り下げるのは別の機会として,

日本以外の国の休日の話題を通して,自分の休日の過ごし方について考えるきっかけとなるような話を作りたかったのです。


気になった方はぜひ,長期休みでも祝日でもない,なんでもない休日の前に実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月13日水曜日

とっておきの話17「みんなちがって みんないい」の裏話

Twitterに,とっておきの話17「みんなちがって みんないい」の原稿をアップしました。

とっておきの話17「みんなちがって みんないい」の原稿


みんなちがって みんないい

おなじみの,金子みすゞさんの詩「私と小鳥と鈴と」の中の言葉です。


僕がこの詩に初めて出合った時は衝撃でした。

みんなちがって みんないい

この言葉の重みを,たったこれだけの文章で表してしまっているのですから。

詩人の感性の豊かさには脱帽です。


正直,Twitterにアップしたとっておきの話,個人的には完成形ではありません。

なぜなら,この深すぎる言葉「みんなちがって みんないい」を

伝えきれている自信が無いからです。

5分のとっておきの話では足りない深さをもった言葉です。

なので,あくまでも考えるきっかけとして作りました。


あなたはこれができるけど わたしにはできない

でも,あなたはこれができないけど わたしにはできる

みんなそれぞれ,できることがある

みんなそれぞれに,よさがある

みんなそれぞれ,ちがうからこそ,いい。


いろんな風にかみ砕くことができる言葉だけど,

やっぱりこうやって言うのが一番しっくりくる。

みんなちがって みんないい。


とっても大事な考え方であり,

とっても伝えづらいニュアンスを含んだ言葉です。

扱いは難しいですが,ぜひみなさんの捉えた「みんなちがって みんないい」を

とっておきの話として編集してみてください。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話16「教室はまちがうところだ」の裏話

Twitterに,とっておきの話16「教室はまちがうところだ」の原稿をアップしました。

とっておきの話16「教室はまちがうところだ」の原稿



教室はまちがうところだ

この絵本に出合ったのは,まだ僕が教師の卵だった学生時代


教室は〇〇〇〇ところだ

と言われて,「まちがう」と答えられる人はそんなにいないと思います。

それぐらい,最初読んだ時は「なるほど~」と新しい視点をくれた絵本でした。


まちがいは宝物

これも合言葉にしていきたいです


子どもたちの中には,まちがいをおそれて授業で発言できない子がいます

でもそれは,「まちがってもいいんだよ」「まちがいは宝物だよ」という

学級全体の雰囲気をつくれていない担任の責任でもあります

「教室はまちがうところだ」の話を通して,

まちがいに対する正しい反応ができる子どもたちに育てていきたいですね。


気になった方はぜひ,この絵本を読んで,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年1月12日火曜日

とっておきの話15「コンプレックスは力になる」の裏話

 Twitterに,とっておきの話15「コンプレックスは力になる」の原稿をアップしました。

とっておきの話15「コンプレックスは力になる」の原稿



ドラえもん

と言えば,だれが声をやっているか。
現在は水田わさびさんですが,
その前は,大山のぶ代さんがしていました。


のぶ代さんのドラえもんの声を聞いて育った世代の僕は,
その独特な声に引き込まれました。

でも,のぶ代さん自身,
自分の声が嫌だな
と思っていたそうです。
コンプレックスだったんですね。

でも,それを自分の武器として努力し続け,
26年間もドラえもんの声の人として活躍し続けました。


コンプレックスという言葉が難しい場合は,子どもにわかるように補足します。
子どもにもそれぞれコンプレックスがあるでしょう。
実践する先生自身のコンプレックスを語ってもいいでしょう。


コンプレックスは恥ずかしくないよ。
むしろ自分にしかない武器となるよ。


そんなメッセージを込めたとっておきの話になればと思います。


よかったらぜひ実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年1月11日月曜日

とっておきの話14「3つの「こ」が変わる」の裏話

Twitterに,とっておきの話14「3つの「こ」が変わる」の原稿をアップしました。

とっておきの話14「3つの「こ」が変わる」の原稿


人は,3つの「こ」が変われば,大きく成長できると言われています。

何だと思いますか?


正解は,

ことば(言葉)

こうどう(行動)

こころ(心)

の3つです。どれも頭文字が「こ」ですよね。


A が変われば B が変わる

AやBにはそれぞれいろんな言葉が入るものです。

例えば,こんな言葉もあります。




子どもに話す時には,最終地点を「人生が変わる」に設定してみました。

全部つながっているのですよね。

大人が聞いても「大切にしなきゃなぁ」と思う話です。


では,どのように変えたらいいのか,それはこの話では触れ切れていないですよね。

このようにとっておきの話は,別のとっておきの話の伏線となることがあります。

今後のとっておきの話紹介もお楽しみに!



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話13「努力は むくわれる」の裏話

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とっておきの話13「努力は むくわれる」の原稿



どりょく と読めますよね。

では,これはどうでしょう?


パッと見ると「どりょく」の漢字ですが,
よ~く見ると・・・「むくわれる」と平仮名で書いてあります。

この字を発明したのが,岐阜県に住んでいる文字職人の杉浦誠司さんです。



誠司さんは,今の職業に就くまでの間,たくさんの仕事を転々としたそうです。
家電製品の店員,塾の先生,薬局の店員,セールスマンなど。
そんな誠司さんが,「夢」は「むくわれる」と書いています。
このように,漢字は「意味ある平仮名」に変身できる力をもっているように感じます。



ここで,もう1つ紹介。

ゆめ です。これを誠司さんが書くと,どんな平仮名を当てはめるでしょう?


正解はこちら。



夢には,「ありがとう」を当てはめた誠司さん。
感謝の気持ちを忘れない人が,夢を叶えていくのでしょうね。



漢字に「意味ある平仮名」を当てはめる発想。ユニークですよね。

「誠司さんはどんな平仮名を当てはめたでしょう?」とクイズっぽくしてもいいし,
「みんなならどんな平仮名を当てはめますか?」と投げかけても面白いです。

「努力」「夢」などの漢字の言葉から,「むくわれる」「ありがとう」などの意味ある平仮名の言葉に変身。
どう変身させるかは,人それぞれあっていいと思います。
そこに,その人の個性が出るでしょう。
子どもたちとやると,いろんな意見が出てきそうで面白そうですよね。



気になった方はぜひ,実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



2021年1月10日日曜日

とっておきの話12「イイトコメガネ」の裏話

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とっておきの話12「イイトコメガネ」の原稿


この画像を見たら,あの有名なCMを思い出す人もいるでしょう。


ACジャパンのCMには,素材となりうるものが多くあります。

この「イイトコメガネ」も,CMを流すだけで心に訴えるものがあります。

僕はこのCMの中でも,

「イイトコメガネは,みんなの心の中にあるよ!」

という言葉が好きです。

あと,この「イイトコメガネポーズ」(?)もお気に入りです。


イイトコメガネが合言葉となり,

イイトコメガネポーズがさらに楽しさを加えます。

いろんな人のイイトコを探すきっかけとしては,本当に良い素材だと思います。



とっておきの話として作る際は,

①子どもの実態を問う部分(イイトコ見つけられていますか?)

②大事な言葉を考えさせる部分(イイトコメガネはどこにあるのか)

③イイトコメガネを合言葉にする部分(イイトコメガネポーズも併せて提示)

の3つを組み合わせて作るようにしました。


この話をした後,いろんな子たちがイイトコメガネポーズをしながら

「イイトコメガネ!」

と声を出している姿が見られました。

微笑ましい景色です。


気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月9日土曜日

とっておきの話11「ビーカーの中のお茶」の裏話

Twitterに,とっておきの話11「ビーカーの中のお茶」の原稿をアップしました。

とっておきの話11「ビーカーの中のお茶」の原稿


人は見た目が9割

そんなタイトルの本が売れた時期がありました。

今では有名なこの本。確かに「見た目」が相手に与える影響は大きいです。


子どもたちに語る時,例えばどんな「見た目」を大事にしたらいいのか,考えました。

姿勢が良いかどうか

服装がみだれていないか

身だしなみがきれいか

身の回りの物が整頓されているか

声の出し方,話し方,聞き方,表情・・・

本をヒントに,いろんな「見た目」があると自分も改めて学びになりました。


さて,子どもたちにいきなり「人は見た目が9割なんだよ」なんて言ってもピンときません。

そこで,「ビーカーの中のお茶」というアイデアを思いつきました。

中身は同じお茶ですが,このお茶と・・・



このお茶では,印象が全く異なりますよね。


上の写真のお茶は飲みたいけど,下の写真のお茶は飲みたくない。

中身は同じなのに。

なぜこの違いが出るかというと,

見た目 が違うからなんです。

こうして,元々の素材をアレンジしたり,別の話と組み合わせたりしてみると,

子どもたちにも伝わるわかりやすい話を作ることができます。

気になった方はぜひ,実践してみてください。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年1月7日木曜日

とっておきの話10「百歳まで生きる人の共通点」の裏話

Twitterに,とっておきの話10「百歳まで生きる人の共通点」の原稿をアップしました。

とっておきの話10「百歳まで生きる人の共通点」の原稿


今でこそ人生100年時代なんて言われていますが,

それでも,100歳まで生きるということはすごいと思います。

長く生き続けているのには,理由があるはず。

それは普段食べている物が関係しているかもしれないし,

普段している運動が関係しているかもしれないし,

普段の睡眠時間が関係しているかもしれないし,

その理由は様々でしょう。


その中でも,やはり100歳の人の考え方というのは学ぶ価値のあるものでしょう。

100歳まで生きる人の共通点,何だと思いますか?

これだけ質問しても,ヒントが少なすぎますよね。

なので,穴開きでクイズのように問いかける方が聞き手は興味を示します。


① □をしっかり持っている

② □を持って生活している


どちらの穴開きも,「何を持っているか」と考えさせられます。

正解は,「自分の考え」と「感謝の気持ち」

①は,自分の内側に向いたもの。

②は,自分の外側へ向いたもの。

この①と②の対比もいいですよね。


子どものうちから自分の考えや感謝の気持ちをもつのは難しいでしょうか?

いや,子どものうちから意識するといいでしょう。

そんな投げかけをするために,「三つ子の魂百まで」ということわざと組み合わせています。

今思うと,このことわざを出さず,①や②を少し掘り下げて話を終えてもいいかもしれません。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月6日水曜日

とっておきの話9「友を待つ桜」の裏話

 Twitterに,とっておきの話9「友を待つ桜」の原稿をアップしました。

とっておきの話9「友を待つ桜」の原稿


私たちは,人間である前に生き物です

同じ生き物である動物や植物から

学べることも多いです

その生き様は時として,人間をあっと言わせます


友を待つ桜

この話も,聞いてから桜を見ると違った気持ちになります

桜の花は,一斉には咲きません

でも,最初に咲いた花は,最後の花が咲くまで散らずに待っているのだそうです

もちろん,実際には風が吹いて先に散っていくものもあると思いますが,

「友を待つ」という言葉が素敵ですよね。



これは,人間が作る集団。学校では,学級。でも同じです。

人間だって,やることが早い子もいれば,遅い子もいます。

そんな中,早い子は遅い子を待って助けとなれるでしょうか。

これができるかどうかは,学級の良し悪しのチェックにもなります。


一人で勝手に突っ走ってしまう子は少なからずいるでしょう。

それでも,「みんなで一緒に」という意識も時には大切なことを知ってもらいたい。

そんな時,この「友を待つ桜」の話は役に立ちます。

桜の話なので,学級開きを終えて間もない4月や5月の時期にしてもいいでしょう。


気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月5日火曜日

とっておきの話8「やれなかった?やらなかった?」の裏話

Twitterに,とっておきの話8「やれなかった?やらなかった?」の原稿をアップしました。

とっておきの話8 原稿


相田みつをさんの詩に,こんな詩があります。

みなさんは,「やれなかった」と「やらなかった」の違い,説明できますか?
たった一文字の違い。でも,大きな違いです。

どうしてもできない理由があって「やれなかった」のか,
めんどうくさくなって「やらなかった」のかの違いですね。

「やれなかった」子どもの支援は全力でします。
でも,やれるはずなのに「やらなかった」子どもには指導をします。

この言葉は,教員の合言葉にもなる,指導の指標となるような言葉です。
ここの線引きを間違えると,大変なことになります。

例えば,「やれなかった」子どもに
「どうしてこんなこともできないの?」なんて叱るのは間違っています。
一方,「やらなかった」子どもに
「できないならやらなくて大丈夫だよ」なんて言うのも間違っています。
どちらの場合も,
「やれなかった やらなかった どっちかな」の指標が無い指導によって起きます。

正しく子どもを指し導く教員でありたいですね。

実践してみると,子どもたちへの指導が通りやすくなります。
ぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年1月4日月曜日

とっておきの話7「信頼貯金」の裏話

Twitterに,とっておきの話7「信頼貯金」の原稿をアップしました。

とっておきの話7「信頼貯金」の原稿

貯金は貯金でもお金を貯める訳ではありません

信頼を貯める貯金です


信頼が貯まっている人は,周りの人から頼りにされますよね

信頼が貯まっていない人は,周りの人から頼りにされません


もし良いことをしたとしても,信頼が貯まっていない人がしたら・・・

信じてもらえないかもしれません


信頼ってお金よりも大事なのかも

信頼は「信じる」と「頼る」の漢字で出来上がります

子どもたちにも,信じてもらえる人,頼ってもらえる人に成長していってほしいです

そんな願いをこめた,とっておきの話です


実践してみると,いい話を聞いたと言ってもらえることが多いです

「今,信頼貯金がたまっているよ~」

「信頼貯金が低いとまずいよね。もう同じ失敗はしないようにしよう」

など,信頼貯金が合言葉になっていきます。

気になった方はぜひ実践してみてください。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月3日日曜日

とっておきの話6「飛行機人間とグライダー人間」の裏話

Twitterに,とっておきの話6「飛行機人間とグライダー人間」の原稿をアップしました。

https://twitter.com/penguinsensei96/status/1345598029483495424?s=20


学生の頃に僕自身が聞いたとっておきの話です。


人間には2種類いる

飛行機人間

グライダー人間

そのちがいは・・・

自分のエンジンでとべるかどうか

  


自立の大切さをわずか5分の話で感じられるこの話はすごいなぁと思いました。

相田みつをさんの「エンジン」という詩ともリンクしました。

そうして自分なりに作ってみたのがこの話です。


実際にやってみると,子どもたちも「今の僕って飛行機人間?」と聞いてきます。

グライダーが何か分からない子どももいると思いますので,そこは説明する必要があると思います。

でも,話し終わると「飛行機人間とグライダー人間」を意識するようになります。

ある先生から,「飛行機人間でも変なところを飛び回っていっちゃう人間は嫌だよね」と言われたことがあります。自分のエンジンでとべることは大切ですが,その後も大切なことがありそうですね。笑

気になった方はぜひ実践してみてください。。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年1月2日土曜日

とっておきの話5「すなおは姿勢でつくられる」の裏話

Twitterに,とっておきの話5「すなおは姿勢でつくられる」の原稿をアップしました。

https://twitter.com/penguinsensei96/status/1344922875774451713?s=20


素直な心。それが大事。

でも,ストレートに言っても,子どもたちにはいまいち伝わりません。

もう少し具体的に素直な心の良さに迫りたいと思っていました。

そんな時出合った本から,この話を作りました。


「すなお」の法則。

本のタイトルからして,面白そう。

読んでいくうちに,ある言葉が引っ掛かりました。


「すなお」は姿勢でつくられる


姿勢を正すと,素直になれる。

素直になると,姿勢が正しくなる。

どちらもあると思います。


また,この本を読んで,素直な心に関係するのは,姿勢だけじゃないなぁとも思いました。

例えば声。

素直に楽しく話をしている時の声と,嫌々話に付き合わされている時の声って違いませんか?

素直に楽しく話をしている時は,話が弾んで明るい声になりますよね。

逆に,嫌々話に付き合わされている時は,適当な返事をしたり,暗い声になったりしますよね。

素直が声に表れていますよね。


どうしたら素直な心になれるのか。

それは僕にもわかりません。

でも,ヒントを見つけることは,この話をきっかけにできるのではないでしょうか。

必ずしも先生は,常に正解を提示しなくていいと思っています。

むしろ,子どもたちと一緒に考えることを楽しみたいです。


気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


とっておきの話4「素心✖(花心+草心+根心)=実力」の裏話

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出典の本を読んで感動したのが,

人の心を植物に喩えるとおもしろいなぁと思ったからです。

人と植物。同じ生き物ですから,共通するところもあります。


花心って何だろう?周りの人を喜ばせる心かぁ。

草心って何だろう?コツコツと続ける心かぁ。

根心って何だろう?見られていなくても動ける心かぁ。

子どもたちもそんな気持ちでこの話を聞いてくれます。


相田みつをさんの詩に,

花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 根はみえねんだなあ

という詩があったのを思い出しました。

まさに根心を表していますよね。


この話をする時の注意点は,難しくなりすぎないようにすることです。

特に「素心」の概念が実際にやってみると伝わりにくく,素直な心が土壌になるというメッセージを伝えるのが難しいのが正直なところです。大切な概念なんですけどね。

なので,やわらかい言葉に変えてみたり,イラストを交えてみたりしながら話すことをオススメします。


僕がこの話で一番感動したところは,植物がつける「実」と人の「実力」が同じ漢字になるということです。また,「実になる」と「身になる」も似ていますよね。

なんだか落としどころの良い話だなぁと感心します。


気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話3「ありの目 鳥の目」の裏話

Twitterにとっておきの話3「ありの目 鳥の目」の原稿をアップしました。

https://twitter.com/penguinsensei96/status/1344556448420753408?s=20


人間時には細かいところまでよく見る必要があります。

人間時には全体をよく見渡す必要があります。

どちらも大切ですよね。

それを子どもたち向けに「ありの目 鳥の目」と表現しています。


元々は,父から聞いた話を素材としていますが,検索すれば,いろんな本やネット記事で紹介されている話です。

とっておきの話をする時,できれば実際の「ありの目を使えている姿」「鳥の目を使えている姿」の写真などを提示できると,子どもたちは自分事として話を聞くことができます。


ありの目 鳥の目

これも合言葉になりそうな言葉ですよね。


突然,「人間の目には2種類あります。何だと思いますか?」と言われたら,話を聞きたくなりませんか?

とっておきの話では,このように話の始まりで興味を惹きつけることも大切になります。


気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...