2021年3月23日火曜日

とっておきの話88「まねる力」の裏話

Twitterに,とっておきの話88「まねる力」の原稿をアップしました。

とっておきの話88「まねる力」の原稿



学ぶ=まなぶ

という言葉の由来をご存知でしょうか?


実は,「まねぶ」(まねる=真似る)から来ているのです。

「まねる」が「まなぶ」の元々の意味でした。

良い行動を真似ることができる人は,良い学びができる人なのです。



素材がこれだけだと印象が弱いので,さらにもう1つ,エピソードを付け加えます。


赤ちゃんに関するとある研究結果です。



生後たった47分しか経っていない正真正銘の生まれたての赤ちゃんでも,

新生児模倣

と言って,「見た人の表情をまねすることができる」

という研究結果が出ているそうです。



人は生まれながらにしてまねる力をもっているのです。

それはつまり,まなぶ力をもっていることと同義です。

生まれながらもっている学ぶ力を使わないともったいないですよね。



まねる力,まなぶ力は,個人だけで発揮されるものではありません。

ステキな真似し合いができる学級は,ステキな学び合いができる学級です。

集団として機能された時,まねる力やまなぶ力はさらに大きな作用を生みます。


「〇〇くんの真似をして動いてごらん」

そんな声掛けができるといいですね。

良い行動はこのようにどんどん共有して全体に広げていきたいです。


気になった方はぜひ,実践してみてください。




ここからは余談ですが,教師修行においても「まねる力」は大切です。

教員の方は,

「追試実践」

という言葉をご存知ですか?


教師修行の1つとして有名な言葉です。

まず,自分にとって憧れの先生を決めます。

こんな先生になりたい!を具現化する憧れの先輩を探すのです。

そして,その先輩の先生の実践を追試する(真似る)ことを追試実践と言います。


憧れの先生が特にいない方でも,先生方は自然と何かしらの追試実践をしています。

教科書や指導書を見ずに授業している人はいませんよね?

教員は,全ての授業を一から作っている訳ではなく,あらかじめ用意された実践を真似しながら自分の授業にしていくのです。


ちなみに,この「とっておきの話」も,追試実践されやすいものです。

僕の公開している原稿をそのままに実践された場合は,追試実践です。


追試実践に慣れてくると,自分なりにアレンジしてみたくなります。

すると,追試から離れ,より学びある実践に昇華します。

そして,その人の実践が,また誰かに追試されるのです。


学ぶ力を大切にしてきたであろう教員であっても,未だに真似る力を大切にしているのです。

人はどこまでいっても真似る生き物であり,学ぶ生き物なのです。


全てを一から作っている人は存在しません。

どれだけ天才と呼ばれる人も,必ず誰かの影響を受けて真似ているのです。


真似ることは,決して恥ずかしいことではありません。

真似上手な人は,真似され上手です。

いつか誰かに真似されるような人になりたいですね。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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