Twitterに、とっておきの話264「花火が見えます」の原稿をアップしました。
人はマニュアルがあると安心する生き物です。
例えば、話型。
どのように話したら良いのか分からない子のためのマニュアルです。
0から話すのと比べ、ある程度の道筋が定まっているので乗り越えるハードルが低くて済みます。
一方、マニュアル通りに慣れていくと、臨機応変に動けなくなるのもまた人間です。
今回のとっておきの話は、そんな臨機応変な動きの中でも
機転を利かせる
を見事にやってのけた電車の車掌さんの話が素材になっています。
電車の中には、こんなアナウンスが聞こえてきます。
「間もなく~○○駅~出口は右側です。」「次は~○○駅~○○線にお乗り換えの際は~」
こうしたアナウンスの言葉は、車掌さんにとってまさにマニュアルです。
電車に一度でも乗ったことのある人なら、誰しも聞いたことのある言葉でしょう。
しかし、いつもとは違うアナウンスをした車掌さんがいました。
ある日、電車に乗っていると、こんなアナウンスが聞こえてきたのです。
皆さま、ただいま進行方向右手に花火が見えます。
花火は一瞬見えて一瞬で消えてしまうものですよね。
この車掌さんは、次の駅が何かという情報よりも、一瞬だからこそお客さんに今見つけてほしい花火を教えてあげようとしたんですね。
ちょうど仕事帰りで疲れていたお客さんは花火を見つけるとみんな笑顔がこぼれたそうです。
初めてこの素材に出合った時、東京スカイツリーや夜景ではなく、一瞬で消えてしまう「花火」を取り上げてアナウンスしたところに、車掌さんの優しさや機転を感じました。
こんな時にこんな風に言いなさいと決まっていることはたくさんあります。
聞き手が子どもたちだとすると、学校生活でそんな場面がないかを探します。
今回のとっておきの話では、あいさつの言葉を変えてみることを次のように例示して話を締めくくっています。
【たとえば、朝学校で友達に会ったら「おはよう」と言うものですよね。
でも、時にはこの車掌さんのように、いつもと違ったことを言ってみると相手の心を動かします。
「おはよう。今日は天気が晴れていて気持ちがいいね」と言ってみたり、「おはよう。あれ、髪切った?似合っているね」と言ってみたりするだけで、相手の反応が変わることがあります。
みなさんもいろんな言い方を試してみてくださいね。】
今回の素材は、三井住友信託銀行主催「わたし遺産」という作文コンクール入賞作品から得ています。
こうした作文の入選作品からも、ステキなエピソード素材を得られることがあります。
当時はひたすら入選作品を読み漁っていました。
自分の心にピンと来たエピソードを素材とし、とっておきの話としてアレンジを加えて作っています。
気になった方はぜひ実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
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