2022年10月30日日曜日

とっておきの話445「青い薔薇の花言葉」の裏話

Twitterに、とっておきの話445「青い薔薇の花言葉」の原稿をアップしました。

とっておきの話445「青い薔薇の花言葉」の原稿



青い薔薇



みなさんは好きですか?

薔薇と言えばこちらのイメージがありますよね?


そう、薔薇と言えば赤いのです。

青い薔薇だけを見たら、もしかしたら不快に思う人もいるかもしれません。

青い食べ物が気味悪いと言う人がいるように、青い植物もあまり良いと思う人もいないかもしれません。

しかし、この青い薔薇を、「花言葉」という視点で見つめ直すと、とっておきの話があるのです。


それを知ったきっかけは、歌手のAdoさんが20歳記念動画で話していたことでした。

普通に聞いていたら、聞き逃していたかもしれない。

でも、青い薔薇のエピソードが出た瞬間、「素材にしよう」と自分のアンテナが反応しました。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


今からみなさん一人一人に、ある物をプレゼントします。

(青い薔薇のイラストが描かれたカードを全員に手渡す)

何が描かれていますか?

青い薔薇。人によっては、嬉しくないプレゼントかもしれません。でも、この花にはステキなエピソードがあるのです。元々、青い薔薇というのは自然界には存在しないものでした。赤い薔薇はあっても、青い薔薇は作ることができない。なので、青い薔薇の花言葉は…

(不可能 と板書)

 「不可能」でした。しかし、その後2004年に日本とオーストラリアの企業の共同開発によって青い薔薇が世界で初めて誕生したことで、花言葉が変わったのです。「不可能」からどんな言葉に変わったと思いますか?



(夢かなう 奇跡  と板書)

 「夢かなう 奇跡」になったのです。みなさんも、不可能だな、無理だなと思うことがありませんか?でも、世界で初めて青い薔薇を開発した人たちのように、「やってみよう」の気持ちを大切にし、あきらめず努力し続けた人は、きっと夢が叶い、奇跡を起こせるはずです。

そんな願いを込めて、今日はみなさんに青い薔薇をプレゼントしました。その青い薔薇を大事にするかどうかは、あなたたち次第です。


いかがでしたか?


今回のとっておきの話は、「青い薔薇」自体に触れてほしいという思いがあり、話の冒頭で青い薔薇を子どもたちの手元に置きたいと考えました。

そこで、「青い薔薇のイラストが描かれたカードを全員に手渡す」という演出を取り入れました。

これはイラストよりも写真の方がリアルでより良いと思います。

さらに言えば、青い薔薇の造花でも良いでしょう。

とにかく本物ではなくても、青い薔薇を子どもたちの手元に置いた状態でこのとっておきの話をしたいと思ったのです。


こうすることで、始めはただの「青い薔薇」だったのが「夢かなう・奇跡 という花言葉を感じる青い薔薇」に変化する過程を自分事としてより味わえると考えました。

こうしたちょっとした演出を取り入れるだけで、とっておきの話に込められたメッセージがより伝わりやすくなります。


特に願いを込めて話す時には、その願いがより伝わる形を探ります。

何を話すかも大事ですが、どのように話すかも大事です。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年10月22日土曜日

とっておきの話444「3人目のレンガ職人に」の裏話

Twitterに、とっておきの話444「3人目のレンガ職人に」の原稿をアップしました。

とっておきの話444「3人目のレンガ職人に」の原稿



3人のレンガ職人に話は、知っている方も多いのではないでしょうか。

よくビジネス書に出てくる話で、働き方について考えさせられる話です。


同じ仕事をしていても、そこにどんなマインドをもつかによってその後の将来まで変える力をもつ。

そんなことがストーリーで語ることによってより深く学ぶことができます。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(3人のレンガ職人 と板書)

 今日はこんな物語を紹介します。どんな話だと思いますか?

ある日、旅人がヨーロッパを旅していると、3人のレンガ職人に出会います。彼らはみんな同じ「レンガを積む」という仕事をしています。

しかし、旅人が「何をしているんですか?」と聞くと、それぞれ違う答え方をしました。


一人目のレンガ職人は、「親方の命令でレンガを積んでいるんだよ」とめんどくさそうに答えます。二人目のレンガ職人は、「レンガを積んで壁を作っているんだ。大変だけどたくさんお金をもらえるからね」と答えました。そして三人目のレンガ職人は・・・「完成まで100年以上かかる教会の大聖堂をつくっているんだ。新しい歴史をつくる仕事ができて幸せだ」と答えました。



その後、3人のレンガ職人はどうなったと思いますか。一人目のレンガ職人は、相変わらず文句を言いながらレンガを積んでいました。二人目のレンガ職人は、相変わらず危険な屋根の上で仕事をしていました。しかし3人目のレンガ職人は、現場監督として多くの職人を育て、出来上がった大聖堂には彼の名前が付けられました。


(3人目のレンガ職人に と板書)

 みなさんは、3人目のレンガ職人のようになれるでしょうか?

 同じ仕事でも、どんな志や目的をもつかによってその後の将来を変えていくことができます。

どんな仕事でも楽しみ、感謝の気持ちや大きな夢をもって向き合える人には、きっと良い将来が待っていることでしょう。みなさんの周りに、3人目のレンガ職人になれそうな仕事はないか探してみましょう。


いかがでしたか?


元々あった寓話をただそのまま話すのはとっておきの話ではありません。

その寓話の中でも、自分だったら何を取り上げ、強調しながら語るかを考えます。


今回の場合でいうと、3人目のレンガ職人になってほしいという願いを伝えることを一番の目的としています。

ただの寓話で終わらず、3人目のレンガ職人になることの良さを伝え、どうしたらなれるかを考えるきっかけになればと思います。

そのための話の構成として、後半にいくにつれて言葉は短くしていくのが良いでしょう。


みなさんなら、この「3人のレンガ職人」の寓話をどのように語りますか?

その語り方に、その人ならではの色が出るはずです。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年10月16日日曜日

とっておきの話443「幸せの4因子」の裏話

 Twitterに、とっておきの話443「幸せの4因子」の原稿をアップしました。

とっておきの話443「幸せの4因子」の原稿



最近、Twitterで知り合った仲間と一緒に【#先生の本棚】を創り上げました。

それだけでなく、スペース配信にてブックトークをしましょうという話になり、第1回目の課題図書として『こうして社員はやる気を失っていく』という本が選ばれました。

きっと自分の興味関心だけでは出合えなかった本。

すぐにAmazonで注文し、平日も本に触れ、読書しました。

タイトルからは想像できない濃い内容でした。


今回はその中でも、とっておきの話の素材にできそうだと思った箇所をもとに作ってみました。

特に合言葉はとっておきの話の素材に鉄板ですね。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(幸せの4因子 と板書)

 幸せの4いんしと読みます。いんしの「いん」は原因の「いん」です。

 人が幸せになる原因は4つあると言われています。



(4つの合言葉を口ぐせに➡幸せ と板書)

 もっと簡単に、合言葉として紹介しますね。今から紹介する4つの合言葉を口ぐせにすると、自然と幸せが訪れるかもしれません。


(①  やってみよう! と板書)

 目標に向かって努力し、成長を目指す姿勢を大切に。やってみよう!(復唱)

(②  ありがとう! と板書)

 感謝の気持ちを忘れず、相手に伝える姿勢を大切に。ありがとう!(復唱)

(③  なんとかなる! と板書)

 上手くいかないことがあっても前向きに、ポジティブな姿勢で。なんとかなる!(復唱)

(④  ありのままに! と板書)

 自分らしく、自分に合ったペースで大丈夫。みんなちがっていい。ありのままに!(復唱)



 いかがですか?まずはこの中から1つ、口ぐせにしようと思った合言葉を今日から使っていきましょう。口ぐせになってきたら1つ、また1つと増やしていきましょう。4つの合言葉を使いこなし、口ぐせになる頃には、思わぬ大きな幸せが待っているかもしれません。

 みなさん、やってみよう!今日も話を聴いてくれてありがとう!これから大変なこともあるかもしれないけどなんとかなる!マイペースであなたらしく成長してください。ありのままに!


いかがでしたか?


幸せと聞くと、定義は様々だと思います。

画像ではこんなイメージでしょうか?⇩


違う、という人もいるかもしれませんね。

ただ、幸せを定義づけるにあたっての指標は知っておいて損はないと思います。


今回は幸せの4因子がそれにあたります。

しかし、幸せの4因子という言葉自体、子どもたちにとっては難しい言葉です。


この素材のステキだったところは、幸せの4因子に対応して合言葉が用意されていたことです。

抽象概念を具体的行動につなげる橋渡しとなる一つの形が合言葉です。

合言葉を意識するだけで、自然と行動基準となり、実行に移しやすくなります。



① やってみよう!➡自己実現と成長の因子

② ありがとう!➡つながりと感謝の因子

③ なんとかなる!➡前向きと楽観の因子

④ ありのままに!➡独立とあなたらしさの因子



右の抽象概念を上手く左の合言葉に変換していますよね。

これなら子どもたちにも分かりやすく伝わるでしょう。


ちなみに、小話の終盤の締めくくりはあえてこの4つの合言葉を全て使って子どもたちに呼びかけメッセージを贈っています。こうした何気ない演出が子どもたちの心に残りやすくなります。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年10月8日土曜日

とっておきの話442「直線ではないグラフ」の裏話

Twitterに、とっておきの話442「直線ではないグラフ」の原稿をアップしました。

とっておきの話442「直線ではないグラフ」の原稿


ビジネス書は教員が読んでも刺さる内容で溢れています。

なぜなら、教員の前に社会人であるからです。

よく私は、教員の前に人間であるという話をしますが、その前に社会人という階層があるとも考えています。

人間である➡社会人である➡教員である

だからこそ、社会人が読んでいるビジネス書も読んでおくべきだと思うのです。


そんなビジネス書からも、とっておきの話の素材になり得る可能性は秘められています。

社会人向けだからといって子どもには難しいと決めつけてはいけません。

子どもにも分かるように噛み砕き、編集し直すことで、子どもにも吸収しやすい形で知見を授けることもできるのです。


今回はビジネス書の世界では時の本、FRUITFULNESSからヒントを得て小話を作ってみました。

それでは原稿を読んでみましょう⇩


(身長の変化を表すグラフの途中まで【A】を見せる)



 この後、15年後の彼の身長は何センチになると思いますか?

もし、直線のようにグラフが上がり続けたら、3m近くになってしまいます。(【B】を見せる)



でも、そうならないことはみなさんも知っていますよね?実際はこんなグラフになります。

(身長の変化を表すグラフ【C】を見せる)




(直線ではないグラフ と板書)

 直線ではないグラフは他にもあります。去年、担任していた学級の子たちに毎月学級の点数を付けてもらいました。どんなグラフになったと思いますか?実際はこんなグラフになりました。

(学級の点数を表した折れ線グラフを提示)



上がり続けることも下がり続けることもないのです。



 みなさんは今、調子よく上がっていることがありますか?それはその後も直線的に上がり続けるとは限りません。

 みなさんは今、調子悪く下がっていることがありますか?それはその後も直線的に下がり続けるとは限りません。

 だから一喜一憂しなくて良いのです。上がっても下がっても良い方向に少しずつ進み続けている。そう信じて、直線ではないグラフを楽しんで描いていきませんか?


いかがでしたか?


みなさんの周りにも、直線ではないグラフで表せそうな事象はありませんか?

FRUITFULNESSを読んだ時、直線思考というバイアスを知りました。


人々は今後もグラフは直線的に上がり続ける、または下がり続けるというバイアスがかかってしまいがちだという話です。

このバイアスは、子どもたちにも多少なりともあると思います。

だからこそ、世の中の事象というのは直線ではないグラフで表されることが数多くあるということをこの小話をきっかけに考えてもらえればと思いました。


実際に子どもたちにとって身近な事象として、身長の変化や学級の点数を取り上げてみました。

みなさんが活用する際は、目の前の子どもたちの実態に合わせて事例を取り上げてみてください。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年10月1日土曜日

とっておきの話441「もう一度同じ旅をしたい」の裏話

 Twitterに、とっておきの話441「もう一度同じ旅をしたい」の原稿をアップしました。

とっておきの話441「もう一度同じ旅をしたい」の原稿



仕事を終え、職場から帰ってくると家に帰宅するのは大体夜の7時前後になります。

その時間帯にテレビを付けると、NHKのニュース7が映っています。

そこで今日のニュースを観ながら妻とああだこうだ話すのが日課になっています。


最近、テニス界では有名なレジェンド、フェデラー選手の引退試合のニュースを観て小話の素材にしようと思いました。

引退試合そのものも感動しますが、僕が感動したのはその後のインタビューで語った言葉が印象的だったからです。

ニュースで大々的に取り上げられている箇所ではなく、自分が心惹かれる箇所にこそ、素材との出合いがあると思っています。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(フェデラー選手の写真を提示)




 この人は、テニスの世界ではスーパースターと呼ばれたフェデラー選手です。20回も優勝を果たしたり、グランドスラムを達成したりするなど、様々な偉業を残し、約24年間のテニス人生を送りました。


 そんなフェデラー選手は、引退試合を終えたインタビューで約24年間のテニス人生をふりかえり、こんなセリフを残しました。

(次の文を提示)

偉大な旅だった。もう一度同じ旅をしたい。

 もう一度同じテニス人生を送りたいと思えるほど、彼にとって充実したテニス人生が送れたのだと伝わってきました。


 (もう一度同じ旅をしたい と板書)

 みなさんが今旅している人生は、何十年後にふりかえってみて「もう一度同じ旅をしたい」と思える人生でしょうか?時が過ぎるのはあなたが思っているよりも早いです。あなたの人生は、あなた自身の足で旅をしています。みなさんのそれぞれの旅が、「もう一度同じ旅をしたい」と思えるようなステキな旅ができることを願っています。

そのために、今できることを考えてみましょう。


いかがでしたか?


「もう一度同じ旅をしたい」

という言葉に僕はすごく惹かれたんですね。


でも、旅というのは何も大人だけがしている訳ではないと思うのです。

学校に通う子どもたちも、それぞれの旅をしていると思います。

子どもたちの旅がその後、振り返った時に「もう一度同じ旅をしたい」と思えるのであれば、こんなにステキなことはないですよね。


そんな子どもたちの旅を学校生活において支えていくのが教師の役目ではないでしょうか。

だからこそ、今回の小話では願いを込めて締めくくっています。


一方、願いを伝えるだけでは子どもの心は変容しても行動の変容まではつながりにくいと感じました。

そこで、「今できること」を考えるように促して終えています。


このように、一度作った原稿を読み返してみて子どもの立場になって時の受け取り方で弱いものを感じた時には言葉を補足することがあります。


さて、みなさんは今、「もう一度同じ旅をしたい」と思えるような旅をしていますか?

みなさんの旅もステキな旅になることを願っています。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

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