2022年4月22日金曜日

とっておきの話386「悪い種は後から育つ」の裏話

Twitterに、とっておきの話386「悪い種は後から育つ」の原稿をアップしました。

とっておきの話386「悪い種は後から育つ」の原稿



今回の素材は、YouTubeでお金の勉強と言えば有名な両学長さんの言葉です。




両学長さんは、お金の話だけでなく、人生観を動画の中で語ることがあります。

その中の1つを素材にしてみました。


このように、素材は本だけでなく、人の話からも得ることができます。

何気なく聞いているだけでは通り過ぎてしまうような言葉もキャッチすることで、新しい考え方が舞い込んでくるのです。


いったいどんな話でしょう?

それでは原稿を読んでみましょう⇩



【(心の種 と提示)

今日は,みなさんの心の中にある種の話をします。

(心の種=今までしてきたこと)

ここで言う心の種とは,今までしてきたことを言います。


心の種には2種類あって,良いことをしてきた良い種と,悪いことをしてきた悪い種があります。

 



 この2つの種,大きく違うところがあります。

それは,(少し間をおいてから)育つスピードです。

良いことをしてきた良い種は,人に気づいてもらえると素早く育ちます。

感謝され,もっと良いことをしようと思い,どんどん良い心の種は成長していきます。


 でも,悪い種は違います。

(悪い種は後から育つ と提示)

 悪い種は,悪いことをしている訳ですからなるべく人に気づかれないように育ちます。育つスピードが遅いので,本人も悪いことをしている気がありません。

 でも,放っておくと,いつの間にか手がつけられないほどに育っています。

 気づかれた時には既に取り返しのつかない悪い心へと成長してしまうのです。



 みなさんの心の中には,放ってある悪い心の種はありませんか?

取り返しのつかない悪い心へと成長してしまう前に,自分で自分がしてきたことを振り返られる人になりましょう。


いかがでしたか?


悪い種は後から育つ


この言葉の「後から」に奥深さを感じますよね。


その時はごまかせても、後から取り返しがつかなくなる。

その時は気付かないが、後からすごく自覚させられる。


「後から」の「後」がいつ来るのか分からないのもこの言葉の奥深さを表しています。

いつ来るか分からないからこそ、悪い種は放っておけないですよね。


そのためには、「振り返り」が大事だとこの小話は教えてくれます。

自分で自分がしてきたことを振り返る。

これはすごく大事なことです。


自分を顧みずに突き進んで行動してしまう人っていますよね。

猪突猛進は悪いことばかりではないですが、もしかしたら悪い種を育てる原因になっているかもしれません。

猪突猛進な時期はあってもいいです。

その中にそっと立ち止まり、今までの自分の行動を振り返るタイミングがあれば悪い種は早めに見つけられるでしょう。



さて、小話の中では、良い種は人に気付いてもらえると素早く育つという主張もあります。

ただ、この人に気付いてもらえるタイミングもいつ来るか分からないのですよね。

ここが苦しいところで、せっかく良い種を持っていても、気付いてもらえるまで育てられなくて挫折してしまう人が多くいます。


悪い種は放っておかない。

それと同じくらい、

良い種を育て続ける。

に価値を置く。

この両方の姿勢を大切にしていきたいですね。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年4月21日木曜日

とっておきの話385「言葉に乗せる2つのもの」の裏話

 Twitterに、とっておきの話385「言葉に乗せる2つのもの」の原稿をアップしました。

とっておきの話385「言葉に乗せる2つのもの」の原稿



人は言葉無しでは生きていけない。

これは自明の理であると言えます。


言葉によって思考を紡ぐ。

言葉によって会話をする。

言葉によって価値づける。

言葉によって感謝を伝える。



人の生きる上で言葉は欠かせないものとなっています。

しかし、そんな「言葉」をテーマにした小話というのはあまり見かけません。


小話のように小さくまとめることができないからでしょうか。

まとめなくていいのです。

新しい視点を1つだけ提示できればそれでいいのです。


小話はあくまでもきっかけ。

今回の話をきっかけにして、「言葉」について深掘りする聞き手が現れればそれでいいのです。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


(言葉 と提示)

 みなさんは言葉には乗せると良いものがあるのを知っていますか?

(言葉に乗せると良い2つのもの と提示)

 今日は,言葉に乗せると良い2つのものを紹介します。

 何を乗せると良いでしょう?考えてみましょう。(間をおく)


 1つ目の正解は,こちらです。

(言葉に体温を乗せる と提示)

 言葉には,体温を乗せましょう。

「体温」というと,触るとちょうどいいくらいの温かさがあります

よね。

冷たい言葉は人を傷つけます。熱すぎる言葉も疲れてしまいます。

体温くらいの温かさを言葉に乗せ,相手が気持ちよくなる言葉を

使っていきましょう。


 2つ目の正解は,こちらです。

(言葉に責任を乗せる と提示)

 言葉には,責任を乗せましょう。

 あなたの言葉でもし人を傷つけてしまったとしたら,その責任は

あなたにあります。

 あなたの言葉でやると決めたのにやらずに失敗したら,その責任は

あなたにあります。

 何も考えず適当に言葉を使っている人は,責任が自分にあるとわか

っていない人です。

言葉に責任を乗せて,1つ1つの言葉を大切に使える人になりましょう。



いかがでしたか?

参考文献は「20210302朝日新聞掲載「体温を乗せ 責任を乗せて」歌人/俵万智」」です。


俵万智さんと言えば、歌人として有名な方であり、言葉をよく使う仕事ですよね。



そんな俵万智さんの「言葉」に対して提示してくださっている視点はシンプルでわかりやすく、それでいて奥深いものでした。


言葉に乗せるもの

という視点です。

これは、ぜひ自分なりに考えてから、俵万智さんの答えと照らし合わせてみるとより面白いです。


① 言葉には体温を乗せる

② 言葉には責任を乗せる


どちらも読んだ時は「なるほどなぁ~」と思いました。

そして、①と②は両方乗せないといけないとも思いました。


体温だけ乗っていても届かない言葉ってありますよね。

責任だけ乗っていても冷たい言葉ってありますよね。


言葉に何を乗せるかという新たな視点を提示されることによって、どのように言葉を使ったらいいのかをシンプルにわかりやすく言語化できると思いませんか?


この小話を発展させ、「体温や責任以外にも乗せるべきものはありますか?」と問いかけても面白そうです。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年4月11日月曜日

とっておきの話384「離すものと離さないもの」の裏話

 Twitterに、とっておきの話384「離すものと離さないもの」の原稿をアップしました。

とっておきの話384「離すものと離さないもの」の原稿



ことわざというのは、日本だけにあるものではなく、世界中に溢れているものです。

外国のことわざは時として、日本人の感覚に無い考え方を提供してくれることがあります。

一方で、国境を越えて共通する人間の真理を表したことわざもあります。




日本国内だけで言葉を探すのではなく、世界にも目を向けて言葉を探してみると、思わぬ素材に出合えることがあります。

今回の素材は、アメリカのインディアンのことわざ「子育て四訓」です。

大人向けの言葉ですが、子ども向けとして小話で表現することに挑戦してみました。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


大人になる前の子どもは,時期によって呼び方が違います。

みなさんは次の呼び方のうち,どれですか?(聞き手に選ばせる)

・乳児

・幼児

・少年

・青年


 アメリカのインディアンのことわざに,こんな言葉があります。

 

乳児。赤ちゃんの頃は,肌がくっつくくらい親は子どもを離さないで。

幼児になったら,肌は離しましょう。でも,手は離さないで。

少年になったら,手は離しましょう。でも,目を離さないで。

青年になったら,目を離しましょう。でも,心は離さないで。

という意味です。

さて,みなさんは離すものと離さないもの,しっかりできていますか?


 すでに少年なのに,おうちの人の手をつないでいないと何もできないような子はいませんか?そんな子は,もう少し大人の手を借りずに自分でやれることは自分でやってみましょう。

 逆に,まだ少年なのに,おうちの人の目から離れてやりたい放題している子はいませんか?

そんな子は,もう少し大人の目に触れるところで安心させてあげましょう。

 このことわざの素敵なところは,最後まで離さないものが「心」であるということです。

 どれだけ子どもが成長しても,心は離さない。先生はそんな大人でいたいです。

 みなさんも,周りのお世話になっている大人と心は最後まで絶対に離さないでいてください。



いかがでしたか?


学校に通う子どもたちは、少年~青年の時期を過ごしています。

時として、甘えてしまうこともあるでしょう。

しかし、甘えてばかりではいけない。

つまり、自立を促すきっかけとしてこの話は良い種まきになると思います。


原稿でも述べていますが、この話の中核は

「最後まで心は離さない」

という点です。


単純に離す・離さないの話で終わらず、心は離さないとはどういう状態なのかまで考えられるとより小話の効果が高まるでしょう。



ところで、この素材は「子育て」に纏わることわざです。

過保護や過干渉な保護者の方はドキッとするような四訓ではないでしょうか。

今まで自覚していなくても、もしかして過保護?と思わされる言葉ですよね。


でも大丈夫です。

ここで述べられているのは絶対的な基準ではありません。

〇〇を離さないからダメだとか、○○を絶対に離すべきだとか言いたい訳ではありません。


大事なのは、この小話をきっかけにして、家庭でも親子の会話が生まれることです。

先程の話とつながりますが、親子の心がつながるきっかけを作ることなのです。




だからこそ、小話として話す時には断定表現はあまりしないように気を付けています。

聞き手への配慮を忘れずに、これからも小話づくりを楽しんでいきたいです。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2022年4月4日月曜日

とっておきの話383「100点ではなく100%」の裏話

Twitterに、とっておきの話383「100点ではなく100%」の原稿をアップしました。

とっておきの話383「100点ではなく100%」の原稿



「テレビ番組から素材を得ています」と言うと、NHKやドキュメンタリー番組をイメージされる方が多いのですが、実は何気なく観ていたバラエティー番組やワイドショーからも思わぬ素材を得られることがあります。


今回の素材は、「アッコにおまかせ」というテレビ番組から得ています。

当時人気のアーティスト「YOASOBI」さんにインタビューした様子がテレビ画面に映し出されていました。

自分から観たいと思ってその時観ていた訳ではないのにも関わらず、素材となる瞬間というのは見逃さずキャッチできるものです。

これは、普段から探す力を鍛えているからこそ、得ることができた素材なのだと思います。


いったいどんな素材が得られたのでしょう?

それでは原稿を読んでみましょう⇩



【 みなさんは,本番前に緊張したことがありますか?(少し間をおく)

 緊張するという人は,こんなふうに考えていませんか?

(100点を出さなきゃ! と提示)


 (ファーストテイクYOASOBI幾田りらさんの写真を提示)

 


 YouTubeに,ファーストテイク(THE FIRST TAKE MUSIC)というチャンネルがあり,ここでは歌手のみなさんが一発どりに挑戦しています。

 間違えても一発どりなのでやり直しができないという緊張感の中,YOASOBIの幾田りらさんはこう考えたそうです。(次の言葉を提示)


100点の出来ではなく,100%のエネルギーが出せるように


 100点の出来と100%のエネルギー,違いを説明できる人はいますか?(何人か指名)

 100点の出来にしなきゃって思うと,緊張してしまうものです。

 でも,100点の出来になるかどうかは,やってみないと分かりません。

 100%のエネルギーを出し切るんだ。と思ってやってみると,たとえ出来が悪くてもエネルギーを出し切っているので後悔はしないはずです。

 他人からの100点よりも,自分の納得のいく100%のエネルギーをみなさんもぜひ,出し切ってみてください。

どんな結果になっても,後悔なく本番を終えられるはずです。



いかがでしょうか?


私たちはエネルギーを出す時、100点を意識してしまいがちです。

自分は今、何点だったのかという自問自答は、他人の評価が基準となります。

それでは苦しいですよね。

さらに苦しいのは、100点かどうかはやってみないと分からないという点にあります。

つまり、点数化してしまうと曖昧な部分が多く、不確定要素によって不安材料となるのです。


一方、100%を意識すると、見方が変わってきます。

まず、100%かどうかは自分の評価が基準となります。

自分が今、何パーセントの力を出しているのかは、他人が決めることではありません。

自分で決められるのです。

さらに、100%の力は未来志向です。

やってみる前から100%の力を出そうと自分を鼓舞することができます。

自分が基準で未来志向の100%を意識することで、後悔なく自分らしくエネルギーを出し切れそうですよね。


学校現場でも、子どもたちに力を出し切ってほしい場面はたくさんあります。

だからこそ、今回のような小話をきっかけに、前向きな気持ちを育てたいですね。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

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