2021年8月31日火曜日

とっておきの話233「全員そろってベストなクラス」の裏話

Twitterに、とっておきの話233「全員そろってベストなクラス」の原稿をアップしました↓

とっておきの話233「全員そろってベストなクラス」の原稿



ベストなチーム

と聞いて、みなさんはどんなチームを思い浮かべますか?



一人ひとりがとても強い、強豪チームですか?

それとも、チームワークの長けたチームですか?



アメリカンフットボールという11人で試合をするスポーツがあります。



そのスポーツの世界で有名な選手だったあるチームのコーチがこんなことを言っています。

「私は11人のベストな選手とではなく、11人でベストとなるチームでプレーしているのだ」



意味わかりますか?

この言葉のすごいところは、たった1文字の違いで意味が大きく変わることを1つの名言としてまとめてしまっているところにあります。


11人ベストな選手とプレーしているのではなく、

11人ベストとなるチームでプレーしているのだ。


上段と下段の文章の違いが伝わるでしょうか?


一人ひとりは決してベストな選手と言える訳ではないのです。

しかし、11人そろうことによってベストなパフォーマンスを発揮できるチームでプレーしているという訳です。


〇人のベストな□ではなく、〇人でベストな△


これが今回の話のキーフレーズになります。

このように、良いと思った言葉の一部を空欄にしていろんな言葉を当てはめて使えるように一般化することを、僕は勝手に「型抜きする」と名付けています。

型抜きすることで、先ほどまでアメリカンフットボールの話だった名言も、様々なシチュエーションに応用して話すことができます。



例えば、学校生活の場面で使うとしたら、どんなシチュエーションが想定できるでしょうか?


次のように話してみるのはいかがでしょう↓


全員出席

【朝の健康観察が終わった後、全員出席だと分かると嬉しくなります。

クラス全員の子が学校に出席している。

これって、決して当たり前ではないのですよ。

世の中には、いろんな理由で学校を休む子がいます。

学校に通えない子もいます。

全員そろうというのは、当たり前のようで奇跡なんです。


私たちのクラスは全員そろって○人です。

○人みんながベストな状態ってなかなか無いですよね。

でも、○人そろってベストな状態を作り出すことはできる。

でも、一人でも欠けたらそれはできません。

○人でベストとは、○人そろうことがまず大切なんです。

全員そろうことに喜びを感じられる素敵な人になってくださいね。】



〇の中には、その時の学級内の子どもの数を入れれば良いでしょう。

30人学級なら30人でベストな学級を呼びかけたいですし、

40人学級なら40人でベストな学級を呼びかけます。


大切なのは、個々の能力を高めると共に、

全員そろってこそチームとしてベストな力を発揮できるのだ

という一人一人の意識です。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月30日月曜日

とっておきの話232「戦争の記憶」の裏話

Twitterに、とっておきの話232「戦争の記憶」の原稿をアップしました。

とっておきの話232「戦争の記憶」の原稿



朝日新聞の一面に必ず載っているものと言えば、天声人語ですよね。

天声人語にハマった時期がありまして、当時はまとめ本を買って読んでいました。


その本の中に、2015年8月14日の天声人語が載っていました。

8月14日という日付を聞いただけで、あの話題だなと勘づく人もいるかと思います。



そうです。

戦争についての話題が載っていたのです。

しかし、いきなり戦争の話題から入るのではなく、一見関係の無さそうな


甲子園


の話から文章が綴られていました。



その切り口に興味をもち、とっておきの話とさせていただきました。



みなさんは、甲子園で行われる高校野球の試合を見たことがありますか?



高校野球は、2015年に100年目を迎え、第97回の大会が行われました。

しかし、100年目なら普通は第100回の大会となるはずなのに、なぜ97なのでしょう。

それは、戦争で4年中断したためです。


特に第二次世界大戦という戦争は、絶対に忘れてはいけない記憶です。

この戦争によって、どれくらいの人が亡くなったと思いますか?




正解は、

3100000人



このうち、戦争が終わる最後のたった1年で亡くなった人は...







2000000人


これくらいいたそうです。

310万人中の200万人は、もし、戦争が終わるのが1年早かったら、生き残っていた人数なのです。



戦争を経験した人はどんどん少なくなっています。

先生も経験したことはありません。

でも、戦争の記憶は引き継いでいかないといけない記憶です。

経験したことのない私たちでも、戦争は絶対にしてはいけないと心に刻み、忘れないことが大切です。




以上のような内容になっています。

「戦争」をテーマにした話は世の中に溢れていますが、「甲子園」を切り口にして「戦争」に迫っていく話の流れはなかなか無いと思いました。


どのような切り口であっても、「戦争」というテーマは

深く、広く、重く、大切なテーマです。


中でも、今回の話のように

戦争の記憶を引き継ぐ

というのは、これからの時代を担う子どもたちに伝えていきたいです。


毎年8月には、戦争の話題がニュースに上がります。

終戦の日がある月であり、原爆の日がある月であるからです。

特別番組も放映されます。


しかし、メディアの発信をよそに、戦争について毎日きちんと考えている人は意外と少ないのかもしれません。

教員として、担任している子どもたちが戦争に無頓着・無防備なのは避けたいですよね。


私自身、戦争を経験していない人間です。

だからこそ、戦争の記憶は途絶えさせてはいけないと感じています。


今回のような切り口でも良いし、別の切り口であっても、戦争の記憶を引き継ぐことは途絶えさせてはいけないと思います。




ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございます。


2021年8月29日日曜日

とっておきの話231「24時間夢中になれるもの」の裏話

Twitterに、とっておきの話231「24時間夢中になれるもの」の原稿をアップしました。

とっておきの話231「24時間夢中になれるもの」の原稿



みなさんには、24時間夢中になれるものはありますか?


今回のとっておきの話に出てくる方はこの人↓


お笑い芸人ピースの又吉さんは、小説家でもあり、芥川賞を取ったこともある人です。


又吉さんの子どもの頃は、一日中お笑いのことばかり考えている毎日だったそうです。

初めて漫才のネタのようなものを作ったのは小学校に入る前。

小学生になるとネタ帳をいつも持ち歩いて、何か思いつけば書き留めていたそうです。



こういう24時間夢中になれるものをもっている人は他にもたくさんいます。


例えば最近話題のこの人↓


将棋で有名な藤井聡太くんも、24時間ずっと将棋のことばかり考えていたエピソードが残っています。

学校の授業中も将棋の勉強をしていたそうで、学校の先生は止めなかったそうです。



そんな学校の先生の世界にも、24時間ずっと授業のことばかり考えている人がいます。

その人も、いつもメモとデジカメを持ち歩き、何か授業で使えそうなネタを見つけたら書き留めたり、写真を撮ったりする人でした。

家に帰った後も、お風呂に入っている時も、寝ている間も、いつも授業のことばかり考えている人でした。

その先生の授業は、全国の先生が「見てみたい」と集まるほどすばらしいものでした。




一日は24時間もあります。

24時間ずっとそのことばかり考えていられるものを見つけている人は、夢を叶える力を持っています。


24時間サッカーのことばかり考えている毎日を送ればサッカー選手になっていくものです。

みなさんには、24時間夢中になれるものがありますか?

将来の夢がある人は、今のうちにその夢につながる「24時間夢中になれるもの」を見つけておくといいかもしれませんね。



今回のとっておきの話は、将来の夢をもった先の話をしていますね。

せっかく夢や目標をもったのなら、24時間夢中になれるものとして大切にしたいですよね。


逆に言うと、24時間夢中になれるものではないのなら、もっと夢中になれるものがあるのかもしれません。

今やっていることは、本当に24時間夢中になれるものかどうか。

こうした意識をもつことで、努力の方向性が見えてくるのでしょう。




気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月27日金曜日

とっておきの話230「ピカソの七変化」の裏話

Twitterに、とっておきの話230「ピカソの七変化」の原稿をアップしました。

とっておきの話230「ピカソの七変化」の原稿



たまに地元の美術館に足を運ぶことがあります。

作成した当時、ピカソ展が開催されていました。




あの有名なピカソの絵が見れるということで、ワクワクしながら美術館へ行ったのを思い出します。


そこで一番印象に残ったのが、

変化し続けるピカソの絵たち

でした。


次の3枚の絵、みんなピカソが描いた絵だそうです。




どれも同じ人が描いたとは思えませんよね。


ピカソは、天才画家と呼ばれました。

なぜ、ピカソは天才と呼ばれるほど絵が有名になったのか。

その理由の一つがこれです。


なぜこんなに絵が違うかというと、

その時にお手本にしている絵が違うから

なのです。


一番上の絵は、若い頃にかいた絵。一番下の絵は歳を取ってからかいた絵です。



普通の画家だったら、自分はこういう絵をかく人だと決まっていくものです。

しかし、ピカソは自分を変え続けることをやめませんでした。

世界中の絵をお手本にしながら、自分の絵を変えていったのです。

そんな

「自分を変えていく勇気」

が、ピカソを天才と呼ばせた理由の一つになりました。


みなさんも、自分はこういう人間だと決めつけていることはありませんか?

変わろうと思えばいくらでも変われるのが人間です。

時にはそんな勇気も出してみてください。

今回のとっておきの話はそんな内容です。



子どもの頃と比べると、大人になるとなかなか自分を変えていくのに勇気がいるようになってしまいますよね。

いつの間にか、自分はこういう人間だという固定観念ができてしまい、変わることを忘れてしまうものです。

そんな時、今回のようなピカソのエピソードに触れることで、少しでも変わる勇気をもつきっかけとなればと思います。




ちなみに、私はピカソのファンという訳ではありません。

しかし、美術館に行くと、面白い絵に出合えるだけでなく、画家の人生にも触れることができ、面白いエピソード素材に出合えることもあるのです。

みなさんは美術館に行きますか?

まだ行ったことのない方はぜひ行ってみてください。

きっと良い刺激をもらえる場所ですよ。




気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



2021年8月26日木曜日

とっておきの話229「目や耳が悪くなくても」の裏話

Twitterに、とっておきの話229「目や耳が悪くなくても」の原稿をアップしました。

とっておきの話229「目や耳が悪くなくても」の原稿



パラリンピック開催中のこの時期に今回のとっておきの話について記事を書く。



なんだか運命的なものを感じます。

なぜなら、今回の話には

障がい者の偉業に対する見方

について聞き手に問いかけていく話だからです。


きっとこの話を聞いた後は、パラリンピックの見方も変わるかもしれません。



まず、障がい者の気持ちに聞き手を寄り添わせるために

目を閉じてください

耳をふさいでください

という指示をあえて出し、目が見えない、耳が聞こえない状況を想像してもらいます。


その後、目が見えなくても、耳が聞こえなくても、すごいことを成し遂げた人として


① ヘレンケラー


② 塙保己一


③ エジソン



の3名を例示しています。


作成した当時はこのような原稿を作りましたが、1名紹介できれば充分だと思います。

なぜなら、大事なのは障がいの重さでも偉業の中身でもないからです。



今回の話で最も伝えたい部分は、次の締めくくりの部分です。

ここに、本当に大事にしたいことが詰まっています。


【この人たちは、目や耳が悪かったからがんばれたのかな?

(少し間をおく)

きっと目や耳が悪くなくても同じようにがんばっていたのでしょう。

目や耳が悪くてもがんばっているからすごいのではありません。

目や耳が悪いなんて気にしないくらいがんばる気持ちを持っていたのがこの人たちのすごいところなのです。

みなさんも同じ。

どんな困難があっても、どんな状態だろうと、がんばる気持ちは自分次第です。

そういう見方で、今日紹介した人物の本を読んでみてみましょう。

他にも、歴史上にはいろんな人物がいます。

いろんな人物のいろんな人生に触れてみてくださいね。】



障がいがあるのにがんばっているからすごい

と、私たちは障がい者に対してそういう見方をしてしまいがちです。


しかし、それは違うのではないかと思います。

障がい者は、障がい者である前に、みなさんと同じ「人」なのです。

なぜいきなり、「障がい者」というフィルターにかけて評価してしまうのでしょう。


障がい者でがんばっている人たちは、障がいがあるからがんばっている訳ではありません。

「人」として、乗り越えたい困難があるから、到達したい目標や夢があるから

純粋にがんばっている

のです。


「障がいがあるのにすごいね」という言葉の違和感を上手く伝えたくて今回のとっておきの話を作ったのを思い出しました。

「障がいがあるのに」という言葉はいりません。

それは時として差別的な言葉です。


「障がい者」という枠組みの中で評価するのではなく、

その人自身の努力を称えられる人間になりたいです。


つまり、がんばるという気持ちはどんな人だろうと自分次第でもてるのです。

そういう意味で、障がい者の人たちのがんばりは私たちに勇気を与えているのです。

ここを履き違えてしまうといけません。

上手くニュアンスが伝わると良いのですが・・・



気になった方はぜひ、あなたなりの解釈で話を組み立て、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年8月25日水曜日

とっておきの話228「ゆっくり急げ」の裏話

Twitterに、とっておきの話228「ゆっくり急げ」の原稿をアップしました。

とっておきの話228「ゆっくり急げ」の原稿



ゆっくり急げ


今回の話のタイトルは、簡単に言えば「急がば回れ」と同じ意味を伝えていると言って良いでしょう。

しかし、「急がば回れ」という言葉よりも、「ゆっくり急げ」という言葉にはある魅力があります。


「ゆっくり」と「急げ」って相反する意味の言葉がくっついていますよね。

聞き手は「ゆっくり急げ」ってどういうこと?

と疑問に思うでしょう。


こうした意外性が合言葉やキーワードに含まれていることは大切です。

なぜなら、たった一言で聞き手の興味を惹きつけることができるからです。


という訳で、「急がば回れ」よりも「ゆっくり急げ」という言葉で今回はお楽しみください。



今回のエピソード素材はこちら。



 昔、ローマ皇帝のオクタヴィアヌスは、締め切りまでにピラミッドを作らせるために

「ゆっくり急げ」

という命令をしたそうです。

どういう意味だか分かりますか?


みなさんは、ピラミッドを締め切りまでに作れと言われたらどうしますか?

とりあえず大きな石を探しますよね。

しかし、いくら急いでいても、その大きな石を持ってきてそのまま積み上げる…わけにはいかないですよね。


なぜなら、積みやすくするために石を四角く切らないといけないですから。

その前にどこの石を使うかを決めなきゃいけないですよね。

どう切って、どう運んでくるかってことも決めなきゃいけない。

では石のことは解決したとする。

さぁ積もう!ってできますか?




無理ですよね。

一人じゃできないから人を集めなきゃ。

はい、集まった。もう完成ですか?


まだ無理ですよね。

今度は積み方を考えないと。

はい、考えて積み始めた。終わりですか?


崩れちゃいました。

地面が水平じゃなかったから。

で、やり直して今度は水平に積み上げた。

でもまた崩れた。

重いから沈んでいっちゃった。



このように、急いでピラミッドをつくると言っても、「ゆっくり」一つずつの条件を確認しながらでしか「急ぐ」方法はないという訳です。


何も考えずにただ突っ走ってはいけない。

だから「ゆっくり急げ」なんですね。





「ゆっくり急げ」はつまり、

「ゆっくり」と「急げ」を両立しましょうということです。


「ゆっくり」ばかりして「急げ」を抜かすと、締切に間に合わなくなります。

逆に、「急げ」ばかりして「ゆっくり」を抜かすと、正確さに欠けて問題が起きます。


どちらも抜かしてはいけないのです。



このバランス感覚を身に付けるのは大人でも難しいでしょう。

自分は急いでいたつもりでも、周りから見るとゆっくりしすぎだった。

自分はゆっくりしていたつもりでも、周りから見ると急ぎすぎだった。

こんなこともよくあります。



今の自分、ゆっくりしすぎではないかな?

今の自分、急ぎすぎていないかな?


こうした振り返りが大切です。



特に誰かと協力するような作業や活動こそ、「ゆっくり急げ」の意識で臨みたいですね。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月24日火曜日

とっておきの話227「下品な人生にしない」の裏話

Twitterに、とっておきの話227「下品な人生にしない」の原稿をアップしました。

とっておきの話227「下品な人生にしない」の原稿



はじめに断っておきます。



この原稿はアップしようか正直迷いました。

タイトルがタイトルなだけに、原稿に出てくる言葉は本当に下品です。

気分を害される方は読まずに飛ばしてください。

また、文脈を考えず、その言葉だけを切り取ると聞き手を侮辱するような差別的な言葉ととられる危険性のあるフレーズもあります。

これらの下品な言葉に引っ張られて肝心の聞き手に伝えたいメッセージが伝わらない危険性もあります。

もし実践される場合はここら辺の配慮を慎重にして、聞き手の実態に合わせてお話されることをオススメします。



要は、下品な人生にしないために、


① 理屈(言い訳)をだらだらと言わない

② 自分の人生は自分で歩もう


という2点を伝えたいのです。


ここが伝わるのなら、もっと話の内容や使う言葉を変えてもいいかもしれません。

作った当時の自分にはここら辺の配慮が無く、参考文献の原文をそのまま引用してしまっているところが多いですね。

著者の価値観を否定するつもりはありませんが、今の自分ならもっと上品な原稿にします。笑



しかしながら、伝えたいメッセージには納得がいきますよね?


言い訳ばかりしている人。

あなたの周りにもいるはずです。

その人は自分で自分の人生を下品にしている訳です。


他人に頼ってばかりの人。

あなたの周りにいるはずです。

その人も自分で自分の人生を下品にしている訳です。



両者に共通するのは、


他人が基準で生きている

という点にあります。



他人が基準で生きている人って、自分のことは棚に上げて他人のせいばかりしますよね。

他人が基準で生きている人って、自分では何もしなくて他人に依存してばかりですよね。



せっかくの自分の人生なのに、自分で歩んでいないなんてもったいない。

でも、本人は意外とそのことに気付かないものです。




そんな時、ちょっと変わった角度から今回のとっておきの話のような話を聞くと、


もしかして自分は下品な人生を送っていたのかも

と気付くきっかけとなるかもしれません。



理屈と鼻くそは、どこにでもひっつく

人生はおしっこだ


こんな下品な言葉を使われたくないのなら、気を付けよう。

そんな切り口も、ありかもしれません。



今までアップしてきたとっておきの話の中で一番の問題作でしたね。


気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月23日月曜日

とっておきの話226「百転一起でいいじゃん」の裏話

 Twitterに、とっておきの話226「百転一起でいいじゃん」の原稿をアップしました。

とっておきの話226「百転一起」の原稿



今回のとっておきの話のタイトル、何と読むでしょうか?


ひゃくてんいっき?

ひゃくころびやおき?


きっとどちらで読んでも良いと思います。

なぜなら、これは造語だからです。


勘の良いみなさんならお気づきだと思いますが、四字熟語に関係しています。

ここから紹介する2つの四字熟語は、造語ではなく実際にある言葉です。



① 七転八起

「ななころびやおき」と読みます。

意味はわかりますか?

何回失敗しても、それに負けず、また勇気を奮い起すことを意味した言葉です。



似たような言葉で、こんな言葉もあります。

② 七転八倒

「しちてんばっとう」と読みます。

意味は、何度ももがき苦しむことを言います。



二つの言葉の漢字に注目してみてください。


七転八起は、「七回転んで、八回起きる」。

七転八倒は「七回転んで、八回倒れる」。

七回転んだ後にどうなるかが違うだけで意味が全く違ってしまいますね。



七転八起や七転八倒は有名な言葉ですが、僕が注目したのは漢字1文字。

「転」や「倒」、そして「起」です。


転ぶことや倒れることばかり気にする人がいるのなら、そうではないと伝えたい。

転ぶ回数や倒れる回数ばかり気にする人がいるのなら、そうではないと伝えたい。

1回でも起きることができたならそれでいいじゃんと伝えたい。


そんな思いを込めて、次のように話しています。


【人生も転んだり、倒れたりすることは何度もあります。

 先生は七転びどころか、百転びでもいいじゃんと思っています。

 八回倒れるどころか、百回倒れてもいいじゃんと思っています。

 (しばらく間をおく)



 一回さえ起きることができれば。

 (百転一起 と板書)

 どんなに転んだって、どんなに倒れたって、一回は起きたんだ。

 立ち上がったんだ。

 その一回に価値があるという考え方ができる人は、その先も何度だって起き上がれるでしょう。

 これからの人生、どんなことで転ぶか、何回転ぶかは人それぞれでしょう。

 でも、一回でも起き上がれればその先も前向きに生きていける。

 そんな気持ちを大切にしてくださいね。】



ここでのポイントは、「転んだっていいじゃん」「倒れたっていいじゃん」の後にたっぷりと間をおいてから「一回さえ起きることができれば」と言うことです。


一番伝えたいと思う言葉こそ、間をおいて溜めてから言います。

こうすることで、大事な言葉を確実に届けることができるようになります。



みなさんは、相田みつをさんの「七転八倒」をご存知ですか?

こちらも立派な素材となります。

今回は話の締めくくりに読み聞かせて終わっていますが、こちらの素材をメインにしてとっておきの話を作り直しても面白いかもしれません。

次のような詩です。



七転八倒

つまづいたり

ころんだり

するほうが

自然なんだな

にんげんだもの




気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年8月22日日曜日

とっておきの話225「竹の節の強さ」の裏話

Twitterに、とっておきの話225「竹の節の強さ」の原稿をアップしました。

とっておきの話225「竹の節の強さ」の原稿



とっておきの話の素材探しをする際、

なぜ?

どうして?

なんでだろう?

という視点で物事を見てみると、意外な素材が見つかることがあります。



今回の素材は、

です。



竹がどうして素材になってしまうのか。

いきなり言われてもよく分かりませんよね。


しかし、竹をただ竹として見るのではなく、「はてな(?)」と思うことはないかどうか探しながら見ると、面白い素材として映し出されてくるのです。


竹はただの竹じゃん。

そう思う人は、竹に対して思考停止になっています。

そんな人に、「なぜ竹には節があると思う?」と聞いても、きっと答えられないでしょう。


どんな物事にも、「はてな(?)」と思って調べるとステキな意味やエピソードが隠れているものです。

前置きが長くなってしまいましたが、みなさんは竹からどんなステキな意味やエピソードを見出しますか?




今回のとっておきの話は、そんな竹を素材にして、次のように話を進めています。



【(竹 と板書)

 地震が来たら竹藪に逃げろ、という言葉もあるくらい、竹はほかの木に比べてとても強いです。

 なぜかというと、一つは、地中に深く広くしっかり根を張っているから滅多なことで倒れないということなんだけど、もう一つ理由があります。

 何だと思いますか?(少し間をおく)


 それは、竹にはこれがあるからなんです。

 (節 と板書)

 竹の写真を見ると、どこに節があるのかよく分かります。(竹の写真を提示)

 

竹の節は、のこぎりだってなかなか切れないくらい硬くて強いです。

もし竹に節がなかったら、中は空洞になっているので、あっという間に倒れてしまうほど弱くなります。】



このように、「なぜ竹が他の気に比べてとても強いのか?」という「はてな(?)」を先に提示し、話し手と聞き手が一緒に考えるよう導いていきます。



ここで話が終わってしまうと、

ふーん。竹には節があるから強いんだね。

で、終わってしまいます。

これでは話をした意味がありません。

ただ豆知識を伝えたに過ぎません。



とっておきの話にするには、ここに


① 人間も(あなたも)そうだよ

② 具体的例示

③ 呼びかけ


という3つの要素を加えて話を締めくくることで、聞き手に


自分事の話


として聞いてもらう工夫を組み込みます。



次のように話をつなげて終わります↓


【人間も竹と同じ様に、節を大切にしています。

「何年生」「何学期」と呼ぶのも、節をつける工夫です。例えば小学校生活が入学と卒業しかなかったらさみしいですよね。

今日から何年生、今日から何学期という節があるから、充実した生活を送れるのです。

もうすぐ○○という節目の日ですね。

節目に今までのことを反省し、次の節目に向けて目標を立て、努力するチャンスにしてくださいね。

竹に負けないくらい、強くしなやかに成長していきましょう。】



こうした工夫を組み込むことで、素材として活用できるものの幅が広がります。

竹の節の話で1つのとっておきの話ができてしまうのです。

竹も侮ってはいけません。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年8月21日土曜日

とっておきの話224「九十九里をもって半ばとす」の裏話

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とっておきの話224「九十九里をもって半ばとす」の原稿



つめが甘い


という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

きっと意味も分かりますよね?


しかし、この「つめが甘い」の「つめ」を漢字でどう書くのか。

僕は知りませんでした。

みなさんはどうですか?


つめって「爪」が甘い味ってわけではないですよ。



「詰め」と書くんです。

ご存知ですか?


何か物を箱にしまうことを箱詰めと言います。その「詰め」です。



みなさんは、長い時間かけて自分で作った作品を箱詰めしてもらう時、てきとうにバーンっと箱に入れてもらいたいですか?

そんなことされるのは誰だって嫌ですよね。


このように、最後の最後でてきとうにやってしまうと、それまでの努力が台無しになってしまうことを「詰めが甘い」と言います。

最後まで気を抜くなということです。


この「つめが甘い」の由来を聞くと、

なるほど~そういう意味だったのか!

と納得しますよね。


このように、聞いたことのある言葉でも、由来を説明すると意外性があってより納得できる言葉というのが世の中には溢れています。

それをいかに面白そうに、分かりやすく伝えるかが話し手の力量にかかっているでしょう。




さて、タイトルの言葉はなんだか難しそうですよね。


九十九里をもって半ばとす


カッコイイ響きですが、どういう意味だかピンと来ない人もいるかもしれません。

「里」は昔の距離の単位です。

「百里」から考えると、「九十九里」はもう本当に「百里」の一歩手前のように感じますが、それでもまだ半分なんだという気持ちでいなさいという意味です。


大事なのは、「九十九里をもって半ばとす」という言葉の響き自体ではなく、

あと一歩のところで気を抜くな

というこの言葉に込められた教訓の方です。



こうした教訓が上手く伝わるように、聞き手を子どもたちと想定すると次のように喩えていきます↓


【授業が残りあと1分で気が抜ける。

もったいない。あと一分でも授業の半分です。

50m走があと5mでゴールと思うと気が抜ける。

もったいない。あと5mでも半分です。

宿題の漢字ノート、あと1マスで気が抜ける。

もったいない。あと半分の宿題なのに。


最後の最後までがんばってやっと完成です。油断しないようにしましょう。】



みなさんお気づきかと思いますが、

もったいない。あと○○でも半分です。

という言葉を繰り返しています。

こうすることにより、聞き手の人にとってリズムが生まれるのですね。



すると、自分でも喩えを考えてみるようになります。

そう言えば、あの時最後までやり切れなかったのはもったいなかったのかぁ。

という気持ちになりやすいのです。


キーフレーズでリズムを作って話す

話し手として1つのテクニックです。




気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月20日金曜日

とっておきの話223「まーいいや(魔ーい嫌)」の裏話

Twitterに、とっておきの話223「まーいいや(魔ーい嫌)」の原稿をアップしました。

とっておきの話223「まーいいや(魔ーい嫌)」の原稿



今回のとっておきの話のタイトルは

まーいいや

です。


「まーいいや」を口癖にしている人はいませんか?


 自転車に乗る時、ヘルメットをかぶらなくても「まーいいや」

 宿題はてきとうにやっても「まーいいや」

 早く寝なくても「まーいいや」

 知らず知らずのうちに、「まーいいや」が口癖になっている人もいると思います。


今回は、この「まーいいや」を放っておくと、どんどん違う意味合いの言葉に変わっていってしまうという話です。


まず、次の言葉に変化します。


魔―いいや


「まーいいや」が口癖になってくると、「魔―いいや」になっていきます。


最初の文字の「ま」が漢字の「魔」に変化しました。

そして、次のように説明しています。


【この「魔」という漢字は悪魔の「魔」です。

自分の心の中の悪魔がささやくようになるんです。

「それも魔―いいや、あれも魔―いいや。魔―いいやにしちゃいなよ」って。

みなさんの中にも、心の中で悪魔がささやいている人はいませんか?】


こうした説明が加わると、ドキッとしませんか?

「まーいいや」を口癖にしているうちに、「魔ーいいや」と自分の心の中の悪魔がささやくようになるって想像しただけでゾッとします。





しかし、話はここで終わりません。

さらに放っておくと、次の言葉に変化します。


魔―い嫌


「魔―いいや」は変わります。「魔―い嫌」になります。


今度は、「いや」が「嫌」に変化しました。

どんな意味合いになるのか、次のように説明しています。


【どんなこともやるのが「嫌」になるのです。

何でもかんでもめんどくさい。

やる気が出ない。

そして、なまけてばかり、さぼってばかりの人間になっていきます。

すると、自分が「嫌」な人間になります。

そういう人は「嫌」われてしまうんですね。】


ただでさえドキッとしたりゾッとしたりしていた聞き手に追い打ちをかけています。笑

「嫌」にはいろんな意味合いがついてきます。

その中には、自分が嫌になったり人に嫌われたりという意味合いも含まれます。

ここまで放っておくと危ないぞと暗にメッセージを込めているのですね。


そして、最後に次のように呼びかけて締めくくっています。


【今、あなたの「まーいいや」はどの「まーいいや」ですか?

「魔―いいや」や「魔―い嫌」になっている人は、気をつけないといけませんよ。】



実際の口癖が「まーいいや」という言葉ではない人も、こんな気持ちには誰しもが陥る時があります。


誤解のないようにしておいていただきたいのは、何も「まーいいや」という気持ちを全否定したくてこの話を作っている訳ではありません。

むしろ、「まーいいや」という気持ちは人間誰しももって当然だと思っています。

時には、自分の心身を休めるために、「まーいいや」という気持ちで自分を守ることも必要です。


しかし、どうしても人生の中で、「まーいいや」という気持ちでは乗り越えられない時があるのも事実です。

「まーいいや」という気持ちが暴走し、どんどんとやるべきことをやらなくなったり、周りの人を傷つけたりするようになってはいけません。


「まーいいや」という気持ちは時には必要。

でも、「まーいいや」という気持ちが暴走するまで放っておいてはダメだよ。


そんなメッセージが伝わる話になっているといいなと思います。

聞き手が子どもを想定しているので、

漢字変換

のテクニックを使って「まーいいや」という気持ちが暴走した時の怖さを分かりやすく表現しています。

1文字見ただけで意味が伝わる漢字って本当にすごいですよね。



原稿では説明していますが、


① まーいいや

② 魔ーいいや

③ 魔ーい嫌


と提示して、①~③を比較しても面白いですよね。

例えば、次のように問いかけてもいいでしょう。


【①~③は同じ読み方をしますが、それぞれ意味が違います。どう違うのでしょう?】


きっと聞き手は、「魔」や「嫌」という漢字1文字から様々な想像をしながら答えてくれるでしょう。

そうした聞き手の意見を楽しんだ上で、話し手から補足説明する流れもありだと思います。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年8月19日木曜日

とっておきの話222「賞味期限のある言葉」の裏話

 Twitterに、とっておきの話222「賞味期限のある言葉」の原稿をアップしました。

とっておきの話222「賞味期限のある言葉」の原稿



賞味期限

と聞くと、みなさんはどんな物の賞味期限を思い浮かべますか?


牛乳

納豆

刺身

サラダ

冷凍食品

缶詰

あなたの好きな食べ物にも、賞味期限があるかもしれません。


そう。賞味期限と聞くと、

食べ物

の賞味期限を思い浮かべるのが普通だと思います。



なぜなら、「賞味」って味のことですから。

食べ物に決められたおいしさを保てる締め切り。

賞味期限を簡単に説明するとこうまとめられるのではないでしょうか。



一方、今回のとっておきの話で紹介する賞味期限は・・・




言葉の賞味期限

です。


ここがまず意外ですよね。

食べ物ではなく、言葉に賞味期限があるってどういうこと?

って思いますよね。


しかし、言葉にだって食べ物と同じようなことが言えるのではないでしょうか?


ズバリ一言で表すとしたら・・・



言葉も食べ物と同じように、旬があるのです。




どういう意味か。

「ありがとう」と「ごめんなさい」の2つの言葉を例に次のように説明しています。


【(ありがとう ごめんなさい と板書)

 みなさんは、1か月先に「1か月前のことなんだけど、ありがとう」って言われても困りますよね。「ありがとう」はそう思ったらすぐ、1秒でも早く言うと相手においしく伝わります。

 「ごめんね」も一緒。「あの時はやっぱりおれが悪かった。ごめんね」って言われても今さらって思いますよね。これも1秒でも早く言うと相手においしく伝わります。

 「ありがとう」と「ごめんね」は1秒でも早く相手に食べさせてあげる賞味期限のある言葉です。もしかして、賞味期限切れの「ありがとう」や「ごめんね」を心の中にためていませんか?】



・言葉も食べ物と同じように、味の違い(伝わり方の違い)があるはず。

・言葉も食べ物と同じように、タイミングによって味の違い(伝わり方の違い)が生まれるはず。

・言葉も食べ物と同じように、賞味期限切れをため込まないように気をつけると良いはず。



このように、「言葉」と「食べ物」が、「賞味期限」というキーワードによって上手くリンクしています。


だからこそ、言葉も旬を逃さず、おいしく伝えてあげたいですよね。



ただそのまま、伝えるタイミングを大切になんて話しても、聞き手に響かないものです。

食べ物の賞味期限から話題に入ることで、興味をもって聞いてもらい、自分事として今後の言動に意識を向けてもらう。

そのために、今回のとっておきの話は有効に働くのではないでしょうか。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月17日火曜日

とっておきの話221「どんな目つきをしているか」の裏話

Twitterに、とっておきの話221「どんな目つきをしているか」の原稿をアップしました。

とっておきの話221「どんな目つきをしているか」の原稿



 (写真を撮るジェスチャー。実際にカメラを向けてみせる。)


今回の話はカメラがテーマ。ではなくて、

がテーマです。


なぜ、いきなりカメラのポーズをしてみせているのかというと、次のことをまず聞き手に想像してもらいたかったからです。


【もし、「目」だけ残して後は何も映らないカメラで写真を撮ったら、みなさんはどんな目をしているでしょうか。AとB,どちらですか?(次のイラストを提示)】


A『にこにこした目ばかりかかれた絵』



B『にらむような目ばかりかかれた絵』



つまり、人間の体の中でも

目 だけにスポットを当てる演出です。


こうすることで、考えるべきことが焦点化され、聞き手にとって分かりやすい話になります。


きっとこの段階では、自分がどんな目をしているのか、すぐに答えられる子がいないかもしれません。

しかし、最初に「あなたはどうですか?」と聞かれた上で本題に移り、最後にもう一度「あなたはどうですか?」と聞くことで、聞き手に思考の変化が生まれます。


すぐに答えられない人がいるということは、逆に言えば今まで意識してこなかったということです。

これは話し手にとってチャンスです。

なぜなら、新鮮な気持ちで話を聴いてもらえるからです。


ここで、次のように質問を変えてしまいます。

【質問を変えますね。どちらの目がいいですか?(挙手をさせる。Aという子が多いだろう)】

自分がどうなのかが分からない子も、どちらの目でありたいのかは選ぶことができます。


わざわざにらむような目つきを選ぶ子はほとんどいません。

当然にこにこな目つきを選ぶのですが、大事なのは

自分で選択する

場面を設けているところです。


そして、ここで意外性を入れていきます。

【Aを選ぶ人がほとんどだと思います。

でも、Aのつもりでも、相手からしたらBの目つきで映っていることもあります。

自分の目がどうなっているかなんて鏡を見ないとわかりませんからね。】


あなたはAのにこにこの目つきでいたいんだよね?

にこにこの目つきでいるつもりなんだよね?

でも、にこにこしているつもりでも、意外と相手にはそう映っていないのかもしれませんよ?


といった感じで、聞き手を揺さぶっています。

こうすることで、より思考が促進されます。


最後に、個から集団への問いかけに変化していきます。

【では、次の目つきをしたクラスだったらどうですか?】

ここで、にこにこの目つきとにらんだ目つきが混ざった絵を見せます。


そして、次のように続けます。

【一人でも目つきの悪い人がいると、雰囲気は悪くなってしまいます。

 みんなにこにこと元気で明るい目つきをした学級にしていきたいですね。】


この中でも、

一人でも 目つきの悪い人がいると全体の雰囲気が悪くなる

といった部分が強調して話したい部分です。


そして、ワークで話を締めくくります。

【では、早速お目目のチェック!お互いに向き合ってやってみましょう。

(ペアで目つきのチェックをさせる)】




やっていることは、ただの目つきのチェックです。

しかし、問いかけの種類や組み合わせ、順序に変化をもたせることで、聞き手の興味をひくとっておきの話になります。

生まれつき目つきの形が決まっている子もいると思いますので、差別的な内容にならないよう配慮は必要です。


ちなみに、大人でも、鏡で見てみると意外と怖い目つきをしていたなんてことがあります。
みなさんもチェックしてみてください。







気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月16日月曜日

とっておきの話220「自信てんびん」の裏話

Twitterに、とっておきの話220「自信てんびん」の原稿をアップしました。

とっておきの話220「自信てんびん」の原稿



自信てんびん


と聞いて、どんなことがテーマの話だと思いますか?



「自信のもち方」かな?

と思いますよね。

半分正解です。でも、それだけではありません。


自信てんびんには、3つのテーマが出てきます。


① 自由

② 信用

そして、

③ 自信


です。



実際にとっておきの話として実践する時も、

【どんな話か想像できますか?(少し間をおく)てんびんの絵をかいてみますね。】

と問いかけています。



いきなり本題に移るのも良いのですが、話題によっては

そもそもどんな話なのかを聞き手に想像させてみる

という時間を導入場面で設けるのも効果的な場合があります。



特に、とっておきの話を聞き慣れてきた聞き手なら、

今日私はどんな話をするでしょう?ヒントは○○です。

なんて言葉から話し始めても面白いと思います。

 



では、自信てんびんには何が乗るのかを見ていきましょう。




まず、片方には、自由が乗ります。

先生と子どもの場合を想定して、次のように自由の重さを説明しています。 


【「自由」は大きくなればなるほど、重くなって傾いていってしまいます。

例えば、「今から自由に教室で遊んで下さい」と先生が言います。

最初は席に着いて遊んでいたのが、席を立って遊ぶようになり、走って遊ぶようになり、物を投げて遊ぶようになり…と、自由を大きくすればするほど危険な状態になります。】



「自由」と聞くと、良いイメージがあります。

しかし、自由をどんどん重くしていくと、てんびんが偏ってしまいます。

自由ばかりではいけないのですね。

では、自由の反対側には何が必要なのか。


もう片方に、乗せないといけない物。それは・・・




「信用」です。

この人ならルールを守って動いてくれると相手に信用されているから、自由が与えられるのです。

相手がそこまでひどいことはしないだろうと信用しているから、自由を与えるのです。


「責任」と言い換えてもいいかもしれませんが、最後は「自信」につなげていきたいので、「信用」という言葉が良いでしょう。



最後に、次のように締めくくります。

【自由の「自」と信用の「信」のバランスがとれた時、人は自信がつきます。

もっと大きな信用のもと、もっと大きな自由が手に入ってくるからです。

だから、「自信てんびん」です。

あなたの自信てんびんは、今どっちに傾いていますか?】




以上のように、「自由」「信用」「自信」の3つのつながりを具体的にイメージすることができる「自信てんびん」という考え方、ぜひとっておきの話にしたいと思い、作らせていただきました。


自由って何だろう?

信用って何だろう?

自信って何だろう?


どれか1つでも引っかかる人がいるのなら、ぜひその人を聞き手にしてみてください。


気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月15日日曜日

とっておきの話219「間言葉(あいだことば)」の裏話

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とっておきの話219「間言葉(あいだことば)」の原稿



【目を閉じて、あなたにとって一番の友達を思い浮かべてみてください。】


まずこのように問いかけることから、今回の話はスタートします。

まずは自分という存在と向き合う相手という存在を聞き手に意識してほしいからです。



思い浮かべてもらった後に、次のような図を示します。




そして、次のように問いかけます。

【では、この○の中に入る言葉を考えてみましょう。例えば先生だったら、一番の友達との間に入る言葉は、「助け合い」です。

その友達を助けた思い出も、助けてもらった思い出もあるからです。みなさんは、どんな言葉を間に入れましたか?(しばらく間をおく)】



今回の話のキーワードとなる

間言葉

は、自分で勝手にネーミングして作った言葉です。


間に入る言葉➡間言葉

とネーミングの由来は単純です。

なぜなら、シンプルな言葉ほど、キーワードとして聞き手の頭に残りやすいからです。




示した図のように、自分と相手との間にどんな言葉が入るのかを想像することは大切であると感じます。


間言葉にマイナスの言葉が入る関係の相手とは、付き合い方を改善しないといけないことが分かります。

逆に、間言葉にプラスの言葉が入る関係の相手とは、これからも良い付き合いができるようにその間言葉を意識して接していくと良いでしょう。


間言葉を意識することで、今後の相手との付き合い方の指針となるのです。



ちなみに、ここで言う「相手」とは、様々な方を想定することができます。


私と先生

私と兄

私と母

私と父

私と息子

私と地域のおじさん

私と上司

私と部下

・・・



それぞれの相手に対して、それぞれの間言葉が存在するはずです。

だからこそ、実際にどんな言葉が入るのか、まずは話し手であるあなた自身が想像してみることから始めてみてください。



気になった方はぜひ実践してみてください

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



2021年8月14日土曜日

とっておきの話218「線引きができますか?」の裏話

Twitterに、とっておきの話218「線引きができますか?」の原稿をアップしました。

とっておきの話218「線引きができますか?」の原稿



今回のとっておきの話は、「こんなものも素材になってしまうのだなぁ」と気づかされた話です。


素材にしたのは、



横線一本

たったこれだけです。



なぜなら、テーマが「線引き」だからです。


一線をこえる

という言葉は、意識するとケジメがついて思慮分別を促せる良い言葉だと思います。

しかし、「いっせんをこえるな」と言われても具体的にイメージしづらい面もあります。


そこで、聞き手と一緒に次のように手を動かしてみることをオススメします。



【(横線を一本ひく)

人差し指を出して下さい。先生と一緒に横線を一本引いてみて下さい。(子どもと一緒にひく)

 では、目を閉じてみて。頭の中で今と同じ様に線を引けますか?想像してみてね。(間をおく)

 引けましたか?】


こうすることで、「線引き」を具体的にイメージさせていきます。



そうして、「線引き」や「一線をこえる」の定義について、次のように柔らかく説明していくのです。


【(線引き と板書)

こういうのを「線引き」と言います。今、みんなは先生に言われて線引きをしたと思いますが、実は自然と頭の中でしていることなのですよ。

 例えば、「先生の話は静かに聞く」というルールがあるとするよね。なぜみんながそのルールを守れるかというと、頭の中で線引きをして、「これ以上うるさいとルールを破ってしまう」という線を意識しているからなんです。

 ちなみに、意識していてもその線を越えてしまってルールを破ることを「一線をこえる」と言います。(一線をこえる と板書)】



すると、一線をこえないために、線引きを意識することが大切だということが伝わります。

では、具体的にどんな場面で線引きを意識していけばいいのか。

それを最後に考えさせるために、話を次のように締めくくっています。



【今自分がしていることは正しいかどうか。

人に迷惑をかけていないかどうか。

気になったら頭の中で線引きしてみましょう。

一線をこえない心づかいができる人は素敵です。】


一線をこえない心遣い


これがキーワードとして聞き手の頭に残ります。

あとは、今回の話をきっかけに線引きが上手にできた場面を見つけては褒めていくと、より意識づけされていきます。



素材がたとえ「横線一本」だけでも、

聞き手と一緒に活動する場面を取り入れたり、

具体的な例示をしたり、

キーワードを残したりすることで、立派な話になるのです。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年8月13日金曜日

とっておきの話217「五重塔が倒れない理由」の裏話

 Twitterに、とっておきの話217「五重塔が倒れない理由」の原稿をアップしました。

とっておきの話217「五重塔が倒れない理由」の原稿





 法隆寺の五重塔は、修学旅行に行けば見えるかもしれませんね。

 この五重塔の強さをみなさんは知っていますか?


 何が強いかと言うと、地震に強いのです。

 何と、1400年以上も一度も倒れたことがないそうです。

 どうしてそんなに長い間、地震の揺れに耐えられたのだと思いますか?


 今回のとっておきの話は、五重塔に秘められた意外と知らない仕組みを素材にしています。

 長い間、地震の揺れに耐えられる仕組みとは?



こう思った人はいませんか?

「五重塔は揺れないように頑丈に作ってあるから倒れないんだ」

でも、実際は逆なのです。


つまり、揺れやすいから倒れないのです。


あえて「揺れやすく」作ったそうです。

なぜなら、揺れやすいからこそ、地震の揺れを吸収して、倒れないのだそうです。



この考え方は、日本一高い塔である東京スカイツリーを建てる時にも役立ちました。




 スカイツリーが揺れているって知ってましたか?

私はこの話を聴いて、あえて揺らすことで倒れないようにするという仕組みがあの日本一高い塔のスカイツリーにも使われていることに驚きました。


五重塔ができた時代から、日本の技術にはすばらしいものがありますよね。

とっておきの話では、こうした素材を人間に上手く当てはめていく話づくりをよくします。


今回のとっておきの話では、五重塔の仕組みを素材にして、

揺れながら生きる

をテーマに人間に当てはめてみました。


そこで、次のように締めくくっていきます。


【人も同じだと思います。嫌なことや大変なことがあって心が揺れる時もあるでしょう。

でも、揺れながらでもまっすぐ前を向いて生きていく。

それが、本当の強さなのかもしれません。】




どんなにすごい立派な人でも、誰だって心揺らぐ時はありますよね。

揺らいで揺らいでついには心折れてしまう人もいます。

だからこそ、五重塔の仕組みを素材にしたこの話が、意外と心に響くことだってあるのだと思います。


まさか五重塔から生きるヒントをもらえるとは・・・

素材を侮ってはいけません。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



2021年8月12日木曜日

とっておきの話216「目玉おやじは見逃さない」の裏話

Twitterに、とっておきの話216「目玉おやじは見逃さない」の原稿をアップしました。

とっておきの話216「目玉おやじは見逃さない」の原稿




みなさんはこのキャラクターの名前を知っていますか?



目玉おやじ

です。


読者のみなさんならご存知かもしれませんが、今の子どもたちの中には知らない子もいるかもしれません。


私が子どもの頃、「ゲゲゲの鬼太郎」というアニメがテレビでやっていました。

今はリメイクされたアニメがやっていたりしていますよね。




その中で、「目玉おやじ」という主人公をそばで支えるキャラクターがいたんですね。

主人公の鬼太郎と二人三脚で悪い妖怪を倒していく話ですが、そのチームワークといったらすごかったです。

主人公が弱音を吐くと、目玉おやじは「何言ってるんだ!がんばれ!」と励ますんです。 



いきなりなぜ目玉おやじの話から始まったのかというと、これがもう一人の自分の喩えとなるのです。


次のように話をつなげます。


【実は、みなさんの頭の中にも目玉おやじはいます。

こんな風に言い換えてもいいかもしれませんね。】


そうして、「もう一人の自分」と板書することで、目玉おやじが喩えのキャラクター像として浮かび上がります。

ここがこの話の面白いところですよね。


「もう一人の自分」と聞いただけでは、ただそこに人が立っているようなイメージをもつと思います。

しかし、自分の頭の中に「もう一人の自分」として「目玉おやじ」がいると考えることで、具体的かつ視覚的なイメージが浮かんでくるのです。



ここで、次のように例示していきます。


【例えば、嘘をついたとします。周りの友達をだますことはできても、絶対に嘘がばれる人がいます。それは、自分です。自分には絶対に嘘はつけないのです。

例えば、ごみが床に落ちていたとします。自分のではないから拾わなくてもいいだろうと通り過ぎたとしたら、そんな自分をもう一人の自分は許すでしょうか。】



ちなみに、喩えは目玉おやじでなくても大丈夫です。

しかし、

もう一人の自分がいつも見ている

という表現を伝えるのに「目玉」がアイデンティティとなる目玉おやじはぴったりのキャラクターだと思いませんか?



最後に、次のように締めくくっています。

【このように、「これぐらいごまかしちゃおう」「これぐらいいいだろう」と自分をごまかしても、頭の中の目玉おやじはそんなあなたを見逃しません。

誘惑やめんどくささに負けそうな時、自分の頭の中の目玉おやじが今の自分を見たら何て言うか、想像してみてくださいね。】





みなさんの頭の中にも、目玉おやじはいるはずです。

意識するだけで、行動が変容します。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月11日水曜日

とっておきの話215「短い言葉や沈黙の力」の裏話

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とっておきの話215「短い言葉や沈黙の力」の原稿



今回のとっておきの話には、2つのエピソード素材が盛り込まれています。

原稿を見て、5分で話すには量が多そうだと思った方は、1つのエピソード素材に絞って話してみてください。



みなさんは、

沈黙は金 雄弁は銀

ということわざをご存知ですか?


多くの言葉を書いたり話したりするより、短い言葉や沈黙(何もしゃべらないこと)が大きな力を発揮する時があります。

言葉は、意味もなくだらだらと使うものではないのです。



このことわざを体現したエピソード素材が次の2つです。


(1)世界一すばらしい広告

(2)豊田佐吉の伝説となったスピーチ


どちらも褒め称えられているエピソードです。

では、1つ1つ見ていきましょう。




(1)世界一すばらしい広告

みなさんは、世界一すばらしい広告だと表彰された車の広告があるのを知っていますか?

こんな広告です。


この広告の中央に書いてあるLemon.という単語。

外国語で「欠陥車」を意味します。

売りに出せない車と一言書いてあるだけなのです。

 

普通なら「高品質」とか「すごい車」なんて言葉でアピールするはずなのに、あえてマイナスに感じる短い言葉を書いたんです。

その下には、「ほんのささいな変化も見逃さずに欠陥車を見つけた厳しい検査ができる社員が作った車です」という説明文が書いてありました。

そんな車なら安心だということで、この広告のおかげで当時はこの車が大ヒットしました。


和訳しても漢字でたった3文字「欠陥車」。

それだけで世界一すばらしい広告になってしまったのです。


このエピソード素材から、短い言葉の力を感じませんか?





(2)豊田佐吉の伝説となったスピーチ


世界のTOYOTA自動車を作り上げた創業者の豊田佐吉さんは、ある日、今まで協力してくれた社員たちに感謝の気持ちを込めてスピーチをしました。

そんな佐吉さんのスピーチは伝説となりました。

なぜでしょう。


みなさんも考えてみてください。

あの世界のTOYOTAの創業者ですよ?

伝説のスピーチと言われたというのだから、さぞかし名言の連続だったり、熱い気持ちが伝わる話し方だったりが盛り込まれたスピーチなのではないかと思いませんか?


いったい何を言ったのだろう?


と私は真っ先に考えました。

しかし、正解は違ったのです。


何も言わなかった のです。


なんと、一言も言わないで席に戻ったスピーチだったのです。



今までの感謝の気持ちが一気に溢れてきて、言葉にならず、唇を震わせてただそこに立っていた佐吉さん。

その姿だけで、社員たちを感動させた伝説のスピーチとなったのです。


このエピソード素材から、沈黙の力を感じませんか?






子どもだけでなく、大人になってもダラダラと長く話を続けてしまう人っていますよね。

そういう私も、おしゃべりが好きなのでそうなりがちです。




しかし、どれだけ良いことを話しているつもりでも、短くまとまった言葉や、気持ちの伝わる沈黙には勝てないのです。

そこには、凝縮された力があります。

そんな力のすごさを、今回のとっておきの話で聞き手に感じてもらえると嬉しいです。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月10日火曜日

とっておきの話214「盗人の昼寝」の裏話

Twitterに、とっておきの話214「盗人の昼寝」の原稿をアップしました。

とっておきの話214「盗人の昼寝」の原稿



みなさんは、

「盗人の昼寝」

ということわざを知っていますか?


盗人と言えば、物を盗む泥棒のことですよね。

そんな人が昼寝している。

そこにどんな意味があるかなんて普通は考えないかもしれません。


でも、ちゃんと意味があるんです。


どんな意味があると思いますか?






では、正解を紹介します。


盗人は、誰にも見つからないように、夜に盗みをすることが多いです。

なので、その時のために体力を残しておく必要があります。

だから昼寝をするという訳です。





このように、

一見意味がなさそうなことも、意外な意味がある

ことはよくあります。

 



たとえば、凧揚げ。




なぜ正月に凧揚げをするのか、みなさんは知っていますか?


江戸時代に大流行した凧揚げ。

庶民が夢中になりすぎて仕事をしなくなったので、幕府が「正月しかやってはいけない」という禁止令を出したそうです。


さらに明治時代になると、電線が建つようになって凧揚げする場所も減り、今のように正月の時ぐらいしか凧揚げしなくなったそうです。


そうだったの!?というエピソードは世の中にたくさん転がっているものです。


みなさんも何気ない風景の中から「なぜだろう?」「どうしてだろう?」と意味を考えてみると面白い発見につながるはずです。


はてな?を大切にしましょう。





原稿で紹介している部分はここまでです。



大人になると、「なぜだろう?」と意味を考えることをしなくなりませんか?

子どものような好奇心旺盛な時代が終わってしまったかのような感覚です。

しかし、だからこそ、子ども心を忘れずにいろんな事象に意味を考える姿勢は大切だと思うのです。

もし意味を考えた先に思わぬエピソード素材が見つかり、感動と出合えたのなら、

その感動を子どもたちに伝えられますよね。


好奇心旺盛な大人の周りには、好奇心旺盛な子どもが集まります。

教師なら尚更、こうした姿勢は大切にしたいものです。


パパとして子育てしていると、乳児の好奇心旺盛な姿勢に驚かされます。




きっと家中の全ての物から感動を見出しているのでしょう。

いつも本当に楽しそうに一人遊びしています。


息子から学ぶことと、今回の話がリンクして面白かったです。

みなさんもお子さんがいる方なら共感する部分があるのではないでしょうか。



盗人の昼寝や凧揚げ以外にも、意味を調べると面白い事象はたくさんあります。

ぜひ調べてみて、感動に出合えたなら、とっておきの話化してみてください。





気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月9日月曜日

とっておきの話213「水になったワイン」の裏話

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とっておきの話213「水になったワイン」の原稿




今日はちょっとおかしなワインの話を紹介します。



ある村の教会で牧師をしていた人が、その村を去って別の村へ行くことになりました。




村人たちは、今までお世話になった牧師に感謝の気持ちを込めて、ワインを送ることにしました。




しかし、一度に買えるほどお金がない貧乏な村人たち。

そこで、樽の中に一人一杯ずつワインを入れて集めることで、村人みんなで協力してワインを樽ごとプレゼントしようとしました。





お別れの日、牧師が樽を開けてみるとびっくり!


なんとそこには、

ワインではなく、ただ水だけが入っていたのでした。





なぜだかわかりますか?

村人たちはみんな、「自分だけ水を入れたって分からないだろう」と思ってこっそりお金のかかるワインの代わりにお金のかからない水を入れていたのですね。

 


この話から学べることは、以下の通りです。


「自分一人ぐらいいいだろう」を無くそう



「自分一人ぐらいいいだろう」と思ったこと、みなさんもありませんか?

人は、集まった人数が多ければ多いほど、自分一人ぐらいいいだろうとさぼる癖があります。

そんな人たちが集まった状態は、決して協力とは言えません。

人数が多い時ほど、自分もチームの一員なんだと気を引き締めていきましょう。

そんな人たちの集まりなら、何人いようと素敵なチームになれるはずです。




原稿はここで書き終わっていますが、逆も言えますよね。

つまり、どれだけ良いチームでも、その中のたった一人でも

「自分一人ぐらいいいだろう」

と思った瞬間に悪いチームになっていくのです。

良いチームというのは作り上げていくのは少しずつ地道。

でも、悪いチームに崩壊していくのはあっという間なのです。


これは、学級でも言えることですよね。

どんなに良い学級と呼ばれているクラスも、「自分一人ぐらいいいだろう」を見逃しているとあっという間に学級崩壊します。


学校現場でなくても、会社も同じことが言えるのではないでしょうか。

チームとして良い方向へ進んでいる時こそ、油断せずに気を引き締めていきたいですね。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年8月8日日曜日

とっておきの話212「空のコップに水は何滴入る?」の裏話

Twitterに、とっておきの話212「空のコップに水は何滴入る?」の原稿をアップしました。

とっておきの話212「空のコップに水は何滴入る?」の原稿




突然ですが、みなさんにオランダのなぞなぞを一つ解いてもらいます。

一度しか言わないのでよく聞いてくださいね。



「空のコップに、水は何滴入るでしょう?」





はい、わかりましたか?

では、正解を発表します。


正解は...









1滴です。


なぜなら、1滴でも水の入ったコップは、空のコップではなくなるからです。


これは、オランダのなぞなぞだそうです。

初めて聞いた時、私はなんだか騙されたような気持ちになりました。
でも、考えてみればそうですよね。




このオランダのなぞなぞが教えてくれることは何でしょう?

私は、次のように考えました。




たった1滴でも水が入れば、コップは空ではなくなる。

このことを使って、努力の水の話をしたら良いのではないだろうか。




そうして、次のように話をまとめることにしたのです。



【(0を1にする と板書)

どんなことでも、何かを始める時には「努力のコップ」が用意されます。

でも、そこに入る最初の努力の水はたった1滴です。

問題は、0を1にする勇気をもてるかどうか。

それが「始める」ということです。

始める時は、みんな1滴から始まるのです。

人はいつの間にか、努力の水を1滴も入れずに割ってしまう努力のコップを増やしていってしまうものです。

つまり、やりもしないのにあきらめてしまうということです。

まずは0を1にすること。

みなさんの努力のコップの中には、1滴でも努力の水が入っていますか?】




努力の水を1滴もいれていないということは、何も始めていないのと同じです。

始める勇気をもってほしいと願い、

0を1にする勇気

をキーワードに話をまとめました。




もし、始めたくてもなかなか最初の一歩が踏み出せない人が周りにいるのなら、この話をしてみてはいかがでしょうか。

気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年8月7日土曜日

とっておきの話211「チャームポイント」の裏話

Twitterに、とっておきの話211「チャームポイント」の原稿をアップしました。






みなさんには、

チャームポイント

と呼べるものがありますか?


その人にとってお気に入りのポイントは、別に周りから理解されなくてもいいのです。


今回のとっておきの話で使ったエピソード素材は、とある声優さんの話です。




このキャラクターをご存知ですか?




ドラえもんのスネ夫ですね。

このスネ夫の声をしていた人が、声優の肝付兼太さんという人です。



 
肝付さんは、病気で喉を手術しないといけなくなった時、お医者さんにこう言ったそうです。




「ぜったいに、いい声にしないでくださいね」



スネ夫のような独特な声を出せる自分の喉に誇りをもっていたのですね。

つまり、チャームポイントだったのです。

だからこそ、いい声なんていらない。

自分らしい声を守り続けたいと思ったのでしょう。




肝付さんにとってのチャームポイントは、喉(声)でしたが・・・

と続き、恥ずかしながら私のチャームポイント紹介が原稿に書いてあるのですが、今読み返すと恥ずかしいですね。



一つ目は、メガネです。




友人や妻に

「そのメガネ似合っているね」

と言われてから、ずっと大切にしています。

こうしたシンプルな理由でいいのです。




二つ目は、手を広げた時にだけまっすぐになる小指です。




なんだか前向きに生きていこうと思えます。

こうしたマニアックな部分でもいいです。



チャームポイントが無いと言う人も、肩の力を抜いてやわらか頭で探してみてください。

きっと見つかるはずです。



自分にとって大切にしたいチャームポイントをもつことは、

個性を大事にする一歩

でもあります。



教員としては、担任する子どもたちのチャームポイントまで個性として理解できる人でありたいですね。


気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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