2022年12月25日日曜日

とっておきの話455「みんなサンタさんになれる」の裏話

Twitterに、とっておきの話455「みんなサンタさんになれる」の原稿をアップしました。

とっておきの話455「みんなサンタさんになれる」の原稿



メリークリスマス!

今年もクリスマスの時期がやってきましたね。

最近時が過ぎるのが早すぎてびっくりしています。

実は、クリスマスのとっておきの話は今まで1つしか創っていませんでした。

そこで、今年のクリスマス関係の小話を創ろうと思い立ちました。


それが今回の小話です。

Twitter上で知った小話も参考にしながら、自分なりにプレゼントの語源などを調べて創ってみました。

それでは原稿を読んでみましょう⇩



メリークリスマス!クリスマスと言えば、みなさんはこの人を思い浮かべるのではないでしょうか?(サンタさんの画像を提示)



サンタさんのすごいところは何でしょう?教えてください。(何人か指名)

 サンタさんになれるなら、なってみたい人?(挙手)

 先生は、サンタさんのここがすごいと思います。

(相手のほしいものをプレゼントできる想像力 と提示)



 みなさんもそう思いませんか?どんな子にもそれぞれ何がほしいかを想像し、ちゃんと相手の立場になってほしいものをプレゼントできる。これってすごいことですよね。

(物 に×と板書しながら)

 でも、プレゼントするものはお金で買うような「物」でなくてもうれしいものです。例えば、友達と一緒に楽しいことをする。これだけで、あなたはその友達に「大好きな友達と一緒に過ごす時間」をプレゼントしている訳です。困っている人を助ける時も、同じようにプレゼントしています。



 (プレゼント=今、前もって用意したもの と板書)

 ちなみに、プレゼントには「贈り物」以外に「今」「前もって用意したもの」という意味もあります。今、相手がほしいものは何かを想像し、前もって用意したもの全てがプレゼントになります。

つまり、プレゼントはクリスマスの日だけにするものではないのです。いつでも、今からでもできるのです。大事なのは、相手のほしいものを想像する力です。サンタさんのようにね。

(みんなサンタさんになれる と板書)

そうすれば、あなたはいつでも、今からでもなれるはずです。

あなたの大切な人にとっての、サンタクロースに。


いかがでしたか?


・プレゼントはお金で買える物だけではない

・プレゼントはいつでも、今からでもできる

・相手のほしいものをプレゼントできる想像力を誰にももってほしい

・みんなサンタさんになれる


このあたりが今回の小話を通して子どもたちに伝えたいメッセージになります。

ちょっと盛沢山になってしまったかもしれません。


ちなみに、今回の話とは関係ありませんが、フィリピンではクリスマス期間が3か月もあるということを最近ニュースで知りました。

理由は、出稼ぎ労働者が異国から母国へ帰ってきた時に温かく出迎えられるよう、長めに期間を取っているからだそうです。

国によってクリスマスの文化の違いがあるのは面白いですよね。

このように、クリスマス関係の小話1つとっても、まだまだ面白くなる余白がある訳です。


情報は日々更新され、知識は日々蓄積していきます。

その中で、このとっておきの話の中身も変化していき、更新されていくでしょう。

そしてまた、新たな小話が創られていくことでしょう。

つまり、小話づくりに終わりはないのです。

それが楽しいですよね。


きっと来年のクリスマスの時期には、また別のクリスマス関係の小話を創り、発信していると思います。

それではみなさん、メリークリスマス!!!



気になった方はぜひ、実践してみてください。

最後まで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年12月11日日曜日

とっておきの話454「全問正解は残念」の裏話

Twitterに、とっておきの話454「全問正解は残念」の原稿をアップしました。

とっておきの話454「全問正解は残念」の原稿


100点

全問正解


これらの言葉は、子どもたちからすると嬉しい言葉というイメージが強いでしょう。

私たち教員にとっても、褒める内容として当たり前だと捉えている人も多いでしょう。

しかし、最近私は自由進度学習の本を読んだことでこのイメージは逆転しました。

まさにコペルニクス的大転回です。



著者の蓑手先生は、100点を取った子に「惜しかったね」と声をかけます。

つまり、乗り越えられる課題はその子の実態に合っていないという捉えです。

本当はもっと乗り越えられる課題があり、もっと成長できるはずなのに…

自分よりレベルの低い課題を乗り越えただけの結果に甘んじているだけということなのです。


こうした考え方をもつと、教師としても100点や全問正解を目指した学習ではなく、一人ひとりの子どもの実態に合わせた課題設定の重要性が浮かび上がってきます。

自由進度学習をはじめる上で、そのきっかけとなるとっておきの話があっても良いだろうと考え、今回の小話を作ってみました。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(100点 と板書)

 どんなイメージがありますか?(何人か指名。うれしい!という反応が返ってくるだろう)

なるほど。では、これはどうですか。

(全問正解 と板書)

(何人か指名。やはりうれしい!という反応が返ってくるだろう)

 これもうれしいという人が多いみたいですね。 



 でも、自分でめあてを決める学習では、100点や全問正解は必ずしも良いとは限りません。

100点を取った子がいたら、先生はこう言います。

「惜しかったね、次はもうちょっと高いめあてを立ててみよう」

全問正解だった子がいたら、先生はこう言います。

「残念。今日君が選んだ課題は、今の君のレベルから見ると低すぎたんだね。君は、自分が思っている以上にできるってことだね」

 100点や全問正解という結果は、「本当はもっと成長できる力をもっているのに課題が簡単すぎて惜しかった、残念だった」という見方ができるのです。



 (ぎりぎり達成できないめあてを立てる➡大きく成長できる と提示)

 自分でめあてを決める学習では、ぎりぎり達成できないめあてを立てることが大切です。

それが自分を大きく成長させる丁度良いめあてです。どんな課題に挑戦し、どんなめあてを立てるのが丁度良いのか、それはあなた自身がやってみることでだんだんと分かってきます。自分だけの丁度良いめあて、見つけていきましょう。


いかがでしたか?


子どもたちにもわかりやすい形で「全問正解は残念」という新たな視点を与えることで、少しずつ自由進度学習の本質について教師と子どもが共通理解を図れると思います。

こうした共通理解無くして、新しい教育実践というのは成り立ちません。


現在、自由進度学習を取り入れた私の学級では、

「自分にとって丁度良いめあてはどこらへんにあるのか」

という話題でもちきりです。


つまり、結果だけではなく、過程にも注目している子で溢れています。

結果をもとに過程を見直し、結果で確認してまた過程を見直すというサイクルです。


こうした子が増えてくると、他人と比べることなく、自分自身との勝負を楽しむ雰囲気が形成されていきます。

とても良い雰囲気です。


そんな雰囲気の中、ぎりぎりめあてを達成できた子がいると自然と拍手が起きます。

さらに良い雰囲気になります。


自由進度学習は実践してみて良かったです。

もちろん、子どもの実態に合わせながら、ですが。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年12月4日日曜日

とっておきの話453「わかるとかわる」の裏話

Twitterに、とっておきの話453「わかるとかわる」の原稿をアップしました。

とっておきの話453「わかるとかわる」の原稿


教員の仕事をしているからこそ、職場である学校には素材になりそうなポスターで溢れているものです。

今回の素材は、何気なく廊下を歩いていたら見つけた人権ポスターです。

わかるとかわる

この言葉に惹かれてすぐ、とっておきの話にしようと思い立ちました。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


最近、ふと見かけたポスターにおもしろい言葉を見つけました。こんな言葉です。

(ポスターの画像を提示し、わかるとかわる と板書)



 どんな意味だと思いますか?



 では、何がわかると何がかわるのか、一緒に考えていきましょう。(以下の文を提示)

・思いやりの心がわかると、相手への接し方がかわる。(心の変化を例示する)

・算数の九九がわかると、かけ算の問題が得意にかわる。(頭の変化を例示する)

・走り方がわかると、50m走のタイムがかわる。(体の変化を例示する)

どうですか?他の「わかるとかわる」が思い付いた人はいますか?(何人か指名)

なるほど。「わかる」と「かわる」は似たような言葉だし、強く結びついているのかもしれませんね。



(まずは「わかる」ことから「かわる」 と板書)

 自分を変えたい!もっと成長したい!と思った時、まずは「わかる」ことから始めてみましょう。

「わかりたい」という気持ちは、あなたの心も頭も体も変えてくれます。

始めからわからないからとあきらめるのではなく、わからないからこそ「わかりたい」という気持ちを大切にしていきましょう。その先に大きく「かわる」瞬間があると信じて。


いかがでしたか?


「わかるとかわる」という言葉だけを押し付けていると、その意味を理解せずに語呂の良さだけを感じ取って終わってしまいます。

そこで、どんな意味なのかを聞き手である子どもたちと一緒に考えるようにすることで、「わかるとかわる」が合言葉となって意識できるものになっていきます。

まさに、「わかるとかわる」ですね。


言葉の意味が「わかる」と、人から聞いた言葉が自分の合言葉として「かわる」のです。


もちろん、聞き手の「わかりたい」を刺激するように話し方や話の構成を変えることは大切です。

このように、良い言葉に出合ったら、その言葉をどのように生かすかを考えることが重要です。

そうすることで、あなたのとっておきの言葉が、聞き手の子どもたちにとっても、とっておきの言葉となるはずです。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...