Xに、とっておきの話515「自由の芽と責任の芽」の原稿をアップしました。
自由と責任
両者とも道徳的テーマとして取り上げられやすいものですよね。
自由を得るためには、責任を果たさなければならない。
責任を果たすためには、自由が保障されていなければならない。
両者は相互関係で成り立っています。
しかし我々は、自由と責任を切り離して考えてしまいがちになります。
子どもたちもそうです。
自由ばかりを主張する子や、
責任に押しつぶされそうになっている子がいます。
こうした自由と責任の関係性を、芽に喩えて語る試みが今回の話です。
それでは原稿をどうぞ⇩
【板書 芽の絵を描く
これは、みんなの心の中にある自由の芽です。
板書 自由の芽
誰もが育てたい芽です。自由が広がると嬉しいですよね。自分は今、どれくらいこの芽が育っていると思いますか?体で表現してみてください。
演出 子どもたちにジェスチャーを促す
なるほど。でもね、先生は同時に育ててほしい芽があると思っています。
板書 ○○の芽
○○の中にどんな言葉が入るか分かりますか?指名
自由の芽と一緒に育てる芽。正解は…責任の芽です。
板書 責任の芽
自由の芽と責任の芽は、同じ高さで育てていかないと心のバランスが悪くなり、思うように自由がもらえなかったり、責任の重さに辛くなったりします。
提示
A 自由の芽が高く、責任の芽が低い状態
B 自由の芽が低く、責任の芽が高い状態
Aのように自由の芽ばかり育つとわがままな心が育ち、「ルールを守る」という責任を果たさずに自由と向き合うことになります。これでは周りの人とトラブルが起きたり、危険にさらされたりして心配なので自由は与えられません。
Bのように責任の芽ばかり育つと責任感をもち過ぎてしまい、限られた自由の中でがんばることになります。これでは息苦しく、心が疲れてしまいます。
自由の芽と責任の芽は同時に育てていきましょう。自由が増えると楽しい思い出ができます。責任を果たす経験を積み重ねると自信が湧いてきます。
みなさんなら、どちらの芽も伸び伸びと育っていくことでしょう。】
いかがでしたか。
芽に喩えて表現してみると、自由と責任の関係性がよくわかるのではないでしょうか。
自由の芽と責任の芽は同時に育てていかなければならない。
といったメッセージが伝わる語りになればと思いました。
実際にこの話は、卒業式で使われた方もいるようです。
抽象概念ほど、視覚的にわかりやすく具体物に喩えて表現する。
見せる力の語り術の1つですね。
最近、フォロワーさんで、抽象と具体の往還が大切という考え方をされている方がいらっしゃいました。
私の語りも、抽象と具体を往還しながら子どもたちに伝えたいメッセージを届けているなぁと思います。
どんな抽象があり、それをどう具体化していくか。
また逆に、具体に対して、どんな価値を付与して抽象化していくか。
この往還が大切なのだと思います。
自由と責任の話も同じ。
このままでは抽象的なままです。
どう料理するか、いつも料理人の腕が試されています。
ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。
気になった方はぜひ、実践してみてください。
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