Twitterに、とっておきの話370「様子が変・・・」の原稿をアップしました。
自分の周りの人に寄り添うためには、どんな時に寄り添ったら良いのか見極める目を育てることも大事です。
例えばそれは、違和感をキャッチするアンテナの高さとも言えます。
今回の話は、「様子が変・・・」を合言葉に、子どもたちにそんな違和感をキャッチする視点を意識してもらう話です。
内容としては「様子が変・・・」の先に自殺しようとしていた女性の存在が伝えられるので、聞き手の実態によっては重たくなり過ぎないように配慮して話すことをお勧めします。
しかし、こうした自殺のような重たいテーマで悩んでいる人を救うのも、寄り添うことが第一歩であり、そのために違和感をキャッチする視点を意識することが大事なのです。
それでは原稿を読んでみましょう⇩
【(ようすがへん・・・ と板書)
様子が変だなぁという人に出会ったこと,みなさんはありますか?
今日は,タクシー運転手さんの話を紹介します。
ある日,タクシー運転手さんは一人の女性をタクシーに乗せました。
乗り込んできた女性は身軽で,普通の運動靴。
でも,向かう先は山。日が暮れ始めている頃で,登山をするのもおかしい時間。返事も上の空
タクシー運転手さんは思いました。
これはいかんわ。もしかして自殺しようとしているのか。でも違ったらどうしよう。
運転手さんは,意を決してたずねました。
違ったらごめんやけど,命を絶とうとしているんと違う?
そうして運転手さんは,自殺しようとしていた女性を止めることができたそうです。
(気づく力とたずねる勇気 と板書)
この運転手さんがまずすごいのは,気づく力があることです。初対面の人だった女性をよく観察して,様子が変だと気づく力がすばらしいですよね。
さらにすごいのは,違ったらどうしようと思いながらも勇気を出してたずねて確かめたことです。初対面の人にここまで踏み込んで質問できたのはすごいですよね。
みなさんの周りには,初対面ではない仲間や家族がたくさんいますよね。
あなたには,様子が変だと気づく力や,大丈夫?と確かめる勇気がありますか?
いざという時に,大切な人を守れる人になってくださいね。】
いかがでしたか?
このタクシー運転手さんのすごいところは2つあります。
1つ目は、気づく力。初対面の女性を観察する力が違和感のキャッチにつながります。
2つ目は、初対面でも声をかける勇気。助けたいという真っ直ぐな思いを感じます。
例えば4年生の子どもたちは、総合的な学習の時間で福祉について学ぶことがあります。
障がい者や高齢者に寄り添うことの大切さを学びます。
しかし、実際にそうした人を見た時、行動に移せるかは別問題です。
今回の話のように、自殺を考えている人以外にも、いざという時に寄り添っていきたい人は世の中にたくさんいます。
だからこそ、初対面であるないに関わらず、観察力や勇気が大事であり、それが行動につながるのです。
今回の話を通じて、いざという時に寄り添って行動できる子どもたちが増えたら幸いです。
タクシー運転手さんは、日々いろんな乗客と車内で出会っていますよね。
だからこそ、人間観察力は鍛えられていますよね。
そういう意味でいくと、教員も日々いろんな人と校内で出会っていますよね。
だからこそ、人間観察力は鍛えられているはずです。
そんな教員が子どもたちに小話をする時、きっと熱をもって話せると思うのです。
学校現場で話すのにぴったりなテーマだと思いませんか?
人間観察力だけでなく、勇気をもって行動する大切さも含め、熱をもって伝えたいですね。
きっとその熱は聞き手の子どもたちに伝わり、いざという時に大切な人を守れる人へと成長していくことでしょう。
気になった方はぜひ実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
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