2021年7月31日土曜日

とっておきの話205「黒い目のきれいな女の子」の裏話

Twitterに、とっておきの話205「黒い目のきれいな女の子」の原稿をアップしました。

とっておきの話205「黒い目のきれいな女の子」の原稿




突然ですが、みなさん、想像してみてください。


黒い目のきれいな女の子


今から、「黒い目のきれいな女の子」の絵をかいてくださいと言われたら、みなさんはどんな絵をかきますか?

目を閉じてイメージしてみてください。





目を開けてください。では、今あなたがイメージしたのは、a~hのどれですか?




目が黒いのか

女が黒いのか

女の子が黒いのか

女の子どもが黒いのか



画像のように、8種類も捉え方が出てきてしまいました。

「黒い目のきれいな女の子」と書いただけで、これだけの誤解が生まれてしまうかもしれないのです。


本で読んだ時、確かにどれだか分からなくなるなぁと納得しました。

日本語って難しいですね。



学校に通う子どもたちも、いろんな時に文章を書きます。

授業のふりかえりや見学に行った後の感想、日記など。


もしかしたら、自分が伝えたかったことと違うことが伝わってしまうかもしれません。

自分の言った言葉や書いた言葉を振り返ることが必要かもしれません。



自分が伝えようとしていたことが誤解されて伝わってしまうことは誰だって避けたいですよね。

読者のみなさんも、

伝えたつもり

になっていることがあるかもしれません。



昨年度、このとっておきの話を披露したら画像を見ただけで驚きの声が上がりました。

それだけ、インパクトの強い素材なんですね。

なかなか8種類全てを想像できた人は少ないのではないでしょうか。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月30日金曜日

とっておきの話204「一人ひとりから大切にされる店は・・・」の裏話

Twitterに、とっておきの話204「一人ひとりから大切にされる店は・・・」の原稿をアップしました。

とっておきの話204「一人ひとりから大切にされる店は・・・」の原稿



突然ですがみなさん、想像してみてください。


・博多駅から歩いて13分(駅から遠い場所にある)

・路地裏(細い道を進んでいかないとわからないようなところ)


みなさんは、こんな場所に立っている店、行きたいと思いますか?


普通なら進んで行きたいとは思いませんよね。

これは「地球屋」という居酒屋さんが建っている場所の様子をまとめたものなのです。




実はこの居酒屋さん、こんな場所に建っているのに、毎日たくさんのお客さんで溢れ返るくらい繁盛している店なんです。

どうしてだと思いますか?


その答えがこちら。

 

名刺交換一万枚


実はこの店に行くと、店員さんがお客さんと名刺交換をするのです。

そうやってお客さんの名前や住所を知ります。


そして、必ず名前つきで「○○さんから、ビールの注文が入りました!ありがとうございます!」と声がかかります。

お店を出た後も、家にお礼の手紙が届きます。

「この前はお店に来ていただいてありがとうございました。また来てくださいね」と。


こういう店は一人ひとりのお客さんを大切にしていることが伝わってきますよね。

実は私も、店は違いますが、こんな物をある店でもらったことがあります。



 

今でも宝物です。

昔、妻と旅行した先での居酒屋でしたが、本当に接客が温かいすばらしいお店でした。


このように、名刺でなくてもいいのです。



一人ひとりのお客さんから大切にされる人気のお店は、一人ひとりのお客さんを大切にする温かいお店だったのです。


これって人でも同じことが言えますよね。

一人ひとりから大切にされる人は、一人ひとりを大切にしてきた人なんですね。


自分が大切にされたいと思うのなら、まずは周りの人を一人ひとり、大切にできる人でありたいですね。



居酒屋さんからまさかこんな温かい素材をいただけるとは思ってもみなかったです。




やはり素材はどこに眠っているのか分かりませんね。

だからこそ、素材探しは面白いです。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月29日木曜日

とっておきの話203「チャンスは思わぬところに」の裏話

Twitterに、とっておきの話203「チャンスは思わぬところに」の原稿をアップしました。

とっておきの話203「チャンスは思わぬところに」の原稿




チャンスは思わぬところにあるものです。

今回は、身近にある物が実はひょんなことから開発された物だというエピソードを素材にしました。



まずはこちら。


 

 付箋です。


 みなさんは、付箋はどうやって発明されたか、知っていますか?


 実はもともと、すごく強くひっつくのりを発明しようとしていたら、失敗してすごく弱くひっつく、はがしやすいのりが出来てしまった。

 そして付箋が出来たそうです。

 

発明しようとした物とは別の物ができてしまった。

でも、それが大ヒットを生むチャンスになったのです。





お次はこちら。




吸い取り紙です。


みなさんが書写で使う吸い取り紙も同じ。

付箋と似たような開発エピソードを持っています。


実は、紙を作る会社の人が間違えてすごくインクがにじむ紙を作ってしまったのがきっかけです。


間違えて作ってしまった物が売れて会社にとってチャンスとなったのです。





最後はこちら。



縫い針です。


縫い針が出来たきっかけはなんと・・・




夢の中

だそうです。



夢の中でインディアンに槍でさされたその人。

インディアンが持っていた槍をよく見ると穴が開いていたそうです。


これだ!と思って作ったのがあの形をした縫い針。

悪夢からヒントを得てチャンスを勝ち取ったのです。




失敗だろうと間違いだろうと悪夢だろうと、チャンスは思わぬところにあるものです。


どこにチャンスが眠っているのか分からない。

だからこそ、チャンスに出会えることを楽しみにアンテナを高くしておくことが大切でしょう。


今回紹介した物以外にも、面白い開発エピソードをもった物は世の中に溢れています。

例えば、ハイヒールはウンチを踏まないように開発されたって知っていますか?

探してみると驚くエピソードが多いのでぜひ検索してみてください。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月28日水曜日

とっておきの話202「一回勝負にこだわる」の裏話

Twitterに、とっておきの話202「一回勝負にこだわる」の原稿をアップしました。

とっておきの話202「一回勝負にこだわる」の原稿




今回は、

一回勝負にこだわる

二人のエピソードを素材にしました。



ちなみにこの二人は、どちらも映画の世界で活躍する人たちです。



まずは、役を演じる俳優さんのエピソードを紹介します。

高倉健さんです。




彼は、映画の撮影をする時、ほとんど一回で撮影を決めていたそうです。


映画の世界では、上手く演じられなかった時のやり直し撮影は当たり前。

10回、20回とやり直すこともあります。


そんな中、高倉健さんは、たった一回の撮影で決めることにこだわった生き方をしていました。

彼の演技は、日本を代表する俳優と呼ばれるほどになりました。

 



次に、映画を撮る監督さんのエピソードを紹介します。

北野武監督です。




たけしさんと言えばお笑いのイメージが強いと思いますが、映画監督としても世界では有名です。

武監督は、どんなシーンも一回しか撮影しないことで有名でした。

やり直しをさせてもらえない世界を作っていたのです。


演じる俳優さんたちからすると、つらいですよね。

でも、もともと漫才師だった武監督はこう言うのです。

「漫才だって、同じ客の前でもう一度やってみろって言われたら嫌だろ?映画も一緒」


たった一回の撮影で映画を作っていく武監督の映画は、世界で賞を受賞するほどの作品となりました。




話の締めくくりに、こんなふうに呼びかけています。

【みなさんも、映画の世界の二人のように、一回勝負にこだわってみませんか?】


 

今回は映画の世界のエピソードを素材にしましたが、他の世界でも「一回勝負にこだわる」人はたくさんいるでしょう。

一所懸命という言葉があります。


一生懸命とは違い、一つの場面に全力を注ぐ意味合いがあります。

まさに一所懸命は、一回勝負にこだわるということです。



一回勝負にこだわることの大切さは、四字熟語で表せるほど言い伝えられてきたことなのです。

では、一回勝負にこだわることの良さは何でしょう?



一番の良さは、

集中力を高める効果

ではないでしょうか。



だらだらと続けていくのではなく、「一回」に全力を注ぐ(一所懸命)ことで、
集中して物事を進められます。


一回勝負にこだわることを繰り返せば、集中力を高める効果が生まれるのです。



集中力とは逆に、継続力も人間には必要になります。

しかし、こちらは長期戦の意味合いがあります。



短期戦の繰り返しの集中力

長期戦の継続力


これら2つのバランスが人間にとって重要なのかもしれません。




みなさんにとって、

ここぞという場面

はありますか?



その場面にこだわり、一所懸命すれば、今までとは違う世界が見えてくるかもしれませんね。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月27日火曜日

とっておきの話201「おもしろ探し」の裏話

Twitterに、とっておきの話201「おもしろ探し」の原稿をアップしました。

とっておきの話201「おもしろ探し」の原稿



今回のテーマは

恐怖

です。



みなさんにとって、恐怖に思うことは何ですか?


おばけですか?



高い所ですか?



上司に叱られることですか?




様々だと思いますが、ある本に、こんなことが書いてありました。

大人が「恐怖に思うこと」のナンバー1は・・・


こんなことを調査したアンケートがあるんですね。


ナンバー1は何だと思いますか?


正解は・・・




人前で話をすること


だそうです。



緊張したり、不安になったり・・・





では、人前で話をすることが恐怖に感じる最大の原因は、何だと思いますか?




それは、

何を話したらよいのかわからないから

なのだそうです。

 


つまり、大人が恐怖に感じることナンバー1である「人前で話をすること」を克服するためには、「何を話したらよいのかわからない」状態を解消すれば良いという訳です。



そこで、私自身が実践している

おもしろ探し

という視点を話の最後に紹介しています。



この「おもしろ探し」という言葉は、大学院時代の恩師がよく

「おもしろいものを探すことを趣味にしている」

とおっしゃっていたのを思い出し、ネーミングしてみました。



次のように呼びかけています↓


【「おもしろ探し」とは、自分がおもしろいと思ったものを探すという意味です。

この「とっておきの話」で話す内容は、ほとんどが「おもしろ探し」で見つけたことがもとになっています。

話したいことが見つかれば、自然と人前で話をすることに恐怖を感じなくなります。

みなさんも「おもしろ探し」、してみませんか?】




まさか自分の実践が素材になるとは・・・

見返した自分が一番驚いています。笑



でも、何でも素材になる、何でも素材にする

という意識はこれからも大切にしていきたいですね。



もしかしたら、あなたが何気なくやっている実践そのものが素材になることもあるかもしれません。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月25日日曜日

とっておきの話200「長生きを目指すの?」の裏話

Twitterに、とっておきの話200「長生きを目指すの?」の原稿をアップしました。

とっておきの話200「長生きを目指すの?」の原稿



みなさんは、長生き、してみたいですか?

私はしてみたいです。


でも、長生きを目指すだけで、本当に人生は豊かになるでしょうか?

そんなことを考えさせてくれた素材と、ある日出合いました。




新聞を読んでいたら、『長生きする理由』という小話が載っていたのです。

まずはこの小話をみなさんと一緒に読み返すところから始めていきたいです。

次の文章をゆっくり読んでみてください↓




【「先生、百歳まで生きたいのですが。大丈夫でしょうか」


欧州屈指の長寿国フランス。


初老の男性がパリの病院で医師に助言を求めた。


「たばこは吸いますか」と医師。


「喫煙は体に悪いので」と男性は首を振った。


「では、ワインはどれくらい?コニャックのような強いお酒は」。


男性は再び首を振る。

「健康のためにやめました」


「食べ物は」


「脂っこいものは避けています。フォアグラや塩分の多いバターも」


「では、夜遅くまで起きていることは。パーティーには月何回くらい」


「行きません」


医師が深刻な表情で、ため息をついた。

不安げな男性に向かって・・・】




はい、ここでストップ!!!

この後、医師は男性に何と言ったのでしょう?

みなさんも考えてみてください。


一見すると、男性は長生きするためにいろんな努力をしているように感じますよね。

でも、医師はため息をついて深刻な表情なのです。

なぜだと思いますか?

その答えが、続きの言葉で見事に表現されるのです。



さぁどんなことを言ったのかわかりましたか?

そろそろ正解を発表しますね。


正解は・・・







「あなたは何のために長生きするのですか」


でした。



私はここの部分を読んだ瞬間、ドキッ!としたのを今でも思い出します。


おじいさんは、長生きするためにいろんな物を我慢しています。

でも、長生きをしなくても、やりたいことをやれる幸せを感じる人生の方が素敵なのかもしれません。

長生きが大切ではなくて、長生きして何をするかが大切なのかもしれませんね。



長生き以外にも、同じようなことが言えませんか?


テストで100点を取ることが大切ではなくて、100点を取って何をするかが大切。


良い高校、良い大学に行くことが大切ではなくて、そこで何をするかが大切。


大人になることが大切ではなくて、大人になって何をするかが大切。




本当に大切にしなきゃいけないことを考えているでしょうか。

手段と目的が混在していないでしょうか。

灯台下暗しになっていないでしょうか。

本末転倒になっていないでしょうか。



いろんなことを考えさせられる小話ですよね。




例えば、このとっておきの話だってそうです。

毎日更新を続けるのは何のためなのか、自問自答し続けたいですね。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月24日土曜日

とっておきの話199「コップをそっと置くように」の裏話

Twitterに、とっておきの話199「コップをそっと置くように」の原稿をアップしました。

とっておきの話199「コップをそっと置くように」の原稿



今回のテーマは

励ましの言葉の言い方

です。


ただ励ませば相手が喜んでくれるという訳ではありません。


みなさんは、友達に

「がんばれ!」

と言ったことがありますか?

多くの人があると思います。


でも、本当に心が弱っている相手には、この言葉は逆効果だと知っていますか?


がんばれ!と言われると、自分はがんばっていないのかと落ち込んだり、もっと苦しまないといけないのかとプレッシャーに襲われたりすることがあるそうです。



これは被災地へのメッセージのあり方でも話題になりましたね。

がんばれという言葉に含まれるニュアンスがきつく感じてしまうのです。

言葉を発している本人は励ますつもりでも、受け取る人が負担だと感じればそれは励ましの言葉にはなりません。



せっかく励まそうと思って使う「がんばれ!」も、逆効果になってしまうのは避けたいですよね。

では、どのように言葉かけしたら良いのでしょう?




この話を作った当時、女優の酒井若菜さんの言葉がヒントとなりました。




酒井さんは、著書の中で次のように述べています。



【必要なのは、その人が言葉にできない思いを少しでも汲み取ろうとする心。

喉が乾いている人にたくさんお水をあげたいからといって頭からザブザブぶっかけるような真似をしてはいけません。

「お水、置いとくね。」そんな感じで。





「お水、置いとくね。」という言葉のニュアンスが絶妙ですよね。

そこにどれだけ相手を思いやる気もちが込められているか。

本当に優しさを感じる言い方だなと思いました。




ただ簡単に「がんばれ!」というのではなく、

一緒にがんばろうね

という愛のある「がんばれ!」が言える人になりたいですね。


「一人じゃないよ」

「いつもどおり!」

「応援してるよ」


伝える言葉を変えても、言い方はお水の入ったコップをそっと置くように言いたいものです。




相手を励ますということは、

まず相手に寄り添うということ

だと学びました。




自分本位な励ましになっていないか。

時に振り返りながら、相手を思いやる励ましをしたいですね。






ちなみに、私は酒井さんのファンではありません。

今見返した時、どうしてこの人の著書を自分が読んでいたのか覚えていませんでした。

しかも2012年の本です。わざわざ知らない女優さんの5年前の本を選んで読んでいたのでしょうか?


当時、足しげく地元の図書館へ通っていたことを思い出しました。

きっとこの時期は、素材探しに躍起になっている部分もあったと思います。

知らない人であっても、昔の本であっても、少しでも素材が見つかりそうな本を見つけたら何でもかんでも読んでいたのでしょう。

当時の自分の必死さが伝わる機会となりました。

こうしたアンテナの高さはこれからも大切にしたいですが、今はもっと肩の力を抜いている自分がいます。



このとっておきの話の発信も、ガツガツと見せつけるような発信は避けたいです。

「お話、置いとくね。」そんな感じで。




ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月23日金曜日

とっておきの話198「どんな本に出合えるかな?」の裏話

Twitterに、とっておきの話198「どんな本に出合えるかな?」の原稿をアップしました。

とっておきの話198「どんな本に出合えるかな?」の原稿




みなさんも聞き手になったつもりで読んでみてくださいね↓


ある日、本屋さんでこんなポスターを見つけました。




一番右の絵の上には、「泣ける本」とありました。

涙を流した分だけ、優しくなれる。ひとりでいたい夜は本と一緒に。

という言葉がそえられていました。


右から二番目は、どんな本でしょう?

正解は、「ヤバイ本」です。

君の想像をはるかにこえて、ヤバイ展開が待っている。だそうです。


三番目は何でしょう?

正解は、「恋する本」です。

恋の秘訣はみんな教えてくれない。だから人は、物語を読むらしい。だそうです。


左から二番目は何でしょう?

正解は、「考える本」です。

考えて、考えて、考える。それでも正解はない。たぶん、それが正解。だそうです。


一番左は何でしょう?

「シビレル本」です。

体中に電気が流れるような本がある。その衝撃は、君の人生をガラリと変えてしまうかも。だそうです。



どうでしたか?


本を読むことで得られる感情をキャラクター化する

このポスターの発想が面白いですよね。


このキャラクターはどんな感情だろう?と想像を膨らませることで、自分には無かった感情に気付くことができます。

そこを新たな視点に、新しい本との出合いを演出してくれています。



このポスターは、新潮文庫さんの広告ポスターでした。




さすがは出版大手ですね。


「泣ける本」「ヤバイ本」「恋する本」などの見出しが秀逸なのはもちろん、

その下に書いてある言葉も秀逸でした。


例えば、「泣ける本」には次のような言葉が添えられています。

【涙を流した分だけ、優しくなれる。ひとりでいたい夜は本と一緒に。】


この言葉だけでもとっておきの話の素材になりそうな魅力をもっていますよね。


今回のとっておきの話では触れられていませんが、このポスターの最初に書いてある次の言葉もステキです。


ようこそ、宇宙よりも広い世界へ


本の世界の広さを上手く表しています。

本を読んでどんな感情を抱くかは千差万別。

このポスターに書いてあるような感情以外にも、本は様々な感情を与えてくれます。

どんな本に出合えるか、ワクワクしますよね。

まさに宇宙よりも広い世界のように感じるのです。





読書が苦手な子にこそ、まずはこのとっておきの話を披露するところから魅力を伝えていっても良いかもしれません。


気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月22日木曜日

とっておきの話197「今の日本の「食」の姿」の裏話

Twitterに、とっておきの話197「今の日本の「食」の姿」の原稿をアップしました。

とっておきの話197「今の日本の「食」の姿」の原稿



今回の素材もポスターです。

広告コピーの一番上にはこんな言葉が書いてあります。


これが、今の日本の「食」の姿です。




2014年の調査結果をもとにしたものなので、そこから今は7年が経過しています。

披露する場合は、最新のデータを確認してから実践してみてください。


この素材の魅力的なところは、マスの弁当箱に表すことで、日本がどれだけ輸入に頼っているかが分かります。

食料自給率について考えさせられる結果を分かりやすく示すことができるのです。

ただ統計データをグラフ等で示すよりもよっぽどインパクトがありますよね。


このように、視覚に訴える素材というのを見つけると、魅力的なとっておきの話づくりにつながりやすいです。




どれも100%をこえるものはないですよね?

それだけ日本は、外国からの食べ物に頼っているということです。

自分の国で作った物だけでは、自分の国の人を支えるほどの量にはならないのです。

みなさんがいつも食べている食べ物は、国産ですか?外国産ですか?

ふだんから食料自給率に興味をもっておくと、食べ物に対する見方も変わってくるでしょう。



聞き手を学校に通う子どもたちと想定すると、こうしたとっておきの話は有効に働きそうです。
学校では、毎日給食があります。
その1つ1つのメニューを見て、どの食材が国産でどの食材が外国産だと意識して食べている子はほとんどいません。

かと言って、何%と表示されていても、それが読み取れない子どももいます。

そこで、こうした素材があると、目で見てすぐに

少ない

のか

多い

のかが分かります。



やっぱりとっておきの話に採用する素材の条件として

誰が聞き手であっても分かりやすい

というのは重要な条件ですね。



もちろん、作り手(話し手)である自分が感動した素材をとっておきの話に採用するのが基本なのですが、

自分にしか感動できない素材はつまらない

のです。


聞き手にとっても自分と同じように感動できる素材

を見つけられた時、とっておきの話クリエイターとして幸せを感じます。




自分が感動できる素材かどうかを意識した後、

聞き手も感動できる素材かどうかまで意識できるようにしたいですね。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月21日水曜日

とっておきの話196「ありがとうの力」の裏話

Twitterに、とっておきの話196「ありがとうの力」の原稿をアップしました。

とっておきの話196「ありがとうの力」の原稿



今回のとっておきの話はポスターが素材となっています。

広告コピーが素晴らしいポスターです。


テーマは

「ありがとうの力」

です。




【ごめんね。

助かりました。

心強かった。

迷惑かけたね。

うれしかった。

楽しかった。

おつかれさまでした。

あなたがいてくれてよかった。

これからもよろしく。

どんな想いも込められる言葉があります。


ありがとう。

ありがとうを贈ろう。】



という言葉が並びます。

最後の「ありがとう」が手書きになっているのも印象的ですよね。



このポスターに出合った時、「ありがとう」に秘められた力を感じました。

つまり、「ありがとう」はただ感謝するための言葉ではなく、様々な想いを込められる力をもった言葉なのだと気付かされたのです。



そこで、私はこんなことを思いました。

「ありがとう」と言うのは大切だと分かっていても、こうした想いを込めて「ありがとう」を言えている人は少ないのではないだろうか。

だからこそ、とっておきの話にする価値があると考えました。



まず、「どんな想いも込められる言葉があります」にスポットを当て、

「ありがとう」の部分を隠して提示します。

何だろう?と考えさせてから、その言葉は「ありがとう」だと提示します。





【「ありがとう」の力を信じて、大切に使っていきませんか?】

と呼びかけ、話を終えています。



話をした後、「ありがとう」を使っている場面を見つけたら、

今の「ありがとう」にはどんな想いを込めましたか?

と聞いてみてもいいかもしれません。



良しとされる言葉は、ただ言えばいいという訳ではありません。

様々な想いを込めて大切に使うからこそ、その言葉の本来の力が発揮され、生きてくるのです。

「ありがとう」以外にも、そんな言葉はあるはずです。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年7月20日火曜日

とっておきの話195「ガマンしている人がいます」の裏話

 Twitterに、とっておきの話195「ガマンしている人がいます」の原稿をアップしました。

とっておきの話195「ガマンしている人がいます」の原稿




今回の素材は、私の大学院時代の恩師が教えてくれた素材です。

こんなポスターです↓



良い素材ですよね。

なぜなら、言葉も絵も思考を刺激する要素で溢れているからです。


さて、ここでポイントなのが

どう発問するか

です。


実はこの素材、恩師は道徳授業化しています。

一方、とっておきの話として披露するには、発問は少なくしなくてはいけません。


今回の原稿では、

① だれがガマンしているのだと思いますか?

② この学級にガマンしている人はいないでしょうか?

の2つの発問を投げかけています。



でも、まだまだいろんな発問ができそうです。


③ (「ガマン」の文字を隠して)隠れている言葉は何でしょう?

④ その人は何をガマンしているのでしょう?

⑤ あなたがこの電車に乗っていたら、どうしますか?

⑥ ガマンしている人を助けるためにできることは何でしょう?

⑦ あなたがガマンしている人の立場なら、どんな気もちでしょう?

⑧ 「ガマンしている人がいます」を別のタイトルにしてみましょう。

⑨ ガマンしている人は本当にその人だけですか?

⑩ この学級にもガマンさせている人はいませんか?


このように、発問をたくさん考えられる素材は本当に良い素材と言えます。

あとは、聞き手の実態に合わせて、どんな発問をどう組み合わせてとっておきの話や道徳授業とするかです。



① だれがガマンしているのだと思いますか?

この発問には、「だれ?」を考えることで周りにガマンしている人がいないか広く見渡す力をつけてほしいという願いが込められています。

まず思いつくのが、真ん中のサラリーマンの男性でしょう。明らかに狭そうに座っています。

しかし、他にもガマンしている人はいます。

私が担任している学級で披露した時、手前の影になっている人たちという意見が出ました。


② この学級にガマンしている人はいないでしょうか?

この発問により、自分事として捉えてもらうことがねらいです。

身近のガマンしている人に目を向けることで、知らず知らずのうちに自分がガマンさせてしまっていないかを振り返る良い機会となります。



先程挙げた③~⑩の発問も、答えがいくつもあったり、自分事として考えられたりするようなものばかりです。

こうした発問は良い発問とされています。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月19日月曜日

とっておきの話194「すぐに答えが出ない世の中」の裏話

Twitterに、とっておきの話194「すぐに答えが出ない世の中」の原稿をアップしました。

とっておきの話194「すぐに答えが出ない世の中」の原稿



線路を暴走する電車が走っています。

その先には何も知らない5人の作業員が線路上に立っています。

あなたは、線路の方向を変えるスイッチを持っています。

スイッチを変えれば、別の線路へ電車が行き、5人は助かりますが、その先に何も知らない1人の作業員が線路上に立っています。

5人を助けるか、1人を助けるか。あなたはどうしますか?

 



スイッチを切り替えずにいる人?スイッチを切り替える人?

では、もし1人があなたの親友で、5人は他人だとしたらどうでしょう?

もし、1人が小さな子どもで、5人がお年寄りだとしたらどうでしょう?

状況を少し変えるだけで、いろんな答えが出てくる問題は、世の中にたくさんあります。

これは、その中でも有名な「トロッコ問題」という問題です。



今回のとっておきの話を作ろうと思ったのは、当時見つけた思考実験の本がきっかけでした。

トロッコ問題の他にも、次のような思考実験が紹介されていました。


【テセウスの船】

修理を繰り返し、素材は変わったが守り続けてきた船が本物のテセウスの船なのか。

当時の素材をそのまま使って今ちょうど復元した船がテセウスの船なのか。

何をもって「同じ船」とするかという問題。



【アキレスと亀】

アキレスと亀が競走をする。

アキレスがA地点に着く頃には、亀はその少し先のB地点に着いている。

アキレスがB地点に着く頃には、亀はその少し先のC地点に着いている。

これを繰り返すので、いつまで経ってもアキレスは亀に追いつくことができないという問題。




こうした思考実験は、子どもが聞いても面白いものです。

なぜなら、

すぐに答えが出ない

問題だからです。


それと同時に、

正解が1つではない

問題とも言えるでしょう。



一時期、道徳教育界ではジレンマ教材というものが流行ったことがありました。

どちらを選べばいいのか分からない。

だからこそ、思考が刺激される。


しかし、世の中はもっと複雑です。

どちらかを選べば解決するようなものではないし、

選ばないという決断も時には必要でしょう。


本当にケースバイケースで判断しないといけないのです。

昨日正解だったことが今日不正解になることだってあります。

予測できない未来に晒され続けているのです。

まさに

すぐに答えが出ない世の中

なのです。



なので、聞き手を学校に通う子どもたちと想定した場合、次のように話を締めくくることにしました。


【(すぐに答えが出ない世の中 と板書)
 
世の中はすぐに答えが出ない問題であふれています。

だからこそ、学校では、すぐに答えが出る問題で、自分なりの答えを出すための訓練をしているのです。

日頃から自分なりに考え、自分なりの答えを出す訓練を忘れないでくださいね。

考える訓練をしている人は、いざという時に鍛えられた自分の頭が自分を助けてくれます。】



思考し続ける

思考停止に陥らない


大人になっても大切にしてほしいですね。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月18日日曜日

とっておきの話193「働くことの幸せ」の裏話

Twitterに、とっておきの話193「働くことの幸せ」の原稿をアップしました。

とっておきの話193「働くことの幸せ」の原稿



今回のとっておきの話のテーマは、

働く

です。


みなさんは、人は働くことが必要だと思いますか?

できれば働きたくないなと思う人もいるかもしれません。


今回の話に出てくる方たちは、働きたくても働くのが難しい方たち。

障碍者の仕事

にスポットを当てています。


聞き手を学校に通う子どもたちと想定して、導入で次のように紹介しています。


【みなさんが教室で目にするチョーク。

実は日本のある会社でそのほとんどが作られているのを知っていますか?




会社の名前は日本理化学工業。

日本でいちばん大切にしたい会社と呼ばれた会社です。

なぜだと思いますか?(しばらく間をおく)


正解は、この会社で働く人の7割が、障碍者と呼ばれる人たちだからです。】


「日本でいちばん大切にしたい会社」と呼ばれた会社ってどんな会社だろう?

と興味をもたせます。



ここで、この会社の会長である大山泰弘さんの言葉を紹介します。




「人の幸せは、働くことによって手に入れることができる。それは、健常者でも知的障がい者でも、少しの差異もない。」


実際にこの会社で働く障碍者は、ある時は健常者を支えながら働いています。

そして、この会社で働く人はみんな、「彼らからむしろ教えられている」と話します。


大山会長が、人の幸せは働くことによって手に入ると考えたのは、ある時、お寺の住職さんにこんな話をされたからだそうです。


【この四つが、人間の究極の幸せである。

 曰く、物やお金をもらうことが人としての幸せではない。

 人に愛されること

 人に褒められること

 人の役に立つこと

 人から必要とされること


人に愛されることは、施設にいても家にいても、感じることができるでしょう。

けれど、人に褒められ、役に立ち、必要とされることは、働くことで得られるのですよ。】


こうして大山会長は、障害者の姿から、働くことの幸せについて気付かされたそうです。

 


学校の子どもたちへは、次のように呼びかけて話を終えます。

【私たちも将来、人に褒められ、役に立ち、必要とされる幸せを働くことで味わいたいものです。

 そのための訓練を、今、学校生活を通してしているのです。

 家にいるだけでは味わえない働く幸せを感じながら、これから生活してみませんか?




こうした話を聞くと、働くことでしか得られない幸せがあるのだと気付かされます。

最近、FIRE(経済的自立)を達成した方の話を聞く機会がありましたが、どんなにお金持ちでも、働くことをやめない人ばかりです。

その回数は減っていても、働くことを0にしている人はほとんどいません。

なぜなら、そこには幸せがあるからなのでしょう。




気になった方はぜひ実践してみてください。

いろんな方を聞き手にしてみましょう。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月17日土曜日

とっておきの話192「一兆分の一の奇跡」の裏話

Twitterに、とっておきの話192「一兆分の一の奇跡」の原稿をアップしました。

とっておきの話192「一兆分の一の奇跡」の原稿



子どもが生まれてくる確率って実はとてつもなく低いというのをご存知でしょうか?



当時作成した時は、まだ子どもがいませんでした。

でも、父親になった今では、本当に奇跡的だと感じます。



一兆分の一とは何の確率だと思いますか?

これは、あなたのお父さんとお母さんが愛し合ってあなたを生んだ確率です。

お父さんが一生かけて作る精子の数は一兆個。

そのうち、お母さんが作る卵巣に入れる精子は基本的に一個です。

あなたたちは、一兆分の一の確率で生まれてきたのです。】



一兆分の一の確率で生まれてきたと考えると、すごい確率ですよね。

「兆」という数の大きさに馴染みのない子を聞き手とする場合、


1000000000000


と書いて見せてもいいですし、次のようにイメージしやすいエピソードを交えてもいいでしょう。


【一兆というと、みなさんはどれくらいの数か思い浮かべることができますか?

 宝くじに当たると一億円なんて言いますが、一兆は一億円が一万の束になった数です。

 地球の人口が80億ほどですから、一兆だと地球が100個あっても足りないですね。】



さて、話はここで終わりません。

みなさんは、次の絵本をご存知ですか?



あなたのおじいちゃんには、おじいちゃんがいるはずです。

そのおじいちゃんにも、おじいちゃんがいるはずです。


つまり、みんなお父さんとお母さんが愛し合って生まれてきた訳ですから、

一兆分の一の奇跡の連続

なんですね。


試しに、一兆分の一の奇跡で生まれてきたお父さんと一兆分の一の奇跡で生まれてきたお母さんとの間に、一兆分の一の奇跡で生まれてきた男の子がいるとしましょう。


一兆×一兆をすると・・・


1000000000000000000000000


です。


ここから、おじいちゃんやおばあちゃんの世代まで考えると、さらに一兆がかけ算されます。


本当に天文学的な数字になっていくのです。


まさに奇跡的な数字と言えるでしょう。


だからこそ、命をつないできてくれた先祖の人たちに感謝することを忘れないで生きたいものです。


子どもが生まれるというのは、決して自然現象ではありません。

奇跡そのものなのです。


今まで命をつないできた人の誰か一人でも欠けていたら、

今のあなたはこの世に存在していないのですから。



絵本『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん/長谷川義史』

をぜひ読み聞かせてみてください。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年7月16日金曜日

とっておきの話191「5%の本好き」の裏話

Twitterに、とっておきの話191「5%の本好き」の原稿をアップしました。

とっておきの話191「5%の本好き」の原稿



本は好きですか?


本好きの方なら、この方をご存知でしょうか?↓



日本では有名な小説家、村上春樹さんです。


村上春樹さんは、こんなことを言っています。


「本当に真剣に本を好きになる人間は、全人口の□パーセントくらいなものです。」


□にはどんな数字が入ると思いますか?







正解は、です。


5%というと、クラスに一人か二人くらいとなります。

どうでしょう?

意外と少ないと思った方が多いのではないでしょうか?



され、みなさんは、たった5%に入るほどの本好きですか?




 さらに村上さんは、こんなことを言っています。

そしてそういう人たちは、自分の読むべき本を、基本的に自分でみつけていきます。


読むべき本を、自分で見つける。


だれかに「これを読みなさい」と言われて読んでいるうちは、本当の本好きとは言えません。

逆に、だれにも言われなくても、自分でこの本を読んでみようかなと思って読む本を見つけていく人は、5%の中に入る本好きになっていくのです。


5%の本好き


学校には図書室がありますよね。

自分の足で図書室へ通っている人は、自分で自分の読むべき本を見つけようとしている証拠です。

そんな5%の本好きをみなさんも目指してくださいね。






こうした話でした。

学校では、本を積極的に読むように指導します。

しかし、子どもたちの読書する姿は、こちらの指示があったからの姿であって、実は積極的に読んでいないのかもしれません。

本当の本好きな子どもは、先生から言われなくても本を読もうとする子のことを言います。




自分は本好きな子どもが増える環境づくりをしているだろうか。

読め読めと言うだけで、自分から読もうとすることがいつまでもできない子どもに育ててしまっていないか。

そんなことを自問自答したくなる素材だなと思いました。



今回のとっておきの話をきっかけにして、

もっと積極的に、もっと主体的に、

本が読める子どもが増えてほしいです。




ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月14日水曜日

とっておきの話190「聞く→聴く→訊く」の裏話

Twitterに、とっておきの話190「聞く→聴く→訊く」の原稿をアップしました。

とっておきの話190「聞く→聴く→訊く」の原稿




今回のとっておきの話は、私の体験談が素材となっています。

教員として働きながら、様々な教育書を読んだことで

「きく」

ことの大切さや奥深さを学びました。



聞き手である子どもたちに分かりやすく伝えるために、

「きく には3段階ある」

ということを強調して次のように話を組み立ててみました。



【話を聞いているようで、聞いていないなんてこと、みなさんはありませんか?】

まさにこの最初の問いかけが聞き手の実態の場合、ぜひこの話をしてみてください。




【(聞く と板書)

聞くという漢字を見てみると、門がまえがありますよね。

この「聞く」という漢字は、「聞こえてくる」という使い方をよくします。

自分の門をくぐりぬけてきて耳に届いたものを聞いている状態です。

この状態ばかり続けていると、門をくぐれなかったものは聞き逃すことになります。】


漢字の形から、聞こえるものだけを聞いていると聞き逃す時もあることを分かりやすくイメージできるように伝えています。




【相手の話を聞く時は、「聴く」を心がけてみましょう。

(聴く と板書)

聴くの漢字を見てみると、耳だけではなく、「+」「目」「心」とあります。

目を相手の目と合わせて、心を遣って相手の心につなげて、耳を傾けて聴くのが「聴く」です。

「聞く」よりもレベルアップした状態です。】


こちらも漢字の形から、何を意識したら「聞く」が「聴く」にレベルアップするのかを分かりやすく伝えています。



【(訊く と板書)

さらにレベルアップすると、「訊く」ことができるようになります。

相手との心の距離を縮めるために、質問するという意味です。

相手のことを「もっと知りたい!」という気持ちが高まっている状態です。】


この「訊く」の漢字を見ると、ごんべん(言)ですよね。

「言う」がメインになっているのです。

自分が「言う」ことを前提に「きく」ができると、さらにレベルが高い訳です。



【「きく」と一言で言っても、「聞く」「聴く」「訊く」と3段階あります。みなさんの「きく」は今どの段階ですか?

「聞く」で止まっていたらもったいないですよ。】


この話をした後、

今のは「聞く」

今のは「聴く」

今のは「訊く」

と意識させていってもいいですよね。


私はよく、掲示物を作って教室の見える所に掲示していました。




とっておきの話は、あくまでもきっかけづくりです。

せっかく作ったきっかけを活かす手立てを、みなさんも考えてみてください。





気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月13日火曜日

とっておきの話189「笑声=笑顔を届ける声」の裏話

Twitterに、とっておきの話189「笑声=笑顔を届ける声」の原稿をアップしました。

とっておきの話189「笑声=笑顔を届ける声」の原稿



作成当時、めざましテレビの『キラビト!』というコーナーが好きでした。


ある日、いつも通りコーナーを観ていると、電話応対コンクールで優勝した方が出ていました。



その人が、笑顔を届ける声として次のように表現したのですね。


笑声(えごえ)


新鮮な言葉として自分の心に響いたことを今でも思い出します。

電話応対は、顔が見えません。


しかし、顔が見えなくても、笑顔を届けることはできるのです。

その時に大事なのが姿勢や表情だそうです。


これは、小学生の子どもたちにも伝えたい話だと思いました。



まず、電話応対が何なのかが分からない子もいると想定されるので、導入ではイメージしてもらえるようにします。


【もしもし、こちら、○○会社でございます。お客様のご用件をお話しください。

(電話応対のジェスチャーをしながら)

 こうしたお客さんからかかってくる電話を受ける仕事を、電話応対と言います。

 実は、電話応対コンクールというのがあるのを知っていますか?

 2017年度の優勝者は、この人です。高橋明寿香さんです。】




その後、高橋さんが笑声を出すために、姿勢や表情にも気を遣っていることを伝えます。


最後に、笑声かどうかチェックする時間を作ってみても面白いかもしれません。

チェックの時間は、お話のふりかえりとなります。

本当に聞き手へ響いたのかどうかを確認する時間も意識的に作ってみましょう。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月12日月曜日

とっておきの話188「自分だけの富士山を」の裏話

Twitterに、とっておきの話188「自分だけの富士山を」の原稿をアップしました。

とっておきの話188「自分だけの富士山を」の原稿




大学院時代の恩師から、こんな言葉を言われたのが素材となっています。


自分だけの富士山をもちなさい


どんな意味だか分かりますか?


これは、得意なことだけを積み重ねるのではなく、苦手なことにもチャレンジをすることが大切だということのイメージを伝えています。


なぜ、エベレストやモンブランではなく、富士山なのか。

富士山には、美しいすそ野がありますよね。

あのすそ野があってこそ、富士山が美しい山と言われる所以でしょう。



富士山のてっぺんは、あなたの得意なことです。

でも、得意なことだけ積み重ねても富士山のように美しい山にはなりません。

富士山のすそ野が、苦手なことやまだ挑戦していないことです。


得意分野に磨きをかけて、山を高くすることも大切。

でも、すそ野を広げて、美しい山にしていくことも大切なのです。


だれのものでもない、自分だけの富士山を心にもちなさい

と言われました。



こうしたエピソード素材に、次のような導入を組み合わせ、とっておきの話としました。


【人は誰でも、得意なことと苦手なことがあります。

 例えば、ドッジボールは得意でも、鬼ごっこは苦手だという人。ドッジボールばかりして遊んでいませんか?

 国語は得意だけど算数は苦手だという人。国語ばかりやる気になっていませんか?

 バスケは得意だけどサッカーは苦手だという人。バスケの時だけ本気になっていませんか?

 ついつい得意なことばかりやるのが人間です。】


まずは、得意なことばかりやってしまう感情に共感するのです。



最後に、次のように締めくくっています。

【みなさんの心にも、自分だけの美しい富士山ができることを願っています。】




「自分だけの富士山」ってなんだか特別感があっていいですよね。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年7月11日日曜日

とっておきの話187「能ある鷹は爪を磨け」の裏話

Twitterに、とっておきの話187「能ある鷹は爪を磨け」の原稿をアップしました。

とっておきの話187「能ある鷹は爪を磨け」の原稿



能ある鷹は爪を隠す

ということわざはご存知ですか?


才能のある人ほど、見せびらかす、謙虚に生きているという意味です。


つい人は自分が何かできることがあると周りに自慢をしてしまうものですが、本当にできる人はそんなことはせず、謙虚に生きているものです。




さて、自動車の世界では有名な本田宗一郎さんは、こんな言葉を残しています。





能ある鷹は爪を・・・


ここからが違います。


続く言葉は・・・


磨け

です。



本田さんは、爪は隠すものではなく、磨くものだと言っています。

自分の才能を見せびらかさないことは大切です。

でも、隠した才能をそのままにしておくのも違うというのです。


本当に才能のある人は、その才能を磨くために、陰で努力をしているということです。

爪は隠すのではなく、磨くものです。

人知れず磨いてきた爪がいつか、自分の人生に大きく役立つ時が来ます。


能ある鷹は爪を磨け。

心に刻んで努力しましょう。







このように、伝記や偉人の本から学ぶことは多いです。

本田宗一郎さんは、HONDA自動車の創業者としてその名を知らない人はいないくらい有名でしょう。

だからこそ、その言葉には重みが生まれます。

簡単に言うと、名言が多いということです。



巷には、名言本が溢れています。

しかし、誰かがまとめた名言本より、自分の興味に合わせて一人の伝記や偉人の本を読みこんで辿り着く1つの名言の方が重みがある場合もあります。



今回の「能ある鷹は爪を磨け」は作り手である僕自身が感動し、手に入れた素材です。

名言本の中の1つにまとめられていたら通り過ぎてしまっていたかもしれません。





この人についての本を1冊、読み込んでみよう。

と決めてみると、思わぬ素材が見つかるかもしれません。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月10日土曜日

とっておきの話186「ちはやぶる」の裏話

Twitterに、とっておきの話186「ちはやぶる」の原稿をアップしました。

とっておきの話186「ちはやぶる」の原稿



今回のとっておきの話は、

映画の1シーン

を素材にしてみました。


当時、妻と映画館に行くのが週末の日課でした。

何気なく観に行った映画『ちはやふる』の1シーンが心に響き、素材にしました。


セリフを紹介します↓


【ちはやぶる ってどういう意味?・・・

確かにどちらも 勢いの強さを表した言葉ですが

あらぶる は乱暴で 不安定な力であるのに対して

ちはやぶる はその勢いが ただ一点に集中した状態なんです。

軸を中心に どの方向にもブレることなく

まるで止まっているかのように】



こうしたセリフの後に、主人公を演じる広瀬すずさんの背中が映し出される1シーンがあるんですね。


それがこの


というシーンです。

【ちはやぶる ですよ】というセリフと共にその姿が映し出されたので、

かっこいい!

と感動しました。



この感動をそのまま聞き手に伝わるように、まずは「あらぶる」から紹介しています。


【(あらぶる と板書)

 「あらぶる」という言葉の意味を知っていますか?漢字で書くと…

(荒ぶる と板書)荒れると書きます。

 意味は、乱暴な、激しい、気が短いなどの意味です。

 怒るとついカッとなってしまう時、あらぶっています。

 何か悩みがあって、不安で不安で仕方ない時、あらぶっています。

 みなさんも、心があらぶっている時はありませんか?】



次に、「ちはやぶる」について迫っていきます。


【似ているようで意味のちがう言葉に、こんな言葉があります。

(ちはやぶる と板書)

 ちはやぶるとは、同じように激しい勢いという意味がありますが、芯が通った強さのことを言います。

 ただ一つに集中して勢い良くという意味です。 】

   


 最後に、「心の中のコマ」をキーワードにして、次のように問いかけて締めくくっています。


【あなたの心の中のコマは「あらぶる」ですか?「ちはやぶる」ですか?】




映画を素材にとっておきの話づくり。

みなさんもぜひ、挑戦してみてください。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年7月9日金曜日

とっておきの話185「ネッカーの立方体」の裏話

Twitterに、とっておきの話185「ネッカーの立方体」の原稿をアップしました。

とっておきの話185「ネッカーの立方体」の原稿



私事ですが、算数・数学の教員免許を所有しています。

なので、算数や数学の知識は他の教科を専門としている先生よりは詳しいと思います。

算数・数学の先生なのに、こんな道徳的なことに力を入れ続けているのも不思議な話ですけどね。


さて、そんな算数・数学の世界にも、

もしかしたら素材になるかも

というものがあります。


今回紹介する素材は、

ネッカーの立方体

というものです。


次のような図形のことを言います。



みなさんは、この立方体のどの面が正面だと思いますか?


見方を変えると、最初に正面だと思っていた面が正面ではないように見えてきます。




ネットで調べると、次のように説明されています↓


【ネッカーの立方体ネッカーのりっぽうたい、英: Necker Cube)は、スイスのルイス・アルバート・ネッカーにより1832年に考案された、錯視の立方体である。 ネッカーの立方体では、立方体を構成する2つの辺が見た目の上で交わるとき、どちらが前部か後部か示されておらず、2つの解釈ができるために錯視が可能となる。】



この素材の魅力は、見慣れてきた立方体という図形のはずなのに、錯視を利用して線の色を均等にするとたちまち見方が1通りではなくなるところです。


そして、この

見方が1通りではない

という考え方が、人に対しても言えるのではないだろうか?

と思いつき、次のように話をつなげてとっておきの話にしました。


【これは、人を見る時も同じです。

「この人は○○な人だ」と決めつけた見方ばかりしていると、その人の違う面に気付きにくくなってしまいます。

そうではなくて、「この人は○○なところもあるけど、△△なところもある人だ」といろいろな見方をすると、どんな人にも魅力があることに気付きます。

あなたの心にあるネッカーの立方体は、ここが正面だと決めつけていませんか?】


決めつける子って少なからずいるんですよね。

思い込んで「あの人ってひどいよね」と陰口で盛り上がる大人もいます。




そんな人に、別の視点を授ける。

そのために、ネッカーの立方体の話は1つのきっかけとなるかと思います。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年7月8日木曜日

とっておきの話184「乗り越えた先の幸せ」の裏話

Twitterに、とっておきの話184「乗り越えた先の幸せ」の原稿をアップしました。

とっておきの話184「乗り越えた先の幸せ」の原稿



金持ちの不幸せ


という話をみなさんはご存知でしょうか?


すごくお金持ちの家に生まれ育った子が大人になった時、お父さんにこう言われました。

「うちは金持ちの家だから、働かなくていいぞ。自分の好きなことだけやって生きなさい」


こんなことを言われたら、幸せな毎日のはずですよね。

その子はお父さんの言いつけを守り、初めは喜んで好き勝手に暮らしていました。



でも、そのうち幸せだと思っていたはずの毎日ではなくなっていきます。

ある日、我慢ができなくなってその人はお父さんに言いました。


「お願いです。もうこんな生活はうんざりです。働かせてください!」



私はこの話を知った時、

本当の幸せ

とは何だろうと思いました。


ただお金があれば幸せという訳ではないし、

ただ時間があれば幸せという訳でもない。



そんな時、もう1つ素材を見つけました。


ある本に、こんなことが書いてありました。


おだやかに快適に暮らす幸せもあるが、あとで振り返った時に「あの時は大変だったけど、良い経験だった」と思える方が、脳はより幸せを感じる。


 “いつも幸せ”よりも、“あの時の苦しいことを乗り越えた今は幸せ”と思った方が幸せと感じるそうです。

きっと「金持ちの不幸せさん」も、働く苦しさを乗り越えた先の幸せを知らずに過ごしているうちに、今の生活が本当に幸せなのかわからなくなったのでしょう。


人生山あり谷ありと言いますが、谷があるから山がわかるものです。幸せも一緒です。



何かを乗り越えた先の幸せ

を感じられる人になってほしいですね。




幸せをテーマにした話はどこまで深めてもまだまだ奥深いですよね。

今回のとっておきの話では、

最初から何も苦労していない人は幸せになれない。

苦労してきたからこそ、幸せを感じられる人になれる。

そんなメッセージを伝えています。


一方、別の角度から幸せについて深めても面白そうです。

以前紹介してきたとっておきの話の中にも、そんな話がいくつかありました。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...