2021年8月21日土曜日

とっておきの話224「九十九里をもって半ばとす」の裏話

Twitterに、とっておきの話224「九十九里をもって半ばとす」の原稿をアップしました。

とっておきの話224「九十九里をもって半ばとす」の原稿



つめが甘い


という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。

きっと意味も分かりますよね?


しかし、この「つめが甘い」の「つめ」を漢字でどう書くのか。

僕は知りませんでした。

みなさんはどうですか?


つめって「爪」が甘い味ってわけではないですよ。



「詰め」と書くんです。

ご存知ですか?


何か物を箱にしまうことを箱詰めと言います。その「詰め」です。



みなさんは、長い時間かけて自分で作った作品を箱詰めしてもらう時、てきとうにバーンっと箱に入れてもらいたいですか?

そんなことされるのは誰だって嫌ですよね。


このように、最後の最後でてきとうにやってしまうと、それまでの努力が台無しになってしまうことを「詰めが甘い」と言います。

最後まで気を抜くなということです。


この「つめが甘い」の由来を聞くと、

なるほど~そういう意味だったのか!

と納得しますよね。


このように、聞いたことのある言葉でも、由来を説明すると意外性があってより納得できる言葉というのが世の中には溢れています。

それをいかに面白そうに、分かりやすく伝えるかが話し手の力量にかかっているでしょう。




さて、タイトルの言葉はなんだか難しそうですよね。


九十九里をもって半ばとす


カッコイイ響きですが、どういう意味だかピンと来ない人もいるかもしれません。

「里」は昔の距離の単位です。

「百里」から考えると、「九十九里」はもう本当に「百里」の一歩手前のように感じますが、それでもまだ半分なんだという気持ちでいなさいという意味です。


大事なのは、「九十九里をもって半ばとす」という言葉の響き自体ではなく、

あと一歩のところで気を抜くな

というこの言葉に込められた教訓の方です。



こうした教訓が上手く伝わるように、聞き手を子どもたちと想定すると次のように喩えていきます↓


【授業が残りあと1分で気が抜ける。

もったいない。あと一分でも授業の半分です。

50m走があと5mでゴールと思うと気が抜ける。

もったいない。あと5mでも半分です。

宿題の漢字ノート、あと1マスで気が抜ける。

もったいない。あと半分の宿題なのに。


最後の最後までがんばってやっと完成です。油断しないようにしましょう。】



みなさんお気づきかと思いますが、

もったいない。あと○○でも半分です。

という言葉を繰り返しています。

こうすることにより、聞き手の人にとってリズムが生まれるのですね。



すると、自分でも喩えを考えてみるようになります。

そう言えば、あの時最後までやり切れなかったのはもったいなかったのかぁ。

という気持ちになりやすいのです。


キーフレーズでリズムを作って話す

話し手として1つのテクニックです。




気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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