Twitterに、とっておきの話440「〈きもち〉はなにをしているの?」の原稿をアップしました。
とっておきの話440「〈きもち〉はなにをしているの?」の原稿
この世界には、見えないものと見えるものがあります。
ホモサピエンス全史において、人間は見えないもの(=虚構)を作ることによって進化を遂げてきたとの主張があります。
人間は、抽象度の高い見えないものを愛することで、進化できるのです。
そういった意味で「心」や「気持ち」というのはある意味では虚構でありながら欠かせない「見えないもの」であると言えます。
見えないものだからこそ、様々な言語化ができるのです。
今回の素材となった絵本も、
「気持ち」が何をしているのか?
というテーマで言語化を試みることで、見えないものが見えるようになり、抽象度を低くして具体的に愛するものとして浮かび上がってきます。
それでは原稿を読んでみましょう⇩
【(きもち と板書)
みなさんは、「きもち」と聞いてどんな気持ちを思い浮かべますか?(何人か指名。出てきた気持ちを1つずつ板書する)ある絵本を読んだ人が、「きもちのすべてを、だきしめてあげてもいいかなと思えた」と言いました。その絵本のタイトルは…
(〈きもち〉はなにをしているの? と板書)
では、いくつかの〈きもち〉に、何をしているのか聞いてみましょう。
(絵本の絵と合わせて少しずつ言葉を提示。1つピックアップして隠して見せても良い)
よろこびは、トランポリンでとびはねる。
かんしゃは、きみをあたためる。
じゆうは、海をわたる。
かなしみは、毛布にくるまる。
やさしさは、あらしの夜をなごませる。
いかりは、バクハツする。
ゆうじょうは、きみによりそう。きみがころんだときに。
あいは、光のたね。
先生のお気に入りは、おもいやりがしていること。何をしていると思いますか?(間をおく)おもいやりは、歩道のかたつむりに手をのばす。だそうです。
どうですか?何をしているのか想像してみると、気持ちのすべてを抱きしめたくなるかもしれませんね。そのすべての気持ちは、他でもないあなた自身の心の中に住んでいます。心の住人である〈きもち〉を、これからも大切にしてください。】
いかがでしたか?
ただ単純に「思いやり」と表現されるのと比べて、
「思いやりは、歩道のかたつむりに手をのばす。」と表現された方がなんだか愛おしい気持ちに思えますよね。
言葉というのは本当に不思議で、少し言い方や語彙が変わるだけで全く違う印象を受けます。
見えないものの言語化はその特性が尚更色濃く表れると思います。
大人でも「なるほど~」と言いたくなる言語表現が詰まった絵本。
この小話の後に読み聞かせをしてみても良いでしょう。
子どもたちと一緒に見えないものを探究する喜びをぜひ味わってください。
気になった方はぜひ、実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々、ありがとうございました。