Twitterに、とっておきの話280「白紙の手紙でも・・・」の原稿をアップしました。
今回のとっておきの話のテーマは、
悩み相談
です。
【みなさんは、だれかの悩みの相談に乗ったことがありますか?
無いと言う人も、これから身近な人から、悩みを相談されることがあるかもしれません。
しかし、人の悩み相談に乗るというのは簡単なことではありません。
良かれと思って言ったことが逆に相手を傷つけてしまったり、顔は悩んでいるのに何もしゃべってくれなかったりします。】
こんな切り出しから始まるお話ですが、大人でも悩み相談に乗るのは難しいものです。
大人だって良かれと思って言ったことが逆に相手を傷つけてしまうこともあります。
だからこそ、子どもにとっては尚更難しいのでしょう。
よく教師は「子ども同士で助け合う」ことを良しとして伝えています。
しかし、今回の悩み相談もそうですが
具体的にどう助け合えば良いのかというヒント
が無いと、ただ綺麗事を伝えているだけになります。
今回の素材は、映画のワンシーンで感動したもの。
その後小説を読み返し、とっておきの話にするのを決めました。
紹介するヒントは、「一見、相手が何も反応していない悩み相談でも」こちらがどう動けば良いのかという具体的例示です。
なので、次のように話をつなげます↓
【例えばみなさんは、悩んでいる顔をしている友達が、何度聞いてもずっと黙ったままだったらどうしますか?
今日はそんな時のヒントになるようなお話を紹介します。】
小説のタイトルは、『ナミヤ雑貨店』。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、次のようなシーンです↓
【ある街に、ナミヤ雑貨店というお店がありました。
でも、ただの雑貨店ではありません。
お店のポストに悩みを書いた手紙を入れると、店長のおじさんが返事を書いてくれるんです。
ナミヤ雑貨店には、様々な人が、様々な悩みを書いた手紙を入れていきました。
店長のおじさんは、一つ一つ、丁寧に返事を書いてはその人たちを励ましてきました。
ある日、おじいさんが病気で倒れ、もうすぐ亡くなってしまうという時に、最後の手紙がポストに入れられました。
ある男の子が入れたその手紙は、なんと、こんな手紙でした。
(白紙の手紙 と板書)】
『ナミヤ雑貨店』の「ナミヤ」は「なやみ」を並び替えているのでしょうね。
ここまで聞くと、おじいさんにとって最後の悩み相談が「白紙」ということに驚きますよね。
普通は、白紙の手紙だったら返事なんて書かないですよね。
一見、何も悩みを書いていないように見えるのですから。
しかし、この物語のおじいさんは違ったのです。
その感動を印象付けられるように、おじいさんの返事は話の締めくくりにもってきています。
次のように話を続けていきます↓
【みなさんが店長のおじさんだったら、白紙の手紙にも返事をしますか?
白紙なので誰がどんな悩みを持っているのかもわかりません。
でも、店長のおじさんは最後の力を振り絞って、この白紙の手紙に返事を書きます。
どんな返事か知りたいですか?
こんなお返事です。(以下の文面を、ゆっくり読み聞かせる)
さて、名無しの権兵衛さんへ。
頭にむち打って考え抜いた結果、これは地図がないという意味だなと解釈いたしました。
あなたの地図は、まだ白紙なのです。
だから目的地を決めようにも、道がどこにあるのかさえもわからないという状況なのでしょう。
地図が白紙では困って当然です。
誰だって途方に暮れます。
だけど見方を変えてみてください。
白紙なのだから、どんな地図だって描けます。
すべてがあなた次第なのです。
何もかも自由で、可能性は無限に広がっています。
これは素晴らしいことです。
どうか自分を信じて、その人生を悔いなく燃やし尽くされることを心より祈っております。
悩み相談の回答を書くことは、もうないだろうと思っておりました。
最後に素晴らしい難問をいただけたこと、感謝申し上げます。 ナミヤ雑貨店
どんな悩みでも相手に精一杯寄り添う。それが悩み相談の極意なのかもしれませんね。】
白紙の手紙にこの返事はすごいですよね。
おじいさんの生き様も感じられます。
ここで伝えたいのは、あくまで具体的なヒントであってテクニックを真似しろという訳ではありません。
大事なのは「どんな悩みでも相手に精一杯寄り添う」という姿勢です。
悩み相談に乗るのは難しい。
しかし、精一杯寄り添う姿勢は意識し続ければ身についてくるはずです。
気になった方はぜひ実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
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