Twitterに、とっておきの話454「全問正解は残念」の原稿をアップしました。
100点
全問正解
これらの言葉は、子どもたちからすると嬉しい言葉というイメージが強いでしょう。
私たち教員にとっても、褒める内容として当たり前だと捉えている人も多いでしょう。
しかし、最近私は自由進度学習の本を読んだことでこのイメージは逆転しました。
まさにコペルニクス的大転回です。
著者の蓑手先生は、100点を取った子に「惜しかったね」と声をかけます。
つまり、乗り越えられる課題はその子の実態に合っていないという捉えです。
本当はもっと乗り越えられる課題があり、もっと成長できるはずなのに…
自分よりレベルの低い課題を乗り越えただけの結果に甘んじているだけということなのです。
こうした考え方をもつと、教師としても100点や全問正解を目指した学習ではなく、一人ひとりの子どもの実態に合わせた課題設定の重要性が浮かび上がってきます。
自由進度学習をはじめる上で、そのきっかけとなるとっておきの話があっても良いだろうと考え、今回の小話を作ってみました。
それでは原稿を読んでみましょう⇩
【(100点 と板書)
どんなイメージがありますか?(何人か指名。うれしい!という反応が返ってくるだろう)
なるほど。では、これはどうですか。
(全問正解 と板書)
(何人か指名。やはりうれしい!という反応が返ってくるだろう)
これもうれしいという人が多いみたいですね。
でも、自分でめあてを決める学習では、100点や全問正解は必ずしも良いとは限りません。
100点を取った子がいたら、先生はこう言います。
「惜しかったね、次はもうちょっと高いめあてを立ててみよう」
全問正解だった子がいたら、先生はこう言います。
「残念。今日君が選んだ課題は、今の君のレベルから見ると低すぎたんだね。君は、自分が思っている以上にできるってことだね」
100点や全問正解という結果は、「本当はもっと成長できる力をもっているのに課題が簡単すぎて惜しかった、残念だった」という見方ができるのです。
(ぎりぎり達成できないめあてを立てる➡大きく成長できる と提示)
自分でめあてを決める学習では、ぎりぎり達成できないめあてを立てることが大切です。
それが自分を大きく成長させる丁度良いめあてです。どんな課題に挑戦し、どんなめあてを立てるのが丁度良いのか、それはあなた自身がやってみることでだんだんと分かってきます。自分だけの丁度良いめあて、見つけていきましょう。】
いかがでしたか?
子どもたちにもわかりやすい形で「全問正解は残念」という新たな視点を与えることで、少しずつ自由進度学習の本質について教師と子どもが共通理解を図れると思います。
こうした共通理解無くして、新しい教育実践というのは成り立ちません。
現在、自由進度学習を取り入れた私の学級では、
「自分にとって丁度良いめあてはどこらへんにあるのか」
という話題でもちきりです。
つまり、結果だけではなく、過程にも注目している子で溢れています。
結果をもとに過程を見直し、結果で確認してまた過程を見直すというサイクルです。
こうした子が増えてくると、他人と比べることなく、自分自身との勝負を楽しむ雰囲気が形成されていきます。
とても良い雰囲気です。
そんな雰囲気の中、ぎりぎりめあてを達成できた子がいると自然と拍手が起きます。
さらに良い雰囲気になります。
自由進度学習は実践してみて良かったです。
もちろん、子どもの実態に合わせながら、ですが。
気になった方はぜひ、実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。
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