Twitterに、とっておきの話215「短い言葉や沈黙の力」の原稿をアップしました。
今回のとっておきの話には、2つのエピソード素材が盛り込まれています。
原稿を見て、5分で話すには量が多そうだと思った方は、1つのエピソード素材に絞って話してみてください。
みなさんは、
沈黙は金 雄弁は銀
ということわざをご存知ですか?
多くの言葉を書いたり話したりするより、短い言葉や沈黙(何もしゃべらないこと)が大きな力を発揮する時があります。
言葉は、意味もなくだらだらと使うものではないのです。
このことわざを体現したエピソード素材が次の2つです。
(1)世界一すばらしい広告
(2)豊田佐吉の伝説となったスピーチ
どちらも褒め称えられているエピソードです。
では、1つ1つ見ていきましょう。
(1)世界一すばらしい広告
みなさんは、世界一すばらしい広告だと表彰された車の広告があるのを知っていますか?
こんな広告です。
この広告の中央に書いてあるLemon.という単語。
外国語で「欠陥車」を意味します。
売りに出せない車と一言書いてあるだけなのです。
普通なら「高品質」とか「すごい車」なんて言葉でアピールするはずなのに、あえてマイナスに感じる短い言葉を書いたんです。
その下には、「ほんのささいな変化も見逃さずに欠陥車を見つけた厳しい検査ができる社員が作った車です」という説明文が書いてありました。
そんな車なら安心だということで、この広告のおかげで当時はこの車が大ヒットしました。
和訳しても漢字でたった3文字「欠陥車」。
それだけで世界一すばらしい広告になってしまったのです。
このエピソード素材から、短い言葉の力を感じませんか?
(2)豊田佐吉の伝説となったスピーチ
世界のTOYOTA自動車を作り上げた創業者の豊田佐吉さんは、ある日、今まで協力してくれた社員たちに感謝の気持ちを込めてスピーチをしました。
そんな佐吉さんのスピーチは伝説となりました。
なぜでしょう。
みなさんも考えてみてください。
あの世界のTOYOTAの創業者ですよ?
伝説のスピーチと言われたというのだから、さぞかし名言の連続だったり、熱い気持ちが伝わる話し方だったりが盛り込まれたスピーチなのではないかと思いませんか?
いったい何を言ったのだろう?
と私は真っ先に考えました。
しかし、正解は違ったのです。
何も言わなかった のです。
なんと、一言も言わないで席に戻ったスピーチだったのです。
今までの感謝の気持ちが一気に溢れてきて、言葉にならず、唇を震わせてただそこに立っていた佐吉さん。
その姿だけで、社員たちを感動させた伝説のスピーチとなったのです。
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