2022年2月9日水曜日

とっておきの話365「大人を育てる」の裏話

Twitterに、とっておきの話365「大人を育てる」の原稿をアップしました。

とっておきの話365「大人を育てる」の原稿



365話目の今回のとっておきの話は、タイトルからして「どういう意味?」と思える話。

普通、大人が子どもを育てるイメージが強いですよね。

今回の話は、逆に「子どもが大人を育てる」側面もあるのだと教えてくれる内容です。


きっかけは大塚製薬の広告で見た言葉。

それでは原稿を読んでみましょう⇩



 最近目にした広告に,こんな言葉がありました。

家族とは,家族全員で育てるものである と提示)



 この言葉は特に「全員で育てる」というのがおもしろいなぁと思いました。

みなさんは,おうちの人や先生という大人に育ててもらっていますよね。

 でも,全員で育てるものであるという見方をすると,その逆も言えるんじゃないかなって先生は思いました。



 実は,あなたたち子どもが,おうちの人や先生という大人を育てていると考えることもできるのです。

子どもが大人を育てる と板書)

 え,どういうこと?って思うかもしれませんよね。例えばどんなことが,大人を育てることになるのでしょう。(少し間をおいてから)先生は1つ思いつきました。

自分の気もちをつたえる➡子どもが大人を育てる と提示)

 先生は最近,赤ちゃんが産まれて育児をしています。赤ちゃんは泣いたり笑ったりして気持ちを伝えてくれますよね?すると,気づくんです。これをされるとうれしいんだ。これをされると悲しいんだ。というのがわかって,父親らしい動きができるようになっていきます。これは,成長して言葉が話せるようになっても,同じことだと思います。

 学校もそうです。このクラスのみんな一人一人の気持ちを知ることで,先生は先生らしく動くことができます。子どもは自分の気持ちを伝えることで,おうちの人や先生という大人を育てることができるのです。

 


 みなさんは,自分の気持ちを大人にしっかりと伝えていますか?

 ためこんでいる気もちがあったり,がまんして言えていない気もちがあったりする子のまわりの大人は,大人として育っていないのかもしれません。子どもの気持ちを知ることで,おうちの人や先生は大人として育っていくのです。


 ぜひみなさんは,自分の気持ちをしっかり伝えられる,まわりの大人を育てる子どもになってくださいね。



いかがでしたか?


「大人を育てる」と聞くと、大それたことをしているように感じるかもしれませんが、実はシンプルなことでいいのです。

今回のとっておきの話で紹介しているように、自分の気持ちをまっすぐ大人に伝えることも大切です。

子どもの心の中身に気付くことで、大人は動けるものです。

しかし、心の中にため込んだまま、大人に伝えようとしない子もいます。

こうした子はもったいないです。

せっかくの「大人を育てる」チャンスを逃しています。


そこで、「大人を育てる」という新しい視点を提示しながら、「自分の気持ちを素直に伝える大切さ」にも気付いてほしいと思い、今回のとっておきの話を作りました。




この「子どもが大人を育てる」という側面、学校でも家庭でも言えます。


例えば、親子の関係。

親は、自然と親になる訳ではありません。

子どもに、親にしてもらうのです。

こうした考え方が僕は好きで、自分が親になってよりその実感が湧くようになりました。


この関係性は、教師と子どもも同じではないでしょうか?

教師は、教壇に立って自然と教師になる訳ではありません。

担任する子どもたちに、教師にしてもらうのです。


つまり、子どもは大人を育てるパワーをもっているのです。

この気付きは、大人だけがしていればいいという話でもなさそうです。


理解するのは難しいかもしれませんが、子どもに聞かせることで、このステキな関係性を大事にしようと思う子が出てくると信じています。

お互いに刺激を与え合い、大人も子どもも関係なくみんなで成長していくのだという考え方が子どもに浸透してほしいです。


そんな大人を育てる子どもが育てば、世の中は明るいと思いませんか?

未来を背負う子どもたちが、今の大人たちを育てているのです。

大人を育てる、大人を超えていく子どもほど輝かしい存在はありません。

そんな子どもが育っていくことは、教育の現場に身を置く者として感動です。



365話目にふさわしいテーマの小話でしたね。

1年は365日。ある意味でまた節目を迎えた気分です。

ここまで原稿やブログを読み続けてくださった方々、本当にありがとうございます。

これからも形を変えながら、この活動を続けて参ります。

よろしくお願いします。



気になった方はぜひ実践してみてください。

ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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