Twitterに、とっておきの話388「知ったかぶりはやめた」の原稿をアップしました。
学校で行われる授業を受ける子どもたちの頭の中は、次の3つの状態にあります。
① 未知(知らない)
② 既知(知っている)
③ 既知なようで未知(知っているようで知らない)
授業は①の未知の状態の子どもを②の既知の状態にしていく時間というイメージが強いですが、③の既知なようで未知、つまり、知っているようで知らない状態の子どもを本当の意味で②の既知の状態にしていく時間でもあるのです。
実は、③の知っているようで知らない状態であることに自覚がない子がいます。
簡単に言えば、知ったかぶり状態の子です。
では、自覚すればすぐに直そうと思うかというとそのまま知ったかぶりでいようとする子もいます。
なぜなら、知っている状態は精神的に安定しているからです。
自分から知らないことを浮き彫りにして学ぶ姿勢をつくることは意外と難しいものです。
そんな時、今回の話をきっかけに知ったかぶり状態から脱け出す子が現れれば、子どもたちの学ぶ姿勢は変わっていきます。
それでは原稿を読んでみましょう⇩
【(知ったかぶり と提示)
みなさんは,知ったかぶりをしたことはありますか?
自分の周りにすごくかしこい人がいると,何も知らない自分がなんだか恥ずかしくなることがありますよね。
そんな時,人は思わず知ったかぶりをして,知っている人のフリをしてしまうものです。
でも,知ったかぶりの人にはその後,こんな苦労が待っています。
(本当は知らないじゃんという減点 と提示)
知っている=100点だとすると,知ったかぶりがバレる度に点数が引かれていきます。
100点知らないじゃん。90点だ。じゃあこれは本当に知っている?知らないじゃん。80点だ。・・・というように,どんどん点数が減っていくのです。
(知ったかぶりをやめると点数は増えていく と提示)
知ったかぶりをやめると,最初こそ知らない0点からスタートしますが,その後は「知らなかったことを知る」連続で,どんどん点数が増えていきます。周りの人もどんどん教えてくれるようになります。いつしか100点満点にたどり着けるでしょう。
どんどん点数が減っていく知ったかぶりの人と,どんどん点数が増えていく知ったかぶりをやめた人,みなさんはどちらの人になりたいですか?
今,何か知ったかぶりをしていることがある人は,勇気をもって「実は知らない」と宣言してみませんか?
その後はどんどん点数が増えていきますよ?】
いかがでしたか?
この小話が教えてくれるメッセージは知ったかぶりをやめようですが、裏のメッセージも込められています。
それは、「大人も知ったかぶり状態から脱け出せない人がいるよ」というファクトです。
このように、「今君が悩んでいることは大人でも同じように悩んでいる人がいるんだよ」というメッセージを込めることで聞き手である子どもの共感性が高まることがあります。
その上で、「君と同じような悩みを抱えていた大人が、こんなふうにして脱け出せたんだよ」というエピソードを伝えれば、勇気を出して一歩踏み出せるきっかけとなります。
大人も同じように悩んでいることをさらけ出す。
そんな自己開示を通して、子どもとの信頼関係は築かれていきます。
さて、素材となったのはまたもやYouTubeチャンネルから。
中田敦彦さんの対談ゲスト、寺田有希さんの言葉からでした。
最近はテレビよりもYouTubeチャンネルから素材を得ることが多くなりました。
これも時代ですかね。
気になった方はぜひ実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
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