2023年3月28日火曜日

とっておきの話481「やってもらったことよりも」の裏話

 Twitterに、とっておきの話481「やってもらったことよりも」の原稿をアップしました。

とっておきの話481「やってもらったことよりも」の原稿



 朝ドラをこんなに毎日観続けたのは久しぶりのことでした。

今シーズンの『舞い上がれ!』とても面白かったです。

録画しておいた15分の朝ドラを朝活の中で静かに観るのが毎朝の楽しみでした。

このドラマの見所としては、すごくそれぞれの登場人物の人生の生き方を感じるところだと思います。

主人公自身も、右往左往しながら人生を生き抜いていきます。

大きな挫折もありながらも、家族や身の回りの人たちと助け合い、一歩一歩進んでいく姿に勇気づけられます。


物語のキーパーソンである島のおばあさんにも人生の転換点がやってきます。

長年やっていた船の仕事を引退する時が来たのです。

長崎の五島列島から大阪へ移り住むことになったおばあさん。

お別れ会のシーンでのセリフに胸を打たれ、とっておきの話の素材にすることにしました。


ちなみにこのおばあさんは、他のシーンでも数々の名言を残していますが、今回はあえておばあさんが言われる側で良かった名言を取り上げています。

気になる方は『舞い上がれ!』の再放送を観てみてください。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(やってもらってうれしかったこと と板書)

 みなさんは、誰かからやってもらってうれしかったことはありますか?例えば、落としたえんぴつを友達に拾ってもらってうれしかったなど、どんなことでも良いです。教えてください。(指名)

 なるほど。そんな時、みなさんはやってもらった相手に何と言いますか?…ありがとうですね。


先生がこの前の朝見たドラマでも、船の仕事を引退するおばあさんに島の人たちがたくさんありがとうを言うシーンがありました。「やってもらったことを挙げていったらキリがないよね」というセリフの後、こんなことを言う人がいました。

(「本当だよ。だけど、いろいろやってもらったことよりも

ここにいてくれたことが一番うれしかった」と提示)(網掛けの部分を隠して提示)

やってもらったことよりも一番うれしかったこととは何でしょう?(指名)

ここには、「ここにいてくれた」ことと入ります。



このおばあさんが船の仕事でやっていたことの中身ではなく、そんな頼りがいのあるおばあさんが

自分の住む島にいてくれたことこそ大切で一番うれしいと感じたのです。



(「やってもらって」うれしい!より「ここにいてくれて」うれしい!と言われる人に と提示)

 やってもらってうれしい!と言われるだけでなく、ここにいてくれてうれしい!と言われる人になりたいですね。そのためにはまず、身の回りの人に、やってもらったことにありがとうを言うだけでなく、そこにいてくれることにありがとうを言える人になりましょう。あなたのそばにいてくれる人たちの存在は、決して当たり前ではないのですから。


いかがでしたか?


やってもらったことに人は目をいきがちです。

それは、点の事象しか見ていない証拠です。

点でしか見ていないありがとうは、点でしか伝わらないありがとうになります。


一方で、いてくれてありがとうには、線のありがとうを感じます。

今までずっと、そこにいてくれた。その存在そのものに感謝の気持ちを伝えているのです。

やってもらったことの積み重ねにより、温かい関係性ができた証拠です。


やってもらったことだけでなく、そこにいてくれたことに注目する。

そうすることで、感謝のレベルが上がる気がします。

そして、言った方も言われた方も、幸せな気持ちになると思うのです。

そんなことを考えさせられる話でした。


行動を取り上げて感謝を伝えることも大切です。

しかし、もっと大切なことは、存在に感謝することなのかもしれません。



このブログを読んでくださっているあなたという存在にも感謝を伝えたい。

いつも読んでくださってありがとうございます。

2023年3月27日月曜日

とっておきの話480「チャンピオンはゴールじゃない」の裏話

 Twitterに、とっておきの話480「チャンピオンはゴールじゃない」の原稿をアップしました。

とっておきの話480「チャンピオンはゴールじゃない」の原稿


 みなさんは、ポケモンにどんな思い出がありますか?

僕らの世代の人たちなら、いや、老若男女問わず誰もがポケモンは知っているのではないでしょうか?

アニメ「ポケットモンスター」の放送は、僕にとっても青春の1つでした。

毎週どんなポケモンが出てくるのか楽しみでした。

そして、サトシとピカチュウの温かいやり取りや熱い気持ちに、夢中になりました。

そんなポケモンが、なんと最終回と言うではありませんか!!!

シリーズは今後も続いていくそうですが、僕たちが見慣れたサトシとピカチュウの旅には幕が降ろされるそうです。

26年間の旅が終わる。

これは何かしら残しておかなければ!!!

サトシとピカチュウへ感謝の気持ちを込めて。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(サトシとピカチュウの画像を提示)



1997年から放送を開始したアニメ「ポケットモンスター」。その主人公であるサトシと相棒のポケモン、ピカチュウが2023年3月24日の放送で26年間の旅を卒業しました。サトシはポケモンワールドチャンピオンシップでついに世界チャンピオンになります。ポケモントレーナーとしてこれほど嬉しいことはありません。そんなサトシは、最終回でライバルのシゲルからこんなことを聞かれます。

(「君はどこまでポケモンマスターに近づけたのかな?」 と提示)

 サトシは何と答えたと思いますか?(指名)


 その場ですぐに答えず、じっくりと考えた後でサトシは相棒のピカチュウにこう答えます。

(以下の文を読み聞かせる)


あのときどこまでポケモンマスターに近づけたのか聞かれたけど

チャンピオンはゴールじゃない

俺はまだチャレンジャーなんだって思ってる。

もっとたくさんの冒険をしてポケモンに出会う。

毎日起こること全部一つも無駄なことなんかない。

俺世界中全部のポケモンと友達になりたい。

それがきっとポケモンマスターってことなんだ。

ピカチュウいつか俺がポケモンマスターになったとき

そこにいてくれるよな。


 みなさんは、なぜピカチュウがライチュウに進化しないまま26年もの間サトシと一緒に旅をし続けたと思いますか?それは、サトシがピカチュウを本当の友達として優しく接し、「進化せずありのままの自分でいたい」というピカチュウの気持ちを大切にし続けたからです。

(チャンピオンよりもチャレンジャー 勝利だけでなく友情 と提示)

チャンピオンよりもチャレンジャー。試合の勝利だけでなく、ポケモンとの友情を大事にしたサトシこそ、真のポケモンマスターになれそうですね。みなさんも、サトシに負けないチャレンジャーになれそうですか?自分だけの勝利だけでなく、友達との友情も大事にできる人になってくださいね。


いかがでしたか?


実際に最終回のアニメ放送を見せても子どもたちに伝わるものがあると思いますが、語りとして凝縮することで時間をかけずに伝えることができます。

また、最終回の話だけでなく、あえて「ピカチュウがライチュウに進化しない理由」のエピソードも少し織り交ぜてみました。

サトシのセリフから、何がキーワードなのかを探り、子どもたちに伝えたいメッセージを抽出しました。


そこから、

チャンピオンはゴールじゃない

自分はまだチャレンジャーなんだ

世界中全部のポケモンと友達になりたい

等がメッセージ性が高く、キーワードになりやすいと考えました。


結果的に、

チャンピオンよりもチャレンジャー

勝利だけでなく友情

という2つのキーワードを創り、とっておきの話としてまとめる形となりました。


たとえ感動したエピソードでも、そのまま話してしまうと大事な部分が分かりづらく、伝わらない話になってしまいます。

だからこそ、どんなキーワードが浮かんでくるのかを吟味することが大切です。

そして、子どもたちも自分事として考えられるような締めくくりを意識しています。



ちなみに私は、この最終回を観た後、YouTubeで過去回の放送も観ています。

久しぶりに見返しても、ポケモンは面白いですね。

こうしたアニメも、語りの素材になり得ます。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2023年3月26日日曜日

とっておきの話479「憧れは超えるもの」の裏話

  Twitterに、とっておきの話479「憧れは超えるもの」の原稿をアップしました。

とっておきの話479「憧れは超えるもの」の原稿


 2023年3月、日本はWBCのニュースで熱く盛り上がりました。

日本は14年もの間、優勝を逃し、悔しい思いをしていました。

大谷翔平選手という大スターが現れ、他にも素晴らしい選手が揃った日本チーム。

その活躍は目覚ましいものでした。

準決勝のメキシコ戦では、さよならホームランでの勝利。

決勝のアメリカ戦では、3対2の大接戦で勝利を納め、優勝を果たしました。

念願だったWBC優勝を果たした日本選手たちに、日本中が感動の渦に包まれました。


今は興奮冷めやらぬ状態ですが、ここで終わってしまっては教師として勿体ない気がします。

ましてやとっておきの話クリエイターとしては、ぜひこの熱い気持ちを小話にして残しておきたいものです。

そして、このニュースを知らない子どもたち相手にも、将来何かしらのメッセージが伝わる語りができればと思い、まずは1話創ってみました。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(憧れの人 と板書)

 みなさんは、憧れの人がいますか?

テレビの芸能人やユーチューバー、スポーツ選手、アイドル、習い事の先生、クラブチームの監督など、人それぞれに憧れの人がいると思います。憧れの人がいないという人も、この人のことは知っていて損は無いと思います。

(大谷翔平選手の写真を提示)

野球界では知らない人はいません。大谷翔平選手は、バッターとしてもピッチャーとしても世界で大活躍したメジャーリーガーです。そんな大谷選手は2023年、WBCという野球の世界大会で日本代表選手として出場します。



 世界の強豪相手に決勝戦まで勝ち続けた日本チーム。相手はメジャーリーグの本場、アメリカ。野球選手なら誰しもが憧れるような当時のメジャーリーガーが全員そろっているチームです。憧れの人たち相手に勝つにはどうしたらいいのか。試合前、大谷選手はチームメイトにこんなことを言います。

(憧れるのをやめましょう と提示)

どうしてこんなことを言ったのでしょう?(指名)

 大谷選手は、次のように続けて言いました。

(「憧れてしまったらね、超えられないんで。今日1日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう。」と提示し、読み聞かせ。)



 憧れは人に夢や希望を与え、目指す目標にもなります。しかし、

そのせいで、自分を憧れの人よりも下だと無意識のうちに思い込ん

でしまうこともあります。憧れるのをやめた日本チームは決勝戦で

アメリカ相手に3対2の大接戦で勝利します。14年ぶりのWBC

優勝を果たしたのです。(下の写真を提示)



(憧れは超えるもの と板書)

憧れは目指すだけでなく、やめて超えていくもの。憧れの人たちを超えていった日本選手たちは、観ていた人たちから憧れる人になりました。みなさんも、今憧れている人を目指すだけでなく、いつの日か、憧れをやめ、超えていくことを目指してみてください。いつしかあなた自身が、誰かにとっての「憧れの人」になれるはずです。(最初に板書した「憧れの人」に赤で〇を付ける)


いかがでしたか?


今回の話を創る上で気を付けたことが2つあります。


1つ目は、「このニュースを知らない人、大谷翔平選手を知らない人でも分かりやすく伝わる語りにすること」です。

 知っている人からすると蛇足になるような説明箇所も、丁寧に言葉を紡がないと知らない人からすると分かりにくい話になってしまいます。ただ、説明が長すぎるのもいけません。ここら辺のバランスを考えながら残す言葉と省く言葉を振り分けて創ってみました。


2つ目は、「憧れの人にスポットを当てすぎて他人事とならないようにすること」です。

 あくまで子どもたちが自分事の話として語らないと意味がありません。自分からかけ離れた憧れの人の活躍の話だけ聞いても響きません。大谷翔平選手自身も憧れの人がいて、その人たちを超えるためにあえて憧れるのをやめたのだということを強調して伝えたいです。そして、この話を聴いているあなたたちにもそれができるのだというメッセージを伝えたいのです。


今回はタイムリーな話題を取り上げてとっておきの話を創ってみました。

時事ネタはいつか必ず風化していく特性があります。

だからこそ、風化した後も残り続けるストーリーを残していく。

残されたストーリーが何年も語り継がれていくように、教師として目の前の子どもたちに伝えていく。

いつの時代の話であっても、心に響く話から子どもたちは自分事として行動に移すことができます。

そんな魅力的なストーリー性ある話をこれからも創り続けていきたいです。

子どもたちの心に響かせる話ができる教師であり続けたい。


ちなみにこのWBCの話題から、オリジナル道徳授業もできそうです。

もう既に、実践されている先生方がいそうです。笑



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2023年3月12日日曜日

とっておきの話478「納得をほっとかない」の裏話

  Twitterに、とっておきの話478「納得をほっとかない」の原稿をアップしました。

とっておきの話478「納得をほっとかない」の原稿



ある日の日曜日の朝、『ボクらの時代』というテレビの対談番組を観ていました。

その日は、俳優の鈴木亮平さんが俳優仲間のみなさんと一緒にお話されていました。




その対談の中で、鈴木亮平さんがおっしゃった言葉の中に、ステキなエピソードや言葉がいくつかありました。

エピソードとしては、撮り終わったシーンをずっと練習しているという話が素材になると考えました。

言葉としては、「失敗するなら前のめりで倒れたい」という言葉が素材になると考えました。

この2つを組み合わせ、子どもたちの心に響くような新作をつくりたいと考え、今回の話を創ってみました。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


失敗と聞いて、みなさんはどんなイメージをもちますか?次の絵のどれに近いか選んでみましょう。

(A~Cの画像を提示)

A

 

B

C

 

(鈴木亮平さんの画像を提示)



亮平さんがこだわってずっと練習していたシーンは…これです。

(撮り終わったシーンをずっと練習している と提示)

もう監督からオッケーが出て撮影が終わっているシーンなのにずっと練習していたそうです。

なぜそんなことをしたと思いますか?理由が分かる人は手を挙げてください。(挙手した子の意見を聞く)



それは、こんな理由だからだそうです。

(納得をほっとかない と提示)

 つまり、成功か失敗かを決めるのは他のだれでもない、自分自身だということです。たとえ他の人が成功だと言っても、自分が納得しないまま進みたくない。逆に、失敗をしたとしても、他の人の目を気にするのではなく、自分が納得したかどうかを大事に努力し続けたい。こうした姿勢が、亮平さんの俳優人生を支えているのです。最後に、亮平さんは失敗と聞いてどんなイメージをもったのかを教えます。

(失敗するなら前のめりで倒れたい と板書)

 みなさんも、納得をほっとかないで、前向きに努力していきましょう。前に倒れた人は、前に進んだ人です。その姿勢を忘れなければ、きっとこれからも、前に進み続けられますよ。


いかがでしたか?



撮り終わったシーンをずっと練習しているというエピソードを中盤にもっていき、「失敗するなら前のめりで倒れたい」という言葉は締めくくりの言葉として終盤にもっていきました。

より鈴木亮平の言葉が心に響くように、まず導入で失敗に対する子どもたちのイメージをイラストで視覚的に具体化しています。

また、どのイメージに近いかどうかを自分で選択する時間を作ることで、失敗や努力、納得感について自分事として子どもたちが考えやすくなるようにしています。

このように、中心となるエピソード素材を中盤にし、導入と終盤で注目させたい言葉に関する問いかけや提示をサンドイッチすることで話にまとまりをもたせています。



さらに、子どもたちにとって、「失敗するなら前のめりで倒れたい」という言葉は少し長く、合言葉になりづらいと思ったので、合言葉としてぴったりくる短い言葉を付け加えることにしました。

それがタイトルでもある「納得をほっとかない」です。

少し韻を踏んでいるのがお分かりでしょうか?

リズム感のある短い言葉は、子どもたちにとって合言葉となりやすいです。

鈴木亮平さんのことを知らない子でも、「納得をほっとかない」という言葉は耳に残りやすいのではと思いました。



良かったら実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2023年3月1日水曜日

とっておきの話477「ワクワクする「分からない」世界へ」の裏話

 Twitterに、とっておきの話477「ワクワクする「分からない」世界へ」の原稿をアップしました。

とっておきの話477「ワクワクする「分からない」世界へ」の原稿



あ、いい言葉だなぁ。

と思う瞬間というのは誰しもあるものです。

しかも、それは突如として訪れます。


その時、ただ「いい言葉だった」と感じて終わるのか、とりあえずメモしておこうと思うのかでは雲泥の差が生まれていきます。

言葉や思考は耳で聞いただけでは通り過ぎ、忘れ去られていってしまいます。


だからこそ、見える化が大切なのです。

つまり、書き残すということですね。


もっと言うと、ただ書き残すだけでなく、自分なりの表現方法でアウトプットすることをお勧めします。これが一番、自分にとっての最大のインプットにもなるのです。

なぜなら、自分事になるからです。

僕の場合、その表現方法がとっておきの話づくりという訳です。



今回の話は、『けテぶれ』提唱者の葛原祥太先生のツイートを素材にさせていただきました。

ご本人に許可を得た上で活用させていただいています。





それでは原稿を読んでみましょう⇩


(分かる と板書)

 読んでみましょう。さんはい(斉唱)

良いイメージの言葉だと思う人?(挙手)悪いイメージだと思う人はあまりいないですよね。

例えばどんなイメージがありますか?詳しく言える人?(指名)

 なるほど。では、この言葉はどうでしょう?

(分からない と板書)

 読んでみましょう。さんはい(斉唱)

 良いイメージの言葉だと思う人?(挙手)悪いイメージだと思う人?(挙手)

 悪いイメージをもつ人もいるみたいですね。

例えばどんなイメージがありますか?詳しく言える人?(指名)



(「分かる」世界 「分からない」世界 と提示)

 みなさんの話を聴いていると、「分かる」世界へ行きたい人が多いようです。それは、こういうことだからではないでしょうか。

(分かる→居心地がいい と板書)

 分かると安心する。分かると楽しい。だから、「分かる」世界は居心地がいいですよね。でも、実は「分からない」世界にもいいことがあるのですよ。何だと思いますか?

(分からない→ワクワクする と板書)

 分からないと、もっと知りたい。分からないと、新しいことを学ぶチャンスになる。だから、「分からない」世界は本当はワクワクする世界なのです。



(「分かる」世界 ←→ 「分からない」世界 と板書)

 みなさんは、居心地がいいからと言って、ずっと「分かる」世界にいませんか?「分かる」ことだけ抱えて安心していると、新しいことに出会えず面白くありません。いつの間にか自分から学ぼうという気持ちも無くなっていき、勉強がつまらなくなっていきます。

 いつの間にか、ワクワクすることを忘れていませんか?本当は勉強って学び方次第でものすごくワクワクするのです。「分からない」世界を本気で楽しんだ人は、その先の「分かる」世界はさらに居心地が良くなります。そしてまた、ワクワクする「分からない」世界へ飛び込んでいく。この繰り返しこそ、勉強の本当の面白さです。さぁ、「分からない」世界へ、一歩踏み出そう!


いかがでしたか?


「分かる」ことに比べ、「分からない」ことにはマイナスのイメージが付きがちです。

だからこそ、「分からない」のイメージをリフレーミングし、プラスでポジティブなイメージをもつような語りは重要になります。

ワクワクするという言葉からは、ポジティブなイメージをもちますよね。

こうしたワードセンスは真似しながら、より聞き手である子どもたちが自分事として考えられるような工夫も凝らしていきます。


導入は、子どもたちの活動をメインにしています。

斉唱によってキーワードを意識させています。

挙手によって意思表示をさせています。

指名によって思考を促しています。

こうした子どもたちが自分事として考える時間や場を用意した上で本題に入ることで、抽象的な話も具体的に考えられるようになります。


本題に入ってからも、聞き手第一に共感を入れながら語ることが大切です。

そのための言葉の言い回しは多く身に付けておくと良いでしょう。


終盤の最後の言葉は、前向きな呼びかけで締めくくります。

こうした語りの工夫と相俟って、いい言葉は子どもたちのとっておきの言葉へと変わり、心に響いていくのです。


喩えるなら、裸の言葉に語りの服を着せているようなイメージですかね。

聞き手の実態に合わせ、着せる服も変えています。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...