2021年2月28日日曜日

とっておきの話67「心の矢印」の裏話

Twitterに,とっておきの話67「心の矢印」の原稿をアップしました。

とっておきの話67「心の矢印」の原稿



人の心に矢印があるとしたら,みなさんはどんな矢印があると思いますか?


今回は2つの心の矢印を紹介します。


1つ目は,相手に向けた矢印

2つ目は,自分に向けた矢印です。



さらに,この心の矢印には,2つの種類があるそうです。


1つ目は,向けられた人を褒めるプラス矢印

2つ目は,向けられた人を責めるマイナス矢印です。



どちらの矢印も,人は相手に向けてしまいがちだそうです。

今回のとっておきの話では,次の言葉を合言葉としています。


心の矢印を自分に向けよう




相手にばかりプラス矢印を向けている人は,自己肯定感が下がっていきます。

自分なんていいところはない。あの人に比べたら。。。

そんな気持ちになってしまいます。

相手と自分を比べて落ち込んでいる人は,自分にもプラス矢印を向けてほしいです。

自分で自分を褒める。

自分を認めてあげる。

大事にしたい心の矢印です。


一方,相手にばかりマイナス矢印を向けている人は,他責思考に偏った卑屈な人間になっていきます。

あの人のせいで。~してくれなかったから。

全部他人のせいにしてしまいます。

相手の文句ばかり言って他人を責めている人は,自分にもマイナス矢印を向けてほしいです。

自分で反省をする。

自分には悪いところがなかったのか振り返る。

こちらも大事にしたい心の矢印です。


今自分がどちらに矢印を向けているのか。

プラス矢印とマイナス矢印,どちらなのか。

意識してみると,自分の気持ちを上手にコントロールできるようになります。


あ,今相手にばかりプラス矢印を向けてしまっていた。

自分にも良いところがあるはずだ。


あ,今相手にばかりマイナス矢印を向けてしまっていた。

自分にも悪いところがあったよなぁ。


そんなふうに自分へ心の矢印を向け,自己肯定感を下げず,他責思考を防げる人に成長してほしいものです。


子どもたちに向けて作ったとっておきの話ですが,大人にとっても大事にしたい考え方です。



正直,残念ですが,学校の先生であっても

相手にばかり心の矢印を向けている人がいます。

こうした先生ばかりの学年部は,チームワークが良くありません。


逆に,自分に心の矢印を向けられる先生ばかりの学年部のチームワークはすばらしいです。

今年度の学年部はまさにそうで,それぞれの先生がチームのために自分ができることをしています。

学年部のチームワークが良いと,子どもたちの心も安定するものです。

来年度はどこの学年に所属することになるのかわかりませんが,

どの学年部に所属したとしても,少なくとも自分は心の矢印をコントロールできる人でありたいものです。



自分なんてダメな人間だとつぶやいてばかりのそこのあなた。

相手にばかりプラス矢印を向けていませんか?

自分にもプラス矢印を向けてあげてください。


上司の愚痴を言ってばかりのそこのあなた。

相手にばかりマイナス矢印を向けていませんか?

自分にもマイナス矢印を向けてみましょう。



子どもも大人も,みんなで心の矢印を意識していけたら良いですね。

気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月27日土曜日

とっておきの話66「悪口の郵便屋さんにはなるな」の裏話

Twitterに,とっておきの話66「悪口の郵便屋さんにはなるな」の原稿をアップしました。

とっておきの話66「悪口の郵便屋さんにはなるな」の原稿



みなさんは,悪口を直接言われたことがありますか?

もちろん,嫌ですよね。

でも,間接的に伝えられるともっと嫌な気持ちになります。


例えばこんな感じに↓



Bくん【さっきね,CくんがAくんのこと,「うざい」「きもい」って言っていたよ。】

驚いているAくんの気持ちを想像するといたたまれません。


わざわざ悪口を本人に伝えに行く人,いますよね。

悪口は郵便してはいけないのです。

つまり,「悪口の郵便屋さんにはなるな」です。



たとえCくんが実際にAくんの悪口を言っていたとしても,それを本人に伝えることはしてはいけません。


・Aくんは,Cくんに対して不信感や怒りをもちます

・Aくんは,事実なのかどうか不安になります。

・Aくんは,Bくんに対しても不信感を募らせます。


伝えられたAくん(本人)にとって何のメリットも無いのです。


きっとこういうタイプの人は,相手がどういう気持ちになるのか想像できないのでしょう。

ただ面白そうだから。ただ自分が楽しいから。

そういった幼稚な理由でしているものです。


学級の子どもたちの中に,こうした子はいてほしくはありませんが,もしいたとしても,今回の話を通して「悪口の郵便屋さんにはなるな」が合言葉になれば,悪口の郵便を未然に防ぐことができます。

悪口を言っている場面を見つけたら,「ダメだよ」と注意する。

または,先生に報告する。そうした動きができる子になってほしいです。




一方,郵便すると良いものもあります。

何だと思いますか?



正解は,「ほめ言葉」です。


Bくん【さっきね,CくんがAくんのこと,「すごかったね」「かっこよかったよ」って言っていたよ。】

こんなふうに言われたAくんは,直接Cくんからほめられるよりもうれしい気持ちになるものです。


・Aくんは,ほめ言葉を聞いて嬉しくなります。

・Aくんは,ほめ言葉を言っていたCくんと良好な関係を築こうとします。

・Aくんは,ほめ言葉を伝えてくれたBくんとも良好な関係を築こうとします。


メリットばかりです。




実は,ほめ言葉を郵便している人が子どもたちの身の回りにいます。

だれだと思いますか?



それは,学校の先生です。


子どもたちに人気のある先生は,子どもたちをよく見ている先生です。

子どもたちをよく見ている先生は,子どもたちをよくほめている先生です。

子どもたちをよくほめている先生は,子どもたちにだれかのほめ言葉を郵便している先生です。


このように,直接的にも間接的にもほめ言葉を伝えられる先生は,子どもたちと良好な信頼関係を築くことができます。

【Aくん,さっき○○先生が君のことをほめていたよ。○○をよくがんばっていたねって。】

【Aくんの姿を見て,さっきBくんとCくんが感動して「すごい!」って言っていたよ。本当によくがんばりましたね。】

こうした声掛けを意識すると,子どもたちの表情は笑顔になります。



悪口の郵便屋さんにはなるな

ほめ言葉の郵便屋さんになれ




気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年2月26日金曜日

とっておきの話65「トラチャン」の裏話

Twitterに,とっておきの話65「トラチャン」の原稿をアップしました。

とっておきの話65「トラチャン」の原稿



トラチャン

と聞いて,何を思い浮かべますか?


ヒントは,ある言葉の略語です。

2文字ずつ分解してみましょう。


正解は,「トラブルはチャンス」の略語です。

トラブル➡トラ

チャンス➡チャン

と縮めてくっつけて,トラチャンです。


トラブルは起こってほしくないのはやまやまですが,起きたとしてもピンチだと捉えず,逆にみんなで成長できるチャンスなのだと思ってほしいという願いがこもった言葉です。


この言葉はもちろん,合言葉になります。


学級でトラブルが起きるたびに,

「トラチャンだよ!みんなで話し合おう!」

となれば素敵ですね。




トラブルをチャンスだと捉えられない人は,いつまでも同じトラブルを繰り返します。

「トラチャン」を合言葉にして,少しでもこうしたトラブルの繰り返しを防ぎたいですね。




さて,今回の話のように,略語は合言葉になりやすい特性があります。

それは,次の3つの理由があるからです。


① 短い言葉だから

② 音が軽快だから

③ 字面に親しみがあるから



今回の「トラチャン」を例にすると,


① 「トラブルはチャンス」と言うよりも,「トラチャン」と短くした方が言いやすい。

② 「トラチャン🎵」という音の響きが心地よい。

③ 「トラチャン」という字面に可愛げがあり,親しみが生まれる。

となり,合言葉となっていきます。



今回の「トラブルはチャンス」➡「トラチャン」以外にも,

略語にして合言葉となることを狙える言葉があるはずです。



ぜひ,みなさんの学級の実態に合わせて,新しく略語の合言葉を作ってみてください。


合言葉として設定した言葉は,とっておきの話をした後もタイミングを見てみんなで唱える場面を意識的に設けると良いでしょう。


今回の話のように,とっておきの話の最後に合言葉をみんなで言って終わるのも良いと思います。

繰り返し口に出していくことで初めて,合言葉として機能していくようになります。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月25日木曜日

とっておきの話64「ペイフォワード」の裏話

Twitterに,とっておきの話64「ペイフォワード」の原稿をアップしました。

とっておきの話64「ペイフォワード」の原稿



みなさんは,『ペイフォワード』という映画を知っていますか?


映画好きの方なら知っている方も多い名作です。

主人公は,世界中の人が幸せになる方法を小学生の時に思いつきます。

映画では,その主人公の思いついた方法を周りの大人たちが試していき,幸せになっていくという話になっています。



世界中の人が幸せになる方法とは?みなさんは何だと思いますか?


それは,こんな方法です。


まず,ある人がだれか3人が喜ぶようなことをしてあげます。

その後,してもらった3人が,それぞれまた別の3人が喜ぶようなことをしてあげます。

これを繰り返していけば,いつか世界中の人が幸せになるという訳です。


1人の幸せが1人+3人=4人に。

4人の幸せが4人+3人×3人=13人に。

13人の幸せが13人+9人×3人=40人に。


という感じで17回くりかえすと,日本の人口を超え,1億人以上の幸せになります。


そして,21回目で世界の人口を超えます。70億人以上の幸せです。



こう考えると,意外とあっという間ですよね。

もしかしたら,自分の学級から始めて,学校全体,日本全体,世界全体へと幸せを広げていくこともできるかもしれません。

子どもたちにはそんな小さな幸せの集まりが大きな幸せになっていく希望をもってもらいたいです。




一方で,現実はそう簡単にはいかないことも周知の事実です。

このペイフォワードという方法,1つでもあることが欠けたら成り立ちません。

あることとは何だと思いますか?


それは,「ペイフォワードの参加者全員が必ず別の3人に喜ぶことをしてあげること」です。

1人か2人でもダメ,0人は論外。しかも今まで参加していなかった3人を新しく選ぶ。

これを21回繰り返すのは至難の業です。



実際,この映画が放送されてから何十年も経ちますが,未だに世界が平和になったとは言えません。

自分が幸せになることさえ難しくて悩んでいる人間たちです。

世界中の人が幸せになる方法なんてそう簡単には見つかりません。


でも,どんな方法なら少しでも多くの人が幸せになるかな?と考えてみることは大切です。

そういった意図であれば,このとっておきの話は,子どもたちの心に響く話になると思います。



また,このペイフォワードという方法は,先日紹介した『恩送り』の話に通じます。

要は,新しく3人に恩送りを繰り返していく方法なのです。

なので,『恩返しと恩送り』の話をした後に,『ペイフォワード』の話をするようにしています。



まだ映画を観たことのない方は,ぜひご覧ください。

映画の中にも,素材となる名作がいっぱい眠っていますよ。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月24日水曜日

とっておきの話63「恩返しと恩送り」の裏話

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恩返し

聞いたことのある言葉だと思います。


では,これはどうでしょう?


恩送り


字面は似ていますが,意味が違います。


恩返しは,恩を与えてくれた人に恩をお返しするという意味で,二人完結です。

一方,恩送りは,恩を与えてもらったら,また別の人に恩を送っていくという意味で,たくさんの人に恩を広げていくことができます。


恩返しだけでなく,恩送りもできる人が増えると,そのチームはみんな幸せになるはずです。





恩返しは知っていても,恩送りを知らなかった人は多いのではないでしょうか。

僕も当時この素材に出合った時,「そんな言葉があるのか」と驚きました。

このように,自分の知っている言葉と似た字面で,意味が違う新しい言葉は,素材として興味を惹きます。



そう言えば,英語でも

GIVE AND TAKE  はよく聞く言葉ですが
GIVE AND SEND はあまり聞きませんよね。

でも,Win Winを増やしていくには,恩送りの概念が英語圏でも大切だと思います。


『つるの恩返し』と言えば,誰しも思い浮かべることのできる童話ですが,
『○○の恩送り』なんて物語はあまり聞きませんよね。




でも,恩送りの物語こそ,人生に素敵なスパイスを与えてくれるはずです。



この恩送りの概念を,もう少し深掘りしてみましょう。

例えば,師匠と弟子の関係で考えてみます。

弟子は,長年お世話になってきた師匠に恩返しをしようとしていました。

ある日,師匠が高齢のため,突然の病に倒れて亡くなってしまいます。

弟子は,恩返しができずに亡くなってしまったことを悲しみます。

しかし,同時に,「恩返しはできなくても,恩送りはできるじゃないか」と気づきます。

弟子はその後,師匠が自分にしてもらった恩を送るように,誰かのためになることをし続けたのです。



このように,恩返しができなくなる日はやってくるもので,その時に恩送りという言葉を知っているかどうかで振る舞いが変わってきます。

もし,弟子が恩送りを知らなかったら。。。

きっとずっと悲しいままで終わっていたことでしょう。


恩返しには,お返し期限があります。
でも,恩送りには,お送り期限はないのです。


人の命は,恩送りの連続だと思います。

その人の命が尽きてしまった後も,その人が残した恩が,誰かの手によって送られ続けていく。そう信じています。


人は何のために生きているのか。

そんなことを考えた経験はないでしょうか?

僕は,恩送りをするために生きていると思っています。


僕らは恩の送り人なのです。

みんなが恩を送る人であり,みんなが恩を受け取る人なのです。


まだ恩返ししかできていない人は,もったいないですよ。

ぜひ,恩送りもできる人になってくださいね。



大人が聞いても面白い恩送りの概念。

子どもたちに伝える際には,よく知られている言葉である「恩返しと比較」しながら提示すると良いでしょう。

言葉だけではなく,イラストや具体例を示しながら提示できると尚良いです。

きっと子どもにも伝わる概念のはずです。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月23日火曜日

とっておきの話62「すてきな蝶々結びを」の裏話

Twitterに,とっておきの話62「すてきな蝶々結びを」の原稿をアップしました。

とっておきの話62「すてきな蝶々結びを」の原稿



このとっておきの話を作り出した当時,

歌詞を素材にしたとっておきの話づくり

に挑戦し始めました。



この頃はAimerさんが流行り出した時期で,『蝶々結び』という歌が人気でした。




これは,ジャケット写真の一部です。

『蝶々結び』は,RADWIMPSの野田洋次郎さんが関わった曲で,歌詞の中に素敵な表現が込められています。

当時の僕は,次の言葉に惹かれました。



黙って引っ張ったりしないでよ

不格好な蝶にしないでよ

結んだつもりがほどいていたり ゆるめたつもりが締めていたり

 

結ばれたんじゃなく結んだんだ

二人で「せーの」で引っ張ったんだ

大きくも 小さくも なりすぎないように 力を込めたんだ




人はみんな,いろんな人といろんな蝶々結びをつくっているのだなと感動しました。

「絆」とか「友情」とか「愛」ではなく,

「蝶々結び」と表現しているところに魅力を感じました。


蝶々結びって本当に大きくも小さくもなりすぎないように

ちょうどいい力を込めることが大切ですよね。

人間関係においても,やりすぎはよくないし,やらないのもよくないものです。


黙って引っ張られて,自分勝手にされて関係が崩れることもあれば,

どちらかが上みたいな格好の悪い形の蝶々結びを作ってしまう人もいるでしょう。

その人と結んでいたはずの関係が,実はほどけて崩れていることもあるでしょう。


蝶々結びってふとほどけてしまっていることがありますよね。

いつもちゃんと結ばれているか,気にかけることも大切ですよね。


この言葉の中でも,特に僕が気に入った言葉は,


結ばれたんじゃなくて結んだんだ


という言葉です。


蝶々結び(人間関係)は,受動的に結ばれたものではなく,

あなた自身が主体的に結んだものなのです。


これは,子どもたちを聞き手と想定すると,

学校の先生や友達,家族との関係は,実はあなた自身が結んできた素敵な蝶々結びなのですよ。

と伝えることができます。


聞き手にいろんな人との蝶々結びを作ってほしい。

わかりやすく言えば,もっと人間関係を大切にしてほしい。

または,人間関係を広げてほしい。

という願いの話し手にとって,ぴったりな話だと思います。



さて,みなさんは,好きな歌はありますか?

その好きな歌の中に,

「この歌詞,素材として使えそうだな」

というものはありませんか?


きっとあるはずです。

どの歌詞を選び,どの言葉に注目させるか。

それはあなたの価値観や腕にかかっています。


同じ歌に注目していても,素材として取り上げる部分や解釈が全く違うことがあります。

だからこそ,歌詞を素材としたとっておきの話づくりも面白いのです。


今回,僕は『蝶々結び』という歌を素材として料理しましたが,

もっとAimerさんを聴きこんでいる方や,野田洋次郎さんのファンの方からすると,

別の料理を作ることだってできるのです。


さらに,歌の世界はとてつもなく広いです。


流行りの歌だけでなく,昔から大切にされてきた歌にも,素材はいっぱい眠っています。


いい歌詞だな


まずはその気持ちを大切にし,

なぜいい歌詞だと思うのかな?

と深掘りして考えてみましょう。


すると,

この言葉,素材になりそう

が見つかるはずです。


そこまで来たら,熱量をもってとっておきの話づくりができるはずです。


あなただからこそ感動した歌詞から,あなただけが見つけた素材をもとに,

あなたにしか作れないとっておきの話を作ってみてください。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月22日月曜日

とっておきの話61「みんな日本人代表」の裏話

Twitterに,とっておきの話61「みんな日本人代表」の原稿をアップしました。

とっておきの話61「みんな日本人代表」の原稿



みなさんは,外国人と聞いてどんな姿を想像しますか?


きっとその姿は,海外旅行先やテレビで見た一部の外国人の姿から想像していることでしょう。


同じように,外国人から見た日本人の姿というのは,

その外国人の身の回りにいる一部の日本人の姿から想像されます。


何が言いたいかというと,

みんな日本人代表だ

ということです。




あなたの家の周りにも,外国人の住む家があることでしょう。


あなたの周りにいる外国人は,あなたの姿を見て,

これが日本人だ

と想像します。


そんな時,あなたがだらしない姿だったら・・・

日本人はみんなだらしない人ばかりだ

と思われてしまうものです。


逆に,あなたがきちんとした姿だったら・・・

日本人はみんなきちんとした人ばかりだ

と思われるものです。


日本には世界の誇りとなるものがあります。

今回の話では,外国語になっている日本語や日本が発明した物を紹介しています。


しかし,国としてこれだけの魅力があっても,目の前の日本人がだらしないと,

そのだらしなさが目立ってしまうのです。



教師を何年かしていると,外国人児童が増えた感覚があります。

地域性もあると思いますが,学級に3人~5人いるのが当たり前,中には半数以上が外国人児童の学校もあります。

これからの時代を担う子どもたちにとって,周りに外国人がいるのは当たり前になります。

グローバル社会です。

そんな中,僕たち・私たちはみんな日本人代表なのだという意識や誇りをもってほしいものです。





さて,視点を変えて,キーワード(合言葉)に注目してこの話を読み直してみましょう。


みんな○○代表


という言葉が素敵ですよね。

今回は○○の中に「日本人」が入りましたが,


△年□組

△△小学校

△△チーム


と入れてもいいですよね。


「日本人」という大きな枠組みだけでなく,

もっと身近な小さな枠組みであっても,

みんなその枠組みにおいての代表なのです。


こう考えると,キーワード(合言葉)はそのまま使って,また別のとっておきの話を作れそうです。


このように,様々な角度から素材を見つめ直すことで,複数のとっておきの話が作れます。


特に,素材元が「いい話集」のような本だった場合,著者の価値観が強く出ている話が紹介されているので,

もっと別の角度からこの話を作り直せないか

という視点を常に大切にしています。




気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年2月20日土曜日

とっておきの話60「ランドセルは心のアルバム」の裏話

Twitterに,とっておきの話60「ランドセルは心のアルバム」の原稿をアップしました。

とっておきの話60「ランドセルは心のアルバム」の原稿




日本の小学生にしか持っていない物があります。

それは,これです。

 


ランドセルです。

ランドセルを使っているのは日本だけだということはご存知でしょうか?


実はランドセルには,100年以上の歴史があります。

昔からずっと,日本では小学生がランドセルを背負ってきたのです。


その理由は,日本の

物を大切にする

という文化が関係しています。


丈夫で長く使えるランドセルは,物を大切にしようという日本人の心を形にした物の1つと言えますね。

6年間,使い続けている物。みなさんはランドセル以外に思い浮かびますか?

世界的に見ると,使い続けられることも当たり前ではない魅力と映るようです。


さて,ここで今回のキーワード。


ランドセルは心のアルバム


ランドセルの中には,学校生活で使う物を入れます。

それと同時に,いろんな思い出も詰まっていきます。

1年生の時はあんなに大きかったランドセルが,6年生になると小さく感じる。

そんな気持ちになった人も多いことでしょう。

ランドセルは,学校生活においていつもあなたの心に寄り添う存在だったはずです。

小学校生活6年分の心のアルバムなのです。


このように,子どもたちが何気なく使っている身の回りの物に焦点を当てて,素材としてとっておきの話づくりに役立てるのもテクニックの1つです。


今回はランドセルの話でしたが,えんぴつや消しゴム,リコーダーなど,焦点を当てて素材として役立てそうな物は意外と溢れているものです。




話は変わりますが,最近は1人1台タブレットが当たり前になってきました。


タブレットでは,デジタル教科書を見ることができます。

つまり,将来的には教科書を持ち歩くことが無くなるのではないかと思います。


さらにタブレットには,ノート機能もついています。

つまり,将来的にはノートもいらない。


そして,タブレットには,学習ドリルアプリも入っています。

つまり,将来的にはドリルもいらない。


将来的に,ランドセルも無くなってしまうのではないか。。。

と,時代の流れを感じました。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月19日金曜日

とっておきの話59「長方形や正方形が美しいと感じる理由」の裏話

Twitterに,とっておきの話59「長方形や正方形が美しいと感じる理由」の原稿をアップしました。

とっておきの話59「長方形や正方形が美しいと感じる理由」の原稿




長方形や正方形が美しいと感じる理由は・・・



みなさんが日本人だから。


意外な答えでしたか?


長方形や正方形が美しいと感じるセンスは,世界でも自慢できるセンスなのですね。

読者のみなさんの中には,そんなの当たり前だと思うかもしれませんが,

当たり前だと思っていたことも,世界的にみると日本文化独特のものがある場合があります。

そこを楽しんでもらえるようなとっておきの話です。



例えば,次のAとB,みなさんはどちらの形が美しいと感じますか?



そんなのAに決まってるじゃん!と思うかもしれませんが,

それは当たり前の感覚(センス)ではありません。



日本では,昔から長方形や正方形の美しさを大切にする文化がありました。

畳や折り紙の形を思い浮かべてみてください。




長方形や正方形ですよね。

こうした日本文化があってこその,私たち日本人の感覚なのです。




このとっておきの話を作る際に気をつけたことがあります。

それは,ただの雑学披露に終わらない,ということです。

「知ってる?日本って長方形や正方形の文化なんだよ」

と伝えただけでは,あまり聞き手に響きません。


そこで,雑学に次の2つをプラスすることで,とっておきの話化します。

① 選択
② 誇り


まず,「長方形や正方形が美しいと感じる」感覚を自分事として体験してもらうために,
本当に美しいと感じるのか,2択で選択してもらいます。

聞き手自身に選択してもらい,自分事として体験してもらってから,雑学を伝えることで,より心に響く演出ができます。


さらに,話の締めくくりを

【長方形や正方形が美しいと感じるセンスは,世界の中でも自慢できるセンスですよ。】

とします。

こうすることで,自分が当たり前だと思っていた感覚(センス)は,実は世界的に見ると自慢できるセンスなのだと誇りに思うことができます


この①の選択と②の誇りで雑学を挟む(サンドイッチ!)することで,とっておきの話としての完成度を上げます。




これまで紹介してきたとっておきの話の中にも,様々な要素でサンドイッチしています。




気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月18日木曜日

とっておきの話58「身振りのあいさつ」の裏話

Twitterに,とっておきの話58「身振りのあいさつ」の原稿をアップしました。

とっておきの話58「身振りのあいさつ」の原稿



人は,身振りであいさつをする生き物です。

知らず知らずのうちに身についている身振りのあいさつ,あなたにもあるはずです。

そんな身振りに,どんな意味があるのか,考えたことはありますでしょうか?





お辞儀。

この身振りには,どんな意味があるのでしょう?



お辞儀をすると,自分の頭を相手に見せることになりますよね。

頭は人間にとって,命にかかわる大切な体の部分です。

それを相手に見せることで,

「私はあなたの敵ではありません。あなたのことを大切に思っています。」

ということを伝えています。



では,この身振りはどうでしょう?




握手。

ヒントは,手を握ると,何かを握らなくて済みます。

みなさんは握手にどんな意味があるのか,わかりましたか?

正解は・・・





手を握ることで,

「武器をにぎってはいません。あなたの味方ですよ。」

と伝えているのです。



お辞儀も握手も,何気なく良いとされているからしている人が多いと思います。

しかし,今回の話のように,それぞれ相手を思いやるという意味があっての身振りなのだと理解すると,何気なくしていた身振りへの意識が変わります。


これが良いとされているから,と思考停止になってそのまま子どもたちへ伝えるだけでは教師の話し手の力は弱いです。


なぜ良しとされているのか?

そこにどんな意味があるのか?


そこまで追究した上で,だから大切にしないとね,と発信する。

そうすることで,説得力のある話をすることができます。



前回のとっておきの話57「正座はなぜ正しいのか?」と素材元は同じです。

正座も身振りのあいさつの中に含めることができますが,あえて別の話として分けました

理由は,3つあります。


① 正座のエピソードだけでとっておきの話ができそうなインパクトがあったから。

② 身振りのあいさつの話への導入として,正座の話をしたかったから。

③ 詰め込みすぎたとっておきの話は,わかりにくいから。


素材元が同じでも,無理に1つの話に詰め込む必要はありません。

とっておきの話は,内容のわかりやすさと時間の短さによって聞き手が気持ちよく聞ける話として完成されるのです。

話し手の都合で,内容がわかりにくくなったり,時間が長くなったりすることは避けなければいけません。


あくまでも聞き手ファースト

でとっておきの話づくりをする。

そのことを忘れず,これからの話づくりにも取り組んでいきたいです。




気になった方はぜひ,実践してみてください。

きっと言葉だけのあいさつから,身振りのあいさつを意識するようになるはずです。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月17日水曜日

とっておきの話57「正座はなぜ正しいのか?」の裏話

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とっておきの話57「正座はなぜ正しいのか?」の原稿



正座は,「正しく座る」

と書きますよね。


なぜ,この座り方が正しいのか,みなさんはご存知ですか?



その由来は,遡ること戦国時代。

あぐらや立て膝が正しい座り方とされていました。

なぜなら,すぐに戦いに出なければならない時,足がしびれていては戦えないからです。


それから,平和な世の中になってきて,相手に

「私はあなたを襲いません」

という姿勢が大切にされるようになりました。

それが正座だったのです。


正座は,相手を安心させるための座り方であり,日本が平和になってきった証でもあるのです。






今回のとっておきの話の素材は,漢字熟語の意味を問うタイプですね。

確かに「正座」って,どうして「正しい座り方」と書くのだろう?って疑問に思いますよね。


僕は必ず,疑問に思ったことは調べるようにしています。

いつもGoogle先生で検索をしています。

すると,いろんなことがわかるようになり,疑問が素材となっていきます。


疑問の素材化
です。


自分の頭の中だけでは,素材化するには知識が乏しい。

かと言って,1つの疑問だけでとっておきの話を作るのは素材として弱い。

そんな時,疑問に思ったことを調べ,知識の補填をすることにより,素材としての強みが出てきます。

そうすることで,「正座」というたった2文字の熟語から,とっておきの話ができてしまうのです。



こう考えると,とっておきの話づくりのハードルがぐっと下がりませんか?

なんだ,私にも作れそうだな。

そんな風に思っていただけたら嬉しいです。



あなたは今,疑問に思っていることはありませんか?

その疑問,ちょっと調べてみてください。

きっと素材になりますよ。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月16日火曜日

とっておきの話56「恥をかくほど“み”になる」の裏話

Twitterに,とっておきの話56「恥をかくほど“み”になる」の原稿をアップしました。

とっておきの話56「恥をかくほど“み”になる」の原稿



みなさんは,恥をかいたことがありますか?

僕はいっぱいあります。笑


中でも,小学校の頃の恥が忘れられません。

今思えばどうってことないのですが,家庭科の調理実習の思い出です。


各班に1つのテーブルがある家庭科室での調理実習。

係として,材料を取りに行き,またテーブルに戻ってきゅうりを切っていました。


ふと見上げると,周りは知らない子ばかり。。。

そう。自分の班ではないテーブルに戻って気づかず調理を続けていたのです。


たったこれだけの失敗でも,当時の僕は大きな恥をかきました。

小学生の子どもにとって,恥をかくハードルは大人と比べるとかなり低いです。



では,子どもたちが「恥をかくことを最も恐れている場面」とは何だと思いますか?


僕は,授業の発言だと考えます。


手を挙げるのにも勇気がいるのに,

指名をされ,立ち,クラスメイト全員が注目する中で発言をするのです。


そこで間違ったことを言ってしまったらどうしよう。。。

そんな気持ちの子には,以前紹介したとっておきの話16「教室はまちがうところだ」を聞かせるのがオススメです。

しかし,それでも,恥をかくのが怖いと思う子はいます。


そんな時,今回の話をしてみるのはどうでしょう?


人は,恥をかくほど“み”になる

のです。


この“み”には,3つの漢字を当てはめることができます。

何だと思いますか?



正解はこちら↓

① 実

② 身

③ 味


周りの目を恥ずかしがらず,努力し続ければ,実になります。

「努力は実る」です。


自分にとって恥ずかしいと思うことでも,チャレンジしてみることは必ず身になります。

「力が身につく」です。


その時は恥ずかしくても,乗り越えた後には良い思い出になります。

「人生が味わい深くなる」のです。



こうした話をすると,恥をかくことは単にマイナスなことではなく,

プラスの見方もできると気づかせることができます。






ふと思ったのですが,恥は「耳」に「心」と書きますね。

ここら辺も何か意味をもたせそうです。

何か思いついた方は,ぜひTwitterのコメントによろしくお願いします。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月15日月曜日

とっておきの話55「これから親切」の裏話

Twitterに,とっておきの話55「これから親切」の原稿をアップしました。

とっておきの話55「これから親切」の原稿



親切

みなさんはできますか?

読者のみなさんは,誰かに一度はしたことがあるでしょう。


では,

これから親切

みなさんはしたことがありますか?


親切とこれから親切


大きな違いは,そのタイミングです。


「親切」はその場でするものですが,「これから親切」は前もってする親切のことを言います。


実はこの「これから親切」という言葉。僕の造語です。


前もって親切すること

と,言うよりも


これから親切

と表した方が,聞き手にとって合言葉になりやすいです。



この造語を思いついたのが,ある年のお正月に僕が体験した出来事がきっかけです。


当時,僕はお参りをするために妻(まだ恋人だった)の実家近くにある神社へ向かっていました。

その神社は全国的にも有名な神社で,お正月の時期はいつも電車が混んでいました。


ただ,この日は何かが大きく違いました。

ずっと違和感を抱えながら電車に乗っていた僕。

それが何なのか,気づいた時にびっくりしました。


なんと,僕が乗った車両の乗客の方々,みんな立っていたのです。

だれも席に座らず,です。

不思議な光景ですよね。

よく見ると,みんな若者でした。


すると,電車がとある駅に到着しました。

そこで意味がわかりました。


お年寄りが乗ってきたのです。

そして,若者が前もって空けておいた席に,次々とお年寄りが座っていきました。

そこでも若者は,絶対に座らない。


なるほど。お年寄りが乗ってくるとわかっていて,若者たちはみんな席を空けておいたのだな,と納得しました。





この「前もって」親切するというタイミングに,当時の僕は新しさを感じ,とっておきの話の素材にさせていただきました

例えば,お年寄りが乗ってくるまで座っていてもいいとは思いませんか?

でも,前の駅からずっとみんな立っていたのがすごいと思いませんか?



「これから親切」という合言葉が浮かんだ瞬間,学校現場でも使える合言葉だと思いました。


子どもたちでも,「これから親切」ができるはずだ。

例えば,トイレのスリッパを揃えることは,これからトイレを使う人に親切していることになる。

何も起きていない時こそ,これから親切ができるチャンスだ。


そう思ったのです。


実際に話をしてみると,先を見越して動ける子が増えました。

これから親切は,主体性も育むテーマだと考えます。



余談ですが,教員間の連携においても「これから親切」,大切だと思います。

特に後輩は,先輩に「これから親切」をすると大変喜ばれます。

言われたことをやるだけの教員にはなりたくないですね。

むしろ,「これから親切」をいくつも繰り出して,学年チーム全体を成長させる教員でありたいものです。

その姿勢が,いざ自分が学年主任になった時にも活きてくるはずです。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月14日日曜日

とっておきの話54「もし,~だったら?」の裏話

Twitterに,とっておきの話54「もし,~だったら?」の原稿をアップしました。

とっておきの話54「もし,~だったら?」の原稿



想像する楽しさを知ってほしい


それがこの話の核となるメッセージです。


想像する時のキーワードは,


もし,~だったら?

です。


大人になると,「もし」という言葉をあまり使わなくなる気がします。

だからこそ,子どものうちに想像する楽しさを知ってほしいのです。

時として想像力は,私たちを未知の世界へ連れて行ってくれます。


原稿には,3つの「もし」が登場していますね。


① もし,天才の脳と自分の脳を取り替えたら?

② もし,目が三つあったら?

③ もし,りんごが○○だったら?



③の「もし」は,あの有名な絵本『りんごかもしれない』を素材にしています。



ヨシタケシンスケさんの絵本シリーズは,ユニークで面白い物が多いです。

それは,ヨシタケさんならではの独特な視点が魅力を引き出しているからだと思います。

まだ読んだことのない方は,ぜひこの『りんごかもしれない』から読んでみてください。

想像することの楽しさを再認識できる一冊です。



①の「もし」は,僕の持論を述べているだけですが,話し手が話したいことを話すのも良しだと思います。

なぜかというと,話し手が話したいことを話せばそれだけ聞き手に熱が伝わるからです。



②の「もし」は,なるほど~と思うような知識を織り交ぜています。

こうした豆知識系の話は,子どもが食いつきやすい話題が多いです。



3つの「もし」はそれぞれ少し違う角度から素材を提示していることがわかります。



みなさんが実践される時は,みなさんが話したい「もし」を取り入れてとっておきの話を作っていただければ,その熱が聞き手にきっと伝わるはずです。





学級に1人は,ませている子っていますよね。

想像することをあきらめているというか・・・

正解は1つしかないという態度の子。


そんな子こそ,想像力を働かせて一見ありえないような世界も楽しめる柔らかい頭をもってほしいものです。


ヨシタケシンスケさんは,大人なのにりんご1つでここまで想像力を働かせることができ,本当にすごいです。


学校の先生は,授業や生活で正解を教えることが仕事の1つです。
しかし,世の中の正解は1つだけではないことを教えるのも仕事の1つです。


先生こそ想像力を働かせることをあきらめてはいけません。

むしろ,想像を楽しむ先生でありたいものです。


想像力のある先生ほど,子どもの気持ちを細かく想像できるものです。

子ども理解は,教師の想像力に支えられています。


明日から個別懇談会のこの時期に,想像力の大切さを再認識できる話を深掘りでき,自分にとっても改めて学んだ機会となりました。





気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


とっておきの話53「先生!大変!」の裏話

Twitterに,とっておきの話53「先生!大変!」の原稿をアップしました。






どん!


地球儀があなたの目の前に現れました。


ここから先は,子どもの気持ちになってくださいね。

先生がこの地球儀を回します。もちろん回りますよね。

その時です。


「先生!大変!」

と叫ぶ男の子が現れました。


さて,男の子はこの後,何と言うでしょう?

正解は・・・


















【水がこぼれちゃうよ!】


と言いました。

はい,みなさんは今どんな反応をしましたか?



「なんだ,つまらない」
「こぼれるわけないやん」

そんな反応をした方は,この男の子のいた学級では浮いてしまいます。



男の子のいた学級はステキで,

「〇君,おもしろいね。」
「たしかに,なんでこぼれないのだろう」

と言ってフォローしてくれる仲間がたくさんいたそうです。



少し変わった意見でも,認められる。

何を言っても,受け止めてくれる安心できるクラス。

いいですよね。


ちなみに,この学級には,こんなクラス目標が貼ってあったそうです。

「宇宙一 明るく やさしいクラス」



変わった意見に対する仲間の反応と,クラス目標が組み合わさって,

学級の様子を素材にしたとっておきの話となりました。



読者の方の中にも,学校で先生をしている方がいると思います。

あなたの学級にも,少し変わった意見を出す子どもがいらっしゃると思います。


その時,周りの子どもたちはどんな反応をしていますか?

周りの子どもたちの反応の仕方は,

担任の反応の仕方の鏡であることが多いです。



先生がまず,子どもの意見を広い心と柔らかい頭で受け止める。

その姿勢が,学級の子どもたちの反応する姿勢として育っていきます。


僕はよく,担任している学級の子どもたちに

「はんのうして!」

と呼びかけながら,自分が誰よりも大きく反応して子どもの意見を聞くようにしていました。


すると,今回のとっておきの話のように,少し変わった意見が出てもフォローの反応が出てくるようになりました。


こうした温かい学級の雰囲気づくりにも,この話は一役買ってくれます。

ちなみに,とっておきの話をする時も,子どもたちの素直な反応に,こちらも素直な反応を返すようにしています。

その方が一方的にならず,双方から反応するので盛り上がります。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月13日土曜日

とっておきの話52「未来につながるタイムマシン」の裏話

Twitterに,とっておきの話52「未来につながるタイムマシン」の原稿をアップしました。

とっておきの話52「未来につながるタイムマシン」の原稿



大学院時代にできた親友の中に,O君という人がいました。


O君は,普段物静かで,人見知り。

何を考えているのかわからないところもあり,独りでポツンといることも多かった人でした。


でも,話しかけてみると面白い人でした。

O君ならではの感性を持っていて,身につけている物もユニークでした。

話を聞けば聞くほど,魅力的な人だと思いました。


そんなO君が,大学院の講義の中で持ってきた素材。

それがこの「未来につながるタイムマシン」です。


素材といっても,プリントに次のような図(当時は手描きの図)が描いてあるだけです。





O君【ねぇ,反省はタイムマシンだと思わない?】

その素材を僕に渡しながら,O君がこんなふうに問いかけてきました。


反省は・・・タイムマシン!?




どういう意味なのか聞いてみると面白かったのです。



人は,過去➡現在➡未来 という時間の流れの中で生きていますよね。


では,過去に思いを巡らす時,どんな感情が出てくるでしょう?

いろんな感情が出てくると思いますが,O君は

後悔と反省の違い

について教えてくれました。




O君【過去と未来だったら,どっちに行きたい?】


僕【未来かな】


O君【僕も未来にいきたい。どうやっていけるか知ってる?】


僕【いけるの!?タイムマシンとか使って?】


O君【そう!みんないける。タイムマシンはみんなもてるんだよ】


僕【どういうこと?】


O君【過去を後悔する人は,過去のままなんだよ。でもね,過去を反省する人は,未来にいけるんだよ。

だって反省は,「次はこうしよう」って未来のことを考えるでしょ?

過去のことを考えていたはずなのに,いつの間にか未来のことを考えている。それが反省。心のタイムマシンなんだよ。

みんながもてるはずなのに,意外と気づいている人は少ないんだよね。】


僕【O君・・・その考えすごすぎる。】




こんな会話のやり取りがありました。

あれから7年が経とうとしていますが,未だに鮮明に思い出す会話です。



学校現場には,反省できる場面がたくさんあります。

子どもたちは日記を書いたり,授業のふりかえりをします。

こうした反省が積み重なっていくと,心のタイムマシンが出来上がっていきます。


過去に留まる後悔よりも,未来につながる反省を。

そして心に,タイムマシンを作ろう。


そんな温かいメッセージが込められたとっておきの話が出来上がりました。


O君,君と出会えて本当に良かった。

君と友達になれて,本当に良かった。

ありがとう。



このように,普段の友達との会話の中にも,びっくりする素材が眠っているものです。


あなたの周りにも,ふと素材となるようなことを口にする人がいるはずです。

そんな意識でいると,何気ない友達との会話もより楽しくなりますよ。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月12日金曜日

とっておきの話51「チームワークは日本の誇り」の裏話

Twitterに,とっておきの話51「チームワークは日本の誇り」の原稿をアップしました。

とっておきの話51「チームワークは日本の誇り」の原稿




世界の長寿企業ランキングで,日本が1位となり続けているデータがあるのをご存知でしょうか?


原稿の中で紹介しているデータは古いので,改めて2020年版のデータを調べてみました。

調査データ2020年版100年企業<世界編>



とっておきの話として作った当時と比べると,企業数が減ってしまいましたが,依然として日本は1位です。

何が1位かというと,創業100年以上の企業数や200年以上の企業数です。

創業100年以上の企業数は33076

創業200年以上の企業数は1340

世界的に日本企業は長生きすることがわかります。

中には,創業1000年以上の企業もあります。



今回のとっておきの話では,

【なぜ,日本にはこのように長く続く会社が多いのでしょうか?】

と問いかけ,理由を考えさせています。


そして,日本人が大切にしてきた「チームワーク」に焦点を当てて話を進めています。


当時,サッカーのワールドカップが盛り上がっていた時期でした。

本田圭佑選手の次の言葉も素材として組み合わせていますね。


日本の最大のストロングポイントはチームワーク。

でも,そんなものは生まれ持っている能力。




こんなふうに言ってのける本田選手はかっこいいですよね。

まずは僕たちが生まれ持ったチームワークを発揮する。

日本人の強みだからこそ,生かしていきたいですね。

その上で,本田選手はこう続けます。


結局は個。自分が前に出る気持ちを強く持っているのが代表選手。


個として輝くためには,前に出る気持ちが大切なのです。

この言葉と,とっておきの話1「先生がペンギンを好きな理由」で紹介した

ファーストペンギン

の話がつながりました。

個が前に出るためには,チームワークのとれた安心できる居場所が必要

でしたよね。


ペンギンの世界でも人間の世界でも,

チームワークを発揮してこそ,個が輝くのかもしれませんね。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月11日木曜日

とっておきの話50「その言葉,温かい。」の裏話

Twitterに,とっておきの話50「その言葉,温かい。」の原稿をアップしました。

とっておきの話50「その言葉,温かい。」の原稿



僕がまだ大学院生だった頃の講義の中で発表したとっておきの話です。

この原稿を見ると。。。若いですね


思いはいっぱい詰まっているのですが,そのせいで

原稿の文字数が多くなっています。


つまり,


・話が5分でまとまらないかも。

・考えさせる時間があまりないかも。

・教師が語りすぎているかも。


といったツッコミどころのある原稿です。


ただ,この話には,今まで紹介してきたとっておきの話には無い2つのこだわりが込められています。



こだわり その1「日常から素材を見つける」


今までは,読んだ本や見つけた広告,テレビ番組などから素材を見つけていました。

でも,今回の素材は,あくまでも自分の日常の中から見つけた素材です。

大学院に通学する道中で見つけた店先の立て看板です。

(当時使っていたカメラが古く,画像が鮮明ではありません。申し訳ありません。)





いつも車でその店先の横を通って気になっていたので,ある日,勇気をもって車を停め,そのお店に行ってみました。

金物屋さんで,店先に小さな黒板が立っているのです。


毎日確認してわかったことですが,いつも違う言葉が書いてありました。

例えば,こんな言葉が書いてありました。


何もかもは出来なくても,

何かひとつならきっと出来る。


温かい言葉ですよね。

今このブログ記事を書きながら思いましたが,

この言葉だけで既に素材になりますよね。


そして,当時大学院生だった僕は,さらに勇気を出して,

金物屋さんの中に入り,お店を切り盛りしていたおばちゃんにインタビューをしてみました。


僕「失礼します。毎日車で横を通る度に,気になっていたことを聞きに来ました。」


珍しいお客さんが来たことに驚くおばちゃん。


僕「どうして店先の小さな黒板に,いつも言葉を書いているのですか?」

おばちゃんの表情は笑顔になり,次のように教えてくれました。


おばちゃん「毎週いいなぁと思った言葉を,黒板に書いています。誰かの目に触れた時,私と同じように励まされる人がいたらいいなぁと思って。」


おばちゃんの回答を聞いた瞬間,勇気を出してインタビューして良かったと心の底から思いました。

自分の日常にも,こんなにも素敵な素材があるじゃないか!

当時としては自分にとって衝撃的な発見でした。




こだわり その2「素材探しそのものにフォーカスする」


今回の話のテーマは,「努力」や「成長」「仲間」といったものではなく,

「温かい言葉を探してみよう」です。


本来なら,温かい言葉1つ1つがとっておきの話の素材となるところですが,

あえて,「温かい言葉を探すこと自体を素材にする」という試みをしています。


言葉って,アンテナを高くしていないとその価値に気づかないものです。

実は,意識すると,世の中には温かい言葉がたくさん溢れているんだよ。

そんなメッセージが伝えたかったのです。


実際,とっておきの話づくりをしながら,

「どこかの名言ではなく,自分の力で探し出した自分が感動した言葉がもつ価値」

に注目していた時期でした。

だからこそ,こんなとっておきの話を作ってみてもいいじゃないかと考えたのです。



今まで紹介してきたとっておきの話の原稿と比べると,

どこか不格好で未熟な部分がありますが,

こだわっている部分は,教師6年目を迎えようとしている今でも,大切にしたいこだわりですね。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

きっと,いろんな温かい言葉に出合えますよ。

そして,あなただからこそ感動する言葉に,出合えますよ。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年2月10日水曜日

とっておきの話49「成長曲線」の裏話

Twitterに,とっておきの話49「成長曲線」の原稿をアップしました。

とっておきの話49「成長曲線」



今回も「努力」をテーマにした話。

みなさんは,努力に対する成長の増え方は一定だと思いますか?

実は,一定ではないのです。


折れ線グラフのような直線的ではなく,

曲線を描くのです。

こちらの「成長曲線」というグラフが今回の素材。




成長を縦軸,時間を横軸とした時,

努力曲線に対して成長曲線は違う描き方をしていることがわかります。


努力した時間が小さい時は,成長もあまり増えません。

一方,努力し続けていると,突然ぐいっと成長が増える瞬間があります。

これが


ブレイクスルーポイント


です。



人間は,一気に成長する瞬間があるのです。

でもそれは,諦めずに努力し続けた人だけが出合える瞬間。

いつ来るのかは人によって違います。


努力の量よりも成長の量が上回った人は,それまで努力し続けてきた証です。


努力しても変わらないと嘆いている子がいたら,ぜひ聞かせてあげたい話ですね。




ちなみにこの話と似ている話がありましたね。

そう,とっておきの話46「努力のつぼ」です。

つぼから溢れ出るまで,努力の量は見えない。

でも,溢れ出る瞬間は必ず来る。

そんな話でした。


「努力のつぼ」から成長の水が溢れ出る瞬間

これが「成長曲線」だとブレイクスルーポイントにあたります。



同じ話題でも,どのように表現するかで別のとっておきの話として作ることができます。

実際に披露する時も,目の前の聞き手である子どもたちの実態に合わせ,

どちらの話をすると良いのかを検討します


このように,同じ話題で複数の表現方法をもっておく(複数のとっておきの話を用意しておく)と,実態に合わせて話をすることができます


同じ話題なのだから作ってはダメ。なんて勝手に決めなくていいのです。

そんなルールはありません。

僕は「努力のつぼ」の話も,「成長曲線」の話もそれぞれに良さがあって大好きです。




みなさんも,様々な表現方法でとっておきの話づくりを楽しんでみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月9日火曜日

とっておきの話48「ノミのジャンプ」の裏話

Twitterに,とっておきの話48「ノミのジャンプ」の原稿をアップしました。

とっておきの話48「ノミのジャンプ」の原稿



みなさんは,ノミという小さな生き物を知っていますか?

ダニは知っていても,ノミを知っている人は少ないかもしれません。

調べてみると,わずか4mm~9mmの小さな生き物であることがわかります。

こんな姿をしています↓







あ,小さくて見えないですか?

では,拡大して見せますね↓








このノミですが,実は・・・


1mもジャンプできるのです。


1mというと,自分の100倍以上の高さです。

人間だったら無理ですよね。

すごい身体能力です。



そんなノミを使ったある実験が,今回の話の素材です。


深底の容器に何匹かノミを入れると,容器からはみ出すほどジャンプをします。

そこで,容器に蓋をすると,ノミはその高さまでしかジャンプできなくなります。


面白いのはここから。


蓋を外すと・・・



蓋が無いのに,前と同じ高さまでジャンプしなくなってしまうのです。




これは人間に喩えると,自分で勝手に決めた限界(=蓋)のせいで,自分で成長を止めてしまった結果(むしろ退化では?)の様子を表しています。




この実験のさらに面白いことがもう1つあります。


それは,蓋の高さまでしかジャンプできなくなってしまったノミの容器に,新しく1mジャンプできるノミを入れるのです。


すると,容器の中のノミはみんな1mジャンプするノミに戻るそうです。


これは人間に喩えると,ライバル(仲間)の登場によって良い刺激をもらい,自分も成長する結果につながった様子を表しています。



小さな小さなノミという生き物から,

「自分で勝手に限界を決めない」や「ライバル(仲間)の大切さ」を

学ぶことができるのです。




今回のような素材を,僕は勝手に


実験素材


と呼んでいます。


調べてみると,世の中には面白い実験で溢れています。


実験した結果,こうでした。


それが時として,聞き手に大きなインパクトを与える効果を発揮します。




みなさんも実験素材,よかったらぜひ探してみてください。

きっと面白い実験素材が見つかるはずです。




ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年2月8日月曜日

とっておきの話47「悲しみはわり算,喜びはかけ算」の裏話

Twitterに,とっておきの話47「悲しみはわり算,喜びはかけ算」の原稿をアップしました。

とっておきの話47「悲しみはわり算,喜びはかけ算」の原稿



悲しみと喜びは対立する言葉ですが,

悲しみをどう捉え,

喜びをどう捉えるか。

その捉え方次第は,その人に委ねられています。


今回のとっておきの話では,自分一人の心の捉え方ではなく,

みんなでどう捉えたらいいのかについて視点を与えてくれます。



まず,悲しみは分け合うことができます。

悲しい出来事があった時,誰かに相談したら気持ちが軽くなることがありますよね。

悲しみはみんなで分け合うことで,一人一人の心の負担を軽くすることができます。



次に,喜びは分かち合うことができます。

喜びは一人で独占するより,みんなで喜び合うことでより増大します。

喜びを分かち合うことで,一人一人の心に癒しを与えることができます。



こうした視点を,聞き手が子どもであることを鑑みて表現したのが


悲しみはわり算喜びはかけ算


という言葉です。

わり算もかけ算も,小学生なら知っています。

さらに,どちらも1文字の記号で表すことができます。


÷ ➡ みんなで分け合う(1人あたりの心の負担が小さくなる)

× ➡ みんなが分かち合う(1人あたりの心の癒しが倍増する)




イメージしやすいですよね。

このように,算数で出てくる計算式に言葉を当てはめる手法は,わかりやすくイメージを伝えるために使われる1つのパターンです。


ちなみに,今年度組んだ学年部の先生が知っていた話では,

これに付け加えて,たし算やひき算にも当てはめる言葉がありました。

もしかしたら,自分でいろんな計算式が作れるかもしれません。



道徳的な話を算数の計算式で表現。

みなさんもよかったら実践してみてください。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月7日日曜日

とっておきの話46「努力のつぼ」の裏話

 Twitterに,とっておきの話46「努力のつぼ」の原稿をアップしました。

とっておきの話46「努力のつぼ」の原稿



努力をしている間って,自分が今どれくらい努力してきたかって曖昧ですよね。

その努力の量を視覚化する試みが,


努力のつぼ



という話です。



水槽のような透明なアクリルではなく,

中身の見えない壺であることが大事です。



努力をしている間,壺を見てもどれだけ努力が貯まっているのかわかりません。

しかし,壺の中がいっぱいになり,溢れ出た時,初めて

こんなに努力してきたんだ

とわかるのです。


そして,溢れ出た後は,努力の量が目に見えるようになってくる。

それは,努力に対して結果が現れてくるようになるからです。


努力と結果が結び付く時期に至るまでは,

努力の量は見えないけど,溢れ出る瞬間を待ちわびて努力し続ける時期です。


「努力のつぼ」は,そんな努力真っ只中の聞き手にぴったりな喩え話です。

TOSSが素材元ではありますが,この話を知っている教員は多いのではないでしょうか。

それぐらい,学校現場でよく使われる話です。



ちなみに,努力のつぼの大きさは,人によって違います

その人の個性や置かれている環境,目指している夢など,

様々な要因で大きさが変わってくるからです。


みなさんの努力のつぼは,今どうなっていますか?

まだ溢れ出ていない壺ですか?

それとも,溢れ出た後の壺ですか?

もしかして,1つだけでなく,いくつも壺を持っている人もいるかもしれません。



僕はまだ,溢れ出ていない壺を持っています。

でも,いつか溢れ出ると信じて,これからも努力し続けます。




気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月6日土曜日

とっておきの話45「タライの水を引っ張るな」の裏話

Twitterに,とっておきの話45「タライの水を引っ張るな」の原稿をアップしました。

とっておきの話45「タライの水を引っ張るな」の原稿




当時の図解,少しわかりにくいかも。笑

タライの水を引っ張る様子がもっと伝わる図解をしたいですね。。。



道徳的な考え方や心構えを伝えようとする時,

頭で想像しやすい,または,視覚的にわかりやすいイメージに

喩える(場合によっては例える)手法がよく使われます。



今回喩えられたのは,タライの水を引っ張った時の様子です。

自分の方に強く引っ張ると,タライの内側で水が跳ね返って向こう側へ水が飛び出します。

逆に,そっとタライを前に動かすと,中の水は自分の方へ波打ってきます。


この,「強く引っ張る」時と「そっと前に動かす」時の違いを,

人間関係の押し引きに喩えたのがこの話。


強く引っ張る=自分のことばかり考えて相手に迷惑をかける

そっと前に動かす=相手のことを考えて自分に幸せがやってくる


というように喩えています。



さらに,この喩えの優れている点は,対立する2つの事象を上手く表現しているところにあります。

「強く」と「そっと」

「引っ張る」と「前に動かす」

「自分」と「相手」

「相手に迷惑をかける」と「自分に幸せがやってくる」

対立する言葉が多く並んでいます。


このように,2つの事象を対立させながら,わかりやすい喩えを用いることで,

話し手の伝えたい内容を聞き手に伝えやすくなります。


さすが,本になっているだけある話ですね。

素材元の『クラスを育てるいいお話』は,なかなか良い本でした。

僕も将来,このような本を出してみたいです。

(とっておきの話集のような本です)


以前ブログでも述べましたが,今回のように,

既に出版されている「いい話集めました本」の中から素材を得てもいいのです。

気を付けることはただ1つ。


あなた自身が感動した話のみ,素材とすること。


それさえ忘れなければ,その素材はあなたのものとして生きるはずです。




気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話44「負ける人のおかげで勝てる」の裏話

Twitterに,とっておきの話44「負ける人のおかげで勝てる」の原稿をアップしました。

とっておきの話44「負ける人のおかげで勝てる」の原稿



試合に勝った時にするポーズといえば・・・?


ガッツポーズですね。

様々なスポーツの試合で,選手たちがしていますよね。

みなさんも,試合に勝った時はしたことのあるポーズではないでしょうか。


でも,ガッツポーズが禁止されている競技があるのです。

何だと思いますか?



正解はこちら。


剣道です。

剣道では,一本取ったあとにガッツポーズをすると,その一本が取り消しになってしまうのです。
どうしてガッツポーズにこうした重たい罰を与えるのでしょう?

それは,剣道の世界では

一緒に稽古や試合をしてくれる相手に対して感謝を忘れず,稽古に励むように

という考え方を大切にしているからです。

敗者の前で喜びを表すガッツポーズは,思いやりのないことと見なされるのです。




毎度お馴染み,相田みつをさんの詩に,こんな詩がありました。



まける人のおかげで 勝てるんだよなあ


勝負の世界には,必ず勝つ人と負ける人が存在します。

「勝負」という漢字は,「勝ち」と「負け」で作られています。


私たちは,その勝負に勝った時,

勝った自分にしか興味が向いていないものです。

その裏には,必ず自分に負けた人の存在があるのです。

その人を蔑ろにせず,思いやりをもって負ける人も尊重できた時,

「勝負」は成り立つのだと思います。

「勝負」は一方的に喜ぶものではなく,相互に尊重し合うものなのです。


このとっておきの話をすると,「勝負」や「試合」に対する視野を広げることができるでしょう。

負ける人を尊重できる子に成長すると,本当の意味で強い子になります。

逆に,自分が負けた時に尊重されると,ひどく自信を失わずに生きていけます。



余談ですが,人生には「勝負」があるかどうか。みなさんはどう思いますか?


僕の今の考えでは,

他人と競う勝負はない。でも,過去の自分と競う勝負はある。

というのが暫定的な結論です。


小中学生のうちに,「相手を尊重して勝負」できる子に育てば,

大人になってから,過去の自分を尊重して「自分と勝負」できる人として

人生を歩んでいけるのではないか。

そんな願いもこもったとっておきの話です。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



2021年2月5日金曜日

とっておきの話43「本当にがんばっている人は」の裏話

Twitterに,とっておきの話43「本当にがんばっている人は」の原稿をアップしました。

とっておきの話43「本当にがんばっている人は」の原稿



みなさんは今,何かにがんばっていますか?

自分が今,がんばっている人なのか,がんばっていない人なのか,

見分ける機械があったら,ほしいですか?


このとっておきの話の導入で,上のように問いかけます。

前回アップした,とっておきの話42「何を語っていますか?」と似ていますよね。

努力する人と怠ける人を見分ける機械は,

希望を語っているかと不満を語っているかの違いに気づけること

でしたね。


たとえ希望を語っていたとしても,

本当にがんばっているのかどうかはわかりません。

また新たな視点を付け加えることで,より努力の道筋が見えてきます。


そこで,このとっておきの話「本当にがんばっている人は」がヒントとなります。




本当に頑張っている人は

自分が頑張っていることに気づかない


きむさんという人が書いた詩です。

当時,「努力 詩」で画像検索したら一番上に出てきた詩です。


『ぼく,がんばっているよ』

『わたし,がんばっているのに・・・』


そんなことを言っているうちは,まだまだ甘いのかもしれません。

自分ががんばっていることに気づかないくらいがんばる。

言うは易し 行うは難し

です。



とっておきの話42「何を語っていますか?」を話した後に,別の日に

とっておきの話43「本当にがんばっている人は」を話すことで,

聞き手がより「努力」について視野を広げるきっかけとなるはずです。


このように,似たようなテーマのとっておきの話同士を上手く組み合わせて話すことで,聞き手の視野をより一層広げる効果があります


作ったとっておきの話の数が多いほど,この化学反応を楽しめるようになります。

この話がそんな話につながるなんて。。。という瞬間にも出合えます。




気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年2月4日木曜日

とっておきの話42「何を語っていますか?」の裏話

Twitterに,とっておきの話42「何を語っていますか?」の原稿をアップしました。

とっておきの話42「何を語っていますか?」の原稿



努力する人と怠ける人


その人がどちらなのか,簡単に見分ける方法があります。

それは・・・


何を語っているか


です。



こんな詩があります。


努力する人は

希望を語り

怠ける人は

不満を語る




努力する人は希望を語るのです。

次はこうしよう。これからこれにチャレンジしよう。きっと今日も楽しいことが待っている。など

逆に,怠ける人は不満を語ります。

なんでそうなるの?もっとこうしてよ。自分なんかできない。〇〇してくれない。など



みなさんは何を語っていますか?

いつの間にか,希望よりも不満を多く語っている時がありませんか?

そんな方は要注意です。


この素材も自分の戒めとしてという意味も込めてとっておきの話を作りました。

子どもたちは大人よりも素直なので,不満な時は不満を語ります。笑

でも,不満ばかりでは怠ける人になり,努力する人にはなれません。

このとっておきの話をきっかけに,少しでも前向きな言葉を口にできるようになれたらと思います。




以前,紹介したとっておきの話の中に,こんな言葉がありましたね。

人は,自分が使っている言葉通りの人になっていく

とっておきの話25「プラス言葉とマイナス言葉」で紹介した言葉です。


このように,とっておきの話づくりを続けていると,

新しく作るとっておきの話と,以前作ったとっておきの話がつながる時があります。

根底は同じでも,伝え方が変わるということですね。

このつながった瞬間が,なんだかうれしい気持ちになります。

また,素材元は全く違うのに,話がつながると,世の中の真理に近づいた気もします。


みなさんも,とっておきの話づくりを続けていると,そんな体験が待っているはずです。

気になった方はぜひ,実践してみてください。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。






2021年2月3日水曜日

とっておきの話41「「けれど」の言い訳」の裏話

Twitterに,とっておきの話41「「けれど」の言い訳」の原稿をアップしました。

とっておきの話41「「けれど」の言い訳」の原稿



けれど


この3文字が口癖になっている子って,クラスに1人はいるものです。

この3文字を使うのは大体,言い訳をする時に使います


忘れ物をしました。けれど,いそがしかったんです。

けんかをしました。けれど,ついなぐっちゃったんです。

宿題をやってきませんでした。けれど,難しかったんです。

掃除をサボっちゃいました。けれど,体調が悪かったんです。(←本当に?)


自分の都合が悪かった時,言い訳をして逃げたくなって

けれど

の3文字を使うのです。


子どもの話をしていますが,大人にもたまに「けれど」が口癖の方がいらっしゃいますよね。

あまり言いたくないですが,教員にもそんな人はいます。


自分の非を素直に認め,言い訳をしない。

そして,同じ失敗をしないために,これからどうするかを言える。

そんな子どもに成長してほしい


という願いを込め,このとっておきの話を作りました。




この話の素材となったのは,お馴染み相田みつをさんの詩です。



けれど

けれどで

なんにもしない



短い詩ですが,核心をついていますよね。

出合ってすぐ,素材にしたいと思いました。




けれどけれどでなんにもしない人間にはなりたくないです。

自分の戒めとしても,とっておきの話として残しておきたいと思いました。


みなさんも,知らず知らずのうちに思わず言い訳を口にしていませんか?

また,周りに言い訳ばかりしている子はいませんか?

そんな方は,ぜひ実践してみてください。




ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



2021年2月2日火曜日

とっておきの話40「協力の漢字変身」の裏話

 Twitterに,とっておきの話40「協力の漢字変身」の原稿をアップしました。

とっておきの話40「協力の漢字変身」の原稿



協力


「きょうりょく」と読みますよね。

でも,「きょうりょく」はこれ以外の漢字にも変身します。


まずはこの「きょうりょく」


教力


教え合う力と書いて「きょうりょく」です。

一人で勝手に進めず,教え合う力が大切です。


次に,この「きょうりょく」


響力


響く力と書いて「きょうりょく」です。

お互いの力を響き合わせる雰囲気が大切です。


そして,教力や響力ができるようになるとこの「きょうりょく」


強力


強い力に変身します。


協力するには,教力や響力が大切で,強力に変身していくのです。




ただ「きょうりょく」の漢字表現の違いを素材にしたとっておきの話ですが,

それぞれに意味を込められて,

子どもたちにとってはわかりやすく印象に残ると思います。


漢字は素材として取り上げやすいことを以前の裏話でも触れました。

今回のように,読み方は同じで漢字の一部を変身させる手法は,

聞き手にわかりやすく印象づける効果があります。


気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...