2022年7月31日日曜日

とっておきの話425「こんなところにSDGs」の裏話

Twitterに、とっておきの話425「こんなところにSDGs」の原稿をアップしました。

とっておきの話425「こんなところにSDGs」の原稿



この素材に出合った瞬間は楽しかったですね。

何気なく妻と一緒にカップヌードルを食べることになり、フタを開けた瞬間にすぐデザインの違いに気付きました。



裏面に書いてあることを読み、「こんなところにSDGsが!」とつぶやいたことを覚えています。そのまま小話のタイトル名にしました。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(SDGs と板書)

 みなさんは、SDGsと聞いてどんなイメージをもちますか?(実態に合わせて補足説明)

 少し難しいテーマのように感じる人もいると思います。

 しかし、先生は最近、身近なある物にSDGsを見つけました。何だと思いますか?

(少し間をおく)



(次の画像を提示)

 




  

 正解は、カップヌードル(左の画像提示)・・・・の、ふたです。(左の画像のアップを提示)

今見せている画像は、昔のふたですが、今はどんなふたになっているかというと・・・

こんなふたです(右の画像提示)。ネコ耳でとめるようになっていてかわいいですよね。

でも、ただかわいいだけではありません。この形になったのには理由があります。



 ふたの裏には、こんな説明が書いてありました。

【プラスチック削減のために フタ止めシールをやめました。そのかわり、フタを新しくして止まりやすくしました。】

(こんなところにSDGs と板書)

 プラスチック削減は立派なSDGsですよね。みなさんの身の周りにも、「こんなところにSDGs」と呼べる物があるはずです。探してみてくださいね。


いかがでしたか?


SDGsと聞くと何か壮大なテーマを考えないといけないようなイメージがされがちですが、意外と身近なところにあることを知ったら、興味・関心を高めることにつながります。


自分事にするためには、その子たちにとって身近な話題で語ることが大切なのです。

そういう意味ではこのカップヌードルのフタはぴったりな素材でした。


みなさんも良かったら身近な物に隠れたSDGsを探してみてください。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年7月25日月曜日

とっておきの話424「みんな違う と みんな同じ」の裏話

Twitterに、とっておきの話424「みんな違う と みんな同じ」の原稿をアップしました。

とっておきの話424「みんな違う と みんな同じ」の原稿



ある日、勤務校の小学校の校内に飾られていた大きなポスターに目が留まりました。

まさか職場で素材が見つかるとは思いませんでした。

本当にどこに素材が転がっているのか分からないものですね。


みんなちがって みんないい

という言葉はよく聞きますが、意外と「みんな同じ」に触れた言葉やキャッチフレーズはあまり聞かれません。

だからこそ、自分自身興味が惹かれたのだと思います。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


(みんな違う と板書)

 みんな違う と思うことを好きなだけ言ってみましょう。(何人か指名する)

(みんな同じ と板書)

次に、みんな同じ と思うことを好きなだけ言ってみましょう。(何人か指名する)


みんな違う と みんな同じ それぞれいくつかあるようですね。



(次の画像を提示)



これは、先生がある日見つけたポスターです。まず、上のタイトルの言葉に注目してみましょう。

「大切なものは、みんな違う。大切にされて嬉しいのは、みんな同じ。」と書いてあります。


その下には、次のような言葉が続きます。

「考え方や生き方は、一人ひとり違う。でもその一つひとつを大切にできたら、みんなが自分らしく生きられると思う。差別やいじめだって、きっと無くせる。そんな世界をつくるのは、難しいことじゃない。私にだって、あなたにだって、できるはずだ。あなたが気づけば、世界はもっと多様になる。」

大切なものはみんな違うからこそ、みんなでその違いを大切にしていきましょう。

 なぜなら、大切にされて嬉しいのは、みんな同じだからです。


 自分の大切なものも、周りの人の大切なものも、どちらも大切にできる人になりたいですね。

 あなたの「大切にする気持ち」が、世界を多様にする種まきとなるでしょう。


いかがでしたか?


「大切なものは、みんな違う。大切にされて嬉しいのは、みんな同じ。」


前半はよく聞く言葉でしたが、後半の言葉が特にステキですよね。

こうした「みんな違う」と「みんな同じ」の双方に触れた考え方はもっていたいです。



偏った考え方は危険です。

時として一方的な押し付けになってしまいます。

だからこそ、もう一方の側面はないかを考えることも大切です。

自分の考えが偏っていると感じた時は反対側も見つめてみる余白をもちたいです。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年7月24日日曜日

とっておきの話423「努力の向こう」の裏話

Twitterに、とっておきの話423「努力の向こう」の原稿をアップしました。

とっておきの話423「努力の向こう」の原稿



努力をテーマにした小話はこれまで多く作り続けてきましたが、その視点の当て方や表現方法は多岐にわたるため、まだまだ「努力」をテーマに新作ができそうです。


今回の素材は、教育長だよりからヒントを得て山に喩えた努力の話。


山頂から見た景色のなんときれいなことか。

これは努力でも言えることなのです。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


(簡単に山のイラストを描いて見せる)

 みなさんは、山に登ったことはありますか?

こんな言葉があります。

(山に登らなければ、山の向こうは見えません。と提示)

言われてみればそうですよね。山に登った人なら分かると思いますが、山頂から見る向こうの景色はステキですよね。(イメージしやすいように補助写真を見せる)

 


(次の言葉を提示)

□□しなければ、□□の向こうは見えません。


 似たような言葉で、こんな言葉があります。□の中にはどんな単語が入るでしょう?

(少し間をおいてから)正解は、「努力」です。


努力しなければ、努力の向こうは見えません。



 (努力の向こう と板書)

山登りと同じで、努力した人にしか努力の向こうの景色は見えません。

見たことのある人も、また次の努力の山が見えてきます。

一人では苦しくても、みんなとなら見に行ける努力の山もあります。

一緒に努力の向こうの景色を見に行きませんか?


いかがでしたか?


努力を山に喩えると、また違った視点を得られますよね。

今あなたは、努力の山の何合目まで登っているでしょうか?


こうした比喩表現はいくつも持っておくと、努力の過程において励みとなります。

山頂が見えた後も、きっとまた新たな努力の山が見えるのでしょうね。

そしてまた登りたくなる。


人生は登山に似ていると表現する人もいますよね。

僕自身、登山の経験をあまりしたことがないので一度してみたいと思います。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年7月23日土曜日

とっておきの話422「どんな秋?」の裏話

 Twitterに、とっておきの話422「どんな秋?」の原稿をアップしました。

とっておきの話422「どんな秋?」の原稿


現在、夏休みに入ったばかりの時期ですが少し先取りして秋の小話を紹介します。




みなさんは、「ちいさい秋みつけた」という歌をご存知でしょうか?

実はこの歌、歌詞をよく見てみるとある発見が生まれる歌なのです。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(「ちいさい秋みつけた」の歌の始めを流す)

 これは、「ちいさい秋みつけた」という歌です。

歌詞の初めが「誰かさんが誰かさんが誰かさんがみつけた」で有名な歌ですね。

今日はこの歌の歌詞から、どんな秋がみつかるか考えてみましょう。


 (1番の歌詞を提示)

めかくし鬼さん手のなる方へ すましたお耳にかすかにしみた よんでる口笛もずの声


 1番の歌詞には、どこに秋がありますか?(少し間をおく)

 正解は、「もずの声」です。もずは、秋になると甲高い声で鳴く鳥です。秋の季語です。


 (同じように、2番と3番の歌詞を提示)


 2番の歌詞は、「秋の風」です。秋になってふと冷たいと感じるような風が吹き、秋になったなと感じたのでしょう。3番の歌詞は、「はぜの葉」です。「入日色」とは夕日の色を表しています。はぜの葉が赤くなっている。つまり紅葉していることから秋を感じます。


 (もずの声 秋の風 はぜの赤い葉 と板書)

 この3つの秋を比べると、「もずの声」は聞いて見つけました。「秋の風」は肌で感じました。「はぜの赤い葉」は目で見つけました。このことからも、様々なことに関心をもち、様々な場所を見て、様々なことから秋を見つけることができるとわかります。

 みなさんも五感を使い、身の回りの「ちいさい秋」を見つけてみませんか?


いかがでしたか?


私たちは普段、様々な景色を何気なく目にしています。

しかし、感じる器官は目だけではないはずです。

そこで大切になってくるのが

五感を使う

という視点です。


五感で物事を見る力をつけるだけで、感じる景色の広さや解像度が全く違ってきます。


これは、様々な教科で応用できる考え方です。

理科の観察と実験や社会の調べ学習など、具体例を挙げたら切りがありません。

その割には、五感を使うという学習単元はあまり見かけません。

だからこそ、小話で取り上げておきたいテーマでもあります。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年7月18日月曜日

とっておきの話421「スウィートトーカー」の裏話

 Twitterに、とっておきの話421「スウィートトーカー」の原稿をアップしました。

とっておきの話421「スウィートトーカー」の原稿


ラジオを聞いていると、「えっ、そうなの?」という新しい発見に出合うことがあります。

今回の素材は、何気なく聞いていたラジオから流れてきた

ほめ言葉を英語で言うと?

の話。


何か素材を得ようとして聴く時と比べ、何も目的が無かったのに聞こえてきた素材というのは誰にとっても心動かす話になる可能性が高いと感じます。

意外と気を張って素材を探すより、突然訪れる素材との出合いを楽しむ方が良い場合もあります。

もちろんいきなり偶然の出合いを求めるのは難しいです。

だからこそ、探し続けることが大切なのです。



それでは原稿を読んでみましょう⇩

(スウィートトーク と板書)

 英語でスウィートトーク。日本語だと、どんな意味だと思いますか?(少し間をおく)

ヒントを伝えます。スウィートは「甘い」という意味です。トークは「会話」「言葉」という意味です。甘い味の言葉って、何だろうね?(何人か指名する)

 正解は、こちらです。

(スウィートトーク=ほめ言葉 と提示)

 ほめ言葉のことを、英語でスウィートトークと言うそうです。また、ほめ上手な人のことをスウィートトーカーとも言うそうです。

(スウィートトーカー=ほめ上手な人 と提示)



(あなたは何トーカー? と板書)

 さて、みなさんはいつも、どんな味の言葉を使っていますか?

 人の悪口や陰口など、相手を傷つける言葉はきっと苦い味でしょうね。

 せっかくなら、甘い味を始めとして、相手に喜んでもらえる味の言葉を上手に使える人でいたいですよね。



(おいしい言葉を送り合おう と板書)

 まずはみなさんも、スウィートトーカーになって、ほめ言葉をこの教室に溢れさせてみませんか?ほめ言葉だけでなく、相手に喜んでもらえる味の言葉を思いついたらどんどん食べさせてあげましょう。すると、相手もきっと、喜んでもらえる味の言葉を送り返してくれるはずです。そうやって同じクラスの仲間と、お互いにおいしい言葉を送り合えるような学級にしていきたいですね。みんなでおいしい言葉あふれる学級を目指しましょう。


いかがでしたか?


「ほめ言葉」を「スウィートトーク」と表現するだけでかなり印象が変わりますよね。

ほめ上手な人をスウィートトーカーと言うのなら、次のように英語で表現するとより印象に残ることもあるでしょう。



なぜ表現の違いにここまでこだわるのかというと、言葉は表現を少し変えるだけで子どもたちにとって合言葉となる身近さが出るからです。

いかに身近だと感じる合言葉を創り出すか。

これがとっておきの話の真骨頂でもあります。

どんなにステキな話をしても、最後に残る言葉が無ければ忘れ去られてしまいます。

合言葉をいかに残すかは大切な視点です。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年7月17日日曜日

とっておきの話420「無駄の決めつけの先には」の裏話

Twitterに、とっておきの話420「無駄の決めつけの先には」の原稿をアップしました。

とっておきの話420「無駄の決めつけの先には」の原稿



朝日新聞の一面に、『折々のことば』というコーナーの記事があります。

今回の小話は、その中で目に留まった記事の1つを素材にしました。



もちろん、隣に解説のような部分はあるのですが、まず右に書いてある言葉を読んでピンと来たら素材にしています。


それでは原稿を読んでみましょう。


(無駄 と板書)

 何と読みますか?


「むだ」ですね。


あれは無駄だなぁ。これは無駄だなぁと思うことはありませんか?

よく言ってしまう人は手を挙げてください。

(挙手した人数を数える)

なるほど、そんなみなさんに、こんな言葉を紹介します。(次の言葉を提示)

あれも無駄、これも無駄、とやっていったら、□?

□の中にはどんな言葉が続くと思いますか?

最後は疑問形みたいですね。


 次のように続きます。

(次の言葉を提示後、太字下線部分を強調して読み聞かせる)

あれも無駄、これも無駄、とやっていったら、最後はいちばん無駄な存在は自分だ、ってことにならないか?

 

 無駄の決めつけを続けていると、最後は自分さえも無駄だと決めつけてしまう。

そんな考え方は決して楽しいものではないですよね。

無駄なく、ほしいものに一直線にたどり着ける人などめったにいないと、この言葉を言った人は説明しています。

では、どうしたら楽しくほしいものにたどり着けるのでしょうか?


(無駄に見えるとちゅうは、ほしいものにたどり着くとちゅう と提示)


 あなたの周りにも、無駄に見えるものがあると思います。

しかし、それは、ほしいものにたどり着く途中なのです。

その途中を乗り越えた先に、あなたのほしいものが待っているのです。

無駄だと決めつけず、ほしいものにたどり着く途中だと思って楽しんでみましょう。

あれも大切、これも大切、とやっていったら、最後はいちばん大切な存在は自分かも、ってことになりませんか?

もしかしたらその考え方が、あなたの一番ほしいものかもしれませんね。



いかがですか?


「無駄」という言葉を使う人に刺さるような小話ですよね。

この小話で伝えたいメッセージは次の2つです。


① 無駄は連鎖してしまうということ

② 連鎖した先には自分も無駄になってしまうこと


この2つのメッセージを伝えることで、何気なく使ってしまっていた「無駄」という言葉を見直すきっかけになればと思います。

「無駄」という言葉以外にも、大人でも思わず使ってしまうような悪い口ぐせと呼ばれる言葉はあるはずです。

それらの言葉についてピンと来るようなものに出合えたならば、子どもたちと一緒に見つめ直すチャンスになります。


その時、ただ使ってはいけませんと一方的に伝えるのではなく、ぜひ小話にして子どもたちと一緒に考えるようにしてみてください。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年7月15日金曜日

とっておきの話419「音よりも声 声よりも名」の裏話

Twitterに、とっておきの話419「音よりも声 声よりも名」の原稿をアップしました。

とっておきの話419「音よりも声 声よりも名」の原稿



朝日新聞の天声人語が今回の素材です。

この日の天声人語には、「音」「声」「名前」の3つを比較したある実験が紹介されていました。

その結果が興味深かったので、小話として作ることにしました。


天声人語は難解な部分もありますが、時として興味深い新しい視点を提示してくれます。

その視点を抽出し、言葉を柔らかくして伝えれば、子どもたちにも十分伝わるポテンシャルを持っていると思います。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(目覚まし時計 の画像を提示)

 


 こんな研究があります。ある夏休み、小学生13人を研究室に招き、お昼寝をしてもらいました。深い眠りに落ちたことを確認してから、3通りの音声を同じ音量で聞かせ、目覚めるまでの時間を比べたそうです。すると、こんな結果が出ました。

(310秒 31秒 と板書)

 ピツピッピの電子音だと平均310秒、その子のお母さんの録音した声だと平均31秒でした。音よりも声の方が、10倍もインパクトが大きく耳に届きやすいのですね。

(音よりも声 と提示)



(声よりも□ と提示)

 実は、研究はここでは終わりません。なんと音よりも声だけでなく、声よりもインパクトが大きく耳に届くものが見つかったのです。なんだと思いますか?(しばらく間をおく)

 ぞれは(少し間をおいてから)名です。(声よりも名 と提示)名前を呼ばれると、深い眠りから早く目覚められるほど、インパクトが大きく耳に届くそうです。



 これは、寝ている人を起こす時以外にも言える研究結果だと思いませんか?

(少し間をおく)

デジタルな音で溢れている今の時代だからこそ、音よりも声、声よりも名を意識して、相手の名前を呼んだり、会話を楽しんだりすることを大切にしたいですね。

あなたの言葉は、あなたの声を通して相手の心に届けていきましょう。


いかがでしたか?


この話で一番伝えたいメッセージは、終盤部分の以下のところです。

デジタルな音で溢れている今の時代だからこそ、音よりも声、声よりも名を意識して、相手の名前を呼んだり、会話を楽しんだりすることを大切にしたいですね。

あなたの言葉は、あなたの声を通して相手の心に届けていきましょう。


というのも、声よりも音を優先しているような現状を感じるからですね。


今伝えるべきは「音よりも声」なのではないか?

今伝えるべきは「声よりも名」なのではないか?


少し意識を変えるだけで、相手に伝わる印象は大きく変わるでしょう。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年7月13日水曜日

とっておきの話418「なまえのないねこ」の裏話

Twitterに、とっておきの話418「なまえのないねこ」の原稿をアップしました。

とっておきの話418「なまえのないねこ」の原稿


名前

の大切さを僕らはあまり普段意識していません。

しかし、親から付けてもらった名前は一生変わりませんよね。

その名前の由来を探っていくと、思わぬ発見もあります。


今回の小話は、そんな名前をテーマにしながらも、新しい視点を提示してくれる絵本が素材になっています。

この絵本を読んで当時は感動しました。

「なまえのないねこ」というタイトルも独特で興味が惹かれますよね。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(名前 と板書)

 みなさんは、自分の名前を呼んでもらったらどんな気もちになりますか?

きっとうれしいと感じる人が多いと思います。

これから紹介する物語のタイトルは、『なまえのないねこ』です。(絵本の表紙を提示)

 


主人公のネコの気持ちを想像しながら聞いてみてください。


 主人公のネコには、名前がありません。

そんなネコが他のネコに出会うと、どのネコにも名前がついていることに気付きます。

そして、ネコ以外の動物にも名前がついていることにも気付きます。

ネコは自分にも名前がほしいという気持ちがどんどん高まっていきます。

やがて、名前のない自分に対して落ち込んでしまいます。

そこに、女の子がネコを見つけてメロンという名前をつけるのです。

そこで主人公のネコは、こんなことを言うのです。(次の画像と言葉を提示)


そうだ。わかった。ほしかったのは、なまえじゃないんだ。

なまえを よんでくれる ひとなんだ。




 (「名前」の横に「を呼んでくれる人」と付け加えて板書)

 あなたの周りにも、名前を呼んでくれる人がたくさんいるはずです。

その人たちの存在は当たり前ではなく、自分を支えてくれる欠かせない存在なのです。


いかがでしたか?


自分にとって大切な人を見つける視点として、「自分の名前を呼んでくれる人」という切り口はなかなか新鮮でした。

気付いているようで気付いていない大切な人の存在。

自分の名前を呼んでくれる人を見つめ直すと、気付けるかもしれません。


それにしても絵本の力はすばらしいですね。

絵のインパクトと文章が巧みです。

絵本の作り方は、とっておきの話の作り方と通じるものもあると思います。


この小話の後、「なまえのないねこ」の絵本を読み聞かせしても良いかもしれません。

素材そのものの力を魅せるのも良いですね。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年7月11日月曜日

とっておきの話417「目線の力」の裏話

Twitterに、とっておきの話417「目線の力」の原稿をアップしました。

とっておきの話417「目線の力」の原稿


目は口程に物を言う

とは言わずと知れたことわざではありますが、人の目線の力は想像以上です。


例えば昨今のコロナ禍では、特にこの目線の力が重要視されたエピソードと出合いました。

いつも通り、何気なくテレビを観ていたら素材を得られました。

しかも妻が観たい番組。たまたま一緒に観ただけの番組です。

素材との出合いはいつも奇なり。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(目力 と板書)

みなさんは、目力がある人ですか?ない人ですか?

今回のとっておきの話は、目力と言っても「目線の力」について話します。

(目線の力 と板書)



(次の左の画像を提示しながら)コロナ禍の影響でリモートで話すことが増えたテレビ番組。



画面に映っているホラン千秋さんは、始めは正面を向いていたそうです。

すると、(下の画像を提示)専門家の方もリモートで話すのでこのような目線になります。



   

ここに違和感を抱いたホラン千秋さんが取った行動とは何だと思いますか?(少し間をおく)

実は、こんなことをしました。(次の画像を提示)目線を変えたのですね。



すると、次のように、実際にお互いの顔を見て話しているように見せることができたそうです。

(次の画像を提示)


   


 (目線 に下線を引いて 変えてみる と板書)

 目線を少し変えてみるだけで、あなたは目力のある人になれるかもしれません。

 目線の力を意識すると、相手を大切にした会話ができそうですね。


いかがでしたか?


目線を変えてみるだけで相手に与える印象は大きく変わるものです。


アイコンタクトをしましょう

はよく言われる言葉だと思います。

子どもたちに言っている先生も多いでしょう。

これは、目線を合わせてくださいという指示です。


しかし、これだけでなく、今、どこに目線をもっていったら良いのかを自分で考えられる子になったらさらに目線の力は高まるのではないでしょうか。

目線1つ取っても奥が深いですね。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年7月9日土曜日

とっておきの話416「独書にしない」の裏話

Twitterに、とっておきの話416「独書にしない」の原稿をアップしました。

とっておきの話416「独書にしない」の原稿



読書

と聞くと、この漢字を思い浮かべる人が多いと思いますが、漢字を変えただけで印象はガラリと変わります。


今回の小話は

独書にしない

というタイトルです。


ここからどんな内容か想像できますか?



これはラジオで知った話を素材にした小話です。

耳だけで聴きながら、イメージが具体的にできるラジオは本当にすごいです。

ラジオのDJさんはまさに話す力が高い人たちです。

尊敬します。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(どくしょ と平仮名で板書)

 みなさんは、「どくしょ」と聞いてどんな漢字を思い浮かべますか?

(少し間をおいてから 読書 と漢字で板書)

きっと、こちらの読む書の読書という漢字が思い浮かんだと思います。



 実は、「どくしょ」には別の漢字があるのを知っていますか?

 こんな漢字です。

(独書 と板書)

 独りぼっちで読む書と書いて独書です。



 (読書を独書にしない と提示)

 みなさんは、読んだ本を一人で満足して終わっていませんか?

それは読書を独書にしてしまっているのです。(漢字を指差しながら話す)


自分が読んだ本を友達にも読んでもらえば、独りぼっちで読む書にはなりません。

自分が読んだ本の良さを友達にも伝えられたのなら、独り占めして読む書にはなりません。


読書を独書にしない人は、もっと読書が楽しくなるはずです。

みなさんの読書は独書になっていませんか?


いかがでしたか?


読書と聞くとこんなイメージだと思います⇩


そう。

一人で読んでいるのですよね。

独りぼっちで読んでいると言われたら確かにそうだなと思いました。


読書と独書をかけて考えていくところが面白いですよね。

担任する子どもたちにも、独書にしない工夫を伝えていきたいですね。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年7月5日火曜日

とっておきの話415「地球にとって人の一生は」の裏話

Twitterに、とっておきの話415「地球にとって人の一生は」の原稿をアップしました。

とっておきの話415「地球にとって人の一生は」の原稿



人の一生は有限であり、あっという間です。

しかし、本当にあっという間だということを自覚している人は意外と少ないのではないでしょうか。

例えばどれくらいあっという間なの?

そんな疑問に答えるのが今回の小話です。


比べる対象はなんと・・・


地球

です。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(一生 と板書)

 みなさんは、人の一生は長いと思いますか?短いと思いますか?

(どちらなのかに手を挙げさせる)

人それぞれ、一生の長さは感じ方が違うと思いますが、今から人ではないある物から見た一生の長さを考えてみませんか?


 そのある物とは・・・(少し間をおく)地球です。



最近、こんな話を耳にしました。

(人の一生は、地球の瞬き(まばたき) と提示)

人の一生と言えば、長くても100年ほどです。

それを地球の一生から見ると、どれくらいの長さになるのか。

地球を人にたとえると、瞬きを一回するほどの長さだそうです。

人の一生は、地球にとっては瞬き一回ほどしか無いのです。

 

 (一生 の横に 一度きりの人生 と板書)

 一度きりの人生。最初と最後の漢字をくっつけると「一生」になりますよね。

地球にとっては瞬き一回ほどしか無い時間の長さの人の一生。

一度きりの人生だからこそ、後悔無く生きていきたいですよね。

「一生=一度きりの人生」なのですから。

みなさんはどんな一生にしたいですか?


いかがでしょうか。


地球がまばたきする間に人の一生が終わる。

そう考えると、本当にあっという間という気持ちがしてきませんか?


大人よりも子どもはよりこの人生の有限さや短さを自覚しづらいです。

だからこそ、子どもたちに向けてこうしたテーマも話す価値があると思います。


みなさんは自分のまばたき1回1回にいちいち意識なんてしていませんよね。

地球も同じだとしたら?

みなさんが自分の一生について本気で考えるきっかけになればと思います。


一生は、一度きりの人生なのですから。


気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年7月3日日曜日

とっておきの話414「back to school」の裏話

Twitterに、とっておきの話414「back to school」の原稿をアップしました。

とっておきの話414「back to school」の原稿



日本語は時として、英語に翻訳するとその言葉の本質に気付かされることがあります。

例えば今回の小話のタイトル、日本語訳は「新学期」です。

新学期を英訳すると普通は「新」という漢字から「new」の英単語が思い浮かびますよね。

しかし、別の英訳があるとしたら、新しい視点を得られます。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(夏休み明けなどの新学期が始まるタイミングで話す)

おかえりなさい!

突然いつもと違うあいさつをしてびっくりしましたよね。

今日の話を聞くと、どうしてこんなあいさつをしたのか理由が分かります。



(新学期 と板書)

新学期を英語に訳すと、New semesterやa new school termとなります。

でも、「新学期の」という言葉を英語に訳すと、ちょっと変わった英語になります。

こんな英語です。

(back to school と板書)

直訳すると、「学校に戻る」です。

なんだかステキな訳になりませんか?



 新学期が始まるということは、あなたたち子どもや先生が学校に戻ってくるということです。

その時、安心して戻ってこられる教室でありたいと思っています。

だから最初に、あなたたちには「おかえりなさい!」とあいさつをしました。

これからもみんなで一緒に、誰もが安心できる居心地の良い教室にしていきましょう。

新学期、スタートです。


いかがでしたか?


みなさんは、新学期が始まる初日、子どもたちをどのように迎えますか?

僕はこの小話を作ってから、「おかえりなさい!」と迎えるようになりました。

おかえりなさい!

と言われて不安がる子はどこにもいません。

安心するあいさつがあるだけで教室の雰囲気は温かくなります。

学校はそれぐらい子どもたちにとって安全基地となれる場所であるべきだと思います。


子どもたちの中にも、「ただいま!」と言う子もいます。

ホームがあるから飛び込んでいける。

ファーストペンギンの話にもつながります。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...