2023年8月28日月曜日

とっておきの話506「ダンゴムシと迷路」の裏話

 Twitter X に、とっておきの話506「ダンゴムシと迷路」の原稿をアップしました。

とっておきの話506「ダンゴムシと迷路」の原稿


 ある日、三好先生のVoicyを聴いていたらダンゴムシには面白い習性があることを知りました。自分なりに調べてみると、交替性転向反応という習性によって迷路をゴールするダンゴムシの動画に出合いました。



 ダンゴムシと聞いて、みなさんはあまり興味をもたないかもしれません。

しかし、小さな虫にも心動かされる生き方があるのです。


 こうした情報は、調べてみないと詳しく分からないものです。

大事なのは、自ら調べてみること。

そこから思わぬ素材を得ることができるのです。

そして何より、自分事としてとっておきの話を創ることができます。

誰かから聴いたいい話ではなくなるのです。



 それでは原稿を読んでみましょう⇩


(ダンゴムシの画像を提示)

 この虫の名前を知っている人?(指名)はい、ダンゴムシですね。

(次の画像を提示)


こんな実験があります。

ダンゴムシをこんな迷路の中に置きます。

果たしてダンゴムシは迷路をゴールできるでしょうか。

できると思う人?(挙手)実は・・・できるのです。

必ずできるとは限りませんが、ダンゴムシのある習性によって迷路をゴールすることができます。どんな習性だと思いますか?

この習性の名前をまず教えますね。7文字熟語です。

(交替性転向反応 と板書)

 どんな習性か予想できる人?(指名)



 ダンゴムシは、進む方向に障害物があると方向を変えて進み続けます。その方向の変え方が、右と左を交互に変えていくのです。

これは天敵である鳥などから食べられないように少しでも早く進むダンゴムシの知恵です。

ぶつかる度に右ばかり歩いていたらぐるぐると回るだけです。

左ばかり歩いていても同じですよね。ダンゴムシは交替性転向反応という習性のおかげで迷路をゴールすることができるのです。

みなさんも人生の迷路の進み方が分からなくなることがあるかもしれません。

ちょうど今、進む方向に障害物があるよという人?(挙手)誰しも必ず壁にぶつかる時はあります。

そんな時、ダンゴムシの生き方を思い出してみてください。

今までと違う方向へ進むことで、人生の迷路を切り抜けることができるかもしれません。

ぶつかった壁に負けず、勇気を出して、今までと違う新しい挑戦へと進んでみてください。

きっとゴールが大きく近づくはずです。


いかがでしたか?


ダンゴムシの持っていた習性が迷路という環境において上手く発揮されていますよね。

このダンゴムシと迷路の話は、人生の生き方にも当てはめられる教訓となります。


みなさんも、人生における迷路に迷うことがありますよね?

誰しも何かに迷い、生きていると思います。

一度も壁にぶち当たることなく、ただひたすらまっすぐ進む人生というのは無いのです。

だからこそ、ダンゴムシのように、今までと違う方向へ進む生き方が参考になるのです。


人は、変化を嫌います。

今までと違う方向へ進むには、勇気がいります。

そうして新しい挑戦へと踏み出せないのです。

本当は壁にぶつかって迷っているのに、新しい挑戦へと踏み出せず迷い続ける選択を自らしている人もいます。


それは子どもたちも同じです。

なかなか勇気を出せない子がいます。

そんな子に、身近な虫であるダンゴムシの話をきっかけとして、人生の迷路から切り抜けるヒントを授けてみてはいかがでしょうか。

ダンゴムシと迷路の組み合わせが絶妙で、創っていて楽しい話でした。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2023年8月21日月曜日

とっておきの話505「武道の究極のゴールは」の裏話

 Twitter Xに、とっておきの話505「武道の究極のゴールは」の原稿をアップしました。

とっておきの話505「武道の究極のゴールは」の原稿


 妻はジャニーズが好きで、V6のファンです。

 その流れで、岡田准一さんが出ているテレビ番組は録画しているのです。


 そんな妻の好きな番組を一緒に観ていたら、岡田さんがステキな考え方を話していらっしゃったのでとっておきの話にしようと思いました。

 岡田さんと言えばそのアクションシーンはかなり定評のある方。

 岡田さんの出ている映画を観ると、そのアクションシーンの美しさには圧倒されます。


 そんな岡田さんがずっとやりたかった番組と言うので妻と一緒に観てみたら、武道の世界の面白さがすごく伝わってくるステキな番組でした。

 武道と学校にいる子どもたちにつながりは無いように見えますが、実はつながる考え方がある。そんな新しい発見がありました。


 みなさんは、武道を極めた先にはどんなゴールが待っていると思いますか?


 それでは原稿を読んでみましょう⇩


(殺陣を演じている岡田准一さんの画像 を提示)




この人は、俳優の岡田准一さんです。武道を学び、アクションシーンには高い評価をもらっています。(武道 と板書)そんな岡田さんが、『明鏡止水』という武道の番組を提案し、テレビで様々な武道を紹介していました。武道と聞いてみなさんは例えば何を思い浮かべますか?(指名)


 (子どもの意見と合わせて様々な武道を紹介)考えてみるといろんな武道がありますよね。

そんな武道の究極のゴールは、何だと思いますか? 誰よりも強くなること?たくさんの相手を倒すこと?誰もが知っている強い人になること?

 岡田さんは、武道の究極のゴールは…

(戦わない と板書)

戦わないことだと言います。戦うために極めていった武道なのに、戦わないことがゴールってどういう意味だと思いますか?(指名)岡田さんは、次のように番組で話していました。(以下を提示)

 昨日の自分に今日は勝つ。そして今日よりも明日、と超えていく。たどりつく先はもうカンカンカンカンッと戦うのではなく、最初にみんなでやめて戦わないで終わる。もうお互いの力が分かって戦いをしない。戦いのように見えて戦いとは逆の方向に行く「自分を高める」ということが武道なんだと思います。

 究極に自分を高めた人同士が刀を持って向かい合った時、「この人とは戦わない」という道を選ぶ。それが武道の究極のゴールなのです。


(自分を高め続けていくと、戦わない世界になる。 と提示)

 世界で起きている戦争も、お互いが自分を高め続けていけば無くなるのかもしれませんね。

 みなさんも武道の考え方を取り入れて、戦わない世界を一緒に目指していきませんか?

例えば、けんかやトラブルの無い、誰も戦わない学級を目指すには、みんなそれぞれが自分を高め続けていく必要があります。戦わないで、助け合える学級を一緒に目指していきましょう。


いかがでしたか?


戦うイメージの強い武道のゴールが、戦わないというギャップが面白いですよね。

子どもたちにとっては、そのギャップは大人以上に感じられるのではないでしょうか。

だからこそ、とっておきの話にして伝えることで響くものがあるはずです。


戦わない世界は誰もが望む世界でしょう。

今も世界のどこかで戦争が起きています。

戦わない世界の実現は並大抵のものではありません。

それは、「自分を高め続けている」という人間にみんながそれぞれなることが大事だからです。すぐにできることではないですよね。


しかし、難しいから諦めるのではなく、難しいからこそ、みんなでそこに希望を見出していこうという前向きなメッセージを伝えたいです。


自分に勝てた人だけが、誰とも戦わない世界で生きられる。


なかなか深い考え方ですよね。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2023年8月15日火曜日

とっておきの話504「5つの技で はきはき読もう」の裏話

 とっておきの話504「5つの技で はきはき読もう」の原稿をアップしました。

とっておきの話504「5つの技で はきはき読もう」の原稿


音読シリーズ第3弾。これで一旦締めくくりです。

国語の音読だけでこれだけ小話として語れることがあるのに驚きました。

とっておきの話のシリーズ化は、教科授業こそ生きてくるのかもしれません。


今回の話では、音読の技能に着目しています。

第1弾、2弾の話を聴いた上でこの話を聴かせると、段階を踏まえて理解できます。

いきなり音読の技能を知っても難しいのです。


さて、私は困りました。

自分で「5つの技」とタイトルを付けておきながら、学習指導要領解説において紹介されていた技は…

声の大きさ、抑揚、速さ、間の取り方の4つだったのです。

ここでつまらない5つ目を紹介するのは蛇足だと感じました。

考えを巡らしているうちに、5つ目は…

自分で工夫する

ことだと思いつきました。

これならどの子にも当てはまる一般性と、主体性の両方を確保することができます。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


(はきはき読む と板書)

 音読では、はきはき読むことも大切です。では、はきはき読むためには、どんなことに気を付けたら良いのでしょう?(指名)なるほど、今日は5つの技を紹介しますね。


(上の表を提示)

まずは①の声の大きさ。大きな声が良いのはもちろん…ですが、小さな声と大きな声を使い分けられるとさらに良いです。

それが②の抑揚にもつながります。

③の速さに気を付けると、さらに変化を加えて読めます。

④の間の取り方をマスターできれば、聞いている人の気持ちをぐっと惹き込む音読ができます。


例えば1つ、みんなで練習してみましょう。

(実態に合わせた題材でこの中から1つスキルを選んで練習してみる)


では、5つ目の技は何だと思いますか?(指名)


様々な技が出てきましたね。先生は「姿勢」や「気持ち」という意見がみんなから出てくるのではないかなと思っていました。実はこの5つ目の技が一番大切です。

(自分で工夫する と板書)

 誰かに言われて気を付けているようでは、本当の意味で「はきはき読む」ことはできません。①~④の技に気を付けるだけでなく、音読してみて何か気になったことがあったらすぐに自分で工夫してより良く読む練習を続けてみてください。音読がレベルアップしていきます。(以下を提示)




自分で工夫して読むうちに、読んでいる文章を見なくても覚えて読めるようになります。これを暗唱と言います。また、自分の気持ちや考えを乗せて表現しながら読めるようになります。これを朗読と言います。

「はきはき読む」ための技を身に付け、暗唱や朗読へとレベルアップしていきましょう!


いかがでしたか?



学習指導要領解説から、音読は朗読へとつながることを新たに学びました。

また、元々私の学級では音読練習を重ねながら暗唱を目指す実践もしていたので、今回は朗読と暗唱を並列して音読の先につながるものとして紹介しました。


自分がしている行動が別の違う行動へとレベルアップしていくことを知ると、モチベーションも向上するのではないかと思い、このような話の流れにしてみました。


そのためには、然るべき技能を身に付ける必要があります。

そこで、技能の中身の想像➡技能の紹介➡自分で工夫するって具体的に何だろう?と想像➡暗唱や朗読へとレベルアップ といった流れで話を組み立ててみました。


このように、自分が今まで経験してきたことや蓄えてきた知識と、新たに学んだことを結び付けていくと、1つの小話が出来上がってきます。



次回からは国語の音読を離れ、別のジャンルでのとっておきの話づくりに挑戦します!

お楽しみに!




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2023年8月12日土曜日

とっておきの話503「すらすら読める世界を広げる」の裏話

 Twitterに、とっておきの話503「すらすら読める世界を広げる」の原稿をアップしました。

とっておきの話503「すらすら読める世界を広げる」の原稿


 音読についてとっておきの話を創ろうとすると、1話では収まりませんでした。

そこで、シリーズ化することにしました。

今回の話は音読シリーズの第2弾です。


 すらすら読むということは音読に大事な技能です。

では、どうしたらすらすら読めるようになるのでしょう?


 それは、まとまりに気を付けて読むということです。

これは、学習指導要領にも掲載されています。

まとまりに気を付けて読めるようになると、すらすら読める世界が広がっていくのです。


 それでは原稿を読んでみましょう⇩


【 今から見せる文の中から、フルーツをできるだけたくさん見つけてください。



制限時間は…

10秒です。せーの、はい。(以下を提示)


みやばななつとはぱいなっぷるあももせよあいちじくおらかきいれ

きみかんとかぶどうひのなしまねめみもめろんかなちもりんごむど


 ストップ。いくつ見つけることができましたか?(挙手)

例えばどんなフルーツが隠れていますか?(指名)なるほどね。正解はこちら(以下を提示)


みやばななつとはぱいなっぷるあももせよあいちじくおらかきいれ

きみかんとかぶどうひのなしまねめみもめろんかなちもりんごむど


 10個も隠れていました。たくさん見つけられた人は、言葉のまとまりに気付けた人です。

(言葉のまとまり と板書)



言葉のまとまりに気付くと、すらすらと読むことができます。今から見せる文を5秒で読みます。せーの、はい。(以下を提示)


にほんごではおもしろいことにかんじかたかなひらがなといったようにたくさんのもじがつかわれています


 すらすら読めましたか?こうなると少し読みやすくなりますね(以下を提示)


にほんごではおもしろいことに かんじかたかなひらがなといったように たくさんのもじがつかわれています


 実はもう少しまとまりの切れ目があるのですが見つけられた人?(挙手)(以下を提示)


にほんごでは おもしろいことに かんじ かたかな ひらがな といったように たくさんのもじが つかわれています


 みなさんで読んでみましょう。さんはい(斉読)国語の教科書では、こうしたまとまりの切れ目に句読点が付いていることが多いです。(以下を提示)読みます。さんはい(斉読)


にほんごでは、おもしろいことに、かんじ、かたかな、ひらがな、といったように、たくさんのもじが つかわれています



(文字➡言葉➡文➡文章 と板書)

 まとまりに気を付けて音読できると、すらすら読める世界が広がっていきます。一文字一文字しか読めなかった言葉をまとめて読めるようになります。一つ一つの言葉しか読めなかった文をまとめて読めるようになります。そして、一文一文しか読めなかった文章をまとめて読めるようになります。

 文字から言葉へ、言葉から文へ、文から文章へと、すらすら読める世界を広げていきましょう。


いかがでしたか?


伝えたいメッセージ性を分かりやすくするためには、


① 実際にやってみる

② 例文を見せる


の2点が重要です。そんな実際にやってみたい例文は、学習指導要領とは別にネットから探してみました。


この2点が入った話だと、一方的な押し付けの説話ではなく、自分事として落ちる話になります。


また、難易度が子どもたちの実態と比べて

「少し難しい」

ぐらいの例文を提示することも重要です。

少し難しいとは、少し努力すればギリギリ届くような難易度を指します。


こうした素材を探してこれるかどうかも、話の中身に大きく関わってきます。


すらすら読むということについて考えていった時、もともと一文字一文字しか読めなかった息子が、今はすらすらと絵本を読めるようになった親としての経験が結び付きました。

そうか、すらすら読む世界を広げていくんだな、とそこで浮かんできました。


すらすら読むとは、まとまりに気を付けて音読するということだったのです。

練習教材は探せばいくらでも出ているので、この話の後にいくらでも実際にやってみることができます。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2023年8月5日土曜日

とっておきの話502「正しく音を読むと・・・」の裏話

 Twitterに、とっておきの話502「正しく音を読むと…」の原稿をアップしました。

とっておきの話502「正しく音を読むと・・・」の原稿


 500話投稿を迎え、原稿の様式をリニューアルしました。

 実はリニューアルしたのは様式のデザインだけではありません。


 今回の話から挑戦しているのですが、みなさんはお気づきですか?


 そう、「授業で語る」という視点が新たに付け加わったのです。


とっておきの話は、道徳科の説話で止まるものではありません。

こどもの心に響く とっておきの話100

前著『こどもの心に響く とっておきの話100』(東洋館)では、主に朝の会や道徳科授業の中で語ることを前提にしたとっておきの話集を掲載していました。

今後は、道徳科だけでなく、他教科の様々な授業場面で語れるような話を創っていきたいです。

私の更なる教師修行として、学習指導要領を読み込み、「授業で語る」とっておきの話づくりに楽しく挑んでいきます。


 さて、第1弾は「音読」についてです。

 学習指導要領を読み込んでみると、音読を取り巻く要素は多く、1つの話に収まらないことが分かりました。そこで、音読についての語りシリーズの第1弾としました。


 それでは原稿を読んでみましょう⇩


(読む と板書)

みなさんは、何かを読む時、何を使って読んでいますか?(指名)

(読む➡目、指 と板書)

 まず目を使いますね。どこを読んでいるか確認するために、指でなぞりながら読む人もいます。

(音読 と板書)でも、読む中でも「音読」は違います。

(音を読む と板書)音を読むと書きますね。つまり、口から音が出て、出た音を耳で聞いているのです。(音を読む➡目、指、口、耳)

 五感を使って読むのが音読なのです。この中で、まだ出てきていない五感がありますね。そう、鼻です。正しく音を読むと、ただの文字の並びに見えていたものから匂いを感じるようになります。(におい=言葉の響きやリズム と板書)匂いとは、その言葉の響きやリズムのことです。

(五感を使って正しく音を読む と提示)

ではちょっとみんなで五感を使って正しく音を読む「音読」を体験してみましょう。

(「おうい みんな」と板書)

みなさんはこの言葉をどう読みますか?五感を意識して読んでみましょう。

さんはい(それぞれ一斉に読む)上手!五感を使わないと(正しくない音読を披露する)となってしまいます。

では、これはどう読みますか?(詩を提示)




この詩は、今から約100年前の作品です。正しく音を読みます。さんはい(一斉に読む)

正しく音を読めるようになると、100年前の言葉の響きやリズムも感じられるようになります。もっと昔の言葉の響きやリズムも感じてみましょう。(約330年前の松尾芭蕉の作品なども紹介)


 今、みなさんは100年前や300年以上前の言葉を読めましたね。

(意味がわかる と板書)

 どんなに昔の言葉でも、言葉の響きやリズムに注意して読めるようになると、その言葉の意味もわかってくるようになります。国語の教科書に書いてある言葉は全て、「五感を使って正しく音を読む」ことで意味がわかってくるようになっているのです。

(正しく読む と板書)

 授業で練習したことを生かして、おうちでも正しく音を読む練習をしてみてください。

今まで意味がわからなかった言葉がわかってくるようになり、音読が楽しくなりますよ。


いかがでしたか?


もちろん、国語教育を専門にしている先生方からすると今回の話だけでは物足りないと思います。

あくまでとっておきの話は、種まきです。

1つの小話だけで音読の全てについて網羅するのは難しいのです。

でも、それでいいのです。あくまできっかけとなる種まきなのですから。

今回の話を通して、音読は音を読むことだと理解し、音読に興味をもつ子が増えたらと思っています。


話を創る時には、次のような構成を考えました。


① 音読は、音を読む。

② 五感を使う。

③ におい=言葉の響きやリズム を感じる。

④ 昔のにおいを体感する。

⑤ 正しく音を読むと、意味がわかる。

⑥ 国語の教科書は、音読してこそ意味がわかる。


こうした全体の流れが明確になって初めてとっておきの話の原稿を作成することができます。

今回はここに至るまでにいつもよりも時間がかかりました。

それは、素材としている「音読」という世界が広く、何を取り上げるか、どう組み立てるかを考えるのに時間がかかったのです。

だからこそ、凝縮された語りになっているとも言えます。


授業で語るとっておきの話づくりの挑戦。

今までと違った面白さのある挑戦になりそうです。

これからもコツコツと原稿をアップしていきますので、気軽にコメント欄で感想を教えてくださいね。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2023年8月1日火曜日

とっておきの話501「私の○○を見て」の裏話

 Twitterに、とっておきの話501「私の○○を見て」の原稿をアップしました。

とっておきの話501「私の○○を見て」の原稿


名言というのは、語り継がれていくものであり、その言葉は時を経ても色褪せません。

今回の話で取り上げた名言は、サッカー界ではレジェンドと呼ばれる澤穂希選手が、2008年に言った言葉だそうです。

きっかけは何気なく聴いていたラジオ番組。

スポーツ選手の名言を紹介するコーナーで紹介されていました。


2008年というと今から15年も前の話。

それでも今でも語り継がれるには、理由があるはずです。

背景となるエピソードを調べてみると、、、


澤選手、かっこいい!!!


と感動しました。

チームメイトを安心させ、勇気づける背中を見せたいものですね。

これぞキャプテン!といった感じです。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(苦しい時 と板書)

 みなさんは、苦しい時はどんなことをしていますか?(指名)

少しでも苦しさをへらして安心できる方法があったら知りたいですよね。


2008年北京オリンピックでサッカー女子の日本代表選手たちは歴史上初のベスト4に入ります。チームは「なでしこジャパン」と呼ばれ、強い国相手に大活躍する姿に日本中が盛り上がりました。そんな「なでしこジャパン」でキャプテンを務めていたのが、今ではサッカー界のレジェンドと呼ばれる澤穂希選手です。(澤選手の写真を提示)



準決勝でアメリカに負けた日本は、史上初のメダルをかけて、世界

ランキング2位のドイツと試合をします。ドイツ選手の高さとパワー

に圧倒され、先に点を取られてしまった苦しい時、澤選手はチームメ

イトにある言葉を掛けます。どんな言葉を掛けたと思いますか?(指名)

一緒にがんばろう、あきらめないで等が想像できそうですが、澤選手

はこんな言葉を掛けました。


苦しい時は、私の背中を見て


「私の背中」というのは、「私ががんばっている姿」という意味です。

どんなに苦しい状況でも、澤選手は決してあきらめず、90分間の試合

中最後までボールにくらいついていきました。その背中を見て、チーム

メイトも全力を尽くすことができました。メダルは取れませんでしたが、

この言葉によって勇気づけられた仲間たちは大勢おり、今でも澤選手が

残した名言として語り継がれています。


みなさんは苦しい時、仲間たちに「私の背中を見て」と言える自信はありますか?

どんな状況でも決してあきらめず、最後まで全力を尽くす。そんな姿を見せられる人は、自信をもって仲間にこんな言葉を掛けてあげられそうですね。

あなたの周りに、自分が苦しい時こそ見たい背中を見せている仲間はいますか?そんなかっこいい仲間をお手本にしながら、あなたも周りの人を安心させる背中を見せられる人になってくださいね。


いかがですか?


理想のリーダー像というのはいくつあっても良いと思います。

澤選手のように、背中で見せる(魅せる)リーダーもかっこいいですよね。


子どもたちにとっても、自分に合ったリーダー像に向かって目指していけばいいと思います。

ちなみにリーダーには向いていないという子も、何かしらの形でリーダーになれる機会があるといいと個人的には思います。

物静かで落ち着いているリーダーがいてもいいと思うのです。


こうした様々なリーダー像を、とっておきの話のような語りを通して知ることは大切ではないかなと思います。

澤選手のエピソードには心を動かす力がありますよね。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...