Twitterに、とっておきの話297「レジ打ち場で涙」の原稿をアップしました。
聞き手が子どもたちだとすると、
疲れた大人
悩んでいる大人
そして、疲れや悩みを乗り越えた大人
のエピソードは意外と素材になるものです。
そこで、子どもたちに向けて次のように話し始めます。
【大人になったからと言って何でもできる訳ではないのがこの世の中の厳しいところです。
みなさんは、仕事で疲れた顔をしている大人を見たことがありますか?
勉強が上手くいかなくて悩む子がいるように、仕事が上手くいかなくて悩む大人もいます。
でも、そんな悩んでいる大人にも一人一人に素敵なエピソードがあります。
今から話すのはある女性の話です。】
ここから話が長くなってしまっていますが、子どもたちにも分かるように話そうとすると長くなってしまいがちですね。
どんなエピソードか考えながら読んでみてください↓
【主人公は小さなスーパーで働く女の人。
別に特別な人ではありません。
スーパーマーケットに行くとレジ打ちをしているお姉さんがいるでしょ?
(レジ打ちの写真を提示)
今まで転職を繰り返してきたお姉さんは、レジ打ちの仕事にも不満をもっていました。
ある日、田舎のお母さんから「実家に帰っておいでよ」と言われ、帰ると偶然子どもの時に書いた日記を見ます。
日記を読みながら、ピアニストを目指して必死だった子ども時代の自分を思い出します。
あの頃に比べたら逃げてばかりの大人の自分。
お姉さんは「もう少しここでがんばる」とお母さんに言い、次の日からレジ打ちの仕事をもっとがんばるようになります。
ピアノの鍵盤のようにレジ打ちの仕方を学び、だんだん余裕ができてきたお姉さんは、お客さんとおしゃべりするようになります。
一人ひとりのお客さんとのおしゃべりが楽しくなってきたお姉さん。
時には「今日はマグロよりカツオの方が安いですよ」なんてアドバイスをするようにもなりました。
ある日、いつも以上にスーパーの中がお客さんで大混雑の時がありました。
みなさんもレジでおうちの人と並んだ経験があれば分かると思いますが、少しでも空いているレジを探しますよね。
(レジが混んでいる写真を提示)
でもね、この日は不思議なことが起きたんです。
なんと、5つあるレジのうち、お客さんが並んでいるのは自分のレジだけ。
他のレジには、誰も並んでいないではありませんか!
店員さんが「お客さん、空いているレジへお並びください」と言うと、お客さんの一人がこう言ったそうです。
放っといてちょうだい。
私はここに買い物に来ているんじゃない。
あの人としゃべりに来ているんだ。
それを聞いて泣き崩れるお姉さん。
実はこれ、本当にあった話だそうです。
上手くいかなくて悩むのは大人だって当たり前です。
でも、乗り越えた先には、こんな素敵な体験が待っているかもしれません。
みなさんが素敵な大人になれるよう願っています。】
このエピソード素材から学べることは、困難を乗り越えた先に待っている幸せがあるということだけではありません。
レジ打ちのお姉さんの姿勢も学べますよね。
お客さんを大事にする温かい心や前向きな姿勢がお客さんに伝わっていたからこその出来事だと思うのです。
困難を経験した人こそ優しくなれるような気がします。
お客さんの困難に寄り添えるお姉さんだったのでしょう。
これはレジ打ち場でなくても同じです。
こんな優しさができるような人でありたいですよね。
いつの間にか買い物ではなく、お姉さんとしゃべることが目的になってお客さんが来ているということは、お姉さんの人間性が惹きつけた結果の混雑ですよね。
教師からすると、次のように言われたら嬉しいのでしょう。
「私は学校に来ているんじゃない。先生としゃべりに来ているんだ。」
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