Twitterに、とっておきの話384「離すものと離さないもの」の原稿をアップしました。
ことわざというのは、日本だけにあるものではなく、世界中に溢れているものです。
外国のことわざは時として、日本人の感覚に無い考え方を提供してくれることがあります。
一方で、国境を越えて共通する人間の真理を表したことわざもあります。
日本国内だけで言葉を探すのではなく、世界にも目を向けて言葉を探してみると、思わぬ素材に出合えることがあります。
今回の素材は、アメリカのインディアンのことわざ「子育て四訓」です。
大人向けの言葉ですが、子ども向けとして小話で表現することに挑戦してみました。
それでは原稿を読んでみましょう⇩
【大人になる前の子どもは,時期によって呼び方が違います。
みなさんは次の呼び方のうち,どれですか?(聞き手に選ばせる)
・乳児
・幼児
・少年
・青年
アメリカのインディアンのことわざに,こんな言葉があります。
乳児。赤ちゃんの頃は,肌がくっつくくらい親は子どもを離さないで。
幼児になったら,肌は離しましょう。でも,手は離さないで。
少年になったら,手は離しましょう。でも,目を離さないで。
青年になったら,目を離しましょう。でも,心は離さないで。
という意味です。
さて,みなさんは離すものと離さないもの,しっかりできていますか?
すでに少年なのに,おうちの人の手をつないでいないと何もできないような子はいませんか?そんな子は,もう少し大人の手を借りずに自分でやれることは自分でやってみましょう。
逆に,まだ少年なのに,おうちの人の目から離れてやりたい放題している子はいませんか?
そんな子は,もう少し大人の目に触れるところで安心させてあげましょう。
このことわざの素敵なところは,最後まで離さないものが「心」であるということです。
どれだけ子どもが成長しても,心は離さない。先生はそんな大人でいたいです。
みなさんも,周りのお世話になっている大人と心は最後まで絶対に離さないでいてください。】
いかがでしたか?
学校に通う子どもたちは、少年~青年の時期を過ごしています。
時として、甘えてしまうこともあるでしょう。
しかし、甘えてばかりではいけない。
つまり、自立を促すきっかけとしてこの話は良い種まきになると思います。
原稿でも述べていますが、この話の中核は
「最後まで心は離さない」
という点です。
単純に離す・離さないの話で終わらず、心は離さないとはどういう状態なのかまで考えられるとより小話の効果が高まるでしょう。
ところで、この素材は「子育て」に纏わることわざです。
過保護や過干渉な保護者の方はドキッとするような四訓ではないでしょうか。
今まで自覚していなくても、もしかして過保護?と思わされる言葉ですよね。
でも大丈夫です。
ここで述べられているのは絶対的な基準ではありません。
〇〇を離さないからダメだとか、○○を絶対に離すべきだとか言いたい訳ではありません。
大事なのは、この小話をきっかけにして、家庭でも親子の会話が生まれることです。
先程の話とつながりますが、親子の心がつながるきっかけを作ることなのです。
だからこそ、小話として話す時には断定表現はあまりしないように気を付けています。
聞き手への配慮を忘れずに、これからも小話づくりを楽しんでいきたいです。
気になった方はぜひ実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
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