2021年8月25日水曜日

とっておきの話228「ゆっくり急げ」の裏話

Twitterに、とっておきの話228「ゆっくり急げ」の原稿をアップしました。

とっておきの話228「ゆっくり急げ」の原稿



ゆっくり急げ


今回の話のタイトルは、簡単に言えば「急がば回れ」と同じ意味を伝えていると言って良いでしょう。

しかし、「急がば回れ」という言葉よりも、「ゆっくり急げ」という言葉にはある魅力があります。


「ゆっくり」と「急げ」って相反する意味の言葉がくっついていますよね。

聞き手は「ゆっくり急げ」ってどういうこと?

と疑問に思うでしょう。


こうした意外性が合言葉やキーワードに含まれていることは大切です。

なぜなら、たった一言で聞き手の興味を惹きつけることができるからです。


という訳で、「急がば回れ」よりも「ゆっくり急げ」という言葉で今回はお楽しみください。



今回のエピソード素材はこちら。



 昔、ローマ皇帝のオクタヴィアヌスは、締め切りまでにピラミッドを作らせるために

「ゆっくり急げ」

という命令をしたそうです。

どういう意味だか分かりますか?


みなさんは、ピラミッドを締め切りまでに作れと言われたらどうしますか?

とりあえず大きな石を探しますよね。

しかし、いくら急いでいても、その大きな石を持ってきてそのまま積み上げる…わけにはいかないですよね。


なぜなら、積みやすくするために石を四角く切らないといけないですから。

その前にどこの石を使うかを決めなきゃいけないですよね。

どう切って、どう運んでくるかってことも決めなきゃいけない。

では石のことは解決したとする。

さぁ積もう!ってできますか?




無理ですよね。

一人じゃできないから人を集めなきゃ。

はい、集まった。もう完成ですか?


まだ無理ですよね。

今度は積み方を考えないと。

はい、考えて積み始めた。終わりですか?


崩れちゃいました。

地面が水平じゃなかったから。

で、やり直して今度は水平に積み上げた。

でもまた崩れた。

重いから沈んでいっちゃった。



このように、急いでピラミッドをつくると言っても、「ゆっくり」一つずつの条件を確認しながらでしか「急ぐ」方法はないという訳です。


何も考えずにただ突っ走ってはいけない。

だから「ゆっくり急げ」なんですね。





「ゆっくり急げ」はつまり、

「ゆっくり」と「急げ」を両立しましょうということです。


「ゆっくり」ばかりして「急げ」を抜かすと、締切に間に合わなくなります。

逆に、「急げ」ばかりして「ゆっくり」を抜かすと、正確さに欠けて問題が起きます。


どちらも抜かしてはいけないのです。



このバランス感覚を身に付けるのは大人でも難しいでしょう。

自分は急いでいたつもりでも、周りから見るとゆっくりしすぎだった。

自分はゆっくりしていたつもりでも、周りから見ると急ぎすぎだった。

こんなこともよくあります。



今の自分、ゆっくりしすぎではないかな?

今の自分、急ぎすぎていないかな?


こうした振り返りが大切です。



特に誰かと協力するような作業や活動こそ、「ゆっくり急げ」の意識で臨みたいですね。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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