2022年8月31日水曜日

とっておきの話435「ポジティブにつながるアクティブ」の裏話

Twitterに、とっておきの話435「ポジティブにつながるアクティブ」の原稿をアップしました。

とっておきの話435「ポジティブにつながるアクティブ」の原稿



ポジティブとネガティブについて、みなさんはどんな話ができるでしょうか。

僕はもう1つ。アクティブも追加して話してみたいと思います。


きっかけはTwitterで出合ったフォロワーさんから聞いた話でした。

やはりポジティブはアクティブにつながっているなぁと改めて学びました。


ネガティブからポジティブに転換するアクティブの力。

ここに注目して作った小話です。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(ネガティブ ポジティブ と二つの言葉を離して板書)

(ネガティブやポジティブの意味が分からない場合は聞き手の実態に合わせて補足説明)

みなさんは、ネガティブとポジティブ、どちらの気持ちでいたいですか?(少し間をおいてから)きっとポジティブな気持ちでいたいですよね。



 本当ならずっとポジティブな気持ちでいたいですが、時にはネガティブな気持ちになってしまうこともありますよね。そんなネガティブな気持ちは、できれば知りたくないですよね。でもね、先生の友達の先生は、こんな言葉を教えてくれました。

(次の言葉を提示)

ネガティブを知らないと、ポジティブにはなれないですよ。

 ネガティブな気持ちを知っているからこそ、ポジティブな気持ちを知ることができるのです。

だから、ネガティブな気持ちも無駄ではないのです。ネガティブな気持ちは、ポジティブな気持ちになる途中なのです。 



 それではここで、ポジティブな気持ちになるとっておきの方法を教えます。(少し間をおく)

ポジティブな気持ちは、ポジティブな言葉や行動を意識することから育っていきます。

まずは言葉から。

(次の画像を提示)



これは、ネガティブな言葉をポジティブな言葉に変える具体例がのっている「ネガポ辞典」という本です。学級文庫に入っているのでぜ、ひ読んでみてください。(学級でオリジナルのネガポ辞典を作っても良い)

 次に、行動を変えてみましょう。

行動は英語で何と言うでしょう?(少し間をおいてから)アクションです。ポジティブなアクション、つまり活発な行動を英語では・・・(少し間をおいてから)アクティブと言います。

(ポジティブにつながるアクティブ と提示)

 アクティブはポジティブな気持ちにつながるのです。

ネガポ辞典を読んでポジティブな言葉を意識できたら、ぜひアクティブに行動してみましょう。

きっとみなさんのポジティブな気持ちが少しずつ育っていくはずです。


いかがでしたか?


一言で「ネガティブをポジティブに」と言っても、言葉の側面と行動の側面があると思います。

まずは言葉からポジティブに転換し、その後アクティブを意識して行動の転換を図ってみてはいかがでしょうか?


ここで面白いのは、気持ちが先なのか、行動が先なのかという点です。

行動心理学という学問があるように、僕は行動が先で気持ちが付いてくる部分が大きいのではないかという仮説を立てています。

だからこそ、ポジティブにつながるアクティブの大切さを強調したいです。


みなさんも今日もポジティブに!アクティブでいきましょう。

先生がポジティブだと、子どもたちもポジティブになりますよ。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年8月29日月曜日

とっておきの話434「自分をつくっていくのは誰?」の裏話

 Twitterに、とっておきの話434「自分をつくっていくのは誰?」の原稿をアップしました。

とっておきの話434「自分をつくっていくのは誰?」の原稿



自分をつくっていくのは誰?


みなさんはこのタイトルを見て、誰だと思いましたか?

自分?友達?家族?神様?

一度立ち止まって自分なりに答えを考えてから、原稿を読んでみてください。

子ども向けの小話ですが、大人が考えても興味深いテーマではないでしょうか。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(□□をつくっていくのは誰? と提示。「誰」に「だれ」とふりがなをつける)

 今日はみなさんに、誰がつくっていくのかを聞きたいと思います。

□の中には漢字2文字が入ります。何をつくっていく人を聞こうとしているでしょう?(少し間をおいてから)□の中には・・・(少し間をおく)自分、が入ります。

(自分をつくっていくのは誰? と提示)

みなさんは、自分をつくっていくのは誰だと思いますか?(少し間をおく)



 考えたこともないかもしれませんね。先生も初めて聞かれた時、すぐに答えられませんでした。そんな時、次の言葉に出合いました。(次の言葉を提示)

自分は自分の主人公

世界でただひとりの

自分をつくっていく責任者

 これは、元小学校の校長先生だった東井重義さんの言葉です。



自分をつくっていくのは自分ひとりだけ。自分は自分の主人公であり、自分をつくっていく責任者である。

みなさんは自分が自分の主人公だと思いますか?

責任をもってつくっていますか?(少し間をおく)

この言葉に間違いはないですが、先生はこんなふうに考えました。

(次の言葉を提示)

自分と出会う人たちもみんな、自分をつくっていく人ではないか?

(提示後の反応を見てから)本当に自分だけが自分をつくっていくのかな?と疑問に思ったのですね。みなさんは誰が自分をつくっていくと思いますか?



 先生はこの後、こんなふうにも考えました。(次の言葉を提示)

自分と出会う人たちを引き寄せるのも自分だから、自分が自分をつくっていくのだろう。

(提示後の反応を見てから)どんな出会いを引き寄せるのかも、自分なんですよね。

もしみなさんが今、なりたい自分というものがあるのなら、それをこれからつくっていくのは、自分と自分が出会う人たちです。あなたはあなたの人生の主人公であり、責任者です。責任をもって、自分の人生を楽しめる人になってください。


いかがでしたか?


参考文献では、東井重義さんの言葉のみ紹介されていました。

しかし、「自分をつくっていくのは本当に自分だけなのか?」という問いが湧きました。


このように、素材となった話をそのまま小話にするのではなく、

一度立ち止まって自分なりの解釈を加える

こともとっておきの話づくりにおいて大切なことです。


なぜなら、話し手が納得していない話は聞き手も納得できないからです。

私は「自分をつくっていくのは本当に自分だけなのか?」という問いに対して、「自分と出会う人たちもみんな、自分をつくっていく人ではないか?」という更なる問いを立てました。

その後、「自分と出会う人たちを引き寄せるのも自分だから、自分が自分をつくっていくのだろう」という答えに辿り着いたのです。


こうすることで、誰かから聞いた話やどこかから得た話でも、「自分の話」として昇華することができます。

また、素材元となった言葉の意味の深さについてもより理解できるようになります。


この思考過程をそのまま子どもたちに提示したら面白いと思い、このような話の構成にしました。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年8月23日火曜日

とっておきの話433「二人の涙」の裏話

Twitterに、とっておきの話433「二人の涙」の原稿をアップしました。

とっておきの話433「二人の涙」の原稿



感動するエピソードというのは不思議です。

当事者がそのエピソードに感動するのは当たり前です。

自分自身が体験しているのですから。


でも、当事者だけでなく、話を聴いた人も感動するのです。

体験をしていないのに。

不思議だと思いませんか?


なぜ話を聴いただけなのに感動するのか。

それには次の3つの理由があると思います。


① エピソードに魅力がある

② エピソードと似たような自分の経験と重なる

③ 聴く人の想像力がある


この3つの相乗効果によって話を聴いただけで感動するのだと思います。

①はとっておきの話づくりの過程で引き立てることができます。

②はとっておきの話をしている間に問いかけたり呼びかけたりして場を用意することができます。

③はとっておきの話でエピソード素材を扱っていく中で少しずつ身に付いていくと思います。


エピソード素材を扱う時は、いつもこの3つを意識しながら小話を作っています。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


(正直、誠実 と板書)

 みなさんは、「正直」や「誠実」と聞くと、どんなイメージをもちますか?(少し間をおく)

誠実は「優しさ」と表現してもいいかもしれませんね。

(正直、誠実→二人の涙 と板書)

今回の話は、そんな「正直」や「誠実」な気持ちが起こした「二人の涙」という実際にあったドラマのような話です。


 このお話の主人公は沖縄県に住む男子高校生と埼玉県に住む男性のお医者さんの話です。




(「この二人です」と簡単に紹介↑その後、沖縄県と埼玉県の位置関係が分かる画像を提示)

高校生のそうまさんは、飛行機に乗ろうとした時、財布をどこかで落としてしまったことに気付いて途方に暮れてしまいます。その時、見ず知らずの男性から声を掛けられ、その人は名前や連絡先、住所も教えずに航空券を買うための6万円を貸してくれました。それがお医者さんをしている猪野さんです。猪野さんはこのことを友達に話すと、「6万円もの大金を貸してしまうだなんてだまされたのではないか」と言われてしまいます。しかし、そうまさんはテレビやネットで呼びかけ続け、ついに埼玉県の猪野さんと再会し、直接お返しとお礼ができたのです。

その時の二人の様子がこちら(左の写真を見せる)



お互いに涙を流したのです。二人の涙の理由はわかりますか?(少し間をおく)そうまさんは助けてもらった人へお返ししようと正直な気持ちを貫きました。猪野さんは見ず知らずの高校生であっても誠実な気持ちを貫き、最後まで信じぬきました。正直や誠実の先に、みなさんもこんなドラマに出合えるかもしれません。


いかがでしたか?


一見、それは無理だろうと思う出来事も人の正直さや誠実な気持ちが奇跡を引き寄せるのですね。

このエピソードは本やテレビ、ラジオなど、様々なメディアで取り上げられていたのでご存知の方もいらっしゃると思います。

ただ紹介するのではなく、なぜこのエピソードは感動するのかをまずは掘り下げて作ってみてください。


そうまさん➡助けてもらった人へのお返しをしようと正直な気持ちを貫いた

猪野さん➡見ず知らずの人であても誠実な気持ちをもち、最後まで信じぬいた


登場人物のすごいところに注目すると、エピソードの感動部分が明確になっていきます。


特に今回のような実話は説得力があります。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年8月22日月曜日

とっておきの話432「貫き通す思いやり」の裏話

 Twitterに、とっておきの話432「貫き通す思いやり」の原稿をアップしました。

とっておきの話432「貫き通す思いやり」の原稿


 この小話の素材は、参考文献を見ただけで裏話として魅力を感じますね。


こんな風に参考文献欄が記されています↓

2022/1にTwitterスペースで聞いた、ほーむらさん(@takamesan)の話より(経営コンサル森田さんの話の紹介から)、岐陽中学校第3学年便りNo.18凡事徹底(令和2年10月1日)3_18.pdf (shunan.ed.jp)


 これはどういうことかというと、ほーむらさんというフォロワーさんが経営コンサルの森田さんという話を僕にスペースで教えてくれたのですね。それをさらに自分で調べたら、おたよりにしている学校を見つけたのです。

 整理をすると、

人づてに聞いた話+自分で調べた話=確かな素材

ということでしょうか。


なんだかいろいろと遠回りしているようで確かな道を通って素材になったような気もします。

どんな巡り合わせで素材に出合えるかは本当に分からないものです。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


(思いやり と板書)

 みなさんはこれまで、思いやりの大切さについて様々な場面で学んできたことでしょう。今更思いやりが大切だと話しても、そんなことは分かっていると思うでしょう。でもね、こんな風に書いたらまだ考えてみたくなることが出てきませんか?

(思いやり=重い槍 と板書。槍にヤリとフリガナを付ける)

 思いやりは、重い槍なのです。(次の画像を提示)(実態に合わせて、槍とは何か補足説明)



人は誰しも、思いやりの心を貫くための槍をもっています。その槍は貫こうとすればするほど重たくなり、様々な場面で貫き通せるのか試されています。

(「思いやり」が「重い、やり」にならないように と板書)

良かれと思って貫いた「思いやり」が、相手にとっては「重い、やり」にならないように。つまり、余計なお世話やかえって迷惑な行動にならないようにしたいですね。

(思いやりの心を貫き通す と板書)

かと言って、「重い、やり」になることを怖がって、結局行動できずに終わる思いやりも嫌ですよね。思いやりの心は、貫き通してこそ育っていきます。



みなさんは今、どれぐらいの重たさの槍を心の中に秘めていますか?その槍は、「重い、やり」

ではなく、「思いやり」として貫き通せていますか?(板書した言葉を指差しながらゆっくりと)

 あなたの思いやりの心が、これからも貫き通していけるように願っています。


いかがでしたか?


スペースでほーむらさんからこの話を聴いて、「思いやり」をテーマにした新しい視点を得た気持ちでした。

まさか槍につながるとは。

ただの駄洒落ではないところに驚きです。


とっておきの話は時として言葉遊びのように感じることもあります。

一見すると言葉遊びなのですが、実は意味があるというところが面白いですよね。


意味があるのなら、ただの言葉遊びにはならない。

どんな意味を込めるかどうかは、作り手のあなた次第です。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年8月20日土曜日

とっておきの話431「作り続ける大好きな時間」の裏話

Twitterに、とっておきの話431「作り続ける大好きな時間」の原稿をアップしました。

とっておきの話431「作り続ける大好きな時間」の原稿



とっておきの話の原稿を作っていると最後右下に必ず記すのが参考文献です。

何を素材元にしてこの小話を作ったのかを明記するのです。


そうすると、自分自身にとっても思い出記録みたいになるんですね。

この時にこんな素材に出合ったんだなということが思い出される訳ですよ。


今回の素材でいうと、2022年1月にたかし先生とスペースでこんな話をしていたなぁと思い出される訳です。

こうして原稿に残しておくと、作者自身にとっても懐かしむ愛おしい物になる。

これがまたモチベーションになり、作り続けることができるのかもしれません。



そろそろ内容が気になってきましたか?

それでは原稿を読んでみましょう⇩


(消しゴムはんこの画像を提示)


 これは、先生の友達のたかし先生という方がプレゼントしてくれた消しゴムはんこです。まず、どんな消しゴムはんこを作ってほしいかリクエストをします。すると、リクエストに合わせて3日間ほどかけてたかし先生が消しゴムはんこを作って送ってくれました。



 みなさんのノートに押されているはんこは、実はそんなたかし先生が作ったものなのです。嬉しいですよね。たかし先生にお礼を言おうとした時、ふと、こんなことが疑問に思いました。

(残らない作品を数多く作り続ける と提示)

 たかし先生は、他の人にも同じようにリクエストを聞いてたくさんの消しゴムはんこを作っているそうです。それなのに、相手に送ってしまうので、自分の手元には作品が残りません。みなさんは、せっかく自分が作った図工作品が手元に残らないとどう思いますか?(少し間をおく)

たかし先生は、「嫌じゃない。むしろ楽しい」と言います。なぜでしょう?(しばらく間をおく)



 たかし先生は次のように続けて言いました。(次の言葉を提示)

作品が残らなくてもいい。数もいくつ作ったかなんて気にしていない。僕はみなさんがリクエストしてくれるおかげで作るテーマをもらっているのです。

すると、僕にとって大好きな消しゴムはんこを作り続ける理由ができる。「僕の大好きな時間」をプレゼントしてもらっているのです。ありがとうございます。

 このように、先生が「ありがとう」を言う前に、たかし先生から先に「ありがとう」を言われました。このクラスの中にも、作品づくりが好きな子がいますよね。

形に残る物だけでなく、自分にとって「作品を作り続ける大好きな時間」に価値を置き、それをプレゼントしてくれる人に感謝し、与える喜びをもち続けているたかし先生のような人になれる子がいるはずです。

これからも作品づくりを楽しんでくださいね。


いかがでしたか?


当時の自分にとって、手元に残さずに相手にあげてしまうことが新鮮でした。

僕はどちらかというと、自分の作った物は愛おしいので残しておきたいと思っていたので。

しかし、それ以上に利他の精神としての与える喜びや自分の好きなことをやり続けられるという喜びが勝るんですよね。

たかしさんは相手の気持ちを考えながらも、自分自身も楽しむ考え方をもっているステキな方だと思いました。


「僕の大好きな時間」をプレゼントしてもらっている


という感覚は自分も大切にしたいです。


実際に子どもたちに話をする時は、たかしさんが作ってくださったはんこがノートに押されている状態で、そのノートを目の前にしながら話すようにしています。

このはんこにそんなエピソードが?という驚きを演出して話します。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年8月18日木曜日

とっておきの話430「心のトラクターにつなげるもの」の裏話

 Twitterに、とっておきの話430「心のトラクターにつなげるもの」の原稿をアップしました。

とっておきの話430「心のトラクターにつなげるもの」の原稿



Twitterでは様々な方々と気軽にお話できるスペース配信というものもしております。

今回の素材は、そのスペース配信での対談から得た素材です。

自分で探していて出合う素材とは違い、その人の人柄も垣間見えるような思わぬ素材を得られます。

人との会話から得た素材は、自分の中にはなかった素材です。

これが面白いのです。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(様々な車の画像を提示)



(□が一番すごい車 と板書)

みなさんは、車の中でどんな車が一番すごいと思いますか?

スピードが出るスポーツカー?警察官が乗るパトカー?消防士さんが乗る消防車?命を助ける救急車?(何人か指名する)

 いろんな意見があると思いますが、先生は最近この車がすごいと思います。(□の中に、トラクター と板書)

 トラクター。どんな車か知っていますか?こんな車です。

(トラクターの画像①を提示)



こんな小さな車のどこがすごいの?と思うかもしれません。でもね、この車のすごいところは(画像②を提示)



アタッチメントといって、様々な物をつなげることでいろんなことができてしまうことです。(画像③を提示)



畑を耕すだけでなく(画像④を提示)



雪かきをすることだってできます。

どんな仕事もできてしまう車という頼もしさがトラクターの魅力です。

だから先生はこの車はすごいと思いました。どうですか?(間をおく)


(係決め、当番決めの時期に次のように話をつなげる)

 今から係決めをします。あなたの心のトラクターには今までどんなアタッチメントがつながれていましたか?(少し間をおく)

もしかしたら、いつも同じものばかりつないで、同じ仕事ばかりをしていた子もいるかもしれません。いつも黒板係をしていた子は、黒板係以外の係にも挑戦してみましょう。

(どんな仕事もやり切る頼もしさ=すごい人 と画像①と合わせて提示)

どんなアタッチメントをつないでも仕事をやり切る人は、トラクターのように頼もしく、すごい人になれるかもしれませんね。


いかがでしたか?


トラクターが大好きなフォロワーさんとの会話から生まれたとっておきの話。

まさか自分がトラクターを素材にしたとっておきの話を作るとは思いもしませんでした。

でもちゃんと成り立っていますよね?

この小話を作った時も思いました。

世の中全部やっぱり素材になる可能性があるんだな、と。


心のトラクターにつなげるもの、みなさんは何がつながっていますか?

そして、いくつつながっていますか?

柔軟でフットワークの軽い人でありたいものですね。


ちなみに、この小話を作ってから、トラクターを見かけるとなんだか嬉しくなりました。

トラクターに対する見方が自分の中で変わったのです。


他人から新しい視点を得ると、小話づくりを通して自分の見る世界も広がるのです。

だからこそ、とっておきの話づくりは楽しいです。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年8月17日水曜日

とっておきの話429「自由を恐れない」の裏話

 Twitterに、とっておきの話429「自由を恐れない」の原稿をアップしました。

とっておきの話429「自由を恐れない」の原稿


自由をテーマにした授業というのはあまり見かけません。

どちらかというと、自由を制限するように学校の授業は作られている側面が強いです。

その中で、自由とは何なのかを考える機会を作ることは意味があります。


まずは小話をきっかけにして、自分なりの自由の定義について考える子は、本当の意味で自由を手にするでしょう。

それも誰かに与えられた自由ではなく、自分で勝ち取った自由を楽しむことになるでしょう。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(自由 と板書)

 みなさんは、「自由」と聞くと、どんなイメージをもちますか?(少し間をおく)

きっと良いイメージをもつ人が多いと思います。自由がほしいと思う時ってありますよね。なんだか楽しい時間が与えられるようなイメージです。


(バーナード・ショー の画像を提示)



ノーベル文学賞を受賞したアイルランド人のバーナード・ショーさんは、こんなことを言っています。(次の言葉を【】の部分を隠して提示)

 

バーナードさんは、自由は恐れるものだと言います。それは、【】の隠れている言葉が理由になります。どんな言葉が入ると思いますか?(しばらく間をおく)正解は、「責任」です。

(隠していた「責任」という言葉を見せる)

 自由であるということは、自分勝手に何でもやっていいという訳ではありません。

 自由であるということは、自分のすることに責任をもつということです。

責任をもてない人は、もう自由が与えられなくなってしまいます。自分のすることに責任をもてるからこそ信頼され、また新たな自由が与えられるのです。



 今の話を聞いて、みなさんはそれでも「自由」がほしいと思いますか?

バーナードさんの言うように、人は責任から逃げたくなるので自由を恐れる人もこの中にいるかもしれません。

でも、自由を恐れず、責任をもって行動できる人こそ、本当の意味での自由を手に入れ、楽しい人生を送れるのではないでしょうか。

責任ある自由をこれからもどんどん手に入れていきましょう。


いかがでしたか?


最近ではこの小話はさらにレベルアップして作り直され、「自由の芽と責任の芽」というとっておきの話も作りました。

自由と責任は両輪なのです。


責任を果たすからこそ、自由を手に入れることができるのです。


学校生活にも、あらゆる場面で責任と自由があります。

これはどちらかだけを考えて行動するものではなく、両輪として同時に考えなければならないことなのです。


さて、「自由」や「責任」は子どもたちにとってはまだまだ抽象的な言葉な場合もあります。

ここからどう分かりやすく伝えられるかは話し手である先生の腕にかかっています。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年8月13日土曜日

とっておきの話428「はたらくの漢字」の裏話

Twitterに、とっておきの話428「はたらくの漢字」の原稿をアップしました。

とっておきの話428「はたらくの漢字」の原稿



400話以上の小話を作成してきた今でも、小話集と言われる本は購読しています。

そこには必ず、自分が今まで知らなかった小話があるからです。


「もう作った?」と思うようで意外とまだ作っていなかった小話も。

そんな出合いを生み出してくれるからこそ、小話集の購読はやめられないのです。


もし今、僕のとっておきの話に興味をもってくださっている方は、ぜひ様々な著者の小話集を買って読み比べてみてください

面白い発見がいっぱいありますよ。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(はたらく と板書)

 読んでみましょう、さんはい。

この言葉を漢字で書くとどう書くかわかる人?(わかる子がいれば黒板に書かせる)

(働く と板書)

 ここ、人偏ですね。人が動くと書いて働くです。



 でも、この「働く」という言葉、別の漢字も当てはめられます。

(傍楽 とゆっくり板書)

 これで「はたらく」と読みます。どんな意味でしょう?(少し間をおく)


 この「傍」という漢字は「そばにいる人」という意味です。

 「そばにいる人を楽にする」と書いて「はたらく」なんですね。



 先生は初めてこの漢字の「はたらく」に出合った時、人が動くと書いて働くではなくて、人のために動くのが働くなのだと気付かされました。

 みなさんも、まずはそばにいる人を楽にしてあげられるような「傍楽」を目指し、いろんな人のために動けるような「働く」人に成長していってほしいです。(板書した漢字をそれぞれ指差しながら話す)



 「はたらくって何だろう?」とこの話をきっかけに自分でも考えてみてください。


いかがでしたか。


はたらくを「傍楽」という漢字で表現するところが面白かったです。


実際に子どもたちに話した時は、その後「はたらくキャンペーン」という活動につなげました。

自分の身の周りから、傍を楽にできるところを探してみましょう。


与える概念は抽象的でも、最後は必ず具体に落として自分事として考えて行動できるようにします。

この流れを基本ベースでもっていれば、何でもとっておきの話にできる可能性があります。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいたみなさん、ありがとうございました。

2022年8月11日木曜日

とっておきの話427「善は急げ 悪は…」の裏話

 Twitterに、とっておきの話427「善は急げ 悪は…」の原稿をアップしました。

とっておきの話427「善は急げ 悪は…」の原稿



もう既に知っていると思っていることわざや慣用句の言葉に、実は続きの言葉があったなんてことはよくあることです。


今回の素材は、「善は急げ」の続きがあったという自分自身の発見をもとにしています。

みなさんもありませんか?

まだ言葉が続いていたの?ということ。


世の中にはこうした言葉は多く、実際によく目にするものとそうでないものに分かれます。

歌でもありますよね。1番の歌詞しか知らなかったけど、2番や3番の歌詞はそんな歌詞だったの?ってこと。

しかし、このようにあまり世間に知られていないところにこそ、素材となるような言葉が眠っているものです。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


(善は急げ と板書)

 ぜんはいそげ と読みます。このことわざの意味は分かりますか?(何人か指名する)

 良いことを思いついたら、すぐに始めるのが良いという教えです。

 すぐに始めないと、だんだんとやる気がなくなっていき、先延ばしになっていってしまうものです。せっかく良いことなのに何もできずに終わってしまうのはもったいないです。



(悪は○○○ と板書)

 実は、「善は急げ」の反対のことわざがあります。悪は…(間をおいてから)延べよ、です。

(悪は延べよ と板書)

延べよ、には、「延」という漢字が使われています。延長するという意味です。

悪いことを思いついたら、すぐに実行するのではなく、少し先へ延ばしなさいという教えです。そのうちやる気がなくなり、悪いことをしないですむという訳です。



 (善は急げ 悪は延べよ と提示)

 人間ですから、良いことも悪いことも思いつきます。

まずは良いことを思いついたのか、悪いことを思いついたのか、どちらなのかを自分で判断できるようになってください。そして、このことわざを思い出してみてください。



最後にみんなで言ってみましょう。さんはい。

「善は急げ! 悪は延べよ!」


いかがでしたか?


「善は急げ」の続きに「悪は延べよ」があったなんて。

みなさんはご存知でしたか?


善悪の判断は人生においてずっと付き纏うものです。

何がよくて何が悪いのか。それを決めるのは自分自身です。


善悪の判断について子どもたちに語ることは、子どもたちが自分の人生を自分自身の判断によって歩んでいってほしいという願いを込めることです。


誰かに言われたからではなく、自分で判断した道だから自信をもって人生を歩めるような大人に育ってほしいです。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年8月5日金曜日

とっておきの話426「皇帝にもらった花のたね」の裏話

 Twitterに、とっておきの話426「皇帝にもらった花のたね」の原稿をアップしました。

とっておきの話426「皇帝にもらった花のたね」の原稿


  今回の小話の素材は、絵本です。

世の中にはまだまだ自分の知らない名作絵本がたくさんあります。

この『皇帝にもらった花のたね』も知らなかった名作絵本の1つでした。

出合った時の衝撃は今も忘れません。

思わずその場にいた妻と「この絵本、いい話や~」と語り合ってしまいました。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(皇帝にもらった花のたね と提示)

 今日は中国の物語をもとにした絵本を紹介します。タイトルは「皇帝にもらった花のたね」です。(次の左下の画像を提示)



 ある日、花好きの中国の皇帝が、次の皇帝「世継ぎ」を選ぶ方法を考えました。それは、国中の子どもたちに種を配り、きれいな花を咲かせた人を次の皇帝として迎えるという方法でした。(左の画像を提示)



花を育てることが得意な主人公のピンも、他の子どもたちと同じように皇帝からたねをもらい、大事に育て始めました。

 

しかし、ピンがもらった花のたねだけちっとも芽が出ず、育ちませんでした。周りの子どもたちはみんな花を咲かせているのに、自分だけ咲かせられなかったピンは落ち込みますが、お父さんに「正直に皇帝の前でその植木鉢を見せるべきだ」と言われ、植木鉢をもっていきます。なぜか皇帝は、花を咲かせた子どもたちの前では眉をひそめるのです。(下の画像を左から順に提示)





     

(右の画像を提示)



 ピンの植木鉢を見た皇帝は言います。「皇帝にふさわしいこを、やっとみつけたぞ!」と。実は皇帝の与えた種はどれも、火を通し、芽が出ないようにしてあったのです。「このこは花がそだたなかった植木鉢を正直にわしのところにもってきた。その正直さと勇気こそ、皇帝にふさわしい」 

この物語を聞いて、みなさんはピンのような正直さを最後まで貫く人になれますか?その勇気をもてる人になってくださいね。


いかがでしたか?


正直さについて考えさせたい時、物語として上手く流れていきますよね。

このまま絵本の読み聞かせをしても良いでしょう。

その前に、この小話を聞かせてみてください。


絵本の中には、文章が多い読み応えのある絵本もあります。

そういう絵本こそ、まずは小話で導入してから読み聞かせに入ることをおすすめします。


そして、この『皇帝にもらった花のたね』が気になった方はぜひ買って読んでみてください。

原典にあたることで、僕とは違う小話のアイデアが閃くかもしれません。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...