2024年1月30日火曜日

とっておきの話521「自分身を使い分ける」の裏話

  Xに、とっておきの話521「自分身を使い分ける」の原稿をアップしました。

とっておきの話521「自分身を使い分ける」の原稿


分人主義

という言葉を知り始めていた当時。

人には必ず分人と呼ばれる人がいて、みんなその場所の状況や人間関係に合わせた自分の分身を使い分けているという考え方です。

人によっては分人がたくさんいる人も、分人なんていない人もいるかもしれません。


分人という言葉は子どもにとっては難しいので、何か代わりになる言葉を探していました。

そこで、自分の分身という意味で

自分身

という言葉でとっておきの話を創ることにしました。


それでは原稿をどうぞ⇩


【板書 自分 何と読みますか。斉読 自分 ですね。突然変なことを聞くかもしれませんが、自分は世界で何人いると思いますか? 板書 自分は一人  たった一人ですよね。当たり前だと思ったみなさんにこんな言葉も教えます。

板書 自分身 何と読むと思いますか。 これは、「じぶんしん」と読みます。

どんな意味の言葉だと思いますか?指名


自分身とは、自分の分身という意味です。世界に自分は一人しかいませんが、自分の中にいる自分の分身は…実はたくさんいるのです。

板書 自分身=自分の分身 は、たくさんいる。

提示   A 家族と過ごしている時の自分

     B 友達と過ごしている時の自分

     C 先生と過ごしている時の自分

 例えば、誰と過ごしているかが変わるだけで、自分身は変わります。家族、友達、先生、それぞれ自分の言葉遣いや行動が変わりませんか?他にも、「いつ」「どこで」が変わるだけでも、自分身は変わります。

 みなさんは自分身、何人いるでしょうか。


板書 自分身を使い分ける

 大切なのは、自分身を相手や時、場所によって使い分けることです。自分身を意識すると、相手から信頼されやすい人になれます。

さぁ、今は先生が前に立って話している教室での時間です。どの自分身を意識したら良いかわかるかな?

板書 分身!

 みんなで分身!と言って、意識した自分身を見せてください。いくよ~

斉読 分身!】



いかがでしたか。


抽象的な概念なので、最後にみんなで分身するイメージを膨らませる演出を取り入れました。

子どもたちは大人と比べて素直な心をもっています。

なので、ありのままの姿でどんな人とも接することができます。

その一方、TPOに合わせて動くことが苦手です。

時として礼儀の無い行動をしてしまうこともあります。


また、ありのままで生きようとするほど、人間関係の中で悩むことも増えます。

もっと柔軟に、自分が目の前にしている人との関係性に合わせて自分の分身を使いこなす人になってほしいです。


大人の社会なんてそうですよね?

みんながみんなありのままで働いている訳では無いと思います。

学校も同じです。

どこかで譲り、どこかで譲ってもらって人間関係は形成されていきます。


今はどの自分身を出したらいいのかな?


ここを瞬時に見極めて行動できる子に育ってほしいです。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2024年1月29日月曜日

とっておきの話520「サインフレンド」の裏話

  Xに、とっておきの話520「サインフレンド」の原稿をアップしました。

とっておきの話520「サインフレンド」の原稿


 友達とは何ですか?

 この質問は、大人でも明確に答えることは難しいでしょう。


 さらに、「親友」なんて言葉もあります。

 友達と親友の違いは何ですか?

 これも人によって答えは様々でしょう。


 このように友情や仲間をテーマにした話は、1つの小話だけでは包み切れないものです。

 しかし、少しずつ新しい視点を増やしていくことで、このテーマの探究を子どもたちと一緒に楽しむことはできます。


 今回の小話「サインフレンド」は、当時私が「友達」と「親友」の間にもう一つ友情のステップがあるのではないかと仮説を立て、「阿吽の呼吸」という言葉と組み合わせてできた語りです。


 クラスの仲間とは友達になれない子がいても、サインフレンドにはみんなとなれる。

 そんな願いを込めました。


 それでは原稿をどうぞ⇩



【板書 阿吽の呼吸

何と読むでしょう。 「あうんのこきゅう」と読みます。

「阿」は口を開き発する声なので息を吐くこと。

「吽」は口を閉じ発する声なので息を吸うこと。

つまり、「阿吽の呼吸」とは「息を合わせる」という意味です。

板書 息を合わせる

 みなさんには、友達の中でも特にこの人とは息がぴったり合うという友達はいませんか?


板書 サインフレンド

 サインは英語で「仕草、合図」、フレンドは英語で「友達」という意味です。

小さな仕草や合図だけで息がぴったり合う友達のことをサインフレンドと言います。

 サインフレンドの関係を続けていると、友達がだんだんと親しい友達へと変化していきます。それを「親友」と呼びます。

板書 親友

 いきなり「親友」の関係を目指すのは難しいでしょう。

しかし、サインフレンドの関係なら、身近な友達から作っていくことができます。それは、まだ友達ではない新しく出合ったクラスの仲間とも、そんな関係が築けるはずです。


試しにみんなで一緒に息がぴったり合うサインをしてみましょう。

演出(以下のように、同じポーズをするレクを取り入れる)

①「先生と同じポーズをしてみてください」と言ってみんなでやる

②「○○くんと同じポーズをしてみてください」と言って子ども同士でやる】



いかがでしたか。


この話をすると、子どもたちは小さな仕草や合図をお互いに積極的に使うようになります。



特に声を出さずに意思疎通ができる喜びを味わうと、サインフレンドの人間関係形成が加速します。

学級内に温かい阿吽の呼吸を生み出すことができれば、子ども同士の人間関係は良好なものになっていくでしょう。


「サインフレンド」という言葉は、当時私が思いついた造語です。

私が思うに、本当の親友とはこういうことができると思うのです。

お互いの気持ちを察して動く。

これは大人でも難しいですよね。

でもそれができる。

そういう関係を、親友と言うのではないでしょうか。


また、友達でなくても、クラスの仲間としてサインフレンドになることもできます。

合う合わないはどうしてもあるけども、いざ協力する時にはサインフレンドになってお互いの気持ちを察して動いていく。

そんな関係性もまた良いのではないでしょうか。


気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2024年1月24日水曜日

とっておきの話519「物を大切にできない人は」の裏話

  Xに、とっておきの話519「物を大切にできない人は」の原稿をアップしました。

とっておきの話519「物を大切にできない人は」の原稿


 物と人というのは、いつも何かしらのつながりがあると思うのです。

 なぜなら物は全て、人が創り出したものですから。

 もちろん、自然界が創り出した崇高な物もありますよ。

 でもそれだって、人が定義づけた物ですよね。

 そして、私たち人も自然界が創り出した物なのですから。

 自然を介したとしても、やはり物と人は深くつながっているのだと思います。


 こうした考え方のもと、私はよく物を人に喩えて子どもたちに指導することが多いです。

 幼児の成長過程にも見られる

 アニミズム

 という心理作用を踏まえた指導です。

 典型的なものとして、生命のないもの(玩具や車など)に生命や意思があると考える心理作用を指します。



 発達していく中でこの心理作用が薄れる子もいますが、完全に消える訳ではありません。

 それに、物にも命があるという考え方で物に接した方が良いことは意外とたくさんあります。

 今回の話も、その「良いこと」の1つの事例を提示しています。



 それでは原稿をどうぞ⇩


【提示 傷つけないで。汚さないで。大切にして。

今日は何についての話だと思いますか?

物を大切にしましょうという話だと思った人?挙手

手を挙げた人は、半分正解ですが、半分不正解です。


 提示 物を大切にできない人は

 実はこの続きがあるのです。どんな言葉が続くと思いますか?指名

ヒントを見せますね。

提示 物を大切にできない人は、□も大切にできない。

 □に入る言葉、もう分かりましたね?


 正解は、人 が入ります。

確かにそうだと思った人?挙手

なぜ物を大切にすることが人を大切にすることにつながるのかな?指名

なるほど。物との接し方は、人との接し方とつながっているようですね。


提示 物を大切にできる人は、人を大切にできる。

 みなさんは、物も人も大切にできる人になってください。そのために、まずは物を大切にすることから意識してみましょう。人を大切にできる人に成長していきます。すると、あなた自身が人から大切にされる人になれます。

提示 人を大切にできる人は、人から大切にされる人になる。】


いかがでしたか。


物を大切にできる人は、人も大切にできる。

物を大切にできない人は、人も大切にできない。


よく「物に当たるな」という言葉を聞きますよね。

あれは真理だと思うのです。

なぜなら、怒れた時に物に当たっているような人は、そのうち人に当たる人になるからです。

子どもたちには、物を大切にしないことを何とも思わないような哀しい人にはなってほしくありません。


この話は、特別支援学級の子どもたちにも語ったことがあります。

彼らの場合は、全体で語るだけでなく、その後も合言葉として何度も個別に声を掛け続けました。

物を大切にしている場面では、物に代わって嬉しそうな声を聞かせました。

物を大切にしていない場面では、物に代わって悲しそうな声を聞かせました。

そんな積み重ねをしていく中で、物にも人にも優しくできるようになった子はたくさんいます。


物と人とのつながりを意識すると、身の回りの物への見方も大きく変わります。

そして、人を大切にできる人は、人から大切にされる人になります。

全ての子どもたちがそんな人になってほしいと願い、語るようにしています。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2024年1月20日土曜日

とっておきの話518「自分勝手と相手意識」の裏話

  Xに、とっておきの話518「自分勝手と相手意識」の原稿をアップしました。

とっておきの話518「自分勝手と相手意識」の原稿


 四字熟語は語りの中でキーワードになりやすい素材です。

 さらに、イメージしやすい四字熟語と反対の言葉も四字熟語で表せることができるのなら、よりキーワードとしての役割を果たせる素材となります。


 自分勝手と相手意識


 この2つの四字熟語は、語った後も様々な場面で応用できるキーワードと言えるでしょう。


 「それは自分勝手だね。相手意識をもっと高めよう」と呼びかけることもできるし、

 「今の相手意識、よかったよ!自分勝手な人がいなくてすばらしい」と褒めることもできます。


 語りを通して、こうした日常に溶け込んでいくキーワードを子どもたちと一緒に共有することはとても大切です。



 それでは原稿をどうぞ⇩


【板書 自分勝手


 この中に、自分勝手な人を見たことがある人?挙手

 では、自分勝手だったなぁと自分自身が思ったことのある人?挙手


 自分勝手な相手も嫌だし、自分勝手な自分も嫌ですよね。

 今日は、そんな自分勝手とは反対の言葉を紹介します。何だと思いますか?

ヒントは、同じ四字熟語です。


板書 相手意識

 「あいていしき」と読みます。読んでみましょう。さんはい。斉読


 自分勝手から脱け出すためには、相手を意識することが大切です。

相手を意識するということは、相手の気持ちを考えることにつながります。


提示 思いやり 親切 ありがとう ごめんなさい・・・

 これらは全て、相手意識からつながった行動や言葉です。


演出 板書された「相手意識」という言葉を指差しながら 

もう一度読んでみましょう。さんはい。斉読

 

 みなさんは今日から、自分勝手を脱け出し、相手意識ができる人になってください。そこから様々なステキな行動や言葉につながるはずです。すると、もっと相手意識ができるようになりますよ。

相手意識の輪を、このクラスで広げていきましょう。】



いかがでしたか?


実は、自分のことを自分勝手であると自覚していて自分勝手な行動をしている人って、そんなに多くいません。

大体が、自分勝手であることを自覚していないパターンが多いのです。

子どもたちの中にもこうした子は多くいて、全体で語りかけることに加え、個別に声掛けしていかないといけないと思います。

教師の語りかけや声掛けを通し、どんな行動が自分勝手になってしまうのか自覚していく。

その過程を踏まえ、相手に意識が向いていくのではないでしょうか。


相手意識のはじめの一歩は、自分の自分勝手さを自覚することなのです。



人間誰しも自分勝手な部分があります。

でもだからこそ、相手意識につながるのびしろを誰しも持っていると言えるのです。


どんなに自分勝手な子どもでも、相手意識につながる芽はきっと出ているはずです。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

2024年1月17日水曜日

とっておきの話517「大嫌いな自分も、大事な自分。」の裏話

  Xに、とっておきの話517「大嫌いな自分も、大事な自分。」の原稿をアップしました。

とっておきの話517「大嫌いな自分も、大事な自分。」の原稿


 自分のことが好きな人もいれば、嫌いな人もいます。

 たとえ自分のことが好きな人でも、もしかしたら大嫌いな自分に出合う瞬間が来るかもしれません。

 そんな大嫌いな自分も、自分の中の一部だと捉える。

 さらに言い換えると、自分を受け止めることができるようになりたいですね。


 自己肯定感の低い子どもたちは、何でも自己否定してしまいがちです。

 そんな自己否定を自己受容に切り替えるきっかけづくりになればと思います。



 それでは原稿をどうぞ⇩


【板書 大嫌いな自分

 みなさんは、自分のことなんて大嫌いだと思ったことはありますか?

自分のことをなかなか好きになれない人もいるかもしれませんね。


 最近、ドラマを観ていたら主人公が「こんな私なんて大嫌い!」と叫ぶシーンがありました。夢に向かってがんばっていたのに、失敗の連続で思うようにいかない自分のことが嫌になったのです。その時、主人公のお母さんが言った言葉がとてもステキな言葉でした。こんな言葉です。


板書 大嫌いな自分も、大〇な自分。

 〇の中には漢字1文字が入ります。何だと思いますか?


正解は

板書 大嫌いな自分も、大事な自分。

です。


大嫌いな自分がいてもいい。それも大事な自分なのです。



最後に先生から、みんなに次の言葉を贈ります。


提示 演出 ゆっくりと気持ちをこめて読み聞かせる


  大好きな自分も、大嫌いな自分も、ぜんぶ大事な自分。

  自分を大事にできて初めて、相手を大事にできる。

  自分を大事にできる人は、相手から大事にされる人になる。

  大嫌いだと思っていた自分を大事にしてくれる人に出会える。

  そうやって、大嫌いな自分はいつかきっと、大好きな自分の一部になる。】


いかがでしたか。


 いきなり自己否定から自己肯定に切り替えるのは難しくても、まず自己否定から自己受容には切り替えられそうですね。

自己受容ができて、その次に自己肯定が来るのだと思います。

自己受容はいわば、自己否定と自己肯定が入り混じっている状態。

でも、自分を自分だと受け止めている状態です。


大嫌いな自分も、大事な自分。


 この言葉から、自分を大事にする気持ちを育てていってほしいです。

 さらに、語り終わりには、この言葉を引き立てるような言葉を紡いでみました。

 しかし、聞き手の実態によっては、蛇足になる可能性もあります。

 ここら辺の見極めは非常に難しく、付け加えるべきかどうか今回も迷いました。


 ちなみに素材は朝ドラから来ています。



 朝ドラはいつもハッとするようなセリフに出合う可能性が高いです。

 何気なく観ているものから思わぬ素材がやってくるものです。



 ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

 気になった方はぜひ、実践してみてください。

2024年1月14日日曜日

とっておきの話516「自信と約束 ~自分との約束を守る自分に~」の裏話

  Xに、とっておきの話516「自信と約束 ~自分との約束を守る自分に~」の原稿をアップしました。

とっておきの話516「自信と約束 ~自分との約束を守る自分に~」の原稿



 当時の私は、中田敦彦さんのYouTubeチャンネルにハマってよく観ていました。

 このとっておきの話は、その中でハッとさせられた「自信」についての小話です。

 

 自信が無い人は、大人も子どもも本当に多い時代となりました。

 教師であっても、自信の無い人は大勢います。

 担任する子どもたちも、自信の無い子で溢れています。

 そんな中で、「自信」をテーマにした語りは絶対に必要だと思います。

 この語りもそんな語りの1つの例としてご覧ください。



 それでは原稿をどうぞ⇩


【提示 自信

みなさんは、自信がありますか。ある人?ない人?挙手

では、自信の付け方を知っている人?挙手 指名


 今日は自信の付け方を1つ紹介します。

提示自分との約束を守ると、自信がつく。

自信は、自分との約束を守るとつきます。どういう意味だか分かりますか?


板書 自信=自分を信じる

自信は、漢字で「自分を信じる」と書きます。では、どうしたら自分を信じられるのでしょうか?それは、自分が信じる側で考えてみると答えが見えてきます。つまり、あなたはどんな人を信じたいと思うかを考えるのです。


提示

A いつも約束を守らず、なまけている人

B いつも約束を守り、努力し続けている人


AとB、あなたはどちらの人を信じたいですか?挙手

Bを選ぶ人が多いと思います。これは、自分に対しても同じです。


板書 自信=自分を信じる=自分との約束を守る




人は何かしら自分との約束をしているものです。それは目標と言い換えても良いでしょう。○○を目指す。○○は絶対にやり切る。○○だけはしないようにする。みなさんにもあるはずです。目を瞑って少し考えてみてください。


 

自分との約束、思い浮かびましたか?その約束を守り続けることができると、自分を信じられるようになります。

みなさんもぜひ、自分との約束を守り、自信いっぱいに毎日を思い切って過ごしてみてください。

自分を信じられる人こそ、人から信じてもらえる人になります。

自信が無くなってきたら、またこの話を思い出してみてください。】


いかがでしたか。


自分との約束を守っていると、自信がついてくる


当時の私は、この「自分との約束」という視点が素敵だなと思いました。

自分との約束を守れる人は、他人との約束も守れる人なのですよね。


すると、自信だけでなく、他信も積み重なるのです。

周りから信用される人になれる。

この原点となるのが、自分との約束を守ることなのだと学びました。



あなたは、自分との約束を守り続けていますか?

そして、担任している子どもたちは、自分との約束を守っていますか?


ここを問いかけ、自分事として振り返る機会をつくっていくと、だんだんと自信がついてくるのかもしれませんね。



気になった方はぜひ、実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。


2024年1月7日日曜日

とっておきの話515「自由の芽と責任の芽」の裏話

  Xに、とっておきの話515「自由の芽と責任の芽」の原稿をアップしました。

とっておきの話515「自由の芽と責任の芽」の原稿



 自由と責任


 両者とも道徳的テーマとして取り上げられやすいものですよね。

 自由を得るためには、責任を果たさなければならない。

 責任を果たすためには、自由が保障されていなければならない。

 両者は相互関係で成り立っています。


 しかし我々は、自由と責任を切り離して考えてしまいがちになります。

 子どもたちもそうです。

 自由ばかりを主張する子や、

 責任に押しつぶされそうになっている子がいます。


 こうした自由と責任の関係性を、芽に喩えて語る試みが今回の話です。


 それでは原稿をどうぞ⇩


【板書 芽の絵を描く

これは、みんなの心の中にある自由の芽です。


板書 自由の芽

誰もが育てたい芽です。自由が広がると嬉しいですよね。自分は今、どれくらいこの芽が育っていると思いますか?体で表現してみてください。


演出 子どもたちにジェスチャーを促す

なるほど。でもね、先生は同時に育ててほしい芽があると思っています。


板書 ○○の芽

○○の中にどんな言葉が入るか分かりますか?指名


自由の芽と一緒に育てる芽。正解は…責任の芽です。

板書 責任の芽


 自由の芽と責任の芽は、同じ高さで育てていかないと心のバランスが悪くなり、思うように自由がもらえなかったり、責任の重さに辛くなったりします。


提示

A 自由の芽が高く、責任の芽が低い状態

 

B 自由の芽が低く、責任の芽が高い状態

 


 Aのように自由の芽ばかり育つとわがままな心が育ち、「ルールを守る」という責任を果たさずに自由と向き合うことになります。これでは周りの人とトラブルが起きたり、危険にさらされたりして心配なので自由は与えられません。

 Bのように責任の芽ばかり育つと責任感をもち過ぎてしまい、限られた自由の中でがんばることになります。これでは息苦しく、心が疲れてしまいます。


自由の芽と責任の芽は同時に育てていきましょう。自由が増えると楽しい思い出ができます。責任を果たす経験を積み重ねると自信が湧いてきます。

みなさんなら、どちらの芽も伸び伸びと育っていくことでしょう。】


いかがでしたか。


芽に喩えて表現してみると、自由と責任の関係性がよくわかるのではないでしょうか。

自由の芽と責任の芽は同時に育てていかなければならない。

といったメッセージが伝わる語りになればと思いました。

実際にこの話は、卒業式で使われた方もいるようです。


抽象概念ほど、視覚的にわかりやすく具体物に喩えて表現する。

見せる力の語り術の1つですね。

最近、フォロワーさんで、抽象と具体の往還が大切という考え方をされている方がいらっしゃいました。

私の語りも、抽象と具体を往還しながら子どもたちに伝えたいメッセージを届けているなぁと思います。


どんな抽象があり、それをどう具体化していくか。

また逆に、具体に対して、どんな価値を付与して抽象化していくか。

この往還が大切なのだと思います。


自由と責任の話も同じ。

このままでは抽象的なままです。

どう料理するか、いつも料理人の腕が試されています。



ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。

気になった方はぜひ、実践してみてください。

とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...