Twitterに,とっておきの話93「どんな気持ちで書いたでしょう」の原稿をアップしました。
教員をされている方は,子どもに字を丁寧に書いてほしいと願う時,どんな風に指導されますか?
個別に呼んで「ていねいに書いてね」と声をかけても良いですが,
僕の場合はまず,全体にとっておきの話をして個別指導の伏線を貼ることにしています。
それがこの「どんな気持ちで書いたでしょう」という話です。
僕は,字の評価には4つの要素があると思っています。
① 丁寧な字
② 雑な字
③ きれいな(美しい)(上手な)字
④ 汚い(下手な)字
①と②は相反し,③と④も相反する要素です。
①と②は意識(気持ち)次第,③と④は技能(テクニック)次第です。
技能(テクニック)が上達するには,練習を積み重ねる必要があるので時間がかかります。
でも,意識(気持ち)は少し気をつければ変われます。
これらを組み合わせてみると,字の見方がわかります。
①と③ 丁寧に書いたきれいな字
最高です。気持ちをこめて書いているし,技能も優れている字です。
①と④ 丁寧に書いた汚い字
最高です。技能が足りなくても,一生懸命気持ちをこめて書いた字です。
②と③ 雑に書いたきれいな字
最悪です。自分の技能に甘んじて,気持ちをこめて書いていない字です。
②と④ 雑に書いた汚い字
最悪です。上手になろうという気持ちが全くない字です。当然技能も身につきません。
以上のように,僕は字のきれいさよりも丁寧さを大事にしたいと考えています。
それは,字を丁寧に書き続けた子は自然ときれいな字へと上達していくからです。
気持ちをこめれば技能は後からついてくると信じています。
だからこそ,今回の原稿では,こんな言葉が出てきます。
【字を見れば,書いた人の気持ちがわかる。】
先輩の先生の学級通信から素材のヒントを得ましたが,僕も日頃から感じていたことでした。
プラスの気持ちで書いた字とマイナスの気持ちで書いた字。
見てみると意外にその違いはわかってしまうものです。
「どんな気持ちで書いたでしょう」の話を聞いた子どもたちが,
書いた字から気持ちまで想像できるようになり,
いつかは自分の字を自分の気持ちと照らし合わせながら振り返られる力を身につけてほしいと思います。
ん?今回の内容は国語的だと思った方,鋭いご指摘ですね。
でも,国語的でも「気持ち」にフォーカスを当てた話なので,それは国語的であって道徳的な話なのです。
道徳という枠組みに囚われず,自由なテーマでとっておきの話を作ってみてください。
○○的道徳的な話。○○にはいろんな教科・領域が入る可能性が秘められています。
気になった方はぜひ,実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿