2021年3月31日水曜日

とっておきの話95「勝ち負けがあるから成長できる」の裏話

Twitterに,とっておきの話95「勝ち負けがあるから成長できる」の原稿をアップしました。

とっておきの話95「勝ち負けがあるから成長できる」の原稿




なぜ,勝ち負けがあると成長できるのでしょう?



それは,勝ち負けがあると,あなたのそばに

ライバル

がいるからです。


ライバルをWikipediaで調べると,

同等もしくはそれ以上の実力を持つ競争相手の意味。

と出てきます。


切磋琢磨できるライバルがいると,良い刺激となり,競争しているうちに自分も実力をつけていけます。


こうした

自分を成長させてくれるライバル

を見つけられているかどうかも,重要なポイントとなることがあります。




昨年度,特別支援学級の担任をしていました。

新1年生に,二人の男の子が同じクラスにいました。

二人とも,最初は塗り絵から学習が始まりました。

しかし,お互いをライバルだと意識し始めてから,二人とも大きく躍進しました。


年度末には,漢字で自分の名前を書いたり,通常学級と同じ程度の計算をこなしたりするようになりました。

ライバルを見つけると子どもは大きく成長できると実感した1年でした。

その裏では,僕自身,ゲーム感覚で「勝ち負け」を意識的に取り入れて指導していたとも言えます。



「勝ち負け」のある出来事は,このご時世では非難されがちです。

僕は小学生の頃,まさに「ゆとり世代」と呼ばれる世代でした。

運動会の徒競走は「勝ち負け」が無いように一緒に手をつないで走っていた時代でした。

確かに,一方的な「勝ち負け」や思いやりのない「勝ち負け」などは非難されるべきです。


とっておきの話44「負ける人のおかげで勝てる」では,勝った人こそ負けた人を尊重して向き合うべきだという話をしました。

勝った人が一方的に勝ちを喜び,負けた人を貶める。

そんな「勝ち負け」は非難されるべき「勝ち負け」です。



一方,とっておきの話48「ノミのジャンプ」では,自分で限界を勝手に決めてしまい,高く跳べなくなったノミたちに新たなライバルのノミを一緒にしたことで,また高く跳べるようになった話を紹介しました。

ライバルの存在によって,自分の限界が取り払われ,もっと高く跳べる(成長できる)ようになるのです。




「勝ち負け」は,全面的に否定されるものではないし,全面的に肯定されるものでもないのです。

こうした「勝ち負け」に対する価値観を伝えてくれるキーワードが「ライバル」です。



「勝ち負け」の結果だけに注目するのではなく,負けてしまったけど悔しい相手。

切磋琢磨しながら「次は負けないぞ!」と素直に競争できる相手。

そんな「自分を成長させてくれるライバル」を探す。

そこに聞き手が楽しみを見出せると良いと思い,こうしたとっておきの話を作りました。



世間的に非難されているからこの話題はダメ。

と決めつけている素材って意外と多いものです。

「本当にダメなのかな?」

と疑ってみるのも,とっておきの話の素材となります。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



2021年3月30日火曜日

とっておきの話94「おうちの人からのメッセージ」の裏話

Twitterに,とっておきの話94「おうちの人からのメッセージ」の原稿をアップしました。

とっておきの話94「おうちの人からのメッセージ」の原稿



おうちの人=保護者

のことを指します。



昨今の時代では,迂闊に「お母さん」「お父さん」という表現が使えません。

母子家庭や父子家庭,親がいない施設の子もいるからです。

クラスに1人~3人は当たり前にいる時代です。(学校によってはもっと多いかも)


かと言って,「保護者」という表現は聞き手の子どもたちにとってあまりピンと来ません。

なので,「おうちの人」という表現を使っています。


そんな「おうちの人からのメッセージ」,教室の中で一番受け取っているのは誰だと思いますか?




そう,担任の先生です。

連絡帳には毎日,様々な子の保護者からメッセージが届きます。



中には重大な問題を示唆する内容も。。。


でも,「我が子の成長を思って」が前提のメッセージばかりなのです。

こうした保護者の思いは,毎日連絡帳を点検する担任が一番受け取っているように思えます。


しかし,こうしたメッセージは,本来「その子本人」に確実に届けるべきではないでしょうか?

連絡帳に漢字で書いてある大人向けのメッセージも,内容によっては子どもに紹介してもいいと思います。


ましてや,連絡帳ではなく,今回のように

「おうちの人からのメッセージを書くページ(欄)」

のある冊子(夏休み日誌など)やプリントは,その存在を子どもたちに強く意識してもらう必要があると考えます。




今回の話「おうちの人からのメッセージ」を披露すると,分かることがあります。

それは。。。


担任が思っている以上に,

子どもたちは,おうちの人からのメッセージを気にも留めていない。

ということです。


大変悲しい事実ですが,それぐらい

「立ち止まってメッセージを読んでみる時間」

が必要だということです。



こうした時間を設けることで,

・僕のお母さんはこんなことを考えてくれていたんだ。

・私のお父さんはこんな気持ちだったんだ。

というような「おうちの人の想い・気持ち」に触れることができます。

子どもたちにとってそれは大きな発見であり,新しい発見のようです。



時として教師は,子どもとおうちの人をつなげる役割も担うべきです。

今回のとっておきの話も,気になった方はぜひ,実践してみてください。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


2021年3月29日月曜日

とっておきの話93「どんな気持ちで書いたでしょう」の裏話

Twitterに,とっておきの話93「どんな気持ちで書いたでしょう」の原稿をアップしました。

とっておきの話93「どんな気持ちで書いたでしょう」の原稿




教員をされている方は,子どもに字を丁寧に書いてほしいと願う時,どんな風に指導されますか?

個別に呼んで「ていねいに書いてね」と声をかけても良いですが,

僕の場合はまず,全体にとっておきの話をして個別指導の伏線を貼ることにしています。


それがこの「どんな気持ちで書いたでしょう」という話です。

僕は,字の評価には4つの要素があると思っています。


① 丁寧な字

② 雑な字

③ きれいな(美しい)(上手な)字

④ 汚い(下手な)字


①と②は相反し,③と④も相反する要素です。

①と②は意識(気持ち)次第,③と④は技能(テクニック)次第です。

技能(テクニック)が上達するには,練習を積み重ねる必要があるので時間がかかります。

でも,意識(気持ち)は少し気をつければ変われます。


これらを組み合わせてみると,字の見方がわかります。


①と③ 丁寧に書いたきれいな字

最高です。気持ちをこめて書いているし,技能も優れている字です。


①と④ 丁寧に書いた汚い字

最高です。技能が足りなくても,一生懸命気持ちをこめて書いた字です。


②と③ 雑に書いたきれいな字

最悪です。自分の技能に甘んじて,気持ちをこめて書いていない字です。


②と④ 雑に書いた汚い字

最悪です。上手になろうという気持ちが全くない字です。当然技能も身につきません。


以上のように,僕は字のきれいさよりも丁寧さを大事にしたいと考えています。

それは,字を丁寧に書き続けた子は自然ときれいな字へと上達していくからです。

気持ちをこめれば技能は後からついてくると信じています。



だからこそ,今回の原稿では,こんな言葉が出てきます。


【字を見れば,書いた人の気持ちがわかる。】


先輩の先生の学級通信から素材のヒントを得ましたが,僕も日頃から感じていたことでした。

プラスの気持ちで書いた字とマイナスの気持ちで書いた字。

見てみると意外にその違いはわかってしまうものです。



「どんな気持ちで書いたでしょう」の話を聞いた子どもたちが,

書いた字から気持ちまで想像できるようになり,

いつかは自分の字を自分の気持ちと照らし合わせながら振り返られる力を身につけてほしいと思います。




ん?今回の内容は国語的だと思った方,鋭いご指摘ですね。

でも,国語的でも「気持ち」にフォーカスを当てた話なので,それは国語的であって道徳的な話なのです。

道徳という枠組みに囚われず,自由なテーマでとっておきの話を作ってみてください。

○○的道徳的な話。○○にはいろんな教科・領域が入る可能性が秘められています。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年3月28日日曜日

とっておきの話92「最後の最後まで成長できる」の裏話

Twitterに,とっておきの話92「最後の最後まで成長できる」の原稿をアップしました。

とっておきの話92「最後の最後まで成長できる」の原稿



今回も前回に引き続き,先輩の先生の学級通信から得た素材です。

この素材をいただいた当時,甲子園で優勝した作新学院高校の野球部のみなさん。



彼らは,こんな合言葉を大事にしていたそうです。


「最後の1アウトを取るまで成長は可能」


いい言葉ですよね。

先輩の先生は,これをこんな風に言い換えていました。


人は,最後の最後まで成長できる


成長できると信じることが大切だと先輩の先生は学級通信で語っています。


まず,自分が成長できると信じる。

原稿から抜粋してみます。

【〇年△組にいるあなたたち一人一人も,〇年生最後の1時間まで成長できるのです。そうやって成長できる自分を信じることができれば,努力も続けられそうではないでしょうか。】


次に,仲間が成長できると信じる。

原稿から抜粋してみます。

【作新学院高校野球部の強さは,仲間の成長を信じた選手たちの気持ちにあるそうです。人は,最後の最後まで成長できる。これは,自分のことだけではありません。今助け合っている仲間も,成長していくのです。あなたの仲間の中には,成長の遅い仲間もいるかもしれません。でも,その仲間も,最後の最後まで成長できるのです。】


① 最後の最後まで成長できると自分を信じることができるか

② 最後の最後まで成長できると(クラスの)仲間を信じることができるか


この2つの問いかけを柱にしてとっておきの話づくりをしてみました。

どちらも深く考えてみたい問いですよね。


最後の最後まで成長できると自分を信じている人が集まった学級は,最後の最後まで成長できると仲間を信じられる学級になります。

そして,担任の先生自身も,学級の子どもたちが最後の最後まで成長できると信じることが大切です。


信じているよ


このメッセージを伝え合うからこそ,絆が生まれるのです。

信じる力で学級経営。ステキですよね。



原稿の終わりには,

伸びしろ無限大

なんて言葉を付け加えてありますがこれは蛇足かもしれません。

きっと当時の僕は,もっと短い言葉で合言葉になるものを探っていたのでしょう。


もしこの言葉を使うのなら,無限大のマーク「∞」をシンボルアイコンにしてもいいですよね。



合言葉は「最後の最後まで成長できる」にして,「∞」のマークを提示して振り返るのです。

合言葉+シンボルアイコン=聴覚+視覚からの振り返りになります。




さて,「最後の最後まで成長できる」の

「最後」とはいつのことでしょうか?


公開した原稿は,学校の先生が学級の子どもたちに向けて話す想定で作られています。

なので,ここで言う「最後」とは,「学年末」の時期を指します。

1年の終わりまで,この学級は成長できるよ,という意味です。


でも,1年に限定しなくてもいいですよね。

2年後や3年後を「最後」にしてもいいし,

卒業する時を「最後」にしてもいい。

小学校の卒業を「最後」にしてもいいし,

社会人手前の大学卒業を「最後」にしてもいい。


例えば,聞き手を小学生の子どもに限定しないのなら,「最後」のバリエーションはもっと多岐に渡ります。

「最後」はどんな時期に設定してもいいのです。

どんな時期に「最後」を設定するかによって,「最後の最後まで成長できる」の言葉の意味合いが変わってきます。




では,極端な「最後」とはいつでしょう?

僕は「その人の人生が終わる時」だと考えます。つまり,死ぬ時です。


しかし,極端な「最後」にたどり着くまでの間,人はもっと細かな「最後」を経験していくのです。

「最後」を「ゴール」と言い換えてみましょう。

その人の人生が終わる時を大きなゴールだとすると,そこまで走れと言われると辛くなりますよね。

やっぱり給水ポイントが必要になります。

人生をマラソンに喩えると,人生の節目である小さなゴールが設定されているからこそ,人は走り続けられるのだろうと考えます。

この「小さなゴールの連続が,大きなゴールまで走り続けられる力となります。」





なので,今回のように様々な節目に「最後」(ゴール)を設定し,

「最後の最後まで成長できる」と信じることは人の成長に大きく関わる力となるでしょう。

そういう意味で,今回のとっておきの話も『とっておき』だと思いました。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年3月27日土曜日

とっておきの話91「勝負するのは相手ではなく自分」の裏話

Twitterに,とっておきの話91「勝負するのは相手ではなく自分」の原稿をアップしました。

とっておきの話91「勝負するのは相手ではなく自分」の原稿



2016年ドラフト1位でプロ野球入りした今井達也選手。

高校野球時代の活躍ぶりは話題になりました。


当時はまさに「高校野球で日本一の投手」でした。


そんな今井投手。レギュラーメンバーを外れたこともあったそうです。

それでも,ある言葉を信じて,努力し続けてきたことで,日本一の投手になれました。

どんな言葉だと思いますか?


それは,こんな言葉です。

勝負するのは相手ではなく自分


この今井投手の言葉を受けて,学級通信を作った先輩の先生がいました。

その先生は,通信でこんなふうに語っています。


【その人がどれだけ成長できたかどうかを表したものを,成長率と言います。

成長率が高ければ高いほど,たくさん成長できたという意味です。

今井投手は,自分と勝負することで,成長率がすさまじく高くなったそうです。

なぜ,自分と勝負をし続けている人は成長率が高くなるのでしょうか?】


僕も通信を読みながら,なぜだろう?と考えました。

通信では,自分と勝負し続けている人は成長率が高くなる理由は,3つあると続けます。



(1)自分が一番の敵

今井投手も,レギュラーメンバーから外れた時は苦しかったはずです。そんな自分の気持ちに打ち勝ったからこそ,日本一の投手になれたかもしれません。

とっておきの話75「自分と戦う力をつけよう」で紹介したイチロー選手のエピソードとつながりますよね。



【他人の記録をぬりかえるのは7割・8割の力でも可能ですが,自分の記録をぬりかえるには10割以上の力が必要です。】

自分は一番の敵なのです。



(2)自分を助けてくれる人

自分と勝負し続けている人には,助けてくれる人が集まります。


今井投手も,監督や仲間,家族からの助けをたくさんもらったそうです。



(3)自分のための練習

ほかのだれでもない,自分のための練習ができます。

今井投手も,たとえ猛練習でも,自分のためだと思ったからこそ続けていけたそうです。



こうした3つの理由から,自分と勝負し続けている人は成長率が高くなると語っています。

「勝負するのは相手ではなく自分」という言葉だけだと素材として説得力に欠けますが,今井投手のエピソードとともに3つの理由を提示されると納得できる言葉となりますよね。



聞き手に大切にしてほしい言葉があった時,ただ熱意をもって話せばいいわけではありません。

なぜその言葉が大切なのかという根拠をわかりやすく提示できるか。

ここをおさえてとっておきの話づくりができると良いです。


今回の今井投手の言葉と根拠となるエピソードはどれもわかりやすく,納得のいくものでした。

聞き手が自分事として捉えられるのです。

さらに,根拠を3つにまとめてあるのも素敵です。

長々と根拠を説明するよりも,3つに小分けしてエピソードを語った方がわかりやすく伝わります。

ナンバリングの手法がここでも使われていますね。



さて,今回の素材は学級通信から得ています。



学級通信は,教員が素材探しする上で魅力的な素材となりやすいです。

なぜかというと,次の3つの理由があるからです。


① その教員が探し出した素材を得られる。

今回の今井投手の言葉やエピソードを知ったのは,先輩の先生が探し出した素材として学級通信に載っていたからです。


② その教員の価値観も素材として得られる。

ついでに先輩の先生の価値観も素材となり得ます。素材からどのように考えたのかを知ることで,作り手としての視野も広がります。


③ わかりやすく伝える手法を真似できる。

優秀な学級通信には,わかりやすく伝える手法が詰まっています。

今回のナンバリングもそうですが,こうした手法を真似してとっておきの話づくりに活かすことができます。


みなさんがもし教員の方でしたら,自分以外の先生の学級通信を読むことをオススメします。

できれば尊敬できる先輩の先生の学級通信を読ませていただくの良いでしょう。

きっとそこから学べる素材があるはずです。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年3月25日木曜日

とっておきの話90「お弁当はふるさと」の裏話

Twitterに,とっておきの話90「お弁当はふるさと」の原稿をアップしました。

とっておきの話90「お弁当はふるさと」の原稿



今回のとっておきの話のテーマは,お弁当です。



小学生の頃,お弁当の時間ってなんだか特別に感じたものです。

それは,給食と比べてある決定的な違いがあるからだと考えます。


その違いとは・・・


みんなそれぞれ,味がちがう


ということです。

給食は,みんな同じ味のメニューを食べますよね。

でも,お弁当はそれぞれの家庭で作られたメニューがお弁当箱に入っています。


みなさんは小学生の頃,どんなお弁当を食べていましたか?


・野菜たっぷりのお弁当

・お肉や卵焼きばかりの茶色多めのお弁当

・彩り豊かなお弁当

・自分の好きな物しか入っていないお弁当

・嫌いな物も入っているお弁当

・キャラ弁などの見た目が面白いお弁当

・おにぎりがおいしいお弁当


それぞれのお弁当には,それぞれの味がします。

それは,それぞれに作っている人の存在があるからです。



YouTubeには,お弁当をテーマにした動画があります。

今回の話では,2つの動画素材が使われています。


1つ目は,大人になってからも自分が食べたお母さんのお弁当を覚えているかどうかという動画です。

意外と覚えているもので,そこには愛情いっぱいの思い出が込められていることがわかります。


【CM】〜泣ける!お母さんのお弁当覚えてる?〜「西友 HANDMADE HOMETOWN」(2015年)





2つ目は,お弁当を通して,親は子にメッセージを届けているのだということを考えさせられる動画です。「お弁当メール」という表現が素敵です。


【東京ガスのやっぱり泣けるCM】家族の絆「お弁当メール」編



どちらの動画も,何気なく食べていたお弁当の背景にある作り手の苦労や愛情に気づかせてくれる魅力的な素材です。

今回のとっておきの話では,こんな言葉で締めくくってみました。


お弁当はふるさと


子どもの頃に食べていたお弁当の思い出は,大人になってから思い出すとまるでふるさとのようです。

社会人になった今でも,母の作る味は思い出すものです。

こんな料理,食べていたなぁ,と。


給食が用意されているのが当たり前ではないように,

お弁当が用意されているのも当たり前ではないのです。


お弁当って素敵ですよね。




一方で,今回のとっておきの話の内容には注意点もあります。


学校現場でこの話を実践する時,聞き手である子どもたちのそれぞれの家庭環境に配慮しなければなりません。

経済的理由や家庭的事情により,お弁当を作る人がいない,お弁当がない,という子がいます。

子どもにはお父さんやお母さんがいて当たり前の時代ではありません。

みんなお母さんにお弁当を作ってもらっているでしょ?という前提でこの話をしてしまうと,知らないうちに傷つく子が現れてしまう危険性があります。


聞き手の全員が,だれか家族にお弁当を作ってもらっている家庭環境であるか事前に確認しておく必要があります。



このように,とっておきの話のテーマによっては,事前に聞き手の実態を確認する必要があります。

何気ない表現の違い,使う言葉の違いによって,伝わるニュアンスが変わります。


とっておきの話は,子どもたちの心に響かせる話でなければなりません。

決して,子どもたちの心を傷つける話とならないよう,注意していきたいですね。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

2021年3月24日水曜日

とっておきの話89「連携は世界一」の裏話

Twitterに,とっておきの話89「連携は世界一」の原稿をアップしました。

とっておきの話89「連携は世界一」の原稿



みなさんは,バドミントンの試合を見たことがありますか?

バドミントンと言えば,この二人の選手が活躍した時代がありました。





「たかまつペア」と呼ばれるこのお二人。

2016年のリオデジャネイロオリンピックで金メダルを取った
高橋礼華さん(左:当時26歳)と松友美咲紀さん(右:当時24歳)です。


バドミントンには,一人で戦うシングルスの試合と,二人で戦うダブルスの試合があります。

たかまつペアは,ダブルスの試合で世界一になったのです。

さぞかしお二人ともシングルスでも強い選手同士なのだろうと思っていましたが,あるテレビ番組でインタビューされている様子を見ているとそうでもないそうです。



二人をペアとして組ませた「たかまつペア」の恩師:田所光男監督は,

【こんなこと言ったら彼女たちに失礼ですけど,たまたま組ませた選手がたまたま良かった。】

とインタビューに答えていました。

シングルスの選手を先に決めた田所監督は,たまたまその時にあまった二人(高橋さんと松友さん)をダブルスのペアとして組ませることに決めたそうです。

そんな決め方で組んだ「たかまつペア」。


田所監督はこんな風に評価しています。

【二人の性格は真反対。お互いに無いものを持っている。】

お互いに無いものをフォローし合った「たかまつペア」は,日本人初の世界ランキング1位のペアになりました。



ある雑誌のインタビューで,松友選手はこんなことを言っています。

【実力的には世界一ではないですが,二人の連携は世界一だと思っています。】

一人一人の力は世界一でなくても,二人の連携は世界一。

相手を思い合って動く連携(フォロー)ができた二人だからこそ,こうした言葉が出てくるのでしょう。




学校現場では,ペア学習がよく取り入れられます。

個で学ぶだけでは育たないものが育ちます。


そんな時,このとっておきの話を聞いて,

「ペアの子を大切に助け合っていこう。」

と思ってもらえたらいいなと思います。


個々の力は小さくても,誰かと力を合わせれば大きな力となる。

人間は社会的な動物だからこそ,大切にしたい考え方です。




こうした連携・フォロー・助け合いの姿が色濃くわかりやすく出てくるのがスポーツです。

特に,スポーツの祭典と呼ばれるオリンピックは見物です。

魅力あるプレーがたくさん出てきます。

ぜひ聞き手の子どもたちにも,オリンピックに興味をもってほしいなぁと思います。


一方,今年度は特別支援学級の児童にパラリンピックの紹介もしました。

こちらも見ていると胸が熱くなるほど魅力あるプレーの連続です。





スポーツ選手のがんばっている姿,助け合っている姿は,魅力ある素材としてとっておきの話づくりに生かすことができます。





気になった方はぜひ,実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の裏話

  Xに、とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿をアップしました。 とっておきの話524「Win WinとLose Lose」の原稿 三方良し という言葉が個人的には好きなのですが、今の時代は「ウィンウィン(Win Win)」という言葉の方が聞き馴染みが...