Twitterに、とっておきの話450「豆腐は豆富」の原稿をアップしました。
ある日、車で近所をドライブしていると、ラーメン屋さんの看板がリニューアルしていることに気付きました。
ただ新しくなっていただけでなく、書いてある言葉も変わっていました。
そこに、「麻婆豆富 あります」と書いてあったのですね。
目に入ったのは一瞬だったので始めは気付かなかったのですが、、、
豆腐が豆富になってる!!!
と後になってから気付いたのです。
そこから私の頭は「豆富と漢字で表記した理由を探る旅」に出掛けてしまってしばらく思考が止まりませんでした。
確かに豆腐は発酵食品だからこそ、「豆腐」と表記されます。
しかし、豆の富という「豆富」という表現にすることで、また別の新しい意味が見い出されるような気がして面白かったのです。
こういうことは、何も豆腐に限ったことではないだろうと考え、小話の素材にすることにしました。
それでは原稿を読んでみましょう⇩
【(麻婆豆腐 と板書)
何と読むでしょう?はい、「マーボーどうふ」ですね。好きな人?(挙手を促す)先生も大好きです。ある日、近所のラーメン屋さんの近くを車で通った時、お店の看板に「マーボーどうふ」の字を見ました。でも、この漢字ではなかったのです。どんな漢字だったかというと…
(麻婆豆富 と「富」のところをゆっくりと間をおきながら板書して見せる)
豆に富ってどんな意味だと思いますか?(何人か指名)
うん、なるほどね。先生はね、豆腐というのは豆を発酵するという元々の意味の他に、豆であふれている、つまり豆の富のようだという新しい意味を表現していると想像しました。このように、漢字を少し変えるだけで、新しい意味を付け加えて想像できるのは面白いですね。
では、実際にみなさんも漢字を変えて新しい意味を付け加えてみましょう。
(学校 と板書)
「がっこう」と読みますよね。みなさんだったらどのように漢字を変えてどんな新しい意味を付け加えますか?(何人か指名)
先生はね、例えばこうやって新しい意味を付け加えてみました。
(楽行 と板書)
学校は楽しく行くところ。そんな意味が伝わる漢字になったと思います。他にも、新しい意味を付け加えてみた漢字があったら、先生に教えてください。たくさん見つけられた人は、意味付け名人ですね。そんな人は、周りの言葉や漢字がより面白く見えてくるかもしれませんね。】
いかがでしたか?
こんな素材でも小話になるの?と疑問をもたれる方もいらっしゃるかもしれませんが、こんな素材でもなるのです。
むしろ「こんな素材」と決めつけているのは自分のせいだったりします。
こうした些細な変化や小さな驚きを大切にすることで、どんなことでも素材になるという視点が身に付きます。そうした視点が当たり前になることで、世の中を面白がる姿勢が養われていくのです。これがとっておきの話クリエイターになる近道です。
私が真っ先に思いついた漢字変換は、「学校➡楽行」でした。
学校が子どもたちにとって、楽しく行く場所であってほしいという願いを込めました。
みなさんは、どんな言葉の漢字変換を思い付きますか?
元々の素材と自分の解釈のマッチングによって、小話の中身は良くも悪くもなります。
たとえ上手くいかなかったとしても、そこからさらに中身がより良くなるように試行錯誤を続ければ良いのです。
この裏話を書いているうちに、麻婆豆腐を食べたくなってきました。
だって麻婆豆「富」なのですから。
今晩の夕飯は、豆の富にあやかろうと思います。
気になった方はぜひ、実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。
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