2021年3月6日土曜日

とっておきの話72「鴨の水かき」の裏話

Twitterに,とっておきの話72「鴨の水かき」の原稿をアップしました。

とっておきの話72「鴨の水かき」の原稿




アヒルや鴨は,パッと見ただけでは,優雅に泳いでいますよね。

でも,その水面の下では,びっくりするくらい速く足をばたつかせているのです。

ご存知でしたか?


水面上の様子からは想像できないほど,水面下は必死なのです。

これを「鴨の水かき」と言います。


人はみんな,ほかの人には知らない苦労をしていることを喩えたことわざです。

どんな人も,苦労をせずに上手くいっている人はいません。


よく,何も努力せずに上手くいっているように見える人っていますよね。

でも,その人だって何か苦労をしてきたからこそ,できる人になっているのです。

見えているところだけを見てうらやましがるのではなく,見えない苦労を意識して自分も努力できる人になれるといいですね。



さて,今回の素材はことわざを活用しています。

正直,公開した原稿はまだ工夫が足りないので,どんな工夫が込められそうかを考えながら,「ことわざのとっておきの話化」についてまとめてみます。


ことわざをただ提示し,意味を教えるだけではとっておきの話にはなりません。


3つの工夫をまとめてみます。


① 画像や動画と合わせて視覚に訴える

鴨の水かきなら,鴨の写真は必要です。

できれば,水面上の様子と水面下の様子どちらもわかる写真がほしいですね。

なので,公開した原稿に貼ってある写真は「アヒル」ですし,水面上の様子しかわからないので工夫が足りません。

さらに付け加えるなら,「びっくりするくらい速く足をばたつかせている」様子のわかる動画があると,尚良いでしょう。

このように,画像や動画と合わせて視覚に訴えることで,わかりやすく,印象に残しやすい効果が得られます。


② エピソードで例示する

あの有名なあの人も,水面下ではこんなに苦労していた。こんなに努力していた。

といったエピソードを例示することで,「鴨の水かき」という言葉がより具体的に提示できます。

言葉だけの提示よりも,エピソードで例示をすることで,聞き手が具体的にイメージできる効果を得ることができます。

ことわざができた由来をエピソードとして例示するのも良いでしょう。


③ 聞き手の身の回りの人を紹介する

実は,あなたの身の回りにいるあの人も,水面下でこんなことをしていました。

といった写真があると,聞き手の興味をひく紹介になります。

どこかの有名人のエピソードだけでは,まだまだ自分からは遠い存在の話のように聞こえます。

しかし,自分の身の回りの人のエピソードが加わることで,

他人事ではなく,自分事として受け止められるようになります。


以上の3つが考えられる工夫です。

少し工夫するだけで,ことわざも十分とっておきの話の素材となります。



今回の話ではことわざを素材とした工夫を紹介しましたが,ことわざでなくても,何か良い言葉に出合った時には同じような工夫をこめることをオススメします。


世の中には,「名言」と呼ばれる言葉がたくさん溢れています。

しかし,次の2つが揃わないと,世の中では「名言」と呼ばれていても,つまらないとっておきの話となってしまいます。


① 話し手が感動した言葉か

② 聞き手が感動する提示の仕方か


まずは話し手が,その言葉に感動しているかどうかが大切です。

「名言」と呼ばれているからといって,感動もしていないのに無理やり素材にしては「迷言」となります。

よくわかっていないのに素材としてしまうと,その言葉の本質は何なのかわからないまま話をすることになります。

言葉が迷走するのです。


次に,聞き手が感動する提示の仕方ができるかどうかも大切です。

ただ意味を教えるだけでは,聞き手は感動しません。

わかりやすく

印象に残り

自分事として考えられる言葉

そう思ってもらえて初めて,その言葉に聞き手は感動するのです。




気になった方はぜひ,実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。


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