2022年1月31日月曜日

とっておきの話357「ごめんねをもらえないのは」の裏話

Twitterに、とっておきの話357「ごめんねをもらえないのは」の原稿をアップしました。

とっておきの話357「ごめんねをもらえないのは」の原稿



今回のとっておきの話は、大塚愛さんの歌『ドラセナ』の歌詞を素材にしました。




大塚愛さんは、僕が高校生の頃にファンだった歌手です。

今も活動されているアーティストだからこそ、尊敬します。


歌詞を素材にする時、どこを切り取って素材にしたら良いのか悩みます。

そもそも歌詞は、歌い始めから歌い終わりまでの言葉で1つの集合体となっています。

それが作品なのです。

そこから、切り取って素材にするというのはある意味では失礼なのかもしれません。

しかし、切り取らないと小話に活用することは難しいのです。

だからこそ、その歌手が言いたいことや自分が感動したことと擦り合わせながら、言葉を選び、切り取って活用します。



まずは原稿を読んでみましょう⇩



(ケンカ と提示)

 みなさんは、友達や家族とケンカしたことがありますか?

 最近、こんな歌を見つけました。


(「ケンカをした日は つまんない毎日だ」 と提示)

 先生は、「毎日」に注目しました。

 ケンカをすると、その日だけでなく、毎日がつまらなくなる気分になりますよね。



 この歌は、その後こんな歌詞が続きます。


 □ から ごめんねをもらえないんだ

 □にはどんな言葉が入るでしょう?

(少し間をおいてから)もう少し見せますね。


 □ が言えないから ごめんねをもらえないんだ

 わかりましたか?

(わかる子が出てきてから)正解は、

 ごめんねが言えないから ごめんねをもらえないんだ

でした。



 もう一度、歌詞を見てみましょう。


ケンカをした日は つまらない毎日だ

ごめんねが言えないから ごめんねをもらえないんだ


 自分から「ごめんね」を言える人は、相手からも「ごめんね」を言ってもらえる人になります。自分から動いて、相手の気持ちを動かせる人になれるといいですね。


最後に、この歌にはこんな歌詞もあることを紹介して、話を終わりにします。


キミが笑って 幸せになれるなら

きっと その時はボクも 幸せになっているから



いかがでしたか?


ごめんねが言えないから ごめんねをもらえない


というフレーズが一番心に残りました。


これは、歌詞を読んでいた訳ではなく、たまたまこの歌がアレクサから流れてきて掴んだ言葉なんですね。

素材との出合いは本当にどこで出合うのか分からないものです。

まさか昔ファンだったアーティストからも素材をいただけるとは、嬉しかったです。


キミが幸せになれるなら ボクも幸せになっているから


このフレーズもステキですよね。


こうしたキーフレーズを掴むことができれば、小話の素材として価値あるものを見つけています。

自信をもって作ってしまいましょう。

もしそれでも、自分の言葉の切り取り方に不安がある場合は、その歌そのものを最後に1曲聴かせるという演出も取り入れてみてはいかがでしょうか?


聴覚に訴えて小話を終えるやり方もありです。

五感に訴えるからこそ、より伝わりやすい話となります。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月30日日曜日

とっておきの話356「もっと楽しくなるよね、ハム太郎」の裏話

Twitterに、とっておきの話356「もっと楽しくなるよね、ハム太郎」の原稿をアップしました。

とっておきの話356「もっと楽しくなるよね、ハム太郎」の原稿



子どもの頃によく観ていたアニメの再放送を、大人になってから観た時、その頃は感じなかった良さや価値に気付かされることがあります。


作成当時の僕にとってハム太郎はまさにそんなアニメ。

ハム太郎に、というよりは、ろこちゃんの考え方に感動したのですけどね。


それでは原稿を読んでみましょう⇩



(ハム太郎 の画像を提示)

 


 みなさんは、「とっとこハム太郎」というアニメを知っていますか?

 先生は子どもの頃、よく見ていました。

 ハムスターを主人公にしたお話なのですが、大人になってから見直したら、ハム太郎じゃなくて、ハム太郎を飼っている飼い主のろこちゃんという女の子が面白いと思いました。



 (ろこちゃん の画像を提示)この子が飼い主のろこちゃんです。

 


(ろこちゃんが日記を書く画像を提示)ろこちゃんはいつも、寝る前に日記を書くのですが、書き終わるといつもハム太郎に向かってあるセリフを言います。



面白いのが、このろこちゃんのセリフは、1話から最終話まで、いつも同じセリフなのです。どんなセリフだと思いますか?

   


 ろこちゃんは、一日の終わりにこんなセリフをハム太郎に言うのです。(以下を提示)


今日はとっても楽しかったね。

明日はもっと楽しくなるよね、ハム太郎。


 ろこちゃんのすごいのは、悲しい出来事があった一日の終わりにも、このセリフを毎日言っているところですね。

今日はいろいろあったけど楽しかった。

明日はもっと楽しくなるって信じている。

ろこちゃんみたいに寝る前に楽しい気持ちで一日をふりかえられたらステキですね。



いかがでしたか?


シーンとしては10秒足らずのアニメの1コマなのですが、毎回同じシーンがやってくる度にこのろこちゃんの前向きな気持ちに励まされるものがあるのです。


日によって起きる出来事は変わります。

もちろん、楽しい日もあれば、楽しくない日もあって当然です。


しかし、どんな日であっても、

明日はもっと楽しくなるよね、と信じて一日を終える前向きな気持ち

って本当に大切だなぁと思います。


ろこちゃんから学べることってあると思うのです。



学校生活も、毎日のように繰り返されながら、楽しい日も楽しくない日もあるような日々ですよね。

そんな中、子どもたちもろこちゃんのような気持ちをもってほしいと思い、小話にしました。


実際に特別支援学級でこの小話をしてみたことがあります。

聞いた後、子どもたちと帰りのあいさつをする時に

「明日はもっと楽しくなりますように!」

とみんなで言うコーナーができました。

合言葉になったんですね。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月29日土曜日

とっておきの話355「心ってどこにあるのでしょう?」の裏話

Twitterに、とっておきの話355「心ってどこにあるのでしょう?」の原稿をアップしました。

とっておきの話355「心ってどこにあるのでしょう?」の原稿



心ってどこにあるのでしょう?


このタイトルを見た時、あなたはまず体のどんな場所を思い浮かべますか?

頭、胸などがよく出てくる意見だと思います。

私もそうでした。


しかし、意外な答えが素材となった絵本には出ていたのです。

意外性があるからこそ、とっておきの話にしたいと思い、作りました。


まずは原稿を読んでみましょう⇩



【(心 こころ と提示)

 みなさんは、心ってどこにあると思いますか?

(頭、胸、などの意見が出るだろう)



 こんな絵本があるのを知っていますか?

(「心ってどこにあるのでしょう?」を提示)

 


 この絵本の中身、知りたいですか?(少し間をおく)

 少し教えると、こんなセリフが出てきます。(以下のセリフを提示)

心ってほんとうにすごい!かたちにはみえないけれどからだのいろんなところにあるんだね!

 (ほっぺ、むね、はな、あたま、おなか、しっぽ、みみ、て、あし、め、なみだ、くち、こえ

  と順番にふやしていきながら提示)



 どうしてそんなところに心があるの?と思った人は、この絵本、ぜひ読んでみてください。

みなさんは、この絵本のように、からだじゅうで心を感じていますか?

 なにげなく動かしている自分の体も、心をこめて動かしてみると、いつもと違う気持ちになるかもしれませんね。】


いかがでしたか?


心は体中のどこにでもある。


こうした新しい解釈に出合うと、思考が活性化されます。

原稿では、実際に絵本を読んでみてくださいと投げかけて話を終えていますが、ここから例示していくとより分かりやすく聞き手にこのメッセージが伝わると思います。


例えば、手。

手の中に心があるってどんな状態でしょう?

握手をしたり、拍手をしたり、手の動作に心をこめることはできますよね?

その時、手の中に心があると言えるのではないでしょうか。


こう考えると、絵本のように、

形には見えないけれど、体のいろんな所に心はある

という結論に導かれていきます。


心は見えないもの。

ですが、体のいたるところにあると思い、その一つ一つの動作に集中すると見えてくるものなのです。


そしてそこには必ず、相手がいます。

相手がいるから、心が見える。

相手のために動作するから、そこに心があると感じられる。

心ってすごいですね。


この絵本から教えられることは多いです。

みなさんなりにアレンジしてみて、道徳の自作教材授業にもぜひご活用ください。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月28日金曜日

とっておきの話354「本当に自分の力だけ?」の裏話

Twitterに、とっておきの話354「本当に自分の力だけ?」の原稿をアップしました。

とっておきの話354「本当に自分の力だけ?」の原稿



スポーツ選手のインタビューを観ていると、必ずどの選手も共通して出てくる言葉があります。

それは、「支えてくれたみなさんのおかげ」という言葉です。

こうしたおかげさまの精神は、スポーツ観戦が好きな人なら至る所で見かけることができます。

今回のとっておきの話は、そんなインタビューの中でも、相撲の力士さんの言葉を素材にしました。



それでは原稿を読んでみましょう⇩



(相撲の人のイラストを提示)




ある日、先生がニュースを見ていたら、大関になった相撲の人が出てきて、記者の人にインタビューされていました。大関が決まる試合に勝つことができたその人は、こんなふうに答えていました。


(「勝つことができて、     です。」と提示)



 □にはどんな気持ちが入ると思いますか?

(うれしい、たのしい、きもちがいい などの意見が出るだろう)

 先生は、「うれしいです」って言うのかな?と思いながら見ていたんですが、違いました。


(「勝つことができて、家族に感謝です。」と提示)

 この人は、自分が勝ってうれしい、よりも先に、まず家族に感謝したのです。

 どうしてだと思う?

(自分だけの力ではない といったような意見が出てくると良い)



 みなさんが出会う、自分がうれしい瞬間はたくさんあると思います。

 試合に勝ったとき、テストで100点をとったとき、できないことができるようになったとき

 でもそれは、本当に自分だけの力で手に入れた瞬間でしょうか?

 実は支えてくれた家族がいたはずです。


 うちに帰ったら、「テストで100点とってすごいでしょ?」の前に、おうちの人に「いつもありがとう、おかげでとれたよ」とまず言えるステキな人になれるといいですね。



いかがでしたか?


学級の子どもたちの中には、全て自分の力だけで成し遂げたような気分に浸っている子もいます。

そんな調子に乗り過ぎな子に優しく釘を刺せる小話です。

人は何か成果を上げると、調子に乗ってしまうものです。

大人だって勘違いして舞い上がっている人がいますから。


しかし、今回の素材のように、謙虚な姿勢で周りの人への感謝の気持ちをこめた言葉に出合うと、今の自分の姿勢や気持ちを振り返る良い機会となります。

その時、小話というストーリー性をもたせた流れで伝えると、聞き手も抵抗感なく頭に入るのではないでしょうか。


勝つことができて、家族に感謝です。


この真っ先に家族を思い浮かべて感謝している姿勢がすばらしいですよね。

たった一言ですが、この一言に様々な感情が込められていると分かるからこそ、

一言でも素材になるのです。



そして、今回のとっておきの話は、汎用性も高いです。

なぜなら、成果を上げたという場面は溢れているからこそ、思わず調子に乗ってしまう場面も溢れているからです。

まさに至る所で使える処方箋のような小話です。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月27日木曜日

とっておきの話353「生きている世界の広さ」の裏話

 Twitterに、とっておきの話353「生きている世界の広さ」の原稿をアップしました。

とっておきの話353「生きている世界の広さ」の原稿



とっておきの話は、ハッピーな話題ばかり取り上げている訳ではありません。

時には重たいテーマも取り扱います。

例えば今回のとっておきの話は、イジメがテーマです。

授業で取り扱う前に、小話でワンクッション置くという流れもあって良いと思います。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


(イジメ と提示)

 みなさんは、いじめたこと、いじめられたこと、いじめているのを見たことが今までありますか?思い出すだけでもつらいかもしれません。

 どんな形であれ、イジメに出会ったことのある人は意外と多いです。



 (「イジメ」の前に「さかなの」と提示)

 実は、魚の世界にもイジメがあることをみなさんは知っていますか?

 日本一の魚博士で有名なさかなクンは、こんなことを言っています。


「魚は広い海の中ならお互い助け合うのに狭い水槽に入れて育てるとイジメが発生するんです、イジメをする人は生きている世界が狭いんですね」





 (「イジメをする人は生きている世界がせまい」を再提示)

 みなさんは今生きている世界、ひろいですか?せまいですか?

 お互い助け合える、海のような広い世界で生きていたいものですね。

 では、広い世界で生きるってどういうことなのでしょう?

 今、少しでも考えたあなたは、きっとイジメをする人にはならないでしょう。



いかがでしたか?


僕も幼い頃、水族館に行った時、魚の世界のイジメを見たことがあります。

言われてみれば、海水浴に行った時はそんな光景を見たことが一度もありませんでした。


魚の話と人間の話を安易に直結させるのは軽率かもしれませんが、通じる部分も多少あるのではないかと思います。

つまり、イジメをする人はイジメにしか目が向いていないのですね。

視野が狭いのです。心が狭いのです。

そして、生きている世界がせまいのです。

これは納得のいく流れだと思います。


では逆に、広い世界で生きるというのはどういうことなのでしょう?

今回のとっておきの話では、その答えとなるものを提示していません。

しかし、この問いを考えることそれ自体にイジメ抑制の価値があると思っています。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月26日水曜日

とっておきの話352「尊敬しているから食べる」の裏話

Twitterに、とっておきの話352「尊敬しているから食べる」の原稿をアップしました。

とっておきの話352「尊敬しているから食べる」の原稿



妻と一緒にテレビを観る。

これは我が家の日常に溢れている光景です。


そこでは、一人でテレビを観るのとは違う刺激が得られます。

なぜなら、テレビをきっかけに会話や対話が生まれるからです。


ある日、テレビを観ていたら、さかなくんが出てきました。

番組とは関係なく、「さかなくんって魚を食べる話が有名だよね」と妻がつぶやきました。

「ん?それどういう話?」と聞き返す僕。

そこで教えてもらったエピソードと、自分なりに調べた情報を、今回の素材にしました。


素材は本当にどこで見つかるか分からないものです。

だからこそ、見つけた時のワクワクした気持ちはありますよね。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


【みなさんは、尊敬している人はいますか?

(ある程度意見を引き出す。お父さん、先生・・・などが出るだろう)

 では、尊敬している食べ物はありますか?

(そんけいしているたべもの と提示)



(さかなくんの写真を提示)

 


 この人は、さかなくんと呼ばれる人です。魚博士で、自分でたくさんの魚を飼ったり、水族館と一緒にたくさんの仕事をしたり・・・きっと日本で一番魚が好きな人でしょう。

 そんなさかなくんにある日、子どもからこんな質問がとどきました。

(「魚が大好きなさかなくんでも、魚を食べるのですか?」)

 みなさんはどう答えたと思いますか?好きなものを食べてしまうのはかわいそうと思うかもしれません。

でも、さかなくんは、「食べる」と答えました。



 その後、さかなくんはこんなふうに答えました。

(「魚のことをそんけいしているからこそ、おいしくたべる、たべられるところはぜんぶたべる。残しません。」)


 みなさんは、尊敬して食べているものはありますか?

 食べ物はすべてもともと生きていた命です。

感謝して「いただきます」を言いましょう。】



いかがでしたか?


さかなくんが魚を食べるという話は、なんだか説得力がありますよね。

魚のことを尊敬しているからこそ、おいしく食べる。

この考え方は個人的にも好きです。


この話は、魚でなくても同じエピソードがありそうですし、学校現場で言うと子どもたちの給食でも同じことが言えそうですよね。

食事とどう向き合うか。

こうした食育につながるような話は、いくつも持っておきたいものです。


みなさんは、食べ物を尊敬して食べていますか?

毎日あるからこそ、感謝も忘れず食べたいですね。

いただきます。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月25日火曜日

とっておきの話351「どんなふうに言うことば?」の裏話

Twitterに、とっておきの話351「どんなふうに言うことば?」の原稿をアップしました。

とっておきの話351「どんなふうに言うことば?」の原稿



ありがとう

ごめんなさい

おかげさま


これらの良いとされている言葉、みなさんはどんなふうに言っていますか?


今回のとっておきの話は、「何が良いか」ではなく、「どうしたら良いか」を問う話です。

WhatではなくHowです。


Whatばかり問う話だと、分かっているようで実際に行動が伴わない場合があります。

今回のようなHowを問う話をすると、具体的な行動指針が見えてきます。



それでは原稿を読んでみましょう⇩



【みなさんは、このことば、言ったことがありますか?

(「ありがとう」「ごめんなさい」「おかげさま」を順番に提示し、反応を待つ)

 このことばは、いいことばですか?わるいことばですか?

(どちらかに手をあげさせる)



 それぞれ、どんなふうに言うと、いいことばになるか、考えたことはありますか?

 先生は最近、なるほど~と思ったものに出合いました。紹介します。


ありがとう (      ) いいことば

ごめんなさい (     ) いいことば

おかげさま (      ) いいことば

 ( )にはそれぞれ、どんなふうに言うのかが書いてあります。何だと思いますか?


(少し間をおいてから、順に紹介する)


ありがとう どれだけ言っても いいことば

ごめんなさい 早く言ったら いいことば

おかげさま いつも言えたら いいことば



ありがとうは、どれだけ言ってもいいことば。どんどん言いましょう。

ごめんなさいは 早く言ったらいいことば。謝らないといけない時は早く言えるといいですね。

おかげさまは、いつも言えたらいいことば。○○のおかげでという気持ちはいつももっていたいですね。



 実は、今紹介したものを作ったのは、小学4年生の男の子です。

 みんなも気を付けて言ってみたら、どうしてこんなふうに言うと「いいことば」になるのか、わかるかもしれませんね。】



いかがでしたか?


参考文献は、平成27年度「楽しい子育て全国キャンペーン」~家庭で話そう!我が家のルール・家族のきずな・命の大切さ~三行詩優秀作品 佳作作品 小学生の部です。




こうした作文入賞作品からは、様々な素材を得られますし、いつもと違う切り口のものが多いです。

大人である私も新鮮な気持ちで受け止められる作品があります。

また、小学生が書いているからこそ、説得力が増す場合があります。

小学生から学べることって意外と多いですよ。



当時、この素材に出合った時は、世の中でいいことばとされているものに対する考え方に新しい道を示してくれたような気持ちになりました。


例えば「ありがとう」という言葉。

ありがとうと言うことが大切なのは聞き手も重々承知でしょう。

そこから一歩踏み込み、どのようにありがとうと言うかを考えさせることで、聞き手の思考を活性化することができます。

ありがとうと言おう。それだけでは聞き慣れていて思考停止になるのです。

聞き手の思考停止を防ぎ、いかに思考を刺激するか。

それがとっておきの話では大切なのです。



今回のとっておきの話は、さらに発展させて違う言葉の言い方を考えるのも面白いと思います。


いただきます

ごちそうさま

さよなら

こんにちは


等です。それぞれみなさんはどんなふうに言うことばだと思いますか?

Howを考えてみると違った受け止め方ができる言葉たちでしょう。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2022年1月24日月曜日

とっておきの話350「喜びを数えたら・・・」の裏話

Twitterに、とっておきの話350「喜びを数えたら・・・」の原稿をアップしました。

とっておきの話350「喜びを数えたら・・・」の原稿



歌詞が素材になることは多々あります。

歌の力ってすごいですよね。


昔の歌から今時の歌まで、素材になるような歌詞は世の中に溢れています。

今回のとっておきの話は、割と今時な歌から、「パプリカ」という歌の歌詞を素材にしました。

みんな大好き米津玄師さんの代表曲です。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


【(「パプリカ」を流す)

 この曲を知っていますか?米津玄師さん作曲の「パプリカ」ですね。





 この曲の中で出てくる歌詞に、先生の好きな言葉がありました。何だと思いますか?

(少し間をおいてから)

 これです。

(「よろこびをかぞえたら あなたでいっぱい」と提示)

 みんなで読んでみましょう。さんはい。



 (「あなた」を太字にして再提示)

 この「あなた」ってだれのことだと思いますか?

 みんなもよろこびをかぞえてみましょう。どんな人が出てくるかな?

(友達、先生、お母さん、お父さん・・・などが出てくるだろう)


 よろこびをかぞえたとき、自分が出てきたらうれしいですよね。

 みなさんも、だれかのよろこびになる「あなた」になってくださいね。】



いかがでしたか?


今回のとっておきの話では、まず素材となった歌を聞かせています。

歌詞を素材にすると、歌として聞かせることができるメリットが生まれます。

このメリットは使わない手はないです。


僕が「パプリカ」を聞いて良いなぁと思ったフレーズは


【喜びを数えたら あなたでいっぱい】

でした。


このフレーズに、

【あなた ってだれのことだと思いますか?】

という問いを添えることで、様々な場面の喜びが想起されませんか?

ここにこの素材の面白さがあると思ったのです。


そして、自分も誰かの喜びになる「あなた」になりたいと思わせることで、自分事として落としていきます。


たった1つのフレーズで、このように考えさせられる小話は簡単に作れるものです。


ちなみに米津玄師さんの作る歌には、パプリカ以外にもたくさん考えさせられる歌があります。

良かったら他の歌も聞いてみてください。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月23日日曜日

とっておきの話349「残り姿は美しく」の裏話

 Twitterに、とっておきの話349「残り姿は美しく」の原稿をアップしました。

とっておきの話349「残り姿は美しく」の原稿



今回の素材は、教育長だよりや校長室だよりから得た素材です。

教育長や校長先生の中には、小話をいくつも持っている方がいらっしゃいます。

それは職業柄、おたよりや講話で伝える場面が多いからだと予測します。

こうした人生の先輩であり、教員の先輩である人の話を真似して小話を作り直すのも、とっておきの話づくりの醍醐味です。

僕自身、いろんな地域から『教育長だより』を読むのが好きです。


今回の話は、後ろ姿ではなく、残り姿の話。

それでは原稿を読んでみましょう⇩



【(後ろ姿 と提示して,次の写真を同時に見せる)

 


 これは後ろ姿ですね。では,この言葉は知っていますか?

(残り姿 と提示)

 聞いたことがある人や意味がわかる人はいますか?(少し間をおく)


(次の画像を提示)

 


これは,サッカーの試合の後,日本のサポーターが残ってゴミ拾いをしている姿です。

何か出来事が終わった後やみんなが去った後に,残った人の姿や物の姿のことを,残り姿と言います。

この写真の残り姿は美しいですよね。

残ってゴミ拾い,ステキな残り姿です。



 さて,みなさんの周りには,どんな残り姿があるかな?(実態に合わせて例示する)

 例1 もうすぐ6年生が卒業しますね。(6年生向けに話してもいいし,在校生視点から話してもよい)美しい残り姿を見せてくださいね。

 例2 6年生を送る会が終わった後,みなさんが6年生のために作った作品が飾られて残っています。これも美しい残り姿ですね。


 残り姿は,日本の国で大切にしてきた文化の1つです。

 みなさんも,美しい残り姿を見せられる人になってくださいね。】



いかがでしたか?

当時は「残り姿」という言葉の新鮮さと、学級の子どもたちもこうした姿が見られるといいなぁと思い、とっておきの話にしました。


原稿では、卒業する6年生と在校生にスポットを当てて例示していますが、別の場面でも活用できる話です。


これは最近あった出来事なのですが、教室で「さよなら」をした後の担任する子どもたちの姿はまさに美しい「残り姿」でした。


机をそろえる子

ごみを拾う子

ほうきで掃除する子

黒板を消し直す子

本を整頓する子


それぞれがクラスのためにできることをやってから、教室を出て行ったのです。

何もせずに帰った子は一人もいませんでした。




こうした姿につながったのには様々な手立てと理由があるのですが、ここでは割愛します。

しかし、こうした具体的な「残り姿」のイメージをもっていると、今回のとっておきの話の意味合いも理解しやすいです。

みなさんの担任する子どもたちには、こうした美しい「残り姿」、ありますか?

無いという方も、今回のとっておきの話をきっかけに生み出してみませんか?




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月21日金曜日

とっておきの話348「相手がいることにありがとう」の裏話

Twitterに、とっておきの話348「相手がいることにありがとう」の原稿をアップしました。

とっておきの話348「相手がいることにありがとう」の原稿



今回の素材は、『いつもありがとう作文コンクール』の入賞作品から自分が心動かされたものを扱っています。

こうした作文は、ネットで検索すれば簡単に閲覧することができます。

当時は「ありがとう コンクール」と検索したらこのコンクールの存在を知りました。


入賞作品を読んでいくうちに気付いたのですが、たとえ賞としては上でも、自分の心には刺さらない作品もあれば、たとえ賞としては下でも、自分の心に刺さる作品もありました。

コンクール入賞の基準と、とっておきの話の素材採用の基準はきっと違うのでしょう。

あくまでとっておきの話の素材探しというのは、作り手が感動したかどうかが最初の基準となります。

これから出てくる作品『ねっ!おじいちゃん』も、賞としてはそこまですごく上な訳ではありません。

しかし、これはぜひとっておきの話として作りたいと思わせるフレーズがありました。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


【(「ありがとう」と提示)

 みなさんは、「ありがとう」という言葉、大事にしていますか?


 (「だれに伝えましたか?」と提示)

 今までみなさんは、だれに「ありがとう」を伝えましたか?

(お母さん、お父さん、おばあちゃん、友達など・・・意見を出すだけ出す)

 今みんなが言ってくれたように、ありがとうをだれに伝えたかな?と先生が思い出すきっかけになった作文があります。

この作文は、小学6年生の男の子が、大好きなおじいちゃんのことを書いた作文でした。



 その作文には、こんな悲しい場面がありました。

 おじいちゃんがとつぜんたおれて天国へ行ってしまうのです。



 その出来事があって、男の子はこんなことを考えます。


ぼくは後悔しました。

ずっと祖そ父と一いっ緒しょにいられると思おもっていたので、ありがとうを伝え忘れてしまいました。

ちゃんと目と目を見て、自分の口からありがとうを言える毎日があったのに、どうしてそれができなかったのだろうと思いました。


そして、ありがとうが言える相手がいる事がありがとうだったんだと気きづきました。


(赤字部分を再提示)


 みなさんには、「ありがとう」を言えるのに言えずに先延ばしにしている相手はいませんか?

 ありがとうを言える相手がいることは当たり前ではありません。

 後悔する前に、伝えられるといいですね。】




いかがでしたか?


「ありがとう」をテーマにまた新たな視点を与えられるような小話が作れたのではないかと思います。

「ありがとう」という言葉は、「ありがとう」を受け取る相手がいるからこそ成立する言葉。

だからこそ、「ありがとう」を言える相手がいるという状況を当たり前と思わず、感謝の気持ちをもって伝えることが大切なのです。



人は失くしてから大切なものに気付くものです。

同じように、亡くなった人というのは私たちに様々な感情や考えを遺されていきます。

そうした感情の中でも、後悔は遺したくないですね。



私も、「ありがとう」を言える人がいるということに感謝して生きていきたいです。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月20日木曜日

とっておきの話347「倒産する会社の共通点」の裏話

Twitterに、とっておきの話347「倒産する会社の共通点」の原稿をアップしました。

とっておきの話347「倒産する会社の共通点」の原稿



みなさんは、ドラマ「半沢直樹」をご存知ですか?

毎回高視聴率を出すテレビドラマです。

当時の僕は、第2シーズンの「半沢直樹」を夢中で観ていました。





なぜこんなにもこのドラマは観ている人を夢中にさせるのか。

その要因の一つは、言葉の力だと思います。

主人公の半沢が、なかなか深い言葉を発することがあるのです。


今回のとっておきの話は、そんな「半沢直樹」のワンシーンを素材として切り取りました。

それにしても俳優さんたちの演技は鬼気迫るものがあり、写真よりも動画で見せたいところですね。


それでは原稿を読んでみましょう⇩



【突然ですが、みなさんはこの○○学校の○年○組にいて、自信と誇りをもっていますか?

(少し間をおいてから)なぜこんな質問をしたかというと、「半沢直樹」というドラマにこんなシーンがあったからです。(次のセリフを提示)


「倒産寸前の会社では、大企業でも大阪の小さな町工場でも同じ現象が起きる」

「何ですか?」

「挨拶だよ」

「挨拶?」

倒産する会社は、社外の人たちに挨拶をしなくなっていく。会社に対する自信と誇りがなくなるからだ


(セリフの中の「挨拶」だけ□にして考えさせる)

□に入る言葉は何でしょう?

正解は、「挨拶」です。


 さて、わたしたちはあいさつができているでしょうか?

 倒産する会社のように、自信や誇りを失いたくないですね。】



いかがでしたか?

挨拶をしない=自信と誇りがない

この考え方が新鮮でした。



所属するコミュニティに自信と誇りをもっている人こそ、挨拶ができる人になる。

この相関関係はなるほどなぁと思いました。

もちろん、「挨拶」と「自信や誇り」は完全に一致する関係とまでは言えません。

他にも挨拶をしない要因はあるでしょう。

しかし、考え方の1つとして、こうした視点を提供できるのは有意義でしょう。

今回のとっておきの話をきっかけに、挨拶に向けた姿勢が変われば幸いです。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月19日水曜日

とっておきの話346「働きアリの法則」の裏話

Twitterに、とっておきの話346「働きアリの法則」の原稿をアップしました。

とっておきの話346「働きアリの法則」の原稿



生き物の研究結果というのは、同じ生き物である人間にも共通する部分があります。

他の生き物から教訓を得るというパターンですね。

その中でも、アリの姿から教訓を得られることは多いです。

今回のとっておきの話も、そんなアリの研究結果を素材にしています。



それでは原稿を読んでみましょう⇩



【(アリの画像を見せる)


 みなさんは、アリの世界にも「よく働くアリ」と「さぼっているアリ」がいるのを知っていますか?



 働きアリは、3種類にわかれるそうです。

「よく働くアリ」「ふつうに働いているアリ(時々さぼる)」「ずっとさぼっているアリ」の3種類です。北海道に住む長谷川さんというアリ博士は、3種類の比率を解明しました。

(2:6:2)

全員で10だとすると、よく働くアリは2、ふつうに働いているアリは6、ずっとさぼっているアリは2になるそうです。



(学級に応じて人数を調整して当てはめて見せる)

 もしみんながアリだとするのなら、こうなります。

 あなたはどこにはいっていますか?


 でも、あなたたちはアリではないですよね。

 せんせいは、こうであってほしいと思います。

(10:0:0)

 みんながみんなのためによくはたらくチーム。アリにまけないチーム力を見せてほしいです。】




いかがでしたか?



話の終わりの方で、実際に働きアリの法則に従って学級の子どもたちを当てはめてみるということをしていますが、最後には「でも、あなたたちはアリではないですよね。」とフォローを入れることで切り込み方を緩和しています。





この働きアリの法則でいう「働かない」の定義ですが、資質や能力が足りていないくて「働けない」のと、本当は実力があるのにめんどくさがってサボって「働かない」のとは大きな意味の差があります。

後者の子どもたちに対して良い刺激を与えられるよう話したいです。



人間も同じように、「2:6:2」なのでしょうか?

教育書を読んでいると、学級の子どもたちもこのような比率に当てはめられると提唱している本に出合います。


「よくできる子」:「中間層」:「特別な支援が必要な子」

2:6:2


つまり、6割の中間層をまずまとめることができれば、学級は安定していくという論調です。



働きアリの法則について原稿に書いていないことでさらに面白いのは、たとえここから働かないアリを取り除いたとしても、残った8割のアリの中でまた2割のアリが「働かないアリ」になってしまうという研究結果です。


これも人間に通じることがあるような気がします。

今まで学級の仕事をサボることをしなかったあの子が、友達が休んだことでバランスを崩し、急に態度が変わることもあります。


もしかしたら、働きアリの法則は意外と人間にも浸透している法則なのかもしれません。


しかし、そこをあえて「10:0:0」であってほしいと先生の願いとして締めくくりに伝えることで、この「働きアリの法則」をポジティブに捉えてほしいと思っています。





気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月18日火曜日

とっておきの話345「親子時計」の裏話

Twitterに、とっておきの話345「親子時計」の原稿をアップしました。

とっておきの話345「親子時計」の原稿



今回のとっておきの話、時計の針の動きを見ていたらなんとなく浮かんできた話なのですが、自分で生み出した素材というよりは、どこかで聞いた話だったような気がします。


どこで聞いたかは忘れてしまいましたが、ふと思い出す瞬間ってありますよね。

そんな時、とっておきの話にできるような話が浮かぶこともあります。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


【(時計の画像を出す)



 長い針を親、短い針を子どもだと思ってください。今日はこんな話をします。

(「親子時計」と提示)


 (0時0分 を提示)

 はじめ、親子はいっしょの場所にいます。

 (1時 を提示)

 では、1時から2時へ進む時はどうでしょう?

 (1時5分を提示)

 親はここで子どもによりそってくれます。このよりそってくれるまでの時間が、親の力をかりずに「じぶんでできた」時間です。この時は、まだこれだけしか自分でできませんね。

 (2時10分、3時15分、4時20分・・・と見せる)



 それぞれの時間帯で、親がよりそってくれる時間はちがいます。自分でできる時間も違います

 みんなの親子時計は今何時かな?

 親に甘えてばかりの1時?それとももっと自分でできる6時?10時?


 (11時~12時の時計の動きを見せる)

 11時から12時に進む時、親がよりそう前に、子どもは一周してしまいます。

 全部親の力をかりずに、自分の力だけで一周します。

 みんなにも人生の11時台が来てほしいと思います。

 ちなみに、12時になる時は・・・自分に子どもができる時です。



いかがでしたか?


時計の長い針と短い針の関係を親子関係と照らし合わせて考えると、

自立時間

という新しい概念や視点が生まれるところにこの話の面白さがあると思います。




このように、普段何気なく見ている物でもどう意味づけるかによって全く違う新鮮な物として見ている人に届くのです。

この新鮮さがとっておきの話づくりには大切です。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月17日月曜日

とっておきの話344「先生は○○ではありません。」の裏話

Twitterに、とっておきの話344「先生は○○ではありません。」の原稿をアップしました。

とっておきの話344「先生は○○ではありません。」の原稿



とっておきの話づくりをしていると、目の前の子どもたちの様子を見ただけでふと小話が新しくできてしまうことがあります。


目の前の子どもの様子が素材になるのです


今回のとっておきの話は、自分の感覚だけで作った小話です。

だからこそ、他の人にも使えるかどうかは分かりません。

しかし、自分自身で作った小話を一番熱く話せるのは、自分です。

こうした良さが得られるのです。


そんな作り方もあり?

と思うかもしれませんが、ありなのです。

この自由度がとっておきの話づくりの魅力の一つでもあるのです。

ただ、この自由度を生かせるようになったのは、やはり僕がここまでとっておきの話づくりを続けてきたからこそだと思います。


当時、僕は特別支援学級の担任をしていました。

担任していた子どもたちが僕に言うのです。

「先生!トイレ!」

と。

思わず「先生はトイレではありません」と返事をする僕。

その後も「先生!水筒!」なんてやり取りもあり、だんだんと

小話にできるのではないか?

という発想が浮かんだのです。


そうしてできた原稿がこちら↓


【(「先生は○○ではありません。」と表示)

 今日はどんなお話だと思いますか?


 ① トイレではありません(先生、トイレ。ではなく、トイレに行って来ていいですか)

 ② お茶ではありません(先生、お茶。ではなく、お茶を飲んでもいいですか)

 ③ 召使いではありません(~とって。~もってきて。ではなく、~してください。)

 ④ 魔法使いではありません(~して。~したい。がいつも叶うとは限りません)

 ⑤ 友達ではありません(いつも一緒に遊ぶ、は友達と。先生に依存しない)




 (「先生は○○です。」と表示)

 ① これから出会うたくさんの大人のうちの一人です。➡目上の人と接する練習です

 ② 人間です。➡「ありがとうございます」「ごめんなさい」返事やあいさつをもらえると気持

ちいです。

 ③ あなたたちのことが大好きです。➡時には叱ることも。でもそれは、思っているからこそ】



心掛けたのはとにかくシンプルに分かりやすいとっておきの話にしようと思いました。

だからこそ、それぞれ端的な言葉でリズム良く話せるように原稿を作りました。

そして、キーフレーズとして2つのフレーズを対比させながら提示しています。


① 先生は○○ではありません。

② 先生は○○です。


①によって、聞き手である子どもの関心を掴んだ上で、②によって、大事なことを端的に分かりやすく伝える。
そんな流れを生み出せるような原稿を作りました。

また、それぞれの喩えに対して視覚的に訴えられるようにイラストを活用しました。


ここまで考えることができたのは、当時は特別支援学級の子どもたち相手のとっておきの話に挑戦していたという特殊な状況があったからなのかもしれません。

ある意味でまた鍛えられたのだと思います。





気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月15日土曜日

とっておきの話343「世界が変わる仕草」の裏話

Twitterに、とっておきの話343「世界が変わる仕草」の原稿をアップしました。

とっておきの話343「世界が変わる仕草」の原稿



タイトルを見て、どんな仕草を想像しましたか?


今回のとっておきの話は、

笑顔

がテーマです。


笑顔の力については、様々な研究や話があります。

それだけ様々な角度から語れるのが笑顔という仕草なのです。

今回のとっておきの話は、グリコのCMを観ていたら出てきた笑顔トリビアが素材になっています。

網羅的に紹介するのではなく、特に話し手である教師が感動したものを焦点化して紹介することも大事です。


それでは原稿を読んでみましょう⇩



【突然ですがクイズです。子どもは一日400回もしていることですが、大人になるとたったの15回しかしなくなると言われている仕草があります。それは何でしょう?

(数名指名)

 正解は、こちらです。

(笑う 笑顔 と板書)

 このことはあるCMを観て知りました。

そのCMでは、他にもこんなことを言っていました。

 (次の言葉を提示)


・笑顔でいると頼りにされる

・笑うと脳が活性化する

・笑顔は、300フィート先でも認識できる表情

・誰かと一緒の方が、30倍も笑いやすい

・笑顔の人の方が、記憶に残りやすい。

・大切な人を想うと、自然な笑顔になる。


 中でも特に先生の心に響いた言葉を紹介します。

(次の言葉を板書)


世界でたったひとりだったら、人はきっと笑顔になれない

幸せだから笑うのではなく、□。


□の中にどんな言葉が入るか、知りたいですか?

(少し間をおく)

では、実際にCMを観てみましょう。

(CMを流す)




 (次の言葉を板書)

幸せだから笑うのではなく、笑うから幸せになれる。

あなたが笑うと、世界が変わる。


 みなさんは最近、笑えていますか?

 みなさんも笑いや笑顔の力を信じて、世界を幸せな方向に変えてみませんか?】





いかがでしたか?


網羅的な紹介によって動機付けをして、焦点化な紹介によって話し手独自の意味付けをする話し方を心掛けました。

当時は「あなたが笑うと、世界が変わる。」という言葉に焦点化したいと思ったのですね。

このとっておきの話は、様々なアレンジができそうです。

「笑顔の人の方が、記憶に残りやすい。」という言葉を素材にしてとっておきの話として作っても良いですよね。



ここは本当に作り手の価値観が出てくると思います。

だからこそ、その人にしか話せない話ができることでしょう。

同じ「笑顔」というテーマだとしても。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月14日金曜日

とっておきの話342「紙民力」の裏話

Twitterに、とっておきの話342「紙民力」の原稿をアップしました。

とっておきの話342「紙民力」の原稿



素材探しは車の運転中でもできます。

よそ見運転はもちろんいけませんよ。


そうではなく、たまたま走っていた前の車の後ろ姿から素材を得られることがあるのです。

今回のとっておきの話は、ゴミ収集車の後ろ姿を素材にしています。



それでは原稿を読んでみましょう⇩



(次の画像を提示)

 


 最近、車を運転していたら、目の前をごみ清掃車が走っていました。

その車の後ろに面白い物を見つけました。何だかわかりますか?

(しばらく間をおく)



 (市民力 紙民力 と板書)

 どうして左側の「市民」ではなく、右側の「紙民」と書いているのか、この言葉にこめられた意味がわかりますか?

(何人か指名する)



 私たちは、○○市に住んでいれば、〇〇市の市民と呼ばれます。

 でも、「紙民」になれているかどうかは、一人一人が紙を大切に使おうというリサイクルの心を持っているかどうかにかかっています。

 〇〇市民のみなさん、ぜひ、「紙」の方の「紙民力」を発揮できる「紙民」になってください。】




いかがでしたか?

何気なく見た前を走っているゴミ収集車の後ろ姿に、

紙民力

という言葉を見つけ、その独特な表現に惹かれてとっておきの話にしました。

独特な表現だからこそ、聞き手の子どもたちの興味も惹かれる話にしやすいです。


紙を大切に使う子に育ってほしいと思う方は、今回のとっておきの話をきっかけにしてみてください。



今回の原稿を読んでみると、構成としてはシンプルですよね。

言葉の数は少なめです。

こういう時こそ話し方に気を付けてみてください。

間を空けることも大事です。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月13日木曜日

とっておきの話341「嫌な顔、してる?」の裏話

Twitterに、とっておきの話341「嫌な顔、してる?」の原稿をアップしました。

とっておきの話341「嫌な顔、してる?」の原稿



私の恩師からの言葉で

いつも上機嫌でいなさい

という言葉があります。


初めて聞いた時、なぜ「いつも」上機嫌なのだろうか。

時には上機嫌になれない日があってもいいじゃないかと思っていました。


しかし、何かがあるから上機嫌ではなく、上機嫌でいるから何かが起きるという発想に変えることで、この言葉の重みが分かってきました。


今回のとっておきの話は、そんな顔の表情に注目した話。

それでは原稿を読んでみましょう⇩



(次の文章を提示)

オールロケの番組で彼ら2人の時はいつも大雨が降ったり、風が吹いたり、暑かったり寒かったり。

2人とも愚痴(文句)1つ言わず、時間遅れることなく、一生懸命仕事をするんだと。

彼らは本当にいいね、ということでした。親御さんの育て方と言いますか、教育のたまものだなと思っております。


だれの話だか分かりますか?

正解は、タカアンドトシというコンビ芸人さんの話です。

(タカアンドトシの写真を提示)

 




 右に映っているトシさんのお父さんも、周りから信頼されている働き者でした。

そして、お父さんのお父さんにあたるトシさんのおじいさんも、北海道で水産業を営むすごい人でした。

そんなおじいさんから言われたある言葉を、お父さんもトシさんに伝えます。

(次の言葉を提示)

とにかく(   )して仕事するな。


 (  )に入る言葉は何だと思いますか?(少し間をおく)



 正解は、こちら。

とにかく(嫌な顔)して仕事するな。


どんなに嫌だろうが何だろうが、とにかく嫌な顔をせず、笑顔で仕事しろ。

そうすれば、人は自分のことを認めてくれるというのがおじいさんの代から受け継いだ教えだそうです。

みなさんはふだん、どんな顔をして勉強していますか?授業していますか?

 もしかして、嫌な顔、していませんか?】




いかがでしたか?

嫌な顔をしているかどうかは、自分ではなかなか意識していないですよね。

だからこそ、鏡を見てみましょう。


自分が思っている顔ではない顔がそこにあることがあります。

人柄は表情に表れます。


とにかく嫌な顔をして仕事しない。

自戒の念も込めたい言葉です。


これは、学校生活を送る子どもたちも同様です。

嫌な顔をしている子こそ、問題を抱えているものです。

まずは嫌な顔を自覚し、上機嫌でいるように心がける。

それだけで、抱えている問題は大幅に減るでしょう。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月12日水曜日

とっておきの話340「日本は良いってホントに?」の裏話

 Twitterに、とっておきの話340「日本は良いってホントに?」の原稿をアップしました。

とっておきの話340「日本は良いってホントに?」の原稿



外国人から見た日本の姿

と聞くと、良い事ばかりがメディアで取り上げられているイメージがあります。




その刷り込みによって私たちは、日本の良い所にしか目を向けず、これでいいのだと思い込んでいないでしょうか?

今回のとっておきの話は、あえて日本の悪い所として取り上げた話題の記事を素材にしました。


それでは原稿を読んでみましょう⇩



(横断歩道の写真を提示。歩行者がいるのに車が通り過ぎていく写真が望ましい。)

 


 ある新聞記事に、こんな一文を見つけました。


名城大准教授のマーク・リバックさんが「日本に来て、とまどったことのひとつは、日本は…


 さて、この先に続く言葉は何だと思いますか?

ヒントはこの写真です。(数名指名)



正解は、こんなふうに言葉が続きます。

日本は『信号機のない横断歩道は車優先』ということだ


 みなさんも経験がありますか?

横断歩道で待っていても止まってくれない車、見たことがありませんか?

本当は道路交通法違反と言って法律を守っていないことになるのですが…

外国人から見て日本は危ない国、非常識な国なんて思われているのかもしれませんね。


実際にリバックさんは、こんな提案をしています。


歩行者優先が無理なら「日本では横断歩道では車は止まりません」と外国人に周知してほしい


外国人にとってこの光景は当たり前ではないから、あらかじめ教えておいてほしいという提案です。

みなさんは、この提案、どう思いますか?(少し間をおく)


この記事は、リバックさんのこの提案を受けて、こう締めくくられています。


きわめて合理的である。そして情けない話である。


「世界から見て日本は良い国」ってホントなのでしょうかね?】



いかがでしたか?


読み返してみると辛辣ですよね。

外国人から見て、必ずしも日本は良い国と思われている側面だけではないということをこの話を通して知ってもらいたいです。


物事には光もあれば闇もあります。

どちらも見つめるからこそ、本質が見えてきます。


横断歩道に人がいても止まらない車。

日本では本当によく見かけます。

それは世界的に見たら異質な国として受け取られているのです。


もちろん、1つの記事だけでそう結論づけるのは危険です。

客観的ではないので、さらに慎重に調べる必要もあります。

しかし、この話をきっかけにして、「本当に日本は世界から見て良い国なのだろうか?」と自分で考えられる子になってほしいです。


原稿の最後に出てくるように、

情けない話

にも耳を傾け、考え、行動できる人が育てば、日本はより一層良い国として見られるのではないでしょうか。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月11日火曜日

とっておきの話339「金城さんに」の裏話

Twitterに、とっておきの話339「金城さんに」の原稿をアップしました。

とっておきの話339「金城さんに」の原稿



タイトルを読むと分かると思いますが、固有名詞が使われています。

有名人は普通、「みなさんに」という言葉をよく使います。

特にテレビに出演する人やメディアに取り上げられる人は、大衆を相手にしているからこそこの言葉を多用します。

しかし、僕がテレビを観ていて出合った米代さんという小説家さんは違いました。


まずは原稿を読んでみましょう⇩



【(米代恭さんの写真を提示)

 


彼女の名前は米代恭さん。

漫画家さんです。

「あげくの果てのカノン」という漫画が大ヒットし、人気になった売れっ子の漫画家さんです。

そんな米代さん、あるテレビ番組でこんなことを大切にしていると言っていました。


(□に面白いと思ってもらえるものを描く と板書)

□に入る言葉は何だと思いますか?

(数名指名。「お客さん」「読者」という意見が出そう)


 正解は、こちら。(次の言葉を提示)

金城さんに面白いと思ってもらえるものを描く


 金城さん?だれ?とみなさん思いましたよね。(次の画像を提示)

 


 左に映っているのが金城さん。

彼女の職業は、編集者です。

実は、漫画は漫画家さんだけで描いている訳ではなく、担当の編集者さんが付いて、打ち合わせを重ねながら完成させていきます。

そんな金城さんが面白いと思うものをまず描こうというのが米代さんの信念です。

私たちのように大勢の読者の人たちよりも、目の前の金城さんという大切な人に面白いと思ってもらうものを描くというのです。


(目の前の大切な一人 と板書)


 みなさんには、金城さんのような目の前の大切な一人と呼べる人がいますか?

いないという人は、実は気づいていないだけなのかもしれませんね。】




いかがでしたか?



今回のとっておきの話を通して伝えたいメッセージは何でしょうか?

それは、「みなさんに」向けての前に、

目の前の大切な一人に向けて

を意識することの価値を問いかけているのだと思います。



自分の身近にいる一人を大事にできない人は、大衆も大事にできる訳がありません。

これは学校生活を送る子どもたちも同じで、自分にとって友達や親友と呼べるまず身近な人を大事にできない人は、他のクラスメイトとの関係も大事にできないのです。


灯台下暗し。

森を見て木を見ず。


目の前の大切な一人を意識し、価値を置き続けてきた人こそ、みんなから愛されるようになります。



これは自戒の念も込めて教員もそうです。

みんなに届く話、みんなに受ける授業を意識するよりもまず、

「あの子に届いたらいいな」

から始めることをお勧めします。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月10日月曜日

とっておきの話338「英語を学ぶとは」の裏話

Twitterに、とっておきの話338「英語を学ぶとは」の原稿をアップしました。

とっておきの話338「英語を学ぶとは」の原稿



言語を学ぶ時、ただその国の言葉を使えるようになったら学ぶことができた気になりますよね。

しかし、今回のとっておきの話は、それだけでは意識が甘いことを教えてくれます。

例えば、英語。

英語を話せるだけで終わっていてはまだまだ意識が甘いのです。


それでは原稿を読んでみましょう⇩



【(英語 と板書)

みなさんは、英語を話すのが得意ですか?

今日は、英語を話すのが得意なこの人の話です。

(室井麻希さんの写真を提示)

 


彼女の名前は室井麻希さん。

H&Mという服のお店で働く人です。

世界をまたいで働く室井さんは、小さい頃から英語を話すのが得意で、留学したり、外国に住んだりしていました。

しかし、大学では成績の悪いクラスに入れられてしまいます。

その時を振り返って、室井さんはこんなことを言っています。

どんなに語学力があっても、交渉力やプレゼンテーション力がないと本当にダメなんです。


 ただ英語を話せるだけでは世界で通用しない。

逆に、英語を話せなくても、別の部分で力を持っていればその人の方が世界で通用するのだそうです。



 そんな室井さん、日本語を話す時は、次のことに気を付けているそうです。

(敬語を使わない と板書)

 なぜたか分かりますか?

その理由は、英語の「どんな人とも気軽に話せる雰囲気」を日本語に生かして話しているからだそうです。


逆に、英語を話す時は、次のことに気を付けています。

(丁寧な言葉で話す と板書)

 その理由は、日本語の「どんな人とも丁寧に思いやりをもって話せる雰囲気」を英語に生かして話しているからだそうです。

英語にも丁寧語があるって知っていましたか?


(英語を学ぶ と板書)

 みなさんが英語を学ぶ理由は何だと思いますか?

それは、ただ英語が話せるようになるためだけではなく、もっと別の理由があるのかもしれませんね。

ぜひ、英語を学ぶ理由を、自分自身で見つけてみてくださいね。】






いかがでしたか?

室井さんの凄さは、日本語を話す時には英語の良さを取り入れて話し、逆に英語を話す時には日本語の良さを取り入れて話しているところです。

それぞれの言語の特性を活かし、良さを取り入れながら話すことで、本当の意味で言語を学んだ成果が出るのではないでしょうか。



学校では、外国語を学ぶ場面がたくさんあります。

だからこそ、この話をきっかけに

「外国語を学ぶとは?どんな力を身に付けるため?」

を考える子どもになってほしいですね。


こうした問いは、教科書には載っていません。

小話によって新たに視点を与えることで、学習に対する姿勢も変わるものです。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月9日日曜日

とっておきの話337「人気芸人の裏では・・・」の裏話

 Twitterに、とっておきの話337「人気芸人の裏では・・・」の原稿をアップしました。

とっておきの話337「人気芸人の裏では・・・」の原稿



とっておきの話というのは、教師が感動した素材をきっかけに小話を作成しています。

逆に言うと、感動しない素材は素材になりません。


では、どんなところで感動をするのか。

その要因の1つは、「自分の知らない人の存在に気付いた時」です。


例えば、今回のとっておきの話は、芸人さんにスポットを当てています。

芸人さんの世界はシビアで、特にメディアは残酷なまでに人気芸人さんばかりを画面に映し出します。

それはコンビ芸人であっても同じで、片方の人ばかり活躍しているようなイメージを僕らは知らず知らずのうちに刷り込まれていることもあります。


みなさんは、芸人のみやぞんさんをご存知ですか?

今回のとっておきの話を作成した当時、人気芸人さんでした。

しかし、みやぞんさんのいるコンビ名は知りませんでした。

ましてや、相方がどんな人かも知りませんでした。

こうした自分の知らない人の存在に気付かされたエピソードが今回の素材になっています。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


【(370本以上 と板書)

これは何の数字か分かりますか?(少し間をおく)

実は、ある芸人さんがある年に出演したテレビ番組の本数です。

みなさんはこの芸人さんを知っていますか?

(みやぞんの画像を提示)みやぞんさんです。

 



 今日はこのみやぞんさん、ではなく、こう呼ばれる人の話をします。

(次の言葉を板書)

 みやぞんの裏


 誰のことだか、わかりますか?(少し間をおく)

 正解は、この人です。(次の画像を提示)

 相方の、あらぽんさんです。

 



 忙しいスケジュールの中、陰ながらみやぞんさんを支えているあらぽんさん。

二人はけんかしたことがないそうです。

みやぞんさんも、自分だけ名前が知られて売れていても「あらぽんはすごい人なんです」と言い続けています。

そんなあらぽんさん、漫才をする前に必ずいつもみやぞんさんに伝えていることがあります。

何だと思いますか?(少し間をおく)

こんなことです。

何も考えないでいい と板書)


 ありのままのみやぞんさんが一番面白いというあらぽんさんは、みやぞんさんには台本や内容を教えず、教えるのは時間と場所だけ。

あとの打ち合わせは全て自分でやっているそうです。

人気芸人さんはコンビで人気になるとは限りません。

しかし、その裏には、陰ながら支える相方の人の苦労があるものです。

みなさんは、好きなコンビ芸人さんはいますか?】




ありのままの姿が人気芸人みやぞんさんの魅力。

そのことを一番良く理解している相方あらぽんさんの存在。

「何も考えないでいい」と言ってのけるあらぽんさんの度量の広さや包容力に心動かされるものがありました。



今回の素材は、「1分間の深イイ話」というテレビ番組で出合いました。

その後、あらぽんさんの話はテレビで全く聞くことがありませんでした。

それぐらいメディアの取り上げ方には偏りがあります。



だからこそ、いざ心動かされる素材に出合った時には

その出合った新鮮な気持ちの時のうちに

素材としてメモしておくことをオススメします。


素材を見逃さず、きちんと小話として作成するまでやり切る。

その繰り返しが、探す力と続ける力を鍛えていきます。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月8日土曜日

とっておきの話336「不名誉な世界一」の裏話

Twitterに、とっておきの話336「不名誉な世界一」の原稿をアップしました。

とっておきの話336「不名誉な世界一」の原稿



日本の魅力を知ろう

こんな日本賛美な言葉は今や溢れています。

クール・ジャパンと呼ばれるように、世界から見た日本の姿は良いものとして語られることが多いです。


その中には、「こんなことが世界一な日本」というアプローチで日本の魅力に迫っているものもあり、それは大抵

うれしい世界一

を伝えています。


しかし、今回のとっておきの話の素材は

うれしくない世界一

を伝えています。


このグラフをご覧ください⇩


果たしてこのグラフから読み取れる「うれしくない世界一」とはいったい何でしょう?


原稿を読んでみましょう⇩


【(日本の子どもが世界一 と板書)

ある日、テレビでこんな紹介がされていました。さて、何が世界一だと思いますか?(しばらく間をおく)


 正解は、こんなことが世界一でした。(次の言葉を板書)

日本の3才以下の子どもは、世界一寝ている時間が短い。


 この世界一、うれしいですか?(少し間をおく)


 3才以下の子どもは、「さて、今から寝よう」とか、「今日はたくさん寝るぞ」とか、「睡眠時間、短かったなぁ」とか思って自分で自分の寝ている時間を決めることはできませんよね。

 しかし、みなさんは自分で決めることができます。

 最近、毎日何時間くらい寝ていますか?(少し間をおく)

 日本を世界一にしてしまったのは、あなたの寝ている時間の短さのせいかもしれません。】




いかがでしたか?

日本人は睡眠時間が本当に少ない国だと言われています。

それは3才以下の子どもの比較からそう言えてしまうというのが、当時の私には衝撃的なデータでした。




ただ単純に「早寝をしましょうね」と言うのではなく、こうした素材を生かした小話によって早寝の大切さ、睡眠時間を確保することの大切さを訴えてみてはどうでしょうか?

切り口が新鮮であり、視覚的に訴えるグラフがあると聞き手の興味を惹くことができます。





気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2022年1月7日金曜日

とっておきの話335「自動ドアと児童」の裏話

Twitterに、とっておきの話335「自動ドアと児童」の原稿をアップしました。

とっておきの話335「自動ドアと児童」の原稿



小さい子というのは遊び盛り。

私もパパになり、息子が成長してくるとそのことを強く実感するようになりました。

そんな小さい子のちょっとした行動にも、ドキッとさせられることがあります。


その行動には、そんな気持ちが隠れていたのね。

という場面に出会うことがあるのです。



今回のとっておきの話は、近所のスーパーマーケットで見つけたある親子のやり取りの光景を素材にしています。

そんなものが素材になるの?と思うかもしれませんが、まずは原稿を読んでみましょう⇩



【(下の画像を提示)

 


ある日、スーパーマーケットへ買い物に行くと、小さい男の子が自動ドアをおさえて閉じないようにしていました。

最初は、自動ドアが珍しくて遊んでいるのかなぁなんて思って見ていましたが、すぐにその理由が分かりました。

何だと思いますか?(しばらく間をおく)



 正解は、こんな理由でした。(次の言葉を板書)

後からくるお母さんのために、開けといてあげた。


 閉じないように遊んでいたのではなく、お母さんのために開けといてあげていたのですね。



 みなさんは、おうちの人が行く買い物へ付いて行ったことはありますか?

 今度一緒に行く時は、後ろから付いていくのではなく、この男の子のように先に行って引っ張っていくくらいの気持ちでおうちの人の買い物を支えてあげてみてはどうでしょうか。

そうしたら、気分を良くしたおうちの人が、買い物ついでにあなたの大好きなあれを買ってくれるかもしれませんね。】




いかがでしたか?

小さい男の子が自動ドアをおさえて閉じないようにする。

この言葉を聞いて私は真っ先に、小さい子ならではのいたずら遊びだと思い込んでしまいました。


その後、それが

後からくるお母さんのために、開けておいてあげた

行動だということに気付きます。


普通、自分が通ったら終わりになるものですが、後からくるお母さんのことをその子は気にかけて、開けておこうと思って自動ドアをおさえていたのですね。

この意外性とギャップにやられてしまいました。





聞き手にとっておきの話として伝える時は、視点を変えられるように工夫します。

スーパーマーケットの小さい子

というイメージから、親に「付いていく」イメージが浮かびやすいです。

そこをあえて親を「引っ張っていく」子になってみては?と提案するのです。

この問いかけを小話の締めくくりにすることで、聞き手が自分事として考えやすくなります。





気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2022年1月6日木曜日

とっておきの話334「次こそは、やさしく」の裏話

Twitterに、とっておきの話334「次こそは、やさしく」の原稿をアップしました。

とっておきの話334「次こそは、やさしく」の原稿



電車に乗る

という過程の中で、実はたくさんの広告に出合います。


それは駅のホーム、電柱、壁、・・・

そして、今回の素材は、電車の吊り革広告から見つけた言葉です。



ただ電車に乗っていた人と、

素材探しの時間として電車に乗っていた人と、

その差は歴然です。


前者からすると、後者が見つけた素材に対して

「え、そんなこと書いてあったの!?」

という反応をするでしょう。


同じものが視界に入っているはずなのに、キャッチできるかどうかはこの差に現れてきます。


それでは原稿を読んでみましょう⇩



【(下の画像を提示)



こんな広告、見たことがある人?(少し間をおく)

先生は電車の吊り革で発見しました。

その名も…(大人たばこ養成講座 と板書)

大人?たばこ?じゃぁ僕たち子どもには関係ないやって思うでしょ?

でもね、先生が注目したのはこの広告のタイトルではなく、隅っこに書いてあったこんな言葉。(次の言葉を板書)


 次こそは、     。


□に入る言葉は何でしょう?(数名指名)



 こんな言葉です。(下の画像を提示)

  




 みなさんも、「あの時やさしくしていれば…」という時はありませんか?

 今日はそんな時を思い出して、次こそはやさしくしたいことを書いてみましょう。

(「次こそは、やさしく。」と左下隅に書かれた紙を配り、書かせて終わる)】



「次こそは、やさしく。」

というフレーズが合言葉になりそうですね。


誰しも「あの時、やさしくしておけばよかった・・・」と思うことがありますよね。

大人も子どもも、「次こそは、やさしく。」というものがあるはずです。




ちなみに「次こそは、やさしく。」という言葉は、広告の全体から見ると隅っこの方に小さく書かれた言葉でした。

つまり、広告主からすると大きく見せたい言葉ではないのですね。

それでも、素材になるかどうかという視点で考えると、文字の配置や大きさは関係ないのです。

良いと思った言葉があったのなら、どんなに隅っこだろうと、どんなに小さい文字だろうと取り上げていきたいですよね。


今この記事を書きながら素材を見返してみると、

「一番そばにいる人に、僕らは一番やさしくしているだろうか。」

という言葉も素材になり、新たなとっておきの話を1つ作れそうですね。


ポスターはどこに注目するか、どこを切り取るかによっていかようにも話が作れる素材です。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


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