2021年5月31日月曜日

とっておきの話150「印鑑はなぜ丸い?」の裏話

Twitterに,とっておきの話150「印鑑はなぜ丸い?」の原稿をアップしました。

とっておきの話150「印鑑はなぜ丸い?」の原稿



今回のとっておきの話には,

はんこ(印鑑)

が素材として取り上げられています。




昨今は,脱ハンコ社会なんて言われ,はんこの文化が無くなりつつあります。

でも,このはんこには,面白い考え方が潜んでいるのです。


その考え方とは,この形に隠されています。

みなさんに問題です。


印鑑はなぜ丸い形をしているのでしょう?






正解は、

わざと向きを分からなくするため

です。



印鑑は、上と下の向きを間違えると大変なことになりますよね。

僕もたまに上下逆さまで押してしまうことがあります。

なのに、なぜ、わざと向きを分からなくするのでしょう。





それは、

大事な決断を落ち着いてしてほしいから

です。



印鑑は、大事なことを決める時によく使われます。

大人で言うと,結婚をする時や大きなお金を動かす時など、人生において大事な決断をする時に使われます。

学校の子どもたちにとっては,大事な提出物に親のはんこを押してもらいますよね。



そんな時、印鑑の向きを確認することでほんの少しの時間が生まれますよね。

その間に、本当にそれでいいのかどうかもう一度確認してほしいという願いが込められているそうです。



このほんの少しの時間のことを

間(ま)

と言います。


間を大切にしながら過ごしている人は、大事な決断も落ち着いてすることができ、ミスも少なくなります。

勢いに任せて慌てていきそうな時、間を意識して落ち着いて考えることを大切にしてみてください。

あなたの心の中にある印鑑の向きを、いつも確認していきましょう。




こんな話でした。

脱ハンコ社会の昨今,はんこは押すのがめんどくさいものだという風潮があります。

確かに,効率を追求していくと,はんこを押す作業は不必要かもしれません。


しかし,

間を意識して落ち着いて考える

というねらいなら,はんこは必要ではないでしょうか。


なんでもかんでも効率的に動くのが全て良い訳ではありません。

一見,無駄に思えるような間をもつ心のゆとりは忘れないでいたいですね。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月30日日曜日

とっておきの話149「食事で縮まる心の距離」の裏話

 Twitterに,とっておきの話149「食事で縮まる心の距離」の原稿をアップしました。

とっておきの話149「食事で縮まる心の距離」の原稿



今回のとっておきの話は聞き手もちょっと恥ずかしくなる問いかけから始まります。


【みなさんは、恋をしたことがありますか?

今日はいきなり、デートのひみつを教えます。】



小学生向けではないかもしれませんが,「面白そう」とは思ってもらえるかもしれません。



実は、こんな話があります。



デートが成功するかどうかは。。。


一緒に食事をして気分が良いかどうか


だそうです。


人は、食事をする時に相手との心の距離を自然と探っているそうです。

 



これはデートの話だけではなく、会社で働く人も意識しています。


接待という言葉を聞いたことがありますか?

会社にとっての大事なお客さんを店に招待して、おいしい物をごちそうして気分良くなってもらったところで打ち合わせをする方法です。





まずは食事で心の距離を縮めてから、大事な話をしようとしています。



子どもたちにとって学校での食事の時間と言えば、給食です。



けんかをした子たちが、給食時間中のおしゃべりで仲直りしていたなんて話はよく聞きます。


このように食事をするというのは、相手と心の距離を縮めて、仲良くなるという意味もあるんです。

そんな意味を意識して給食の時間を過ごせたらいいと思い,最後にこんな締めくくりをしています↓


【給食の時間は毎日あります。

心の距離を縮めていく毎日にしたいか、遠ざけていく毎日にしたいか、あなたたちの気持ち次第です。

素敵な食事の時間にしたいですね。】



しかし,このご時世では今回のとっておきの話は話せないかもしれません。


コロナ対策により,対面での給食はできなくなりました。

コロナ前までは,班になって話しながら食べる時間と,静かに食べる時間を分けていました。

給食中の子ども同士の楽しそうな会話を聞くのが良しとされていました。

今そんなことをしたら,飛沫だらけで危険です。



ただ,心の距離を縮める場面がコロナによって減った感覚はあります。

だからこそ,こんなご時世でもできることはしたいと思っています。



今回のとっておきの話は,そのまま話せない内容かもしれません。

でも,食事で縮まる心の距離という考え方は知っておいてもいいでしょう。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月29日土曜日

とっておきの話148「頭を垂れる稲穂のように」の裏話

Twitterに,とっておきの話148「頭を垂れる稲穂のように」の原稿をアップしました。

とっておきの話148「頭を垂れる稲穂のように」の原稿



みなさんは、

「能ある鷹は爪を隠す」

ということわざを知っていますか?


本当に実力のある人は、自分の実力を見せびらかすようなことはしないという意味です。


このことわざを知っている人はいても,実際に謙虚でいられる人は少ないかもしれません。


一流と呼ばれる人たちは、謙虚な人が多いです。

見せびらかしたり、自慢したりせず、まだまだです、これからはもっと、という言葉をよく使っています。


僕の尊敬する先輩の先生や有名人は,みんな謙虚です。

「あの人が未熟だというのなら,自分はもっと未熟だ」

と思え,自分も謙虚な気持ちになれます。



僧侶の荒良寛さんは、こんなことを言っています。

 



「おれは一流」などと思ったとき、まして言葉や態度に出したとき、その人の仕事も、人間としての値打もそこで終わる。そういう人間を三流、四流というのだ。



「おれは一流」と思った瞬間,口に出した瞬間にその人は三流,四流になるという厳しいお言葉。

でも,真理でもあるように感じます。

謙虚さを忘れた人間は,一流の人とは呼べないのかもしれません。


みなさんの周りにも、いつの間にか一流だと勘違いして調子に乗って、三流、四流になってしまっている人はいませんか?


本当に一流の人は,自分のことを一流だとは思っていないのでしょう。

本当にがんばっている人は,がんばっていると思っていないのと同じように。



さて,今回のとっておきの話には,もう1つ、紹介されている言葉があります。


【実るほど、頭を垂れる稲穂かな】



稲穂とは、米ができる稲のことですよね。

稲の頭は垂れていますよね。

この状態が、良い米ができた証拠です。


実力をつければつけるほど、稲のように周りに頭を下げる気持ちで謙虚に生きていきましょうという意味です。

稲穂に喩えると,日本人としては,すっと心に落ちる気がします。


あなたたちの心の稲穂には、良い米ができていますか?

今日も稲穂のように,頭を垂れることを忘れずに生きていきたいですね。




ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月28日金曜日

とっておきの話147「主人公」の裏話

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とっておきの話147「主人公」の原稿



主人公


主人公という言葉の意味や由来をしっかりと調べたことのある人は少ないかもしれません。


実はこの言葉、禅宗という宗教で使われていた言葉だったそうです。



昔の中国に、師彦和尚というおしょうさんがいました。


その人は、修行する時に、

「主人公」

「はい」

と言って自問自答を繰り返していたそうです。


ちなみに原文を引用するとこんな感じ↓


瑞巌和尚、毎日自ら主人公と喚び、復た自ら応諾す。及ち云く、惺惺著。諾。他時異日、人の瞞を受くること莫れ。諾、諾。

(『無門関』第十二則)

 




言われて見れば、物語の主人公はみんな、自問自答する場面がありませんか?

桃太郎だって、鬼退治に行くかどうかを自問自答してから仲間探しに行きますよね。

どんなスーパーヒーローも、自問自答しながら人生を歩んでいるのです。


主人公はみんな,自問自答している。


😀 僕らも、主人公と呼ばれる立場です。

 だって、その人の人生は、その人しか主人公になれませんからね。

 

 自分の人生は、自分以外主人公になれないのです。



 みなさんも自問自答しながら、自分が主人公の人生を楽しんでいってください。


2021年5月27日木曜日

とっておきの話146「ないない目標はダメ」の裏話

Twitterに,とっておきの話146「ないない目標はダメ」の原稿をアップしました。

とっておきの話146「ないない目標はダメ」の原稿




心理学者の植木理恵先生の本を読んでいたら,

シロクマ実験

というものを見つけました。


シロクマ?

その本の表紙もこんな感じで,なんだか気になる表紙ですよね。




では,このブログ記事を読んでいるみなさんも,やってみましょう。


目を閉じてください。

いいですか、今から絶対にシロクマのことを考えてはいけませんよ。

シロクマ以外のことなら何でもいいので頭の中に思い浮かべてみてください。

決してシロクマのことは考えてはいけません。

シロクマ以外ですよ。あと5秒、シロクマ以外を考えてください。









はい、おしまい。

では、シロクマが一度も頭の中に出てこなかった人はいますか?



そんな人はほとんどいません。

これを「シロクマ実験」と言います。


人は、「○○は考えないで」と言われると、逆にその○○ばかり考えてしまうものなんです。

 


原因はこれにあります。

ないない目標


例えば、次の2つの目標を比べてみましょう。


A ろうかは絶対に走らない

B ろうかを落ち着いて歩きましょう


人は、○○しないようにと言われると、逆に○○したくなるものです。

この場合、AよりもBの言い方の方が、ろうかを走らないように気を付けるそうです。


緊張しないようにと思えば思うほど、緊張する。

落ち着いて行動しようと目標を立てれば大丈夫。


失敗しないようにと思えば思うほど、失敗する。

成功を信じて挑戦しようと目標を立てれば大丈夫。


ないない目標はやめて、○○しよう!という言い方で目標を立ててみましょう。



こうした話でした。

このとっておきの話を今の自分が見返してつながった素材が,トイレに貼るポスターの話です。



トイレを汚さないでください。

というポスターは,ないない目標なので逆に汚したくなってしまいます。


でも,次のようなポスターを貼ると,きれいになるそうです。



いつもキレイに使って頂き ありがとうございます


少し言い方を変えるだけで,効果が変わってきます。





ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月26日水曜日

とっておきの話145「机は物置ではありません」の裏話

Twitterに,とっておきの話145「机は物置ではありません」の原稿をアップしました。

とっておきの話145「机は物置ではありません」の原稿




今回のとっておきの話は,話し手の話し方次第で与える印象が大きく変わってしまう話です。

その理由は,

1つ1つの素材が弱く,原稿の量が少ないから

です。


つまり,何も考えずにいつものペースで話すと,5分どころか1分弱で話が終わってしまいます。


原稿を見ただけでは分かりませんが,こういう話こそ,

間をとる

抑揚をつける

視線を送る

などの話し手のスキルが必要です。


それとは別に,

あえて問いかけたり,指名したりする時間を作る

のも有効です。



例えば,「机と物置,同じ物ですか?」の後に

(少し間をおく)

とありますが,ここで全員に挙手をさせてもいいし,意図的指名をしてもいいでしょう。






写真を見せた後,何人かに気づいたことを言ってもらうのもいいでしょう。



 

【机は物置ではありません】

と提示してから,「どういう意味だと思いますか?」

と問いかけてもいいでしょう。


「引き出しはゴミ箱ではありません」の話に入る前に,

【「机は物置ではありません」と同じように,整理整とんを大切にしてほしい場所があります。

それはどこでしょう?】

と投げかけてもいいでしょう。


【正解は・・・ここです。】と言いながら,次の画像を見せると,机の引き出しをよく意識できるようになります。



このように,時間が余ってしまうかも,あっという間に終わってしまうかも,と思った時には,あえて問いかけをしたり意図的指名をしたりしてみてください。


どんな素材も,作り方次第,話し方次第で立派なとっておきの話になります。




今回は,2つの素材を組み合わせて話を作っています。


1つ目は,物置に喩えることで,机の上をキレイにしましょうと呼びかける素材。

2つ目は,ゴミ箱に喩えることで,机の中の引き出しをキレイにしましょうと呼びかける素材。


物置でもゴミ箱でもない,机として机を使う。

そんな当たり前のことができていない子がいるのです。


整理整とんのできない子が一人でもいるなら,こうした話をしてみるのもいいかもしれません。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月25日火曜日

とっておきの話144「割れ窓理論」の裏話

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とっておきの話144「割れ窓理論」の原稿




みなさんは、

割れ窓理論

という言葉をご存知ですか?


写真のように、割れた窓を見つけた時、どうするかでその後の景色が大きく変わることを教えてくれる理論です。



こんな研究がありました。


ある街は、割れ窓一つを放っておきました。

すると、もう一つ割れていてもいいだろうという油断が生まれ、割れ窓が増えていきました。

そして、犯罪が多く起きるようになったのです。


ある街は、割れ窓をすぐに修理しました。

すると、窓を割ってはいけないという緊張感が生まれ、犯罪も減ったそうです。

たった一つの割れ窓をどうするかによって、その後にすごく影響するという話です。







みなさんも知っているディズニーランド。


ここでは、割れ窓理論を大切にし、小さなゴミ一つも見逃さない掃除をスタッフの人たちは心がけているそうです。






学校の子どもたちも,毎日掃除や整理整頓をしますが,

ほんの少しのずれや汚れを放っておくと、たちまち教室は汚くなります。


また,割れ窓理論は,「窓」のイメージから,物を当てはめて考えがちですが,

人を当てはめても言えることがあります。


例えば,いじめ。

いじめにつながりそうな瞬間を見つけた時,逃さず指導できる担任の学級ではいじめは起きにくいです。

反対に,小さなことだからと言って放置していると,たちまちいじめは広がっていきます。

物がなくなった時,その子の物の管理が悪いからと決めてしまうのではなく,

もしかしたらいじめの可能性があるかもしれないという意識が大切です。


割れ窓理論は,リスクマネジメントのために大切にしたい考え方の1つです。

もしかしたら気づいていないだけで,あなたの周りにも割れ窓があるのかもしれません。




ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月24日月曜日

とっておきの話143「耳学問の力」の裏話

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とっておきの話143「耳学問の力」の原稿




みなさんは,「学ぶ」「勉強する」と聞くと,どんなイメージをもちますか?


今回のとっておきの話を作るまでは,こんなイメージでした。



 

でも、学びの形はこうしたイメージだけではありません。


みなさんは、こんな言葉を聞いたことはありますか?


耳学問(みみがくもん)



耳学問とは、自分のまわりにいる人たちの話を聞いて、知識や考え方を自分のものにする勉強の仕方を言います。

学校の子どもたちは,授業中のペア学習やグループ学習での話し合いでまさに耳学問をしています。


自分一人で本やインターネットで調べることも大切ですが、人の輪の中からも多くのことを学べます。

話し合いは、耳学問の練習でもあるのです。




僕が子どもの頃、トリビアの泉というテレビ番組が流行っていました。



雑学を紹介する耳学問の番組です。

テレビを観た次の日には、番組を観ていない友達に雑学を教えるのが楽しみでした。

「ねぇ、これ知っている?」という感じに。



このとっておきの話を作っていた当時,林修先生の『初耳学』というテレビ番組が放送し始めました。




あまり知られていないようなことを紹介する、これも耳学問の番組です。


いつの時代も、耳学問の力を人は何気なく使っています。

意識して使うようにすると、今よりもっとたくさんの学びが生まれることでしょう。





学ぶ,勉強する姿は,机に向かって考えるだけではないことを教えてくれる話ですよね。

耳学問の良い所は,一人きりの缶詰勉強ではなく,一緒に学ぶ相手を意識できるところです。

学校の授業はまさに耳学問の連続。

集団で学ぶからこその耳学問ですよね。





今回は,耳学問の話でしたが,


足学問(出かけてみて学ぶ)

手学問(さわってみて学ぶ)

鼻学問(においをかいでみて学ぶ)

体学問(体験してみて学ぶ)


なんて言葉があっても面白いなぁと思いました。


みなさんは今,何か学んでいることや勉強していることはありますか?

それは何学問ですか?





ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月23日日曜日

とっておきの話142「未来の自分を信じて」の裏話

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とっておきの話142「未来の自分を信じて」の原稿



みなさんは、何かに挑戦する時、成功するかどうか不安な時はありませんか?

適度な緊張感なら良いですが,あまりにプレッシャーがかかって不安が増すと逆に本来の力を発揮できない時があります。



そもそも、人はどうして不安になるのでしょう?


その原因の一つに、


「過去の自分の失敗を思い出すから」

があるそうです。


跳び箱を5段跳べなかった過去のある子が,6段を跳ぼうとしませんよね。

それと同じで、過去の自分を思い出して、未来の自分もきっと失敗すると思ってしまうのです。





では、みなさんが思い出してしまう過去の自分の失敗というのは、数えてみると何回になるでしょうか?


何十回も失敗しているよ!という方,ご安心ください。

今回のとっておきの話に出てくるエピソード素材の主人公は。。。


1000回も失敗した人なのです。


その主人公とは,ケンタッキーの創業者で有名なカーネル・サンダースさんです。





  

彼は、仕事でレシピの売り込みを1000回以上断られても、あきらめずに売り続けたそうです。

今やケンタッキーは有名な店の一つですが、その裏にはこんな努力があったのです。


この話を教えてくれた先生の友達はこう言いました。


「カーネル・サンダースさんだって、成功する未来の自分を信じていなければ、1000回もチャレンジしなかっただろう」


この友達の言葉も,当時の僕の心に刺さりました。

成功する未来の自分を1000回も信じたということですよね。


例えば,何も失敗していない状態で,成功する未来の自分を1度だけ信じるのは簡単です。

でも,999回失敗している状態で,成功する未来の自分を1000回目も信じることができるかというと。。。かなり難しそうです。


なぜ難しいと感じるかというと,

過去の自分がした失敗の数に目を向けてしまうからです。


でも,カーネルさんは違いました。

問題は過去の自分がした失敗の数ではなく、未来の自分の成功を信じることができるかです。

どれだけ失敗の数が増えても,未来の自分を信じれる人になりたいですね。


未来の自分に目を向ければ、少しは今の不安は減るかもしれません。



今回のとっておきの話は,次のように呼びかけて締めくくっています↓

【さぁ、未来のあなたの成功を、まずあなた自身が、信じてあげてください。】



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月22日土曜日

とっておきの話141「テトリスのように」の裏話

Twitterに,とっておきの話141「テトリスのように」の原稿をアップしました。

とっておきの話141「テトリスのように」の原稿



みなさんは、テトリスというゲームを知っていますか?




落ちてくる様々な形をしたブロックを隙間なく組み合わせて消していくのがルールで、一番上まで積み上がってしまったらゲームオーバーというゲームです。


ゲームオーバーしないコツは,何だと思いますか?


それは,次々と落ちてくるブロックを

計画的に

組み合わせていくことです。

この形はこう変えてここに落とすといった感じでね。


この「計画的に」考える大切さは,学校の様々な場面で言えることです。

例えば,宿題


宿題を忘れれば忘れるほど、宿題は積み上がっていきます。

てきとうにやればやるほど、上手く組み合わさらずに積み上がっていってしまいます。

きちんと一つ一つの宿題を計画的にやる人は、ゲームオーバーにならず、どんどんやりこなしていきます。


特に長期休み中の宿題への取り組み方は,計画的にやることの大切さを伝えたいです。

締切ギリギリになってから一気に取り組む子がいますが,家庭学習を習慣づけるためにはこうした計画性を大切にしてほしいですね。


宿題からもっと世界を広げると、人生にも似ていると思いませんか?

何か困難がふってきても、上手く組み合わせていけば消すことができる。

でも、困難がふってくることだけに目が行き、慌てているうちに積み上げていってしまう人はゲームオーバーになります。人生においても、計画的にやることは大切なのです。


あなたの人生のテトリスは、今どうなっていますか?


こんな話です。


テトリスなら,計画的に考えないと大変なことになるのが視覚的に分かりやすく伝えられそうですよね。



最近の子どもたちは,テトリスを知らないかもしれません。

でも,僕が子どもの頃はすごくハマった覚えがあります。


先を見通して考える(計画的に考える)練習を知らず知らずのうちにしていたのかもしれません。

教師の仕事も,計画性がとても重要になってきます。

子どもたちに話しながら,自分の仕事のテトリスも見返してみたいです。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年5月20日木曜日

とっておきの話140「あえてちがうことにチャレンジ」の裏話

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とっておきの話140「あえてちがうことにチャレンジ」の原稿




錦織圭選手と言えば・・・テニスですよね。



しかし,錦織選手は水泳にもチャレンジしていることはご存知でしょうか?


上の写真のイメージが強いので,下の写真を見ると意外性が生まれますよね。




もう一人紹介。

浅田真央選手と言えば・・・フィギュアスケートですよね。



しかし,浅田選手はマラソンにもチャレンジしていることはご存知でしょうか?


やっぱり下の写真を見ると「えっ,そんなこともしているの!?」という意外性が生まれますよね。



二人のような,トップアスリートと呼ばれるほどすごいスポーツ選手たちの中には、こんなことをしている人がいるのです。


あえてちがうことにチャレンジ


たとえば、テニス選手が水泳をしたり、陸上選手がマット運動をしたりしています。

なぜだかわかりますか?


それは、スポーツのジャンルを変えるとちがう筋肉を使うことになり、バランスの良い体づくりができるからだそうです。

結果として、今自分が打ち込んでいるスポーツで力を発揮することにつながるのですね。


  


こういった話は、スポーツ選手だけの世界の話ではありません。



普通のサラリーマンの人にも、茶道を習わせている会社があるそうです。



それも茶道とは全く関係のない会社です。

なぜだと思いますか?

実は、茶道を通して、人と接する時の礼儀作法を学ぶためにしているそうです。

意外なところで、役に立っているのです。

 


大人も子どもも,自分の得意分野や専門分野だけに意識がいきがちです。

でも,あえてちがうことにチャレンジすることで,巡り巡って自分の良さをさらに引き出す結果につながるのです。


みなさんも、自分の得意分野だけではなく、あえてちがうことにチャレンジすると、意外なところで自分の得意分野をのばすことにつながるとわかります。

あえてちがうことにチャレンジ、今から意識して過ごしてみませんか?



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年5月19日水曜日

とっておきの話139「寒さに負けず甘くなるダイコン」の裏話

Twitterに,とっておきの話139「寒さに負けず甘くなるダイコン」の原稿をアップしました。

とっておきの話139「寒さに負けず甘くなるダイコン」の原稿




2015年の調査なので今となってはデータが古いのですが,

日本人が一番食べている野菜は何だと思いますか?




正解は,ダイコンです。




 

そんなダイコンには、苦手なことがあります。

それは、寒さです。

寒さに弱い特性があるのです。


そこでダイコンは、厳しい寒さから身を守るために、ある変化をします。

それは何だと思いますか?




正解は、甘くなるです。


ダイコンは、寒さが厳しくなるほど、自分の身を守るために、デンプンという成分を糖質に変えます。

そうすることで、ダイコンが甘くなり、おいしくなるのです。


厳しい寒さを乗り越えたダイコンほど、食べたときはおいしい味わいを生み出すのです。



人間も同じかもしれません。

厳しい寒さのような経験を乗り越えた人ほど、味わい深い人間になるのかもしれませんね。



まさかダイコンの特性と人間の生き方をリンクさせて考える日が来るとは。。。

でも,当時の僕はこんな風に問いかけて話を締めくくっています↓


【あなたの心のダイコンは、甘くなっていますか?】


甘くない,辛いダイコンのままの人が意外と多いのかもしれませんね。




さて,今回のとっておきの話の参考文献は,本郷陽二さんの「元気が出る朝礼 話のネタ帳」という本です。


話のネタ帳だからと言って,全てとっておきの話の素材になるかというとそうではありません。

話のネタをとっておきの話として昇華するには,作り手の考えや腕が試されます。

何でもかんでもネタがあればとっておきの話になるかというとそうではないのです。


話のネタ帳という類の本を素材にする時は,本の内容に引っ張られ過ぎないように,とっておきの話の素材になりそうなものだけピックアップすることが大切です。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月18日火曜日

とっておきの話138「環境ではなく,人生を楽しみたい」の裏話

Twitterに,とっておきの話138「環境ではなく,人生を楽しみたい」の原稿をアップしました。

とっておきの話138「環境ではなく,人生を楽しみたい」の原稿




みなさんは,環境に文句を言ったことがありますか?


たとえば、どうしてこんな席に自分はされているんだ、とか。

どうしてあいつと同じ班なんだ、とか。

口に出さなくても、心の中で思ったことのある人はいるかもしれませんね。


大人でも,環境に文句を言う人はたくさんいますよね。

Twitterを見ていると,様々な環境に置かれている人がいて,文句が言いたくなる気持ちも分かります。



僕も昔,環境のせいばかりにして文句を言っていた人間でした。

そんな時,『Youは何しに日本へ?』というテレビ番組を観ました。



来日している様々な外国人が登場し,その人の生き方が映し出される番組のコンセプトに興味が惹かれました。


ある日,何気なくいつものように『Youは何しに日本へ?』を観ていると,日本に住む外国人の生き方を特集していました。

その中で、夢を叶えるために貧乏な生活を我慢しながら暮らしている外国人がいました。

食事は水道水を飲むだけで済ませるなど、貧乏な生活ぶりには驚きましたが、そんなことではないところに、先生はこの外国人に感動しました。


インタビューをする人が、その外国人に「どうしてそこまでして我慢して生活しているの?」と聞きます。

すると、彼はこう答えたのです。


「環境ではなく、人生を楽しみたい」


きっとこの外国人は、貧乏な生活ぶりを我慢だとは思っていなかったのでしょう。

夢に向かって生きることそのものを楽しみたいという生き方に感動しました。


環境に文句を言うのは簡単ですが、それをしたことで環境が変わるわけではありません。

どんな環境でも、楽しんで生きることのできる人は、環境に文句なんて言わないのでしょう。


これまた別の番組で,実際に環境が幸せに影響するのは、

100%のうちたった10%


なんて研究結果を披露していたプレゼンを観ました。





この数字を見てみなさんはどう感じますか?


環境が幸せに影響する割合は意外と少ないのかもしれません。

たった10%なら気にしなくていいやって思えるといいですよね。


最後にこう呼びかけて原稿は終わっています。

【環境に文句を言う人、言わない人、あなたはどちらになりたいですか?】



僕は人生を楽しみたいので,なるべく文句を言わず,幸せに影響する残りの90%に目を向けていきたいです。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。




2021年5月17日月曜日

とっておきの話137「小さな幸せの花を集める」の裏話

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とっておきの話137「小さな幸せの花を集める」の原稿



みなさんは,幸せに大きさがあるとしたらって考えたことはありますか?


もしあるのなら,大きい幸せと小さい幸せの違いは何でしょう。

大きいしあわせと聞いてみなさんが思い浮かべることは何ですか?

では、小さいしあわせと聞いて思い浮かべることは?


エッセイストの松浦弥太郎さんは、しあわせについて、こんなことを言っています。


しあわせは、たった一つの大きなことではなくて、ささやかで小さなことの集まり



どういう意味だと思いますか?


松浦さんは、こんなふうに続けています。


【しあわせを手に入れるとは、世界一美しい、伝説のバラの花を手に入れるような夢物語ではありません。

自分で育てた小さい花を、一つひとつ束ねていくことではないでしょうか。

無理して、大きな花束を手にするのではなく、毎日毎日、小さな花を愛おしんでいく。

それに感謝する。

それがしあわせだと僕は思っているのです。】




    

幸せというと、人は大きな幸せに目を向けがちです。

でも、本当の幸せというのは、小さな幸せの集まりなのかもしれません。

小さな幸せに目を向けて生活をしていると、やがて大きな幸せを感じる時が来るかもしれませんね。



今回のとっておきの話のテーマは「幸せの大きさ」でした。

幸せと聞くと,ある日突然大きな幸せがやってくるようなイメージをもつ方がいらっしゃいますが,毎日少しずつ小さな幸せを束ねていくという松浦弥太郎さんの考え方に僕は共感します。

一輪の大輪の花よりも,小さくてもたくさんの花が束になった花束の方が嬉しいです。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月16日日曜日

とっておきの話136「今日のおにぎりの中身は?」の裏話

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とっておきの話136「今日のおにぎりの中身は?」の原稿



今日のおにぎりの中身は?




と聞かれたら,何の質問だかよく分かりませんよね。



これは,

今日一日の中で,あなたが大切にしたいことは?


という意味です。


おにぎりをにぎった後って,中身が何だったか忘れることがありますよね。

それは,にぎることに夢中になっていたからだと主張した人がいます。


毎日の暮らしも,その日がただ過ぎていくような意識だと,

何を大切にした一日だったのかという中身が何だったのか忘れてしまうのです。



素材にした本から引用します↓


【たとえていうなら、遊びや勉強という「おにぎり」をにぎることに夢中になっていて、その真ん中に入っているのが梅干しなのか、たらこなのか、ちょっとしょっぱいおかかなのかを忘れてしまうみたいな一日はやめよう、ということなのです。】



その日大切にしたいことを毎日意識して暮らすことを,おにぎりに喩えているのが斬新だなぁと思いました。


そして,こんな言葉もありました↓


【たった一つでいい、「今日一日のなかで、大切なこと」を見つければ、「ああ、とてもいい日だった」と、幸せを感じながら眠りにつけると思うのです。】



今日一日の中で、大切にしたいことを意識しながら過ごすと、毎日幸せを感じながら眠れるかもしれませんね。


もう一度,読者のみなさんへ質問します。

あなたの今日のおにぎりの中身は?


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年5月15日土曜日

とっておきの話135「一番尊い仕事は,家事」の裏話

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とっておきの話135「一番尊い仕事は,家事」の原稿



みなさんには、将来の夢がありますか?


そんな風に質問すると,子どもがよく思い浮かべる仕事は何でしょう?


今時,ユーチューバーになりたいという子もいるでしょうけど,次の仕事につきたいという子どもはいないでしょう。


家事



えっ!?家事は仕事ではないでしょう。

と思ったそこのあなた。


こんな言葉があるのです。


一番尊い仕事は,家事。


家事とやることと言えば,洗濯や皿洗い、掃除、料理などですね。

鎌倉時代に仏教の一つである曹洞宗を開いた道元というお坊さんは、修行として家事を大切にしたそうです。



さて,家事をしないとどうなりますか?(少し間をおく)


暮らしていけませんよね。

家事は、暮らしていくために欠かせない仕事なのです。


家事は暮らしの基本

です。


欠かせない仕事であるにも関わらず,給料は0です。

なので,仕事として意識している人はほとんどいないでしょう。


でも,仕事として家事を捉えた時,その尊さを実感できるものです。



さて,学校の子どもたちにとって,家事はおうちの人がするものと思い込んでいる子は多いと思います。

しかし,子どもたちは学校で,家事の練習をしているのです。


それが,給食当番・掃除当番です。




だから,こんな風に伝えることができます。


【みなさんは、一番尊い仕事の練習をしているのですよ。

将来より良い暮らしができるための練習です。

それを抜きに考えていては、将来の夢も叶いません。

おうちでのお手伝いも、練習の一つですね。】




今回のとっておきの話は,勤労感謝の日にするとより効果的です。

仕事について考える時,「家事」についても視野を広げてほしいものです。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年5月14日金曜日

とっておきの話134「水にふれる ~気分転換の魔法~」の裏話

Twitterに,とっておきの話134「水にふれる ~気分転換の魔法~」の原稿をアップしました。

とっておきの話134「水にふれる ~気分転換の魔法~」の原稿



手を洗う


と聞くと,みなさんはどんな場面を思い浮かべますか?


このご時世なので,外から帰ってきた後や食べる前に手洗いするイメージが強いですよね。



もちろん,そうした感染症予防の手洗いも大切ですが,今回紹介するとっておきの話は,それとは違った角度から「手を洗う」効果について考えます。



実は,手を洗う=水にふれる と,

気分転換の魔法

になるのです。



人には、気分転換をする時が必要です。

何かイライラした時、落ち込んだ時、気分を変えたいと思いますよね。


みなさんの気分転換の方法は何ですか?

子どもにとっては、ゲームが気分転換かもしれないけど、学校ではできないですよね。


ここから,「水にふれる ~気分転換の魔法~」に纏わる次の3つの素材を組み合わせてみました。



素材① エッセイストの松浦弥太郎さんは、気分転換に手を洗っている


松浦さんは,気分を変えたいと思ったらとにかく流れる水で手を洗いに行くそうです。

そうすると、気持ちがすっきりするそうです。



素材② 「水に流す」という言葉の意味


「水に流す」とは、お互いの間にあったいざこざや気まずさを、なかったことにするという意味のことわざです。 

つまり、過去のトラブルなどで悪くなった仲を一度リセットして、再度新しく関係性をはじめることを指します。



素材③ あるテレビ番組で言っていた林修先生の家事の話

林修先生は,家事の中で一番ストレス解消できるのは,

皿洗い

だと答えました。



なぜなら,水は自然のものなので、自然のパワーが脳をリラックスさせるそうです。




このように,水にふれると、水の力によって、気分転換ができるみたいです。


なぜだろう?と思ってふとひらめいたのが,もともと人間は水と密接につながっているから,水にふれると安心するのではないかと思いました。



お母さんのお腹の中にいる時は,羊水という水の中にいます。

人の体の7割以上は水でできているという話も聞いてことがあります。

そもそも人間の祖先は,海の生き物だったという話もあります。



水と密接につながっているからこそ,水にふれると人間は気分転換できるのだと思います。




いつもの手洗いを,違った角度で話してみてはどうでしょうか?

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年5月13日木曜日

とっておきの話133「四葉のクローバーだって」の裏話

Twitterに,とっておきの話133「四葉のクローバーだって」の原稿をアップしました。

とっておきの話133「四葉のクローバーだって」の原稿



言われてみればそうだよね!


こうした感覚は大切にしたいです。

今回の話のように,四葉のクローバーのエピソードはまさに「言われてみればそうだよね!」という気持ちに僕自身がなりました。

素材元は,これまた松浦弥太郎さんの本からです。


四葉のクローバーは,もともと四葉になる種類だった訳ではありません。

普通は以下の写真のように,三つ葉なのです↓


みんな三つ葉の中,ふと見つかるのが四葉のクローバーなのです。

見つけた人は幸せになれるという四葉のクローバーは,周りの葉とちがう存在なのです。


四葉のクローバーだって,周りの葉とちがうけど幸せを運ぶ葉と呼ばれている。

あなただって,周りの人とちがうけど幸せになれるはず。


そんなメッセージがこの話を通して伝わると良いですね。






以前,金子みすゞさんの「みんなちがって みんないい」を素材にしたとっておきの話を紹介しました。

とっておきの話17「みんなちがって みんないい」の裏話



今回の四葉のクローバーは,子どもからするとより身近な存在からこうした考え方がイメージできるのではないかと思います。



原稿ではまず,こんなふうに始まります。


【自分だけこんな体型、自分だけこんな性格、自分だけこんな人間…

そんなことを思っている人はいませんか?

みんなとちがうことは恥ずかしくない!と言っても、実際そう思うのは難しいかもしれません。】


「みんなとちがう」ことを恥ずかしいと思う子は意外と多いものです。

自己肯定感が低い子,自信のない子は教師として見逃したくないです。


みんなとちがうことは何も恥ずかしいことではない。

あなたにはあなたの良さがあるのだよ。

みんなちがうからこそ,それがいいのだよ。


そんなメッセージを伝えたい時,四葉のクローバーのエピソードはイメージさせやすいですよね。


このように,伝えたい考え方があった場合,

具体的にイメージできるようなエピソード素材

が力を発揮します。



今回は四葉のクローバーの話でしたが,

「言われてみればそうだよね!」というエピソード素材は世の中に溢れています。



みなさんもぜひ,探してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年5月12日水曜日

とっておきの話132「ブレーキの達人」の裏話

Twitterに,とっておきの話132「ブレーキの達人」の原稿をアップしました。

とっておきの話132「ブレーキの達人」の原稿




F1ドライバーと言えば、ものすごいスピードでスポーツカーを乗りこなす人たちのことを言いますよね。




F1の世界では、一流のドライバーは○○の達人と呼ばれています。


□に入る言葉は何だと思いますか?


答えは、ブレーキです。


F1ドライバーと言うと、レースに勝つため、いかにスピードを上げるかが大切なように思いますが、実は、レースを走り切るためにスピードをコントロールすることの方が大切なのです。


スピードを自分でコントロールする力のある、アクセルではなく、ブレーキの達人が、F1の世界では一流と呼ばれるのです。



このエピソードをもとにして,松浦弥太郎さんは参考文献にした本の中で,心にもブレーキが必要な時があると考えました。


【暮らしや仕事でのトラブルのほとんどは、心のスピードを出しすぎた結果として起こるものだと言った人がいます。】


速ければいいというわけではありません。ブレーキをかけるというのは、

よく考えながら進む

ということです。


最後にこんなふうに呼びかけて原稿は終わっています↓

【時には心にブレーキをかけ、じっくり考えてから動いてみる。

そうやって自分にとってちょうどいいスピードをコントロールできる、心のブレーキの達人になってくださいね。】





心のブレーキの達人


これは僕が新しく生み出した言葉です。

キーワードを作るのがねらいです。


心のアクセルの達人はよく礼賛されますよね。

進んで動く子や主体的に動く子は褒められる傾向にあります。


しかし,慎重に動いたり,自分のペースで動いたりすることも大切な場面があります。

心のブレーキの達人も褒められる教師でありたいです。


要はアクセルもブレーキも上手く使い分け,バランスが大切なのです。

どちらかに偏ることなく,心(気持ち)をコントロールしたいですね。




気になった方はぜひ,実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年5月11日火曜日

とっておきの話131「思うより考える」の裏話

Twitterに,とっておきの話131「思うより考える」の原稿をアップしました。

とっておきの話131「思うより考える」の原稿



今回のテーマは,

「思う」「考える」です。


思うと考えるの違い,何だと思いますか?



例えば,“思い浮かべる”と言っても、“考え浮かべる”とは言いませんよね。



思うは、感じたことを言葉に表すふわっとした感じのイメージです。

考えるは、頭をよく使う、思うよりもレベルが高いのです。

 



原稿では,授業の感想を書く場面での思うと考えるの違いに触れています。

「思ったまま書く」のと「考えて書く」の違いですね。


授業の感想に、「楽しかった」と書いて終わっている子がいます。

これは“思う”です。


でも、「○○が楽しかった」と何が楽しかったかを書いたり、分かったことやそこから自分が発見したことを書いたりすると、“考える”になります。



見学に行った後、「○○を見た」と書いて終わっている子がいます。

これも”思う”です。


でも、「○○があるということは、△△じゃないか」と、見たことからつなげていくと、“考える”になります。



ちょっとした違いですが、”思う”で止まってしまっている人が多いのです。



キーワードとして,次の言葉を設定しました。


考える訓練


【考える訓練を重ねると、新しい発見にたくさん出会えます。

思うだけでは出会えない発見は、世の中にいっぱいあります。

考えることを大切にしていきましょう。】


以上のように結んで,原稿は終わっています。



一方,授業の感想だけではなく,様々な場面で「考える訓練」が試される時はあります。


そのどの場面にも,”思う”で止まっている子がいるはずです。

その子の背中を押すためにも,とっておきの話をきっかけに,根気よく声掛けしていくことが大切です。


すると,いつしか”思う”から”考える”ようになっていきます。

この壁を越えられるかどうかで,子どもの思考力の高まりが違ってきます。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年5月9日日曜日

とっておきの話130「使い忘れがちな心」の裏話

Twitterに,とっておきの話130「使い忘れがちな心」の原稿をアップしました。

とっておきの話130「使い忘れがちな心」の原稿


心技体

という言葉があります。


簡単に言うと、人は3つのものを使って生きているということです。

僕はこの言葉を,中学時代の柔道の授業で知りましたが,高校時代の弓道部でも同じような話を聞きました。


人が使っている3つのもの。

一つ目は、心。二つ目は、頭。三つ目は、体です。


ではみなさんは、この3つのうち、どれをよく使っていますか?



きっと,頭や体だと言う人が多いのではないでしょうか。


「頭を使う」や「体を使う」はよく聞きますが,

「心を使う」というのはあまり聞きませんよね。


頭を使うことで,点数やIQが分かりますよね。

体を使うことで,記録や勝ち負けが分かりますよね。

でも,心を使うことで具体的な結果が数字として表れるかというと。。。

そうではないですよね。


分かりやすく数字として結果に表れないからこそ,

「心を使う」に意識がいかなくなっていくのでしょう。


人は気をつけていないと,心を使わなくなる生き物。




こうした真理を喩えた「畑の水まき」という話があります。

こんな話です。



【畑に水まきをしたいという少年に、バケツが渡されました。

すると、少年は体を使って、バケツに水をくんでは畑まで走って行ってまくということをくりかえしました。

やがて、少年が成長すると、ホースで水まきすることをおぼえます。

畑まで走って行かずにすみました。

さらに少年が大人になると、機械で自動的に水まきができることをおぼえます。

頭を使うようになると、体を使わなくなるのです。

すると、少年は機械に任せっきりにし、ほとんど畑に行かなくなりました。

機械では気づかない畑の状況の変化を見過ごした少年は、結局畑に植えた物を枯らしてしまいます。

最初の「畑に水まきをしたい」という純粋な心はどこかへ行ってしまったのです。

頭を使うことに頼っていると、心を使わなくなるのです。】



このように、気を付けていないと人はやがて、心を使わなくなってしまうそうです。




一方,「心を使おう」と意識しているキャラクターがいます。


『宇宙兄弟』という漫画やアニメを知っていますか?

宇宙飛行士を目指す主人公の話です。


そこに、パイロットの運転練習をするシーンがあるのですが、そこに出てくるベテランパイロットのおじいさん先生と主人公とのやり取りが面白いのです。




ある時、おじいさんが主人公にアドバイスをした後、こんなことを言います。


「今のは頭のノートにメモっとけ」


でもまたある時、別のアドバイスをした時は、こんなことを言うのです。


「今のは心のノートにメモっとけ。頭に入れるな」


このように,頭を使う時と心を使う時を分けているのですね。

頭と心を使い分けることができる人って素敵ですよね。



① 心技体

② 畑の水まき

③ 宇宙兄弟


この3つの話を組み合わせたのが,今回のとっておきの話になります。

「心を使うって何だろう?」

と考えるきっかけになれば,嬉しいです。




気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年5月8日土曜日

とっておきの話129「嬉しいリンゴ,悲しいリンゴ」の裏話

Twitterに,とっておきの話129「嬉しいリンゴ,悲しいリンゴ」の原稿をアップしました。

とっておきの話129「嬉しいリンゴ,悲しいリンゴ」の原稿




大学院時代の友達がある日,こんな話を聞かせてくれました。



悲しい時ってどうやって泣く?

「しくしく」だよね。

だから「4×9=」?

36になるよね。



嬉しい時ってどうやって笑う?

「ハッハ」だよね。

だから「8×8=」?

64になるよね。



ほら,足してみな。

36+64=?

100になるんだよ。

ちょうど100。



だからさ,人生の出来事を全部合わせて100とすると,

悲しいこと36と嬉しいこと64で出来ているってことだよ。


嬉しいことは悲しいことよりも少し多い。

それが人生だと思わない?



この話を聞いた時,かけ算の九九と語呂合わせで無理やり作った話な気がしてあまり乗り気ではありませんでした。

でも,読書をしていたら,似たような話に出合ったのです。



それが,リンゴの木の話。




 嬉しい出来事があった時、自分のリンゴの木に嬉しいリンゴがなります。

 悲しい出来事があった時、自分のリンゴの木に悲しいリンゴがなります。

 嬉しいリンゴを見て、嬉しいと感じるのは、悲しいリンゴもなっているからです。

 悲しいリンゴもないと、嬉しいリンゴも当たり前のリンゴに見えてしまいます。


 嬉しいリンゴも悲しいリンゴも実らせてこそ、味わい深いリンゴの木に育つのだそうです。


 本当の割合はだれにも分かりませんが、悲しいリンゴがあったっていいじゃないかと思う気持ちを大切にしてほしいですね。

 その分、嬉しいリンゴに出会った時の喜びを感じられるのですから。



このリンゴの木の話に出合って,友達から聞いた話と組み合わせてとっておきの話を作りました。

嬉しさと悲しさの本当の割合なんて,測りようがありません。

でも,どちらの話にも共通して言えることは,次の2つです。



 悲しい出来事ばかりではなく,嬉しい出来事も必ず起きる。


 悲しい出来事があるからこそ,嬉しい出来事は嬉しいと感じる。




どちらの出来事にもまっすぐ向き合い,味わい深い人生を送りたいものです。




気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



2021年5月7日金曜日

とっておきの話128「物にさわってあいさつ」の裏話

Twitterに,とっておきの話128「物にさわってあいさつ」の原稿をアップしました。

とっておきの話128「物にさわってあいさつ」の原稿



今回は,「あいさつ」をテーマにした話です。


みなさんはいつも、どんな人にあいさつをしていますか?


家族や友達,近所の人,先生など,いろんな人を思い浮かべるでしょう。


では,質問を変えてみます。



みなさんはいつも,どんなにあいさつをしていますか?


これが,今回の話の本題となる

物にあいさつ

です。


人にはあいさつするのは当たり前でも、物にあいさつしている人は少ないかもしれません。


でも、毎日欠かさず、物にあいさつしている人がいるのです。

どうやって物にあいさつするのでしょうか。



その人は毎日、こんなことをしているそうです。

物にさわる

一日一回、自分のまわりにある物にさわる。それだけです。


さわると、その物の状態がわかります。

ほこりがかぶっていたらきれいにしますし、こわれているところはなおします。


つまり、物にさわってあいさつするとは、物を大切にするということなんですね。



聞き手の子どもたちには,こんな質問をします。


みなさんは、自分の筆箱の中に何本の鉛筆が入っているか、答えることができますか?

そのうち、何本がとがっていて、何本が丸くなっているか、答えることができますか?


こうした質問は,大人でも答えるのが難しいのではないでしょうか。



最後にこんな風に締めくくっています。

【物にあいさつを続けている人は、いとも簡単に答えることができます。

そうやって物を大切にしていると、いざ使いたい時にすぐ取り出せ、良い状態で気持ち良く使うことができます。

あいさつをしていると、物が助けてくれるのです。

物にあいさつ、今から始めてみませんか?】




・えんぴつをけずりましょう
・筆箱や道具箱の中身を整頓しましょう。
・忘れ物がないようにしましょう。


そんな指示を出すのは簡単ですが,言われたからやるという受け身な物の管理になりがちです。

そこで,こうしたとっておきの話を実践することで,自発的に物を大切にする態度を養うきっかけとしたいです。




気になった方はぜひ,実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

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