2021年6月16日水曜日

とっておきの話164「過ぎ去れば二度と戻れない」の裏話

Twitterに,とっておきの話164「過ぎ去れば二度と戻れない」の原稿をアップしました。

とっておきの話164「過ぎ去れば二度と戻れない」の原稿




今回のとっておきの話のテーマは時間です。




時間は過ぎ去れば二度と戻れないものですよね。

でも,私たちは時間の有限性をそれほど意識して生活していません。



話の導入で,次のように問いかけます。


(二度と戻れない と板書)

今日は何の話だか予想がつきますか?



とっておきの話を聞くのに子どもたちが慣れてくると,

「今日はどんな話だろう?」

と予想しながら聞く子が現れます。


そうした時期に,こんな問いかけから話し始めるのも1つのテクニックです。



少し間をおいてから,

時間

と正解を言います。



ここから,ドラえもんの漫画の1コマにつなげていきます。


こんな素材です↓


のび太:なんだ,これは。

ドラえもん:時の流れだよ。このライトでてらすと目にみえるんだ。

ドラえもん:よくみておくんだね。きみがひるねしてる間も,時間が流れつづけている。

      一秒もまってはくれない。

      そして流れさった時間は二度とかえってこないんだ!!



この素材の良いところは,セリフとともに描かれる絵のインパクトです。

時間の流れを可視化し,のび太の表情を通して

「流れさった時間は二度とかえってこない」

というドラえもんのセリフを強調しています。


時間の流れは,私たちが思っている以上に高速で流れ去っていっているのです。

初めてこの素材に出合った時,そんな衝撃を覚えました。



この衝撃を聞き手により伝えるために,

今の時間を黒板に書いている間に,今の時間ではなくなる。

という演出を取り入れました。



【今は、20△△年△月△日、(午前・午後)□時□分□秒ですね。ちょっと書いてみましょう。

(その時の時刻を細かく板書)

 では聞きます。今先生が書いたのは、本当に今の時刻ですか?(少し間をおく)

 いえ、もう過ぎ去ってしまった時間です。この時間には、もうだれも戻れませんよね。】



ドラえもんの言う通り,時間は一秒もまってはくれないのです。


 



もう1つの素材は,時間をもう少し大枠で捉えたものです。

映画「Orenge」で出てきたシーンを素材にしました。




この素材を使って,最後に次のように呼びかけて話を終えます。



【過ぎ去った時間は過去のものになります。

でも、そこからどんな過去をたどってきたかによって、今は変わります。

朝、風邪をひいている過去があったらみなさんは今、学校に来ていないですよね。

今、この話を聞いていなかったら、時間について考えて過ごす未来はなかったですよね。

どんな未来につながるかは、今のあなた次第なのです。


「時間を大切にする」ということは、口で言うほど簡単なことではありません。1分、1秒、悔いなく生きたいですね。】






時間をテーマにした素材は他にも多くあります。

今回は盛りだくさんにならないよう,2つの素材にしぼって組み合わせてみました。

みなさんもぜひ,「時間」をテーマに話づくりをしてみてください。



ここまで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

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