Twitterに、とっておきの話262「建物からのメッセージ」の原稿をアップしました。
突然ですがみなさんは、
建物
を事細かく見た経験はどれくらいありますか?
建築業に関わっている人でもなければ、あまり意識して建物を見たことがない人が多いと思います。
建物が視界に入っていたとしても、景色の一部程度の認識でしょう。
しかし、そんな建物の中には、
そうだったのか!
と発見のあるメッセージが込められて建てられた物もあるのです。
今回のとっておきの話で紹介される代々木体育館はそんな建物の一つ。
遡ること昭和36年10月、東京オリンピックの試合会場として2年で建てようという計画が立ちました。
しかし、完成したのはオリンピック開催日のわずか39日前というギリギリなスケジュールでした。
その裏には、建築家の丹下健三さんの
「日本のオリンピックのシンボルとなるような建物にしたい」
という思いがありました。
今までにない作り方を提案し、周りの人から不可能と言われても諦めず、予算オーバーとなってしまった8億円をなんとかするため、政治家のもとへ一人で頼み込んでお願いしにいきました。
そんな努力によって作られた代々木体育館に丹下さんが込めたメッセージは、これです。
一体感
当時の日本は戦争に負けたばかり。オリンピックをきっかけに、みんなで一体となってがんばろうという気持ちをこめたそうです。
では、どのようにして一体感を出す建物にしたのか。
実は、代々木体育館には柱が1本もないのです。
私は今までこの素材に出合うまで、恥ずかしながら代々木体育館の中を見たことがありませんでした。
当時、テレビ画面いっぱいに映し出された代々木体育館の柱が1本も無いからこその内部景色に感動しました。
それは、こんな景色でした。
いかがでしょうか?
この迫力のある大空間。
まさに柱を無くして一体感を生み出していると言えます。
こうした建物からのメッセージを知った上でその建物を見るのと、知らずに見るのとでは大きな差があります。
知るからこそ感じる。
ここにとっておきの話の醍醐味の1つが含まれていると思うのです。
気になった方は、ぜひ実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
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