2021年4月24日土曜日

とっておきの話116「そよ風のように街に出られるか」の裏話

Twitterに,とっておきの話116「そよ風のように街に出られるか」の原稿をアップしました。

とっておきの話116「そよ風のように街に出られるか」の原稿




ある日の朝日新聞の『天声人語』に,こんな言葉が飛び込んできました。


「あんたは死んだ方がしあわせやで」




誰に向けられた言葉だと思いますか?


誰だろうと、こんなひどい言葉を言う人が信じられませんよね。


実は・・・

車いすで電車に乗ろうとした男性に言われた言葉だそうです。


障害者問題総合誌という雑誌には,障害者の体験談や問題が取り上げられています。

その中で紹介されていたエピソードの1つだそうです。


この雑誌の編集長をつとめていた人が、河野秀忠さんという人です。



 この雑誌につけられたタイトルが素敵な言葉でした。

それは,


「そよ風のように街に出よう」

です。

 

 でも実際は、先ほどのひどい体験があるように、そよ風のように街に出られている障害者はまだまだ少ないかもしれません。

 

 河野さんは新聞記者に対して、

「心のアンテナを全開状態にしないと、風のように吹き抜ける幸せをつかまえられない」

と言ったそうです。それほど、私たちが思っている以上に障害者の生活は厳しいのかもしれません。


 

 先ほどまで僕は,「障害者」という漢字を使っていましたが,最近では「障碍者」と表記されるようになりました。


 この素材を見つけたのは4年前の2017年なので,当時よりも障碍者に対する偏見や差別は少なくなってきたように感じます。

 しかし,障碍者の誰もが「そよ風のように街に出られる」世の中になったかというと,そうとは言い切れません。

 まだまだ,障碍者に対する偏見や差別は根深く残っています。


 昨年度,特別支援学級の担任をしていました。

 障碍者の子どもたちと触れ合いながら,その周りを取り巻く大人や子どもの姿も気になりました。

 「特別支援」と聞いただけで偏見を語る人がいるのです。

 なかなか理解されがたい面があるのは確かですが,決めつけられるのは悲しいです。

 担任した子どもたちが将来,そよ風のように街に出られるか・・・

保証はできません。


 「そよ風のように」という表現にこの素材の魅力を感じます。

 肩の力を抜いて,体が軽くなって風と一緒に街へ出られるぐらい,周りの目を気にせずに生きていける世の中でありたいですよね。


 そよ風のように街に出られず,びくびくしている障碍者の方はまだまだたくさんいるはず。

 そうした方の存在を知らせると共に,学校現場にいる子どもたちにも,偏見と差別無く人と接する心を培ってもらいたいと思います。


 気になった方はぜひ,実践してみてください。

 ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。



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