2021年4月7日水曜日

とっておきの話101「トータルで考える」の裏話

 Twitterに,とっておきの話101「トータルで考える」の原稿をアップしました。

とっておきの話101「トータルで考える」の原稿



子どもたちの中には,目先の失敗ばかり気になって自信を失くしてしまう子がいます。

おれはどうせ失敗ばかりだ。。。

そんな思いを抱いている子は意外と多いものです。


そんな子に勇気を与えるような考え方。

それが今回の話で出てくる

トータルで考える

です。



こうした考え方を教えてくれたのが,世界一高い山,エベレスト登頂を成功させた登山家として有名な野口健さんです。



偉業を成し遂げた彼でも,失敗の連続だったそうです。

ある日の登頂では,命の危険に晒され,手が凍ってしまって,10本のうち7本を切断しなければならない状況になりました。

また,どれだけ自分ががんばっても,周りが褒めてくれず,自信を失くしそうになったこともあったそうです。



そんな野口さんがやってみた「トータルで考える」。

以下のように語っています。


【一回ごとに「成功」とか「失敗」といったように結論をつけるのではなく,人生をトータルで考えよう,と思いました。】


一回一回の成功や失敗ではなく,もっと全体を見渡して考えようとしたのです。

そして,次のように続けます。


【将来,いずれ死ぬ時に人生を振り返って,51%「成功」だったらよしとしよう。ならば,49%は失敗してもいいじゃないか。】


失敗がほんの少しでも,成功を下回る数字ですよね。

死ぬ時をゴールにして現在を考えることで,全体を見渡せます。


さらに,それを%を単位にして比率をイメージすることで,

「ちょっとでも成功が失敗を上回れば良しとしよう」

という考え方に変えることができます。


この考え方の素敵なところは3つあります。



① 自分が基準になる

成功や失敗の基準を他人の評価にしている人は疲れてしまいます。

他人の期待に振り回されず,自分を基準にすることで気持ちが楽になります。

トータルで考えた時,今のは失敗だったか,成功だったか。

それを判断するのは自分自身です。



② 100%を目指さない

成功100%の人生を歩んでいる人はこの世に一人もいません。

一見,完璧に見えるような人でも,数多くの失敗をしているものです。

野口さんの設定した比率は,

失敗49%でも,成功51%ならオッケー

です。

51%の成功を目指せば良い。なんだか気持ちが楽になりますよね。



③ 失敗を振り返られる

その時は失敗に見えた出来事でも,トータルで考えると,後で振り返る余裕が生まれます。

失敗を振り返った時,あの時は失敗だと思ったけど,それが現在の成功につながっていることがあります。

トータルで考えることで,失敗を失敗だと思わなくなっていきます。





学校生活においても,子どもたちはたくさんの失敗も成功も経験していくことでしょう。

目先の結果にとらわれず,トータルで考えることを大切にしてほしいですね。


気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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