Twitterに,とっておきの話104「生きるとは○○できること」の原稿をアップしました。
生きるとは何ですか?
と聞かれたら,あなたなら何と答えますか?
僕の好きな詩人,長田弘さんは,詩の中でこのように答えています。
生きるとは,考えることができるということだ。
どういうことだろうと思ったら,『世界は一冊の本』という詩をぜひ読んでみてください。
この詩は,こんな言葉から始まります。
【本を読もう。もっと本を読もう。もっともっと本を読もう。】
しかし,ここで出てくる「本」とは,みなさんがまず思い浮かべるような本とは意味が違います。
長田さんは,次のようにつなげます。
【書かれた文字だけが本ではない。
日の光り,星の瞬き,鳥の声,川の音だって,本なのだ。】
この後,あれもこれも本なのだという詩が続いていきます。
つまり,自分の見ている世界はみんな本になるのです。
「考えることができれば」です。
だからこそ,生きるとは考えることができるということなのです。
自分が考えることができるからこそ,世界は一冊の本として読める。
自分が考えることができるからこそ,生きている実感が湧く。
自分が考えることができるからこそ,自分の読んだ本たちは生きている。
様々な解釈ができますが,「生きる」と「考える」がこんなつながりをもつことに当時は衝撃を覚えました。
この「生きるとは考えることができることだ」の言葉の前に,長田さんは
「どんなことでもない。」という言葉を置いています。
それほど,「生きる」と「考える」は密接につながりをもっていると伝えたいのでしょうね。
この詩の素敵なところは,世界を本に喩えているところです。
私たちは,世界を見ているのではなく,読んでいるのだという新しい認識を与えてくれます。
見ると読むの大きな違いは,「考えているかどうか」だと思います。
だからこそ,長田さんは「本を読もう。」と連続して呼びかけています。
『世界は一冊の本』の詩を以下に載せておきますが,画像が小さくて読みにくい場合は検索して読んでみてください。
気になった方はぜひ,詩を読み聞かせながらとっておきの話として実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
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