Twitterに、とっておきの話502「正しく音を読むと…」の原稿をアップしました。
500話投稿を迎え、原稿の様式をリニューアルしました。
実はリニューアルしたのは様式のデザインだけではありません。
今回の話から挑戦しているのですが、みなさんはお気づきですか?
そう、「授業で語る」という視点が新たに付け加わったのです。
とっておきの話は、道徳科の説話で止まるものではありません。
前著『こどもの心に響く とっておきの話100』(東洋館)では、主に朝の会や道徳科授業の中で語ることを前提にしたとっておきの話集を掲載していました。
今後は、道徳科だけでなく、他教科の様々な授業場面で語れるような話を創っていきたいです。
私の更なる教師修行として、学習指導要領を読み込み、「授業で語る」とっておきの話づくりに楽しく挑んでいきます。
さて、第1弾は「音読」についてです。
学習指導要領を読み込んでみると、音読を取り巻く要素は多く、1つの話に収まらないことが分かりました。そこで、音読についての語りシリーズの第1弾としました。
それでは原稿を読んでみましょう⇩
【(読む と板書)
みなさんは、何かを読む時、何を使って読んでいますか?(指名)
(読む➡目、指 と板書)
まず目を使いますね。どこを読んでいるか確認するために、指でなぞりながら読む人もいます。
(音読 と板書)でも、読む中でも「音読」は違います。
(音を読む と板書)音を読むと書きますね。つまり、口から音が出て、出た音を耳で聞いているのです。(音を読む➡目、指、口、耳)
五感を使って読むのが音読なのです。この中で、まだ出てきていない五感がありますね。そう、鼻です。正しく音を読むと、ただの文字の並びに見えていたものから匂いを感じるようになります。(におい=言葉の響きやリズム と板書)匂いとは、その言葉の響きやリズムのことです。
(五感を使って正しく音を読む と提示)
ではちょっとみんなで五感を使って正しく音を読む「音読」を体験してみましょう。
(「おうい みんな」と板書)
みなさんはこの言葉をどう読みますか?五感を意識して読んでみましょう。
さんはい(それぞれ一斉に読む)上手!五感を使わないと(正しくない音読を披露する)となってしまいます。
では、これはどう読みますか?(詩を提示)
この詩は、今から約100年前の作品です。正しく音を読みます。さんはい(一斉に読む)
正しく音を読めるようになると、100年前の言葉の響きやリズムも感じられるようになります。もっと昔の言葉の響きやリズムも感じてみましょう。(約330年前の松尾芭蕉の作品なども紹介)
今、みなさんは100年前や300年以上前の言葉を読めましたね。
(意味がわかる と板書)
どんなに昔の言葉でも、言葉の響きやリズムに注意して読めるようになると、その言葉の意味もわかってくるようになります。国語の教科書に書いてある言葉は全て、「五感を使って正しく音を読む」ことで意味がわかってくるようになっているのです。
(正しく読む と板書)
授業で練習したことを生かして、おうちでも正しく音を読む練習をしてみてください。
今まで意味がわからなかった言葉がわかってくるようになり、音読が楽しくなりますよ。】
いかがでしたか?
もちろん、国語教育を専門にしている先生方からすると今回の話だけでは物足りないと思います。
あくまでとっておきの話は、種まきです。
1つの小話だけで音読の全てについて網羅するのは難しいのです。
でも、それでいいのです。あくまできっかけとなる種まきなのですから。
今回の話を通して、音読は音を読むことだと理解し、音読に興味をもつ子が増えたらと思っています。
話を創る時には、次のような構成を考えました。
① 音読は、音を読む。
② 五感を使う。
③ におい=言葉の響きやリズム を感じる。
④ 昔のにおいを体感する。
⑤ 正しく音を読むと、意味がわかる。
⑥ 国語の教科書は、音読してこそ意味がわかる。
こうした全体の流れが明確になって初めてとっておきの話の原稿を作成することができます。
今回はここに至るまでにいつもよりも時間がかかりました。
それは、素材としている「音読」という世界が広く、何を取り上げるか、どう組み立てるかを考えるのに時間がかかったのです。
だからこそ、凝縮された語りになっているとも言えます。
授業で語るとっておきの話づくりの挑戦。
今までと違った面白さのある挑戦になりそうです。
これからもコツコツと原稿をアップしていきますので、気軽にコメント欄で感想を教えてくださいね。
気になった方はぜひ実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。
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