2021年4月14日水曜日

とっておきの話108「勉強より study」の裏話

Twitterに,とっておきの話108「勉強より study」の原稿をアップしました。

とっておきの話108「勉強より study」の原稿




この人をご存知でしょうか?


 

 

2008年、ノーベル賞を受賞した物理学者の益川敏英さんです。

実は、勉強が大嫌いな少年だったそうです。



そんな益川さんは、本の中でこんなことを言っています。


【人から強制される勉強は大きらい。だいたい、「勉強」という言葉に「強いる」という文字が入っているのが気に入りません。先生や親に尻をたたかれてイヤイヤやらされたり、人の顔色を気にしながらする勉強が、楽しいはずがありません。】



確かに、勉強という言葉には「強いる」という言葉が入っていて、やらされている感じがしますよね。

子どもたちの中にも、勉強はやらされているものだと思っている人がいるものです。


それは,勉強させるものだと思っている教師がいるからです。

教師は「教える人」という固定観念の話は前回のとっておきの話でもしました。



一方,益川さんは「勉強」という言葉を使いません。

studyをしよう

と言います。


益川さんは、本の中で次のようなことも言っています。


【それに対して、日本語の「勉強」にあたる英語の「study」の語源には、「知る楽しみ」という意味があるそうです。

ぼくは、この「study」にこそ、本来の学ぶことの意味が込められていると思います。

自分の知らないこと、知りたいことが理解できるようになるというのは、とても楽しいことだからです。

現にぼくはそうやって、子どものころから数学や理科を楽しんで学んできました。

ですから、ぼくはみなさんには、学校の教室を「勉強」する場ではなく、新しい知識を「study」しながら、吸収していく場として考えてほしいと思います。】


学校の子どもたちは,「知る楽しみ」を味わいながら授業を受けているでしょうか?


これは,教師にとっても戒めの問いになりそうです。

「勉強」と「study」の決定的な違いが「知る楽しみ」があるかどうかです。


だれかに強いられるよりも,自ら知る楽しみを味わう。

そんな「study」の価値に聞き手である子どもたちが気づくといいですね。


「study」は主体的な学びを促す合言葉です。



ちなみに,益川さんはマイナスに捉えた「勉強」という漢字。

個人的には別の見方もできると思っています。

「強」は確かに「強いる」と読むとマイナスですが,

「強くなる」と読めばプラスです。

「勉めて強くなる」と読んだ「勉強」ならどうでしょう?



「勉強」が0,「study」が100なんて言う極端に偏った見方は危険です。

その言葉をどう捉えるか。

柔軟な考え方で向き合いたいものです。





気になった方はぜひ,実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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