Twitterに,とっておきの話103「背伸び読書」の原稿をアップしました。
人生で読書を一度もしたことのない大人はほとんどいません。
それは,子どもの頃からの読書習慣が身についているからこそです。
学校現場では,「読書タイム」という時間帯が一日にある学校も多いです。
読書が得意な子だけでなく,苦手な子もとりあえず本を手に取るものです。
そんな読書に対する考え方は様々です。
本屋さんに行くと,「読書」をテーマにした本の多いこと。
ある日,一冊の読書本に出合いました。
中村邦生さんの「書き出しは誘惑する」という本の中に,こんな一文がありました。
【時には少し難しいと感じられる本に挑む読書こそ大切だと思う。】
これを,中村さんは
背伸び読書
と名付けています。
「背伸び」という表現が秀逸ですよね。
みなさんは背伸びってどんな時にしますか?
自分の背だと届かないような高さにある物を取りたくて,背伸びをして少しだけ高さを上げますよね。
つまり,「背伸び」という言葉を使うことで,無理なく,少しだけ難しい読書に挑戦しようというニュアンスを伝えようとしているのです。
中村さんはさらに,次のように続けます。
【口当たりのいいものだけでは,滋養にならない。歯ごたえのあるものを咀嚼するうちに,読書のスタミナがつく。】
この「読書のスタミナ」という表現も素敵ですよね。
スタミナと聞くと,持続的な運動を行う力の容量のような意味合いに感じます。
一方,運動でなくても,読書にスタミナの意味合いを込めても良いと思います。
スポーツをする時,スタミナをどうやって付けたのかというと,
いつもよりも少しだけ負荷のかかる運動を繰り返した
ことで付けています。
読書のスタミナも同じです。
いつもよりも少しだけ難しい読書を繰り返します。
すると,難しくてページ数の多い本が読めるようになっていきます。
とっておきの話の原稿では,次のように話を締めくくっています。
【いつも推理小説ばかり読んでいる人、いませんか?
いつも絵本ばかり読んでいる人、いませんか?
いつも漫画ばかり読んでいる人、いませんか?
自分にとっては少し難しそうな本をあえて読んでみると、中村さんが言うように、読書のスタミナがついて、人生で出会う問題に対応する力がつくかもしれません。
合言葉は、「背伸び読書」です。みなさんもぜひ、背伸び読書、してみませんか?】
「いつもよりも少し難しい本を読みましょう。」
と言うだけでは,伝わってもやらない子どもがいます。
「背伸び読書をしましょう。」
といった合言葉で伝えるからこそ,やってみようかなという気持ちになる子がいます。
合言葉って大事ですね。
中村さんは,本の中で次のように締めくくっています。
【読書の積み重ねで身につける思考力や感性の経験知は、人生のさまざまな応用問題に直面したとき、意外にタフな対応を可能にする】
気になった方はぜひ,実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
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