Twitterに,とっておきの話68「鬼には鬼の物語がある」の原稿をアップしました。
ある日,新聞を読んでいたら,こんな広告に出合いました。
見たことのある方もいらっしゃると思います。
「ボクのおとうさんは,桃太郎というやつに殺されました。」
と子どもの字で書いてあるように見えます。
その下の絵をもう少し拡大して見てみましょう。
泣いている鬼の子どもの絵とともに,こんな言葉が綴られていました。
【一方的な「めでたし,めでたし」を,生まないために。
広げよう,あなたがみている世界。】
当時,初めてこの広告に出合った時の僕は衝撃を受けました。
桃太郎の物語は誰しも知っている童話ですが,鬼の立場になって考えてみたことがなかったと気付かされました。
そうか,鬼にとっては一方的な「めでたし,めでたし」だったのか。。。と。
物事は一方向的に見てしまいがち。
今回の話のように,様々な人の立場になって考えてみると,その偏りを減らすことができます。
桃太郎には桃太郎の,鬼には鬼の物語があるのです。
学校生活でも,自分だけの生活がある訳ではなく,
AくんにはAくんの,
BさんにはBさんの生活があります。
子どもたちには,いろんな人の立場になって考えられる相手意識を大事にしてほしいです。
この素材は,広告コピーの言葉や書きぶり,絵や内容のインパクトがとても強い素材です。
大人の僕が衝撃を受けたように,きっと聞き手の子どもにも衝撃を与える話となるでしょう。
このように,広告コピーというのは,とっておきの話の素材になりやすいです。
なぜかというと,広告コピーは,広告したいものが読者に伝わるように次の3つの工夫が凝らしてあるからです。
① キャッチーな言葉
② インパクトのある絵や写真
③ 考えさせられる内容
これら3つの工夫は,とっておきの話にも共通する工夫です。
広告コピーは素材として,とっておきの話と相性が良いのです。
普段,電車通勤をされている方は,駅のホームや電車内のつり革上でよく広告コピーを見かけますよね。
その中に,ふと素材になりそうな広告コピーがあるはずです。
もしかしたら,あなたはもう出合っているのかもしれません。
意識して見るだけで,素敵な広告コピーに出合えますよ。
さて,ここからは余談ですが,
「鬼には鬼の物語がある」というタイトルを聞いて,
最近流行のあのアニメを思い出す人はいませんか?
そう,『鬼滅の刃』です。
このアニメの見所はたくさんありますが,
「鬼には鬼の物語がある」というメッセージを強く感じる場面がいくつもあります。
特に,鬼が死に際に思い出す回想シーンは必見です。
大概の鬼は,元々人間であり,悲哀に満ちた人生が回想されます。
鬼は倒されて終わりではないのです。
「鬼には鬼の物語がある」ことを大切にできた炭治郎(主人公)だったからこそ,
妹の禰豆子が鬼になっても見捨てずに守り続けたのだと思います。
だれもが「めでたし,めでたし」になる世界は訪れるのでしょうか。
難しいことでしょうけど,考えてみるのは大切です。
気になった方はぜひ,実践してみてください。
ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。
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