2021年1月31日日曜日

とっておきの話38「あなたの心はセトモノ?」の裏話

Twitterに,とっておきの話38「あなたの心はセトモノ?」の原稿をアップしました。

とっておきの話38「あなたの心はセトモノ?」の原稿



セトモノと セトモノと

ぶつかりっこすると

すぐこわれちゃう

どっちか やわらかければ

だいじょうぶ

やわらかいこころを もちましょう

そういうわたしは

いつもセトモノ



相田みつをさんの詩は,素材として使えるものが多いです。

このセトモノの詩も,初めて読んだ時はすっと心に響いたものです。


とっておきの話として作る時,一番難しかったのは,

聞き手となる子どもにとって,セトモノが「かたく割れやすい」ものだとイメージできるかどうかでした。

そもそも,セトモノを知らない子どもがたくさんいます。




かたくて割れやすいものなら,ガラスを例に挙げてもいいかもしれません。

でも,それでは,この詩のセトモノがもつニュアンスと変わってしまいそうです。


なので,セトモノは変えずに,「心のやわらかさ」という分かりやすい視点を提示することにしました。


あなたは,どちらの心でいたいですか?と質問して,次の2択を提示します。


A かたく,われやすいこころ

B  やわらかく,われにくいこころ


Bの方が良さそうに見えますよね。

でもどうして良さそうなのか上手く説明できない。


そんな時,この詩を提示するのです。

すると,心がやわらかければ,いざぶつかりっこした時もこわれない。

心がやわらかい人は,やさしくなれる

そんなイメージをもてます。


その後,詩の最後の言葉を見せます。

そういうわたしは,いつもセトモノ。

つまり,相田みつをさんは,やわらかい心をもちたいのに,

なかなかもてないというメッセージを残しています。


意識するのは簡単ですが,

実際にやわらかい心をもって実践できるかはまた別次元。

意外と難しいものです。

これは僕も大きく共感した部分です。

自分ではやわらかい心でいるつもりでも,

ふと他人の愚痴を口にしていたり,

なんだかイライラしてしまったりする時があります。

やわらかく,割れにくい心でいたいものです。


このとっておきの話をした後,

子ども同士でけんかする場面があったとします。

その時,「どっちの心がやわらかくてわれにくいかな?」なんて

声かけをしてみるのも良いかもしれません。

意固地になっていた子が自分から謝るかもしれません。


心は見えないからこそ,今かたいのかやわらかいのか,

強く意識しないと見えてきません。

教師自身も,やわらかい心をもって子どもたちとぶつかりっこしたいですね。


興味のある方は,ACジャパンのCMにてこの詩が取り上げられたことがあるので,

以下のリンクから動画をご覧ください。

セトモノ/ACジャパンのCM映像



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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