2021年6月14日月曜日

とっておきの話162「将来もしかしたら」の裏話

Twitterに,とっておきの話162「将来もしかしたら」の原稿をアップしました。

とっておきの話162「将来もしかしたら」の原稿




今回のとっておきの話のテーマは・・・重いです。

重いけど必要なことなので重要です。


なぜなら,数字がその重要さを物語っているからです。



40秒に1人


何のことだかわかりますか?




世界保健機関(WHO)の2014年の調査によると40秒に1人が世界のどこかで自らの命を絶っているそうです。

この40秒という数字,僕はとっても短く感じました。

そんなに速く世界のどこかで自殺していくのか,と。

今,この記事を書いている間にも,何人,いや,何十人という人が世界のどこかで自殺していると思うと,心が痛みます。


そして,日本では年間どれくらいの人が自殺していると思いますか?



答えは,

2万人以上

です。


2万を365日で割ると,54人ほどになりました。

日本であっても,毎日50人以上が自殺しているのです。

毎日50人以上ですよ?

今日だけでなく,明日も,明後日も,50人ずつ日本のどこかで誰かが自殺しているのです。

この数字は多いと思います。



もちろん,作成当時と比べ,数値は変わっているかもしれません。

とっておきの話として披露する前に,最新のデータに更新してから話すと良いでしょう。


ただ,

自殺の多さ

という意識は忘れないでいたいです。



みなさんは,次の写真がどんな場所なのか,ご存知でしょうか? 



東尋坊という場所の写真です。

有名な観光地の一つですが、自殺の名所でもあります。


ここで自殺する人を守るために、パトロールを続けているのが茂幸雄さんです。





茂さんが自殺しようとしている人を見つけた時の接し方はシンプルです。


それは、

まず話しかける。


そして、

ただそばに寄り添う。


しばらく時間がたってから、

一緒に休憩しないか?と別の場所へ誘う。


そうやって

絶対に見放さない、絶対に見捨てない

ということを伝えています。



こうした茂さんの行動は,心が弱った人を相手にどのように接したらいいのかを考えるヒントを与えてくれています。

僕も不登校傾向のある子に対して,担任としてこのような接し方をすることがあります。



考えたくないですが,将来,担任している子どもたちが大人になった時,人生に思い詰める瞬間が来るかもしれません。

だからこそ,小学生・中学生のうちに,とっておきの話を通して以下のような呼びかけをしておきたいのです。


【将来もしかしたら、あなたの身の周りの人が自殺しようと思う時が来るかもしれません。

または、あなた自身がそう思う時が来るかもしれません。


そんな時、その人にとって声をかけてあげる温かい存在になれるか、自分は一人じゃない、生きなきゃと思えるか。

それは今につながっていることかもしれません。


今、何気なく学んでいる、仲間や自分自身を大切にして生きる気持ちが、将来のいざと言う時につながっているという意識は、心のどこかに置いておきたいものですね。】



僕自身,うつ病になって「死にたい」と思った時期がありました。

自殺せずに済んだのは,家族や信頼する友達の存在があったからです。

今,とても幸せです。

僕のように救われる人が,全国にたくさん増えることを願います。


ここでは,自殺について「良い」「悪い」の明言は控えます。

しかし,実際に多くの人が自殺を選ぶ状況があり,自分の身の回りの出来事として考える重要なテーマであることは伝えたいです。


ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


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