2022年11月27日日曜日

とっておきの話452「どんな時も準備しておくもの」の裏話

Twitterに、とっておきの話452「どんな時も準備しておくもの」の原稿をアップしました。

とっておきの話452「どんな時も準備しておくもの」の原稿



一冊の本から小話の素材を得られることがあります。

しかしそれは、1つだけとは限りません。

名著と呼ばれる本こそ、いくつもの素材を得られるのです。

一方で、いきなり小話の素材がそんなにいくつも見つかるというと難しいです。

だからこそ、本は再読することをお勧めします。

一旦距離や時間を置いてからもう一度その本と向き合うことで、より自分にとってのとっておきな素材が見えてきます。


今回の話は、稲盛和夫さんの『生き方』からもう一度素材を得ようと再読して得られた素材をもとに作っています。

稲盛さんの著書の中では、

いつでも「ありがとう」を準備しておく

という言葉が光っていました。

「ありがとう」はその場で言う言葉だけではなく、あらかじめ準備しておくものなのだという新しい視点を与えてくださったように感じます。

私はこの視点にさらに付け加え、「ごめんね」もいつでも準備しておく言葉ではないだろうかと思い、2つを組み合わせて小話を作ることにしました。



それでは原稿を読んでみましょう⇩



(どんな時も準備しておくもの と板書)

 先生は最近読んだ本から、どんな時も準備しておくものとして大切だなぁと思ったことが2つありました。何だと思いますか?

ヒントを見せますね。(次の文を提示)

どんな時も「     」と言える準備をしておく

どんな時も「     」と言える準備をしておく

「」にはどんな言葉が入ると思いますか?(何人か指名)



(①  どんな時も「ありがとう」と言える準備をしておく と提示)

 一つ目は、「ありがとう」です。人はつい欲張って感謝の心を忘れて自分の幸せを自分で遠ざけてしまうことがあります。だからこそ、「何があっても感謝の心をもつ」ことが必要です。苦しいことがあれば成長させてくれるチャンスを与えてくれてありがとうと感謝し、幸運に恵まれたなら、なおさらありがとう、自分にはもったいない喜びだと感謝する。(感謝の受け皿 のイラストを提示)



少なくともそう思えるような感謝の受け皿を、いつも意識的に自分の心に用意しておくと、自分の幸せが近づいてくるのでしょう。



(②  どんな時も「ごめんね」と言える準備をしておく と提示)

 二つ目は、「ごめんね」です。人はつい自分勝手になって素直に謝ることができず人との関係を上手く作れないことがあります。

だからこそ、「何があっても、自分も悪かったところがあったかもしれない」と自分も反省することはないか振り返ることが必要です。相手の前にまず自分に原因を求め、素直に謝る受け皿も、いつも意識的に自分の心に用意しておくのも大切です。(素直に謝る受け皿 のイラストを提示)



感謝の「謝」は「あやまる」と書きます。「ありがとう」と「ごめんね」はつながっているからこそ、どちらも心の中に準備しておきたい言葉ですね。

自然とこの言葉が出る人は、日頃から準備できている証拠です。



いかがでしたか?


○○の受け皿という表現がとても素敵ですよね。


最近よく思うのですが、人間には想像力があり、虚構を愛する力が元々備わっていると思うのです。だからこそ、そこを刺激するようなストーリーを聞くと、心のスイッチが入るのでしょうね。


私自身も自分の心に「感謝の受け皿」や「素直に謝る受け皿」を準備しておきたいと思えました。

こうした想像の力や虚構を愛する力、もっとシンプルに言えば見えない美しさを信じる力があるからこそ、人間の根源的な部分に触れることができるのかもしれません。

それは本という形で伝えても良いですし、私のように小話という形で伝えても良いでしょう。

人間って美しいなぁと改めて感じた小話づくりでした。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年11月23日水曜日

とっておきの話451「挑戦しない事だけが」の裏話

Twitterに、とっておきの話451「挑戦しない事だけが」の原稿をアップしました。

とっておきの話451「挑戦しない事だけが」の原稿



YouTubeを観る時、まずチェックするのが中田敦彦さんの動画です。

40歳に最近なった中田さんは、私にとっては8歳上の人生の先輩のように感じます。

自分の人生をどう生きるかについて、いつも考えさせられるのです。


もちろん、有名人の中田さんと自分を比べるのはおこがましいとも思います。

職業も芸人と教員ですから全く違います。

それでも、影響を受けている人の一人です。

話すこと全てを肯定している訳ではありませんが、「自分だったらどうするか」を考えさせられる動画が多いです。


そんな中田さんが、トークチャンネルにて『挑戦したいあなたへ』という題名の動画を出しました。



もう題名だけで「とっておきの話の素材になりそう」と思いました。

観てみたらそれはそれは中身の濃い動画でした。

何度も見返し、自分なりに解釈して小話として落とし込んでみました。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(挑戦 と板書)

 みなさんは、今挑戦していることはありますか?もしかしたら、挑戦するのが怖いと思う人もいるかもしれません。そんな人たちは、いったい何を怖がっているのだと思いますか?

 それは…(失敗 と板書)失敗した自分に出会うのが怖いと思っているのでしょう。なぜなら、失敗はカッコ悪いもの、してはいけないものというイメージが強いからです。



 しかし、そもそも「失敗」も「成功」もこの世に無いとしたらどうでしょう?YouTubeで人気の中田敦彦さんは、『挑戦したいあなたへ』という題名の動画でこんなことを言います。(以下の文を提示)

この世に「失敗」は無い。それは途中経過にすぎない。最初から上手くいかないのは当たり前。

この世に「成功」も無い。100点の成功は永遠に来ない。もっと良くなりたいから。

 「失敗」や「成功」という言葉は、だれかが勝手に作った言葉なのかもしれませんね。そんな言葉に振り回されず、本当に大事なものは何かと考えると、「挑戦」という言葉が怖いものでは無くなってきます。中田さんは、こんなことも言っています。(以下の文を提示)

挑戦の先に失敗と成功があるのではないよ。

「挑戦が成功」で、「挑戦しない事だけが失敗」なんだよ。

 挑戦するからこそ、前に進むことができ、新しい景色を見ることができる。挑戦は希望だと中田さんは言います。それに対して、挑戦しないことこそ「ただ前に進まないという宣言」をしている怖さを感じると言います。本当の意味での失敗とは、挑戦した先ではなく、挑戦しないというあきらめなのかもしれません。



 (挑戦をあきらめない=成功者 と板書)

 この話を聴いて、みなさんはこれから何かに挑戦しようという気持ちが湧いてきましたか?

挑戦の気持ちが湧いてきた人はもう成功しています。挑戦をあきらめない限り、ずっと成功者なのです。

これから上手くいかないことがあるかもしれません。でもそれは決して失敗ではなく、もっと良くなる途中なのです。先生も毎日挑戦していることがあります。このとっておきの話もそうです。

みなさんも挑戦を怖がらず、一歩踏み出してみませんか?挑戦は毎日を楽しく、幸せなものにしますよ。


いかがでしたか?


元動画はこちらになります↓

https://youtu.be/Xic_HyBOXlc


この世に失敗も成功も無い。

挑戦が成功で、挑戦しない事だけが失敗。


こうしたメッセージ性の強い言葉を生みだせる人の生き方というのはインスピレーションをたくさん周りに与えられるものだと思います。

それは、大人だけでなく、子どもにも伝わるものがあるだろうと思っています。

だからこそ、大人が感動したことは、子どもにも伝えていく。

それが教師としての使命でもあると考えています。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年11月20日日曜日

とっておきの話450「豆腐は豆富」の裏話

 Twitterに、とっておきの話450「豆腐は豆富」の原稿をアップしました。

とっておきの話450「豆腐は豆富」の原稿


ある日、車で近所をドライブしていると、ラーメン屋さんの看板がリニューアルしていることに気付きました。

ただ新しくなっていただけでなく、書いてある言葉も変わっていました。


そこに、「麻婆豆富 あります」と書いてあったのですね。

目に入ったのは一瞬だったので始めは気付かなかったのですが、、、



豆腐が豆富になってる!!!

と後になってから気付いたのです。


そこから私の頭は「豆富と漢字で表記した理由を探る旅」に出掛けてしまってしばらく思考が止まりませんでした。

確かに豆腐は発酵食品だからこそ、「豆腐」と表記されます。

しかし、豆の富という「豆富」という表現にすることで、また別の新しい意味が見い出されるような気がして面白かったのです。


こういうことは、何も豆腐に限ったことではないだろうと考え、小話の素材にすることにしました。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


(麻婆豆腐 と板書)



 何と読むでしょう?はい、「マーボーどうふ」ですね。好きな人?(挙手を促す)先生も大好きです。ある日、近所のラーメン屋さんの近くを車で通った時、お店の看板に「マーボーどうふ」の字を見ました。でも、この漢字ではなかったのです。どんな漢字だったかというと…

(麻婆豆富 と「富」のところをゆっくりと間をおきながら板書して見せる)



 豆に富ってどんな意味だと思いますか?(何人か指名)

 うん、なるほどね。先生はね、豆腐というのは豆を発酵するという元々の意味の他に、豆であふれている、つまり豆の富のようだという新しい意味を表現していると想像しました。このように、漢字を少し変えるだけで、新しい意味を付け加えて想像できるのは面白いですね。



 では、実際にみなさんも漢字を変えて新しい意味を付け加えてみましょう。

(学校 と板書)

「がっこう」と読みますよね。みなさんだったらどのように漢字を変えてどんな新しい意味を付け加えますか?(何人か指名)

先生はね、例えばこうやって新しい意味を付け加えてみました。

(楽行 と板書)

 学校は楽しく行くところ。そんな意味が伝わる漢字になったと思います。他にも、新しい意味を付け加えてみた漢字があったら、先生に教えてください。たくさん見つけられた人は、意味付け名人ですね。そんな人は、周りの言葉や漢字がより面白く見えてくるかもしれませんね。


いかがでしたか?


こんな素材でも小話になるの?と疑問をもたれる方もいらっしゃるかもしれませんが、こんな素材でもなるのです。

むしろ「こんな素材」と決めつけているのは自分のせいだったりします。


こうした些細な変化や小さな驚きを大切にすることで、どんなことでも素材になるという視点が身に付きます。そうした視点が当たり前になることで、世の中を面白がる姿勢が養われていくのです。これがとっておきの話クリエイターになる近道です。


私が真っ先に思いついた漢字変換は、「学校➡楽行」でした。

学校が子どもたちにとって、楽しく行く場所であってほしいという願いを込めました。


みなさんは、どんな言葉の漢字変換を思い付きますか?

元々の素材と自分の解釈のマッチングによって、小話の中身は良くも悪くもなります。

たとえ上手くいかなかったとしても、そこからさらに中身がより良くなるように試行錯誤を続ければ良いのです。


この裏話を書いているうちに、麻婆豆腐を食べたくなってきました。

だって麻婆豆「富」なのですから。

今晩の夕飯は、豆の富にあやかろうと思います。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年11月19日土曜日

とっておきの話449「誰もやっていないことを誰よりも」の裏話

Twitterに、とっておきの話449「誰もやっていないことを誰よりも」の原稿をアップしました。

とっておきの話449「誰もやっていないことを誰よりも」の原稿



最近話題のビジネス書、『エッセンシャル思考』と『エフォートレス思考』を読破しました。

エッセンシャルな生き方やエフォートレスな生き方は、ビジネス書の枠に止まらない生き方の示唆を与えてくれる名著です。

この本を名著としている1つの要因に、ストーリーで語るというスタイルがあると思います。


もちろん、とっておきの話の素材になるようなストーリーも含まれていました。

その中の1つが、高跳び選手の背面跳びについてのストーリーでした。

今回はこちらを素材にして小話づくりをしました。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(高跳びの背面跳びの写真を提示)



 みなさんは、陸上競技に高跳びという競技があるのを知っていますか?

この跳び方は「背面跳び」と言いますが、昔はこんな跳び方をしていませんでした。実は、ある選手が誰もやっていない跳び方を始め、誰よりも極めたからこそ広まった跳び方でした。

(フォズベリー選手の写真を提示)



 彼の名はフォズベリー選手。運動能力は高くなく、大会でも良い記録は残せませんでした。始めはコーチに教えられた跳び方で練習をしましたが、全然上手くいかず、自分なりの跳び方を考えるようになりました。当時、周りの人からはこんなことを言われました。(次の文を提示)

・きっと最下位だろう

・「2本足のラクダ」が「空中の発作」を起こしている

・世界で最も怠惰な高跳び選手

・フォズベリーはバーの上で寝ている

それでも背面跳びを極め続けたフォズベリー選手。今では高跳びの跳び方の主流となりました。背面跳びは別名「フォズベリー・フロップ」と世界中で呼ばれています。


(誰もやっていないこと と板書) 
 どんな世界にも、まだ誰もやっていないことというのはあります。それを見つけてやり始めた人は将来、大きな偉業を残すチャンスをつかみます。そして…
(を誰よりも と付け加えて板書)
周りから何と言われようと、誰よりもやり続け、極めた人こそよりチャンスをつかめるはずです。みなさんも、誰もやっていないことを誰よりも極められる人になる勇気がもてるといいですね。その最初の一歩は、小さくて良いのです。まずは探してみませんか?


いかがでしたか?


高跳びの背面跳びは確かにユニークな跳び方だとは思っていましたが、第一人者の苦労や努力が分かるストーリーですよね。

このように、普段何気なく画面を通して観ている事象も、その裏側に必ずストーリーがあるのです。

その裏側のストーリーに目を向けることで、新しい発見を与えてくれます。

それは間違いなく、とっておきの話の素材になるのです。


それにしても、「出る杭は打たれる」はいつの時代も同じですね。

僕は個人的に、「出過ぎた杭は打たれない」という言葉が好きです。


世の中の悪い風潮に負けず、自分の信じた道を突き進める強い人になりたいですね。




気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年11月12日土曜日

とっておきの話448「一番幸せな才能」の裏話

 Twitterに、とっておきの話448「一番幸せな才能」の原稿をアップしました。

とっておきの話448「一番幸せな才能」の原稿


セブンルールさんはいつもお世話になっているテレビ番組ですね。

働く女性の密着から、7つのマイルールに迫っていく番組内容が「思わぬ素材を得られるかも!」という期待を毎回もたせてくれます。


それは、主人公である女性だけでなく、スタジオの出演者の方々のフリートークからも素材を得られる瞬間に出合えるのです。

先日も毎週のルーティンのように録画された番組を何気なく観ていたら、エンディングトークで思わぬ素材を得ることができました。


このように、いつも観ているテレビ番組から素材を得るという経験はよくします。


期待はするのですが、期待しすぎない。

ここら辺のバランスでテレビ番組を観ていると、自然とステキな素材に出合えるといった感覚でしょうか。



それでは原稿を読んでみましょう⇩


(本谷さんの画像 を提示)



この人は、本谷有希子さんと言います。売れっ子の小説家で、文章を書く才能あふれた人です。そんな才能あふれる本谷さんが、家族と「どんな才能があったら一番幸せか?」という話をしたそうです。

(一番幸せな才能 と板書)

みなさんは何だと思いますか?


 本谷さん家族が出した答えは、こんな才能でした。

(どんな環境でも楽しめる力 と板書)



もう間違いなく幸せでしょ、その人はっていう話になったそうです。この答えに「確かにそうだな」と思った人?(挙手を促す)この後、本谷さんは「考え方を変えれば一瞬でその才能は手に入る」と話します。どんな環境でも楽しめる力は、どんな人も元々もっている才能であり、考え方を変えるだけでその能力はいつでも使えるのです。


 幸せはどこかで待っているものではなく、自分で生み出せるものなのかもしれません。あなたもきっとあるはずです。どんな環境でも楽しめる力という才能が。今日も一緒に楽しみましょう!その先にきっと思わぬ幸せが待っているはずです。


いかがでしたか?


才能

と聞くと、元々備わっている能力というイメージが強いですよね。


なんだか自分には無いものを痛感するような気がしてあまり話題にしたくない人もいるかもしれません。

しかし、実はみんな元々備わっているのに気付いていない才能というものも存在しているのでは?ということに気付かせてくれるような小話になったのではないでしょうか。


本谷さんは、「どんな人にも備わっている才能」と直接的な表現をした訳ではありません。

しかし、そうしたニュアンスを感じるセリフだったのです。

ここに作り手である私の解釈が入り込んでいます。


つまり、考え方を少し変えるだけでその才能はだれでも使えるものであるというメッセージを伝えたかったのです。

そうすることで、幸せという捉えづらい概念が身近になります。


行き着く先は、聞き手が「自分事」として考えられるという目的です。

これなら自分でもやれるかも!

といかに思わせられるかどうかは大事にしています。


セブンルールさん、これからも視聴者として毎週テレビ番組を視聴させていただきます。

いつもありがとうございます。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年11月5日土曜日

とっておきの話447「努力のマイペース」の裏話

 Twitterに、とっておきの話447「努力のマイペース」の原稿をアップしました。

とっておきの話447「努力のマイペース」の原稿



先週、Twitterのフォロワーさんから

「くろぺん先生はバスケがお好きと聞きましたが、バスケを素材にしたとっておきの話はあるのでしょうか?」

という質問を受けました。


そう言えば…と思い、自分がこれまで作ってきたとっておきの話を振り返ってみましたが、バスケを素材にしたとっておきの話はオリンピック選手の話ぐらいしかありませんでした。


せっかくバスケ好きを公言しているのに、バスケを素材にしたとっておきの話が少ないなんて。

なるほど、これは良い視点を与えていただいたと思いました。



では、自分が好きなバスケからどんな素材を得られるか。

バスケそのものから素材を得るということはしてこなかったので、挑戦してみました。

自分だったらどこにスポットを当てるか。


ドリブル?シュート?パス?

シュートの中でも3Pシュート?ドリブルシュート?


いろいろと考えているうちに行き着いたのは、

フリースローシュート

でした。


特にこのシュートの軌道が描く放物線の美しさは以前から感じていました。

なぜ直線的ではないのか。

放物線だからこそゴールにボールが入る。

これは、最後ゴールが見えたら力を抜いて良いということを暗示していないか。

そんな風に考えて作った小話です。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(バスケのフリースローシュートの映像を見せる)



 これは、先生が大好きなスポーツ、バスケットボールのフリースローシュートをしている様子です。人が自分らしく夢をかなえるためには、まさにこのフリースローシュートのような努力をすることが大切です。


(意識を無意識に と板書)

 まず、フリースローシュートは、両手にボールを持ち、頭の上に掲げ、膝を曲げ、伸ばしながら腕を伸ばし、手首のスナップをきかせながら打ちます。でも、この1つ1つを変に意識すると、逆にきれいなシュートが打てなくなります。プロのバスケットボール選手は、何度もシュート練習することで全て無意識にできるようになります。努力も同じで、始めは意識して努力していることも、無意識に努力、もっと言えば努力していることにすら気付かないくらい習慣化することが大切です。


(フリースローシュートの軌道が分かる画像を提示)



次に、フリースローシュートは、ある程度の高さまで上がってから自然と少しずつゴールに向かって落ちていく放物線を描きます。努力も同じで、ある程度まで努力を積み重ねていくとあとは習慣に任せて自然と良い結果につながっていくものです。がんばるべき時にがんばっておくと、ある時期からはがんばりすぎなくてもよくなります。

 意識が無意識に変わるまで努力を重ね、習慣になったら自分のペースを大事に力の入れ具合をコントロールする。そんな「努力のマイペース」を身に付けた人が、夢というゴールにナイスシュートできる人です。みなさんもステキなフリースローシュートを打ってくださいね。


いかがでしたか?


意識を無意識に

努力のマイペース


という2つの言葉は、原稿を打ちながら思い付いた言葉です。

なるべく自然に結び付く言葉を探りました。


あまりにも飛躍していたり、元の素材との距離感が離れすぎていたりすると、聞き手はついてこれません。ここのバランス感覚がなかなか難しいです。


僕は本当に努力できる人とは、上手くブレーキを踏める人だと思っています。

ずっと努力する、ずっと全力で、という人よりも、

休む時はしっかりと休み、遊びを楽しみ、そしてまた努力するというような人こそ最後まで生き残る人だと思っています。


だからこそ、意識を無意識にして自然体になるほど習慣化することの大切さや、努力にもマイペースがあって自分らしく自分に合ったペースで努力すれば良いことを伝えたいと考えました。

ここら辺の考え方は人によって違う部分もあるかと思いますので、みなさんの価値観や哲学に照らし合わせてアレンジしてみてください。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2022年11月3日木曜日

とっておきの話446「気持ち×考え方×力」の裏話

 Twitterに、とっておきの話446「気持ち×考え方×力」の原稿をアップしました。

とっておきの話446「気持ち×考え方×力」の原稿



偉大な人の訃報に触れると、もう一度著書を通してその人に出会いたいという想いに駆られます。

稲盛和夫さんもその一人。

今回は、名著「生き方」を読んでみました。




どの著書でも度々出てくる言葉が、

人生・仕事の結果=熱意×能力×考え方

という人生の方程式でした。

稲盛さん流の人生の哲学を端的に表現したものです。


初めて稲盛さんの著書を読んだ時にはピンと来なかった自分も、ある程度の人生経験を重ねてきて腑に落ちるようになってきました。

このタイミングだからこそ、とっておきの話として自分なりに編集し、子ども向けでありながら自分にとっても内省できる小話を作ろうと思いました。


基本的な哲学は共感しながらも、子どもに話す時には自分自身の哲学も織り交ぜたいと思い、ニュアンスを少し変えた方程式を提示することにしました。


それでは原稿を読んでみましょう⇩


(心技体 と板書)

 しんぎたいと言います。心と技と体。良い人生や良い結果は、この3つが上手く掛け合わさって初めて生み出されると言われています。ちょっとかけ算にしてみると…

(人生・結果=気持ち×考え方×力 とゆっくり板書)

こんなかけ算の式になります。心は気持ちを生み出すところ、技は考え方から生み出されるもの、力は体を使って能力や努力を発揮するという意味です。



 このかけ算、実はそれぞれ範囲があります。まず、能力や努力を表現する力の範囲は…

(力➡1~100 と板書)

1~100です。人によって生まれ持った能力の高さは違いますし、積み重ねてきた努力の量も違います。しかし、能力や努力が0の人はいません。みんな何かしらの力をもっています。

次に、気持ちの範囲は…

(気持ち➡0~100以上 と板書)

0~100以上です。気持ちはいくらでも高めることができます。時には100%以上に高めることも。これを「本気」と言います。力と上手く掛け合わさって「全力」になります。しかし、気持ちは0になる可能性もあります。気持ちの無い人は、いくら力を掛け合わせても0の結果しか出せません。



 では、考え方の範囲はどうなると思いますか?…こんな範囲です。

(考え方➡-100~100 と板書)

プラスの考え方をもっている人は、どんどんかけ算で良い結果が生み出されていきます。しかし、マイナスの考え方をもっている人は、どんどんかけ算で悪い結果が生み出されていくのです。だから、考え方をマイナスにせず、プラスの考え方でい続けるのが一番大切なのです。

 気持ちと考え方と力。上手く掛け合わせて良い結果や良い人生につなげてください。


いかがでしたか?


熱意×能力×考え方 という元々の方程式を

気持ち×考え方×力 という方程式にしました。


まず、心技体という言葉に対応させたいと思い、順番を変えました。

次に、「力」と表現したのは能力だけでなく努力も入ると考えたからです。

そして、「気持ち」と表現したのは熱意だけではない気持ちも掛け合わさると考えたからです。

何より、「気持ち」「考え方」「力」はシンプルでわかりやすく伝わりやすいと考えました。



稲盛さんの著書で興味深かったのは、方程式だけでなく、その1つ1つの構成要素についてです。

特に興味深かったのは、それぞれ範囲が違うという点でした。

稲盛さんとは別の解釈を含めながら、自分なりに次のような範囲を設定してみました。


力➡1~100

気持ち➡0~100以上

考え方➡-100~100


まず、何も能力を持たずして産まれてくる人はいないと考えました。だからこそ、力は1から始まっています。しかし、力は体を資本にして生み出されますから、100までいったらそこで止まるだろうと思いました。

次に、気持ちは0という無い時もあります。無関心・無気力がその状態です。逆に、本気になれば100を超える気持ちももてると考えました。

そして、考え方にはプラスの考え方とマイナスの考え方があるというのは、稲盛さんの哲学を踏襲しています。


稲盛さんの方程式のすごいところは、これらが「掛け合わさっている」というかけ算で表現した点にあります。

つまり、気持ちが0だと答えは必ず0になってしまうし、いくら本気で全力を出していたといしても、マイナスな考え方では答えは必ずマイナスになるという揺るぎない真理を提示しているのです。

この真理は、かけ算をある程度学習した子どもたちなら容易に理解できる結果です。


これはビジネス書をよく読む大人だけでなく、子どもたちにも十分伝わる話だと思います。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...