2021年10月27日水曜日

とっておきの話279「心の中で生き続ける人」の裏話

 Twitterに、とっておきの話279「心の中で生き続ける人」の原稿をアップしました。

とっておきの話279「心の中で生き続ける人」の原稿



突然、変な質問をします。

みなさんは、どこで生きていますか?



日本で生きてる?○○県で生きてる?今ここで生きてる?

いろいろ思ったと思いますが、人が生きている場所は、今そこにいる場所だけではありません。


実は、誰かの心の中に生き続けていることもあるのです。


聞き手を子どもたちと考え、話の導入で次のようになるべく分かりやすく例示します。


【たとえば、みなさんがおうちに帰った後、先生の心の中にはみなさんが生き続けています。

どれだけ離れていても、忘れない限り、心の中にずっといます。

先生の心の中には死んだおじいちゃんも生きています。

その人がどこにいようが、死んでいようが、忘れなければ自分の心の中で生き続けることができます。】


こうした問いかけを最初にしたのには、次のエピソード素材があったからです。


【ある日の新聞に、アメリカで行われたゴルフのアマチュア選手の大会で優勝した消防士さんの話が載っていました。

その消防士さんは、優勝後のインタビューでこんなことを言います。

「タイガーウッズの存在があるからこそ、僕はゴルフをしている」

 タイガーウッズ選手と言えば、ゴルフの神様とも呼ばれた世界で有名なゴルファーでした。

 しかし、当時は薬物法違反という罪で警察に捕まったり、不倫をしたりして世間では悪いイメージがついていました。

 そんな時でも、この消防士さんはタイガーウッズを尊敬していました。

「タイガーのようなゴルファーになりたい」と努力し続けた消防士さんの心の中には、自分に夢を与えてくれた時のタイガーウッズが生き続けていたのですね。】

 




原稿では、次のように呼びかけて締めくくっています↓


【みなさんが大人になればなるほど、心の中で生き続ける人は多くなります。

でも、その分、忘れ去られていく人も多くなります。

将来、あなたはどちらになりたいですか?

みなさんには、いろんな人の心の中で生き続ける人になってほしいと思います。】




自分の心の中に生き続けている人というのは、本気で数えたら意外と少ないものです。

流行に乗って生きていた人も、いつの間にか心の中から抜けていく人になるものです。


どこかの本で、「人の本当の死は、人から忘れ去られた時だ」という言葉があったのを思い出しました。

忘れ去られない人になるためには、誰かに夢を与えたり、努力し続けたりできる人でないといけません。


そういう意味では、タイガーウッズは少なくともこの消防士さんの心の中で生き続ける人となった訳です。


自分もいろんな人の心の中で生き続ける人になりたい。


この話を聞いた子どもたちがそんなふうに思ってくれたら幸いです。




気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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