Twitterに、とっておきの話261「使命を果たす時」の原稿をアップしました。
今回のとっておきの話のテーマは、
使命
です。
「使命」は、「命を使う」と書きますよね。
与えられた任務を果たす、もっと言えば自分の命を使ってでも受けた仕事はやり通すという意味です。
当時、まさに「使命」を全うしていると感じたエピソード素材に出合いました。
みなさんは、「地下鉄サリン事件」という事件をご存知ですか?
日本では戦後最大のテロ事件だと言われるほど、その内容は悲惨なものでした。
無差別にいろんな人が行き交う地下鉄に「サリン」という毒ガスがまかれ、13人が死亡、6000人が被害にあいました。
しかし、その事件の次の日から、地下鉄は安全に運転を再開していました。
つい昨日は毒ガスがまかれていたのに。
そこで活躍したのが、自衛隊化学学校教官だった中村勝美さんです。
当時化学学校に通う自衛隊は、戦後一度も出動した経験がなく、「悪魔の部署だ」と陰口を言われる立場でした。
そんな中村さんにとって、初めての出番となったのがあの事件だったのです。
しかも、初めてにも関わらず、チームを率いるリーダーの一人に抜擢されてしまったのです。
自衛隊の活躍により、蔓延する毒ガスを浄化し、地下鉄内はきれいになりました。
しかし、本当に安全に運転を再開できるまできれいになったのかは、だれも分からなかったし、そのための機械も当時はなかったのです。
サリンという毒ガスは、0.1gでも肌に触れるとすぐに死ぬほどの猛毒。
空気中にただよっていても、色もなければ匂いもないのです。
そんな中で、本当に安全かどうか確かめるために、中村さんはどうしたかというと...
自分の身体を実験台にし、深呼吸をして確かめたそうです。
自分が死ぬかもしれないのに、です。
まさに自分の命を使ってでも仕事を全うした「使命」ですよね。
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