2021年4月3日土曜日

とっておきの話98「78円の命」の裏話

Twitterに,とっておきの話98「78円の命」の原稿をアップしました。

とっておきの話98「78円の命」の原稿



とっておきの話の素材集めとして,とっておきな場所の1つ。

それは,本屋さんです。


特に,絵本コーナーは目を惹かれる本が数多く並んでいます。

当時,ふと目に入ってきた本のタイトルに興味を惹かれました。


78円の命


このタイトルの魅力は次の3点にあります。


① 命に値段をつけるという斬新さ

② 78円という安さ

③ 安い値段の命=つまりどういうこと?を考えさせる


そして,このタイトルの下には,悲しそうな顔をした猫の絵。




さらに,帯にはこんな言葉がありました。


【大切なのは,いのちそのものではなく,いのちをせいいっぱい抱きしめること。】


いのちは大切。

誰もがよく聞かされ,意識しているはずの言葉です。

しかし,「いのちは大切」と言いながら,実際に大切にしている人はどれくらいいるでしょうか?


この絵本のテーマは「動物の殺処分」についてですが,

「動物のいのちそのものが大切」だと伝えると,大切なのは分かるけどよく聞かされ過ぎてなんだか響きません。


一方,「いのちをせいいっぱい抱きしめることが大切」という表現で提示されると,以前とは違う受け止め方で命について考えることができます。


両者の大きな違いは,「主語」だと思います。

「動物の命は大切だよ」と言うと,主語は「動物」です。

「いのちをせいいっぱい抱きしめることが大切だよ」と言うと,主語は「飼い主」になります。


聞き手(読み手)は「飼い主」を想定しているからこそ,主語が「飼い主」の言葉が響くのです。

こうした表現の工夫がこの絵本の表紙にはたくさん込められていました。


そこで,絵本の表紙を見ただけでとっておき話を作ろうと考えました。

動物の殺処分問題は今もなお,考え続けていくべき内容です。


こうした絵本をきっかけに,子どもたちにも考えてもらいたいですね。



ちなみに私は,動物をペットとして飼った経験がほとんどありません。

亀やメダカ,金魚を飼っていたことはありましたが,犬や猫はありません。


もし,みなさんが「飼い主」をしている(したことがある)のなら,その経験をもとに,この原稿をよりアレンジしてとっておきの話づくりができるでしょう。



気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


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