2021年10月6日水曜日

とっておきの話261「使命を果たす時」の裏話

Twitterに、とっておきの話261「使命を果たす時」の原稿をアップしました。

とっておきの話261「使命を果たす時」の原稿



今回のとっておきの話のテーマは、

使命

です。


「使命」は、「命を使う」と書きますよね。

与えられた任務を果たす、もっと言えば自分の命を使ってでも受けた仕事はやり通すという意味です。


当時、まさに「使命」を全うしていると感じたエピソード素材に出合いました。



みなさんは、「地下鉄サリン事件」という事件をご存知ですか?

日本では戦後最大のテロ事件だと言われるほど、その内容は悲惨なものでした。

無差別にいろんな人が行き交う地下鉄に「サリン」という毒ガスがまかれ、13人が死亡、6000人が被害にあいました。


しかし、その事件の次の日から、地下鉄は安全に運転を再開していました。

つい昨日は毒ガスがまかれていたのに。

そこで活躍したのが、自衛隊化学学校教官だった中村勝美さんです。




当時化学学校に通う自衛隊は、戦後一度も出動した経験がなく、「悪魔の部署だ」と陰口を言われる立場でした。

そんな中村さんにとって、初めての出番となったのがあの事件だったのです。

しかも、初めてにも関わらず、チームを率いるリーダーの一人に抜擢されてしまったのです。

 

自衛隊の活躍により、蔓延する毒ガスを浄化し、地下鉄内はきれいになりました。

しかし、本当に安全に運転を再開できるまできれいになったのかは、だれも分からなかったし、そのための機械も当時はなかったのです。

サリンという毒ガスは、0.1gでも肌に触れるとすぐに死ぬほどの猛毒。

空気中にただよっていても、色もなければ匂いもないのです。


そんな中で、本当に安全かどうか確かめるために、中村さんはどうしたかというと...




自分の身体を実験台にし、深呼吸をして確かめたそうです。




自分が死ぬかもしれないのに、です。

まさに自分の命を使ってでも仕事を全うした「使命」ですよね。




このエピソードを初めて聞いた時、衝撃を受けました。

本当に自分が死ぬかもしれないのに使命を全うする人の存在に感動を覚えました。


聞き手に伝えたいのは、「使命を全うするという姿勢」です。

勘違いしてほしくないのは、命を投げ出すことを良しとしている訳ではありません。

命は大切です。使命だからと言って簡単に命を投げ出す姿勢は良しとしたくありません。

一方、使命を全うするという姿勢そのものは、前向きな姿勢として大切に伝えていきたいです。


このように、出合った素材をどのように切り取り、その絶妙なニュアンスを上手く伝えるためにどう話すかは話し手の腕次第です。

勘違いされて聞き手に受け取られないように注意しながら、熱意をもって話したいですよね。



ちなみに今回の素材、テレビ番組から入手しています。

テレビ番組には、正直「余計な時間」というものが多いです。

CMが挟まり、スタジオトークが挟まり、肝心のエピソードは長尺となります。

だからこそ、端的にまとめてとっておきの話で話すことで、自分がどこに感動したのかを整理できますし、聞き手にも分かりやすく伝えることができます。



気になった方は、ぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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