Twitterに、とっておきの話452「どんな時も準備しておくもの」の原稿をアップしました。
一冊の本から小話の素材を得られることがあります。
しかしそれは、1つだけとは限りません。
名著と呼ばれる本こそ、いくつもの素材を得られるのです。
一方で、いきなり小話の素材がそんなにいくつも見つかるというと難しいです。
だからこそ、本は再読することをお勧めします。
一旦距離や時間を置いてからもう一度その本と向き合うことで、より自分にとってのとっておきな素材が見えてきます。
今回の話は、稲盛和夫さんの『生き方』からもう一度素材を得ようと再読して得られた素材をもとに作っています。
稲盛さんの著書の中では、
いつでも「ありがとう」を準備しておく
という言葉が光っていました。
「ありがとう」はその場で言う言葉だけではなく、あらかじめ準備しておくものなのだという新しい視点を与えてくださったように感じます。
私はこの視点にさらに付け加え、「ごめんね」もいつでも準備しておく言葉ではないだろうかと思い、2つを組み合わせて小話を作ることにしました。
それでは原稿を読んでみましょう⇩
【(どんな時も準備しておくもの と板書)
先生は最近読んだ本から、どんな時も準備しておくものとして大切だなぁと思ったことが2つありました。何だと思いますか?
ヒントを見せますね。(次の文を提示)
① どんな時も「 」と言える準備をしておく
② どんな時も「 」と言える準備をしておく
「」にはどんな言葉が入ると思いますか?(何人か指名)
(① どんな時も「ありがとう」と言える準備をしておく と提示)
一つ目は、「ありがとう」です。人はつい欲張って感謝の心を忘れて自分の幸せを自分で遠ざけてしまうことがあります。だからこそ、「何があっても感謝の心をもつ」ことが必要です。苦しいことがあれば成長させてくれるチャンスを与えてくれてありがとうと感謝し、幸運に恵まれたなら、なおさらありがとう、自分にはもったいない喜びだと感謝する。(感謝の受け皿 のイラストを提示)
少なくともそう思えるような感謝の受け皿を、いつも意識的に自分の心に用意しておくと、自分の幸せが近づいてくるのでしょう。
(② どんな時も「ごめんね」と言える準備をしておく と提示)
二つ目は、「ごめんね」です。人はつい自分勝手になって素直に謝ることができず人との関係を上手く作れないことがあります。
だからこそ、「何があっても、自分も悪かったところがあったかもしれない」と自分も反省することはないか振り返ることが必要です。相手の前にまず自分に原因を求め、素直に謝る受け皿も、いつも意識的に自分の心に用意しておくのも大切です。(素直に謝る受け皿 のイラストを提示)
感謝の「謝」は「あやまる」と書きます。「ありがとう」と「ごめんね」はつながっているからこそ、どちらも心の中に準備しておきたい言葉ですね。
自然とこの言葉が出る人は、日頃から準備できている証拠です。】
いかがでしたか?
○○の受け皿という表現がとても素敵ですよね。
最近よく思うのですが、人間には想像力があり、虚構を愛する力が元々備わっていると思うのです。だからこそ、そこを刺激するようなストーリーを聞くと、心のスイッチが入るのでしょうね。
私自身も自分の心に「感謝の受け皿」や「素直に謝る受け皿」を準備しておきたいと思えました。
こうした想像の力や虚構を愛する力、もっとシンプルに言えば見えない美しさを信じる力があるからこそ、人間の根源的な部分に触れることができるのかもしれません。
それは本という形で伝えても良いですし、私のように小話という形で伝えても良いでしょう。
人間って美しいなぁと改めて感じた小話づくりでした。
気になった方はぜひ、実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。