恩返し
聞いたことのある言葉だと思います。
では,これはどうでしょう?
恩送り
字面は似ていますが,意味が違います。
恩返しは,恩を与えてくれた人に恩をお返しするという意味で,二人完結です。
一方,恩送りは,恩を与えてもらったら,また別の人に恩を送っていくという意味で,たくさんの人に恩を広げていくことができます。
恩返しだけでなく,恩送りもできる人が増えると,そのチームはみんな幸せになるはずです。
恩返しは知っていても,恩送りを知らなかった人は多いのではないでしょうか。
僕も当時この素材に出合った時,「そんな言葉があるのか」と驚きました。
このように,自分の知っている言葉と似た字面で,意味が違う新しい言葉は,素材として興味を惹きます。
そう言えば,英語でも
GIVE AND TAKE はよく聞く言葉ですが
GIVE AND SEND はあまり聞きませんよね。
でも,Win Winを増やしていくには,恩送りの概念が英語圏でも大切だと思います。
『つるの恩返し』と言えば,誰しも思い浮かべることのできる童話ですが,
『○○の恩送り』なんて物語はあまり聞きませんよね。
でも,恩送りの物語こそ,人生に素敵なスパイスを与えてくれるはずです。
この恩送りの概念を,もう少し深掘りしてみましょう。
例えば,師匠と弟子の関係で考えてみます。
弟子は,長年お世話になってきた師匠に恩返しをしようとしていました。
ある日,師匠が高齢のため,突然の病に倒れて亡くなってしまいます。
弟子は,恩返しができずに亡くなってしまったことを悲しみます。
しかし,同時に,「恩返しはできなくても,恩送りはできるじゃないか」と気づきます。
弟子はその後,師匠が自分にしてもらった恩を送るように,誰かのためになることをし続けたのです。
このように,恩返しができなくなる日はやってくるもので,その時に恩送りという言葉を知っているかどうかで振る舞いが変わってきます。
もし,弟子が恩送りを知らなかったら。。。
きっとずっと悲しいままで終わっていたことでしょう。
恩返しには,お返し期限があります。
でも,恩送りには,お送り期限はないのです。
人の命は,恩送りの連続だと思います。
その人の命が尽きてしまった後も,その人が残した恩が,誰かの手によって送られ続けていく。そう信じています。
人は何のために生きているのか。
そんなことを考えた経験はないでしょうか?
僕は,恩送りをするために生きていると思っています。
僕らは恩の送り人なのです。
みんなが恩を送る人であり,みんなが恩を受け取る人なのです。
まだ恩返ししかできていない人は,もったいないですよ。
ぜひ,恩送りもできる人になってくださいね。
大人が聞いても面白い恩送りの概念。
子どもたちに伝える際には,よく知られている言葉である「恩返しと比較」しながら提示すると良いでしょう。
言葉だけではなく,イラストや具体例を示しながら提示できると尚良いです。
きっと子どもにも伝わる概念のはずです。
気になった方はぜひ,実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
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